第10回戦:盗まれ、消費される希望
Reid Duke(アメリカ) vs. 齋藤 友晴(日本)

Posted in Event Coverage on May 18, 2013

By Nate Price

A longtime member of the Pro Tour and Grand Prix coverage staff, Nate Price now works making beautiful words for all of you lovely people as the community manager for organized play. When not covering events, he lords over the @MagicProTour Twitter account, ruling with an iron fist.

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Reid Duke(ディミーア) vs. 齋藤 友晴(ラクドス)

  ことわざにもあるように「捨てる神あれば拾う神あり」だ。プロツアー「ドラゴンの迷路」の2回目のドラフトを終えて、明らかにレイド・デュークほどに上手くやったと思える人間はほとんどいないだろう。

 厳しいドラフトを終えて、デュークはレア満載のデッキを作り上げ、マジック界のスーパースターの1人である齋藤友晴と、初顔合わせにして3ゲームの接戦を演じることとなった。

「多分初めての対戦だよね?」と4度のグランプリ王者であり、元プレイヤー・オブ・ザ・イヤーである齋藤が笑顔で尋ねた。

「はい」と自身もグランプリ王者であるデュークは応じる。「僕はあなたを長い間見てきました。大ファンなんです」

レイド・デュークと齋藤友晴は初顔合わせの機会を得て、デュークが試合を2-1でものにした。

 デュークは試合の中で、勝利に向かって彼のレア達を使いこなした。しかし、最終的に作り上げた彼の強力デッキと比べると、その道のりは常に明るいわけではなかった。彼のドラフトは先を読むのが信じられないほど難しく、ドラゴンの迷路のピックが終わった段階では明確な方向性が見つけられなかった。ギルド門侵犯で《破壊的な逸脱者》を引き当てた後、ディミーアへ参入したことで、爆弾レアが爆弾レアを呼ぶ形で報われた。最高の瞬間はこのマッチでもゲームの行方を決めることになった《魂の代償》が非常に遅い順目で回ってきた時だ。ディミーアはギルド門侵犯のドラフトでは負け組とされ、ブロック全てが揃ったドラフトではより評判が悪くなったのだが。

 デュークが1ゲーム目の序盤で最初にプレイしたレアは、2枚あるうち1枚の《突然の衰微》で、《貴重な発見》と組み合わさって、齋藤の序盤の攻勢をさばき切った。齋藤のラクドスデッキは2ターン、3ターンとクリーチャーを繰り出したが、1度として攻撃へ向かうことはなかった。この《突然の衰微》によって与えられた時間で、デュークは《破壊的な逸脱者》《冒涜の悪魔》、そして《身分詐称》を次々と着地させた。どれか1枚だけでは齋藤を食い止めるのに不十分だっただろう。齋藤の《高射砲手》がデュークに9点のダメージを与えて、彼のライフは危険水域まで落ち込んだ。しかし、強力レアの組み合わせは、齋藤から勝ち目を全て奪い去った。

デュークのデッキには有り余る強力なレアがあり、その中には怪物級のディミーアのカードが含まれている。

 第3ゲームの主役となったのはさらに別の爆弾レアで、試合の天秤を早い段階でデュークへと大きく傾けた。2枚の《凍結燃焼の奇魔》に立ち向かい、齋藤から多大なアドバンテージを得るために、デュークは《魂の代償》を使った。齋藤がクリーチャーを取り返すために捨てざるを得なかった《ラクドスのドレイク》と《死の歓楽者》は、デュークの地上の守りに大きな関連があるものだった。デュークの落としたゲームは《ラクドスのドレイク》だけでライフを半分持っていかれたため、このアドバンテージはとてつもなく大きいものだった。

 齋藤は2枚の《凍結燃焼の奇魔》で均衡を保とうとし、なんとかそれぞれ《破壊的な逸脱者》と《ロッテスのトロール》と相打ちをとることができた。もっとも、最終的に《冒涜の悪魔》と《迷路の嫌悪者》は齋藤が対処するには強力すぎた。

「僕もちょっと土地が不足していました」とデュークは《魂の代償》についての議論の中で振り返った。「前のターンに4枚目の土地を置けていなかったけど、《魂の代償》の2枚のドローで手に入れて、なんとかなりました。試合を立て直すのに必要なカードを引くことができました」

 齋藤が何とか勝ち取ったゲームでは《護民官のサーベル》を装備した《ラクドスの激怒犬》が、毎ターン効果的な《The Abyss》として機能したが、それでもデュークはレアの力でおおむね対処ができたのだ。

齋藤は攻撃的なドラフトデッキで1ゲームは何とか勝利を挙げたが、マッチを勝ちきるには十分ではなかった。

「僕は手札にずっと《花崗岩の凝視》を抱えていましたが、より貪欲に使おうとしました」彼は考えながら言った。「もしそれを早い段階で使ってしまっていたら、確かに《護民官のサーベル》と何かしら他のクリーチャーを殺すことはできたでしょう。でも、その段階ではあまり有効ではありませんでした。もし彼が《穴開け三昧》のような何かが僕の後続のブロッカーに追い討ちをかけたら、大きなトラブルに陥っていたでしょう。」

試合メモ:デュークは試合後、簡潔に彼のドラフトを説明した。

「僕のファーストピックはまったくもって平凡なもので、ギルド門と比較して、《上昇する法魔道士》を取りました。他には本当に何も無かったのです。次の数ピックで《尖塔のロック鳥》と《盗まれた計画》を手に入れましたが、その後は取るものが何もなくなってしまいました。そのパックが終わって手元にあったのは、使用に値するカードがたったの4枚とギルド門だけで、ゴルガリに白か青をタッチすることになるんだろうなと思っていました。《破壊的な逸脱者》を引き当てた時、心を決めました」

 齋藤のデッキには3枚の《凍結燃焼の奇魔》が入っていて、デュークとの最終ゲームでそれらを全て引いた。おかげで最初のうちは、デュークのブロッカーたちに対して上手く試合を運ぶことができたが、試合を長引かせないためにパンプアップしてダメージを通さなければならないというジレンマに陥り、そのせいで盤面を構築することができなかった。


(Tr. Masashi Koyama)

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