第7回戦:突撃を率いて
Brian Kibler(アメリカ) vs. Darwin Kastle(アメリカ)

Posted in Event Coverage on May 16, 2014

By Adam Styborski

Stybs has played Magic the world over, writing and drafting as part of the event coverage team and slinging Commander everywhere his decks will fit.

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ブライアン・キブラー/Brian Kibler(黒青緑コントロール) vs. ダーウィン・キャスル/Darwin Kastle(白単英雄的)

 プロツアー殿堂顕彰者であるブライアン・キブラーはメディアを席巻する男だ。彼の書く記事、ブログの投稿、ソーシャルメディアにおける一個の人間以上の存在感によって、このプロツアー2回優勝を誇る王者は、プロツアーでも最も有名な顔の一人となっている。マジックをプレイ中の彼の姿を描いた肖像を買うかもしれないほどのファンなら、その来歴を検索し、彼の天敵ともいえる存在を知るべきかもしれない。

 その宿敵の名は、ダーウィン・キャスル。同じくプロツアー殿堂顕彰者である。ではここで、ゲーム前の会話を例として聞いてみよう。

「最後に対戦したのはアメリカ選手権……2010年ですか」 キブラーが聞く。

「ああ、そんなところだろう。昔はもっと対戦したものだがな」 同じく不確かそうに、キャスルが答える。

「何度も負かされたものです」 キブラーは回想する。

「それは私が多くプレイしていたからさ。ところで信じられないんだが、エリック・フローリッヒ/Eric Froehlich(世界ランキング22位)とジョシュ・アター=レイトン(同13位)と対戦したのに、フィーチャーマッチに選ばれないんだな。私がここに呼ばれたのは君だからではないかと思う」

「ああ、ふたりとも殿堂ではないですからね」 キブラーは簡潔な言葉で切り上げた。彼は、第6回戦のルイス・スコット=ヴァーガス/Luis-Scott Vargasの観戦記事でも登場した、チームが組み上げた黒青緑のコントロールデッキを駆っている。一方、キャスルはより直接的なアプローチを試みていた。

殿堂顕彰者であるダーウィン・キャスルとブライアン・キブラーはプロツアーにおいて長年のライバルである。しかしキブラーのキャスルに対する生涯成績は悲惨の一言だ。彼は今日、それを変えることができるだろうか?

 マット・スパーリング/Matt Sperlingの2色版英雄的デッキ・アーキタイプとは異なり、キャスルの英雄的デッキは《》を廃したものだ。どのように彼は岐路を選択したのか? 「私がこのプロツアーへの準備を始めたのは土曜日だった――ついこの前のだ」 キャスルはそう認めた。「テスト用にいくつかデッキを組んだが、テストは日曜日まで始められなかった。わずかな数のゲームを除いて、私は仕事に本当にわずかな余裕しかなく、複雑なものを組み上げることはできなかったんだ。そこで我々(同じくプロツアー殿堂顕彰者で長年の友であるロブ・ドハティ/Rob Doughertyを指す)はオンラインで上手く出来ているものを探し、組むことにした。せめてそれを改良はできると思ったのだ。そして我々はより習熟しやすいという理由から、単色デッキに焦点を絞った。私は対戦相手が何をプレイしてくるかを心配していたが、速やかに倒してしまえるなら問題はないのだ」

「私が気に入ったもののひとつは白青英雄的だった」 キャスルは続けた。「残念ながら、負けるときはマナの問題だった。必要なときに一方の色が得られなかったのだ。ロブは私に、同じくらい強力な白単色版を組むことができれば、色マナの問題を抱えずに済むと指摘した」

 では、キャスルのデッキと多色版で異なる部分は何か? 「私の大きな工夫は《船団の出航》だ」 キャスルは言った。「奮励(コスト)は無色だ。このカードは私にとって発見だったのだ。それは我々の小さなテスト・プールで比較的良く働いた。もっと複雑なデッキに切り替えていくという考えは魅力的ではなかった」

