Feature: 決勝ドラフト観戦レポート

Posted in Event Coverage on July 1, 2007

By NAOKI SHIMIZU

7回ものドラフトを勝ち抜いてトップ4の決勝ドラフトに進んだの日本人チームは高橋優太(東京)・山本賢太郎(埼玉)ペア、樽元気(神奈川)・金子真実(東京)ペアの2組。
高橋・山本は初日全勝の勢いそのままに、樽・金子は「ドラフトを楽しむ」という姿勢を貫きながらも確実に勝ち星を積み上げてともに初のプロツアーサンデーを決めた。

席順は時計回りに高橋・山本、樽・金子、Chris Lachmann(アメリカ)・Jacob van Luven(アメリカ)、Eugene Harvey(アメリカ), John Fiorillo(アメリカ)の順。

まずは高橋・山本のピックから見ていこう。
最初のパックは
《記憶の点火/Ignite Memories(TSP)》
《精神攪乱/Mindstab(TSP)》
《捕縛の言葉/Word of Seizing(TSP)》
《意志を曲げる者/Willbender(TSB)》
《裂け目翼の雲間を泳ぐもの/Riftwing Cloudskate(TSP)》
を含む非常に強力なパック。強すぎるよこれ、という感じの二人だがこの中から《記憶の点火/Ignite Memories(TSP)》《精神攪乱/Mindstab(TSP)》という2枚を選択。カードパワーの高い順の2枚という感じだ。
2手目には《裂け目の稲妻/Rift Bolt(TSP)》《闇の萎縮/Dark Withering(TSP)》と2枚の除去呪文を確保。除去重視の彼ららしいピックだ。
そして3手目に《消えない賛歌/Haunting Hymn(TSP)》が上流からプレゼント。手札破壊が強力といわれる双頭巨人戦においては初手で消えてしまうのがむしろ普通なカードなので、この順手で取れるということは非常に珍しい。当然即ピック。
その後は《ナントゥーコのシャーマン/Nantuko Shaman(TSP)》《流水の海蛇/Slipstream Serpent(TSP)》《厚皮のゴブリン/Thick-Skinned Goblin(TSP)》《雲を追うケストレル/Cloudchaser Kestrel(TSP)》などを確保、とりあえず黒、赤は使いたいといったところである。

時のらせんの2パック目の開封では《取り消し/Cancel(TSP)》《新緑の抱擁/Verdant Embrace(TSP)》を獲得。ここで3色目と4色目の足場をつかみ、彼らの戦術である「白以外をドラフト」にのっとった形になる。
次のパックからは《ぶどう弾/Grapeshot(TSP)》《幽霊船/Ghost Ship(TSB)》。《記憶の点火/Ignite Memories(TSP)》とあわせてストームを稼ぎやすいデッキに仕上げたいところだ。
この後《神秘の指導/Mystical Teachings(TSP)》を確保しつつ(《消えない賛歌/Haunting Hymn(TSP)》との相性は最高だ)、なんと5手目に《暗影の蜘蛛/Penumbra Spider(TSP)》が流れてくる。これを即ピックして完全に「白以外」の形を確定した。

次元の混乱の最初のパックは《乱暴/Rough+転落/Tumble(PLC)》《模る寄生/Shaper Parasite(PLC)》。どちらも非常に優良なな除去カードである。
だがこの後はいまいちなピックが続く。《本質の管理人/Essence Warden(PLC)》《覆われた奇異/Veiling Oddity(PLC)》こそ取れたものの《嵐前線の乗り手/Stormfront Riders(PLC)》《塩平原の世捨て/Saltfield Recluse(PLC)》など白のカードに手を出さざるを得ない展開になる。とりあえず《深夜の魔除け/Midnight Charm(PLC)》が一周して一安心とはいったところか。

次元の混乱の2パック目は《ジョダーの報復者/Jodah's Avenger(PLC)》に恵まれる。双頭巨人戦においてはフィニッシャーとしてかなり優秀だ。一緒に《うつろう突然変異/Erratic Mutation(PLC)》もゲット。
そして金子・樽ペアから《炎異種/Torchling(PLC)》のプレゼント。これをしっかり受け止める。その後は《巨大埃バチ/Giant Dustwasp(PLC)》の1週など珍しいことも起こるが他には特に収穫が無く若干厳しい空気が漂う。

未来予知の1パック目は《流動石の抱擁/Flowstone Embrace(FUT)》《新たな精力/Second Wind(FUT)》とこれまた除去呪文からスタート、そして次に《予感/Foresee(FUT)》を獲得。ドロースペルがなかった彼らにとってこの流れはかなり嬉しい。さらに《カヴーの上等王/Kavu Primarch(FUT)》を2枚、2枚目の《流動石の抱擁/Flowstone Embrace(FUT)》を確保してこのパックを終える。

最終パックの初手は《通りの悪霊/Street Wraith(FUT)》《滑る胆液/Ichor Slick(FUT)》。除去を取り続けるあまり黒のクリーチャーが不足していると考えたか、少しクリーチャーの点数を上げてきた印象だ。次には《連合の秘宝/Coalition Relic(FUT)》《稲妻の謎/Riddle of Lightning(FUT)》。《連合の秘宝/Coalition Relic(FUT)》は重いスペルの多い彼らのデッキにとっては素晴らしい助けになるだろう。だがこの後はパッとしないピックが続いてしまう。
とはいってもカウンターあり、ハンデスあり、除去ありというアドバンテージのとりやすい強力なデッキが出来ている。爆弾カードも多い。序盤さえ凌げば無敵といっても過言ではないだろう。
枚数不足に悩む可能性はあるが、充分に2-0が狙えるデッキだ。

ここからは樽・金子ペアのピックを見てみよう。
第一パックの時のらせんからは《ダスクライダーの大隼/Duskrider Peregrine(TSP)》を即ピック、だが2枚目で《サリッドの発芽者/Thallid Germinator(TSP)》と《アーボーグの吸魂魔道士/Urborg Syphon-Mage(TSP)》からなんと前者をピック。金子・樽のキノコ好きは一部で有名だがそこまでか。
そして上流の高橋・山本からは例の強力パックが流れてくる。悩みに悩み、《捕縛の言葉/Word of Seizing(TSP)》《意志を曲げる者/Willbender(TSB)》を取って《裂け目翼の雲間を泳ぐもの/Riftwing Cloudskate(TSP)》は諦めた。
次には《スプライトの貴族/Sprite Noble(TSP)》《ヴィセリッドの深み歩き/Viscerid Deepwalker(TSP)》を取って青の足場を固める。更に《死胞子のサリッド/Deathspore Thallid(TSP)》《ゴルゴンの世捨て/Gorgon Recluse(TSP)》も確保。

2パック目からは《精神攪乱/Mindstab(TSP)《永劫での歩み/Walk the Aeons(TSP)》が出現。他に候補も無く、これらを即決。
次には《胞子撒きのサリッド/Sporesower Thallid(TSP)》《数の力/Strength in Numbers(TSP)》というキノコ好きの彼らにとっては最高の2枚に恵まれる。
その後は《騎兵戦の達人/Cavalry Master(TSP)》から白へ動き、《暗影の蜘蛛/Penumbra Spider(TSP)》を流すという苦渋の決断を下しながらも《サリッドの発芽者/Thallid Germinator(TSP)》《ヤヴィマヤのドライアド/Yavimaya Dryad(TSP)》をピック。
ますますサリッド・ドラフトに拍車がかかる形だ。

次元の混乱の第一パックは《太陽の槍/Sunlance(PLC)》《揺り籠から墓場まで/Cradle to Grave(PLC)》。確かにデッキには入るが、正直このような初手は彼らも期待していなかっただろう。もっといいカードよこせ、というような感じで隣に残りを流す。
一転次のパックからは《羊術/Ovinize(PLC)》《ラースのわな師/Rathi Trapper(PLC)》という優秀な2枚、さらに《ユートピアの誓約/Utopia Vow(PLC)》《塩平原の世捨て/Saltfield Recluse(PLC)》、《幕屋の大魔術師/Magus of the Tabernacle(PLC)》《原初のプラズマ/Primal Plasma(PLC)》と続いて枚数を確保する。この時点で白は確定といったところだ。
《塩平原の世捨て/Saltfield Recluse(PLC)》と相性がいい《マーフォークの秘術師/Merfolk Thaumaturgist(PLC)》も遅い順手でしっかり確保している。

4パック目初手は《淡色のマイコダーム/Pallid Mycoderm(PLC)》《塩平原の世捨て/Saltfield Recluse(PLC)》。サリッドドラフトを続けている彼らにとっては《淡色のマイコダーム/Pallid Mycoderm(PLC)》こそが必要パーツ。さらに彼らは2手目に《向精神サリッド/Psychotrope Thallid(PLC)》まで取って完全にサリッドドラフトの形にもって行く。一緒に《うつろう突然変異/Erratic Mutation(PLC)》も取って少ない除去を確保。
その次には初手と全く同じ組み合わせの《淡色のマイコダーム/Pallid Mycoderm(PLC)》《塩平原の世捨て/Saltfield Recluse(PLC)》を獲得。枚数が多ければ多いほどサリッドは強い。
そして《活力菌サリッド/Vitaspore Thallid(PLC)》も一応確保。というかここまでキノコだらけだと普通にデッキに入ってもおかしくない。

あとは《大量の芽吹き/Sprout Swarm(FUT)》が出れば完璧!

未来予知の初手は《スポロロスの古茸/Sporoloth Ancient(FUT)》《謎めいたアネリッド/Cryptic Annelid(FUT)》。前者は待望の後者は早すぎる気もしなくも無いが、ドロー系スペルのない彼らにとっては仕方が無いピックだろう。
その後はまったく手を出していない赤に手をつけざるを得ない苦しい展開。《隊列の叫び/Marshaling Cry(FUT)》こそ遅く取れたものの《大量の芽吹き/Sprout Swarm(FUT)》もないため微妙な感じだ。

最終パック、《大量の芽吹き/Sprout Swarm(FUT)》の姿はなかった。
それでも《放漫トカゲ/Imperiosaur(FUT)》《卑しめる裁き/Judge Unworthy(FUT)》という2枚の優秀カードを取り、さらに2手目に《救済の天使/Angel of Salvation(FUT)》《予感/Foresee(FUT)》が流れてくる。彼らにとってはまさに救済だ。更に爆弾カードの一つである《ナカティルの戦群れ/Nacatl War-Pride(FUT)》までもが流れてくる。もはやこのドラフトは完全に樽・金子ペアのものなのか。それとももっと強いカードが取られているのか。それともどこかでシークレット・テクが炸裂しているのか。とはいっても樽・金子ペアは《大量の芽吹き/Sprout Swarm(FUT)》こそないものの狙い通りのサリッドドラフトに成功し、満足の行くドラフトとなった。種族の力を見せ付けることができれば2-0も充分可能だ。

総括してみると、時のらせんのカードプールはかなり強めだったものの次元の混乱・未来予知は強力コモンの出が悪い。こういう場合はゲームが1枚の爆弾カードによって終わってしまうことが多い。だが逆にカードのシナジーによってより大きな爆弾を作り上げることも出来る。爆弾が多い高橋・山本チーム、逆にシナジー重視の樽・金子チーム、果たして結果はどうなるのか?それぞれ別の方向に走った両チームの活躍に期待したい。

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