 なぜキャスルのアグロ・デッキはプレイヤーたちを素早く倒してきたのか? 「多くが3色のデッキをプレイしていて、ドローが少しばかり遅くてかみ合わなかったのだ」 キャスルは言う。「私は彼らをちょいと転ばすだけだ。私のデッキの前提は、ドローが大して良くない時にはデッキは効果的に働かないというものだ。私のキーカードのひとつは《神々の思し召し》だ。誰もが除去呪文を使っている、だからデッキに4枚入れたこれが本当によく働く。《アジャニの存在》と《船団の出航》も同じく、除去に対する立ち回りを良くしてくれる」

ゲーム展開

 《密集軍の指揮者》に続いて《イロアスの英雄》と出てきたキャスル軍が、キブラーの《森の女人像》と相対した。第3ターンの《荒ぶる波濤、キオーラ》が英雄を1ターン足止めしたが、キャスルの《船団の出航》がこのプレインズウォーカーを問題なく排除した。《ヘリオッドの試練》の1枚目はキブラーの《解消》に阻まれたものの、キャスルは《神々の思し召し》を構えつつ、2枚目を《密集軍の指揮者》に唱えた。10点のライフを得るとともに、今や4/4となった白の兵士・トークンのおかげで致命的な一撃を与えた。

このフォーマットに対する直接的なアプローチにより、キャスルは滑らかで驚異的な速さの
白単英雄的戦略を手にした。

 ゲームはあっという間に終わった。

「ジョシュ・アター=レイトンのデッキと同じみたいだな、少なくとも非常によく似ている――そう難しいものではないな」 キャスルは言った。

 キブラーはただ、笑みを返した。

「先攻を取るかどうか考えているのかね?」 キャスルは尋ねた。

「サイドボードが終わったら決めますよ」 キブラーは言うが、すぐに答えを明らかにした。「先攻で」

「ショックだな。マナ・コストの心配はしていないというわけか」 曰く、キャスル。

 アグロデッキにとって、後攻で始まるというのはそれだけで厳しい戦いになりうる。しかし、第2ゲームは第1ゲームと同じように、まず《恩寵の重装歩兵》、そして《イロアスの英雄》がキャスルの軍勢に加わるところから始まった。だが、キブラーの《クルフィックスの狩猟者》がその2/4という大きさで行く手を阻んだ。《密集軍の指揮者》への《希望の幻霊》がキャスル軍を育て始め、キブラーは《イロアスの英雄》へ《英雄の破滅》を試みた。キャスルはそれを《神々の思し召し》で救うと、相対する殿堂顕彰者のライフを11点に落とした。

キブラーの黒青緑コントロールデッキが、キャスルが今週末に選んだ超攻撃的デッキを相手に苦闘する。

 キブラーはアンタップし、《思考囲い》を唱える。すると、2枚の《平地》がキャスルの手札から明かされる。

「君が《対抗呪文》を落としたときを思い出すな。私は手札から2枚を《陰謀団式療法》でもぎ取ったものだ」

「ええ、そこでも負かされた」

「それでも、君のそれは遅くならないと見える」 キャスルは、キブラーの手札で起こるラピッドファイア・シャッフリングを意識して言った。

「それと、君がカードを見せてくれる方法は他にもあるのだからな」 と、《クルフィックスの狩猟者》を指す。それは、キブラーが占術でカードをよけるなり引くなりするたびに、何もかも真面目に公開していた。

 手札破壊が空振りに終わったあと、《胆汁病》が《密集軍の指揮者》を除去するが、キブラーのライフは8に落ちた。《マナの合流点》はゲームを通じてライフを苛んでいた。キャスルは《ヘリオッドの試練》を引くと、もともとあった+1/+1カウンターと併せて10点のライフを得て、ほぼ致命的な攻撃を――《クルフィックスの狩猟者》が身を挺して1ターンは遅らせたが――与えた。キブラーは自らのドローを確認して、それで十分だった。

「マナが詰まったね。狩猟者で何もヒットしないのはきつい」 キブラーは回顧した。

「実際にカードを見せていない以上、自分のサイドボード戦略について語らないことにしておこう」 キャスルは言った。「サイドボードを適切に行えているか、私は未だ自信がない。だが君のタイブレーカーをより良くするできるようにしていこうと思う。明日は幸運を」

「ありがとう。あなたも」

まだダーウィンには勝てないようだ。これで5勝2敗

 どうやら、歴史は、永遠に繰り返すようだ。

キブラー 0-2 キャスル

(Tr. Yusuke Yoshikawa)

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