Round 1 : 中村 修平(大阪) vs. 齋藤 友晴(東京)

Posted in Event Coverage on April 19, 2007

By Daisuke Kawasaki

中村 修平

ついにスタートしたプロツアー横浜。この横浜の地でどのようなストーリーが紡がれていくのか。

構築戦のプレミアイベントが行われる時に、筆者がメタゲームを理解するために必ず使用デックを教えてもらうプレイヤーがいる。「達観した審美眼」中村 修平(大阪)である。

毎週のように世界各地を回っている中村であるが、その際にはほぼ必ずといっていいほど日程に余裕を持ち、その土地を見て回るという。特に美術館や遺跡を中心に「See the World」している中村、その鍛え上げられた審美眼にメタゲームはどのように映っているのかは筆者の想像の及ぶ範囲ではない。しかし、なんにしろ、中村のデックチョイスは、ほぼ必ずといっていいほどメタゲームの回答となるデックであることは、歴史と2年連続レベル6という成績が証明している。

そんな中村の使用するデックは、「帝王」森 勝洋(東京)作の「ベイビースター」と呼ばれるバージョンの青黒タッチ赤。浅原の言葉を借りれば「デッキリストに名札がついている」といわれる個性的な構築で知られる森の最新作。詳細に関しては二日目のデックリスト公開を待ちたいと思うが、漏れ聞くうわさでは「サイドボードが14種類」とか「隠れ5色」などのいかにも森らしい奇形化したデックであることが想像できるフレーズが飛び出てくる。

森が構築し、中村が選択したというだけでも、十分に期待できるこのデック。二人の他にも、「不遇の王者」大澤 拓也(神奈川)「世界2位」小倉 凌(愛知)のコンビをはじめとした多くの実力者たちにシェアされており、日本人最大勢力ではないかと思われる。果たしてメタゲームの覇者足りえるのか。

中村の対戦相手は「ストンピーの貴公子」齋藤 友晴(東京)。

エクステンデッドシーズンこそ、コントロールデックを中心に使用していた齋藤だったが、原点回帰かこの横浜には「ピザストンピー」と名づけられた赤緑ビートダウンを持ち込んでいる。

純粋な速度と安定性でこそ白ウィニーに劣るものの、赤緑には、《嵐の束縛/Stormbind》《硫黄の精霊/Sulfur Elemental》という環境の2大巨頭に対するメタカードを採用することができるというメリットが存在する。齋藤の構築する「ストンピー」ブランドのビートダウンは、多くの場合メタデックとなるビートダウンである事が多く、今回もその系譜に連なるものであると思われる。こちらもまた多くの日本人にシェアされているようで、「ピザストンピー」という名前もそこから付けられたとかなんだとか。

このプロツアーのひとつの見所である「ビートダウンVSコントロール」という構図。二人のレベル6という最高のプレイヤーによって、その決戦の火蓋が切られようとしている。

Game 1

ダイスロールで先攻は齋藤。

2ターン目に《血騎士/Blood Knight》をキャストする齋藤に対して、中村は《広漠なる変幻地/Terramorphic Expanse》で《沼/Swamp》をサーチしつつ、《戦慄艦の浅瀬/Dreadship Reef》にカウンターを載せるという悠長な展開。

序盤のマナ加速の無いこの隙を、生粋のビートダウンプレイヤーである齋藤が見逃すはずも無い。《モグの戦争司令官/Mogg War Marshal》を盤面に追加しつつ、《裂け目の稲妻/Rift Bolt》を待機し、プレッシャーをかけ続ける。

だが、中村も、《ペンデルヘイヴン/Pendelhaven》によって強化された《モグの戦争司令官》を《突然の死/Sudden Death》で葬り去ると、出てきたトークンもろとも《滅び/Damnation》で場をリセットする。中村は《影魔道士の浸透者/Shadowmage Infiltrator》をキャストし、場の優位を確立しようともくろむ。

しかし、齋藤が一度つかんだ優位を早々簡単に手放すわけが無い。

「青殺し」の《嵐の束縛/Stormbind》を場に設置すると、エコーコストが払えないのもいとわずに《ティンバーメア/Timbermare》で一気に中村のライフを削りにかかる。《暴行/Assault》を本体に打ち込んだところで、中村のライフはすでに7。

これはたまらないと、中村がライフを取り戻すべく《神秘の指導/Mystical Teachings》をキャストするべくマナをタップしたところで、齋藤は《嵐の束縛/Stormbind》の起動を宣言する。齋藤の手札は、2枚。

そして、ディスカードされたカードは、《癇しゃく/Fiery Temper》。

齋藤 -1 中村 -0

Game 2

斉藤 友晴

今回は、2ターン目にきっちり《虹色のレンズ/Prismatic Lens》によるマナ加速を果たした中村。3ターン目には《影魔道士の浸透者》をキャストし、ほぼ理想的といえる展開を見せる。

一方の齋藤のファーストアクションは《モグの戦争司令官》と、必ずしも理想的とはいえない展開。3ターン目こそ《硫黄の精霊/Sulfur Elemental》によって場のクロックを虫でいない大きさにまで引き上げたものの、続く《嵐の束縛》は《取り消し/Cancel》と、いまいちしっくりこない展開だ。

中村は変異を追加する。中村はすでに6枚のマナソースをコントロールしており、この変異が《ヴェズーヴァの多相の戦士/Vesuvan Shapeshifter》でも《塩水の精霊/Brine Elemental》でも齋藤にとってはあまりよろしくないことに間違いは無い。これに対処すべく2枚目の《嵐の束縛》をキャストする齋藤だったが、またもや《取り消し》。

何かしらの解決策を呼び込むべく齋藤は《怒鳴りつけ/Browbeat》をキャストするが、《影魔道士の浸透者》でドローを進めている中村の手札はカウンターで溢れている。ここには《呪文の噴出/Spell Burst》。

そして、8マナが揃った所で、中村は《塩水の精霊》を「表向き」でキャストし、変異の正体が《ヴェズーヴァの多相の戦士》である事を明かしたのだった。

齋藤 -1 中村 -1

Game 3

2ターン目にキャストした《モグの戦争司令官》のエコーコストを支払いつつビートダウンを推し進める齋藤に対して、中村は2枚続けて《虹色のレンズ》をキャストし、一気にマナを伸ばす。一見順調な展開には見えるが、しかしマナソースに大量にカードを使ってしまっているわけで、これはこれで厳しい雰囲気はある。

Timbermare

《怒鳴りつけ》、2体目の《モグの戦争司令官》と展開してくる齋藤に対して、5点のライフを支払いつつ、《ザルファーの魔道士、テフェリー/Teferi, Mage of Zhalfir》をブロッカーに用意する中村ではあったが、手札にある《滅び》を意識するあまり、場のクリーチャーの数が減らない《モグの戦争司令官》の方からブロックしていくプランを選択する。トークンによって数で攻められた事でライフはどんどん削られていく。

ブロック後に《癇しゃく》で除去された《ザルファーの魔道士、テフェリー》は、すぐにお代わりを用意したものの、《硫黄の精霊》《血騎士》と次々と展開されるクロックによって、いつの間にかライフは3点という火力範囲内にまで引き下げられる。

だが、ここでついに中村の我慢がついに結実する。度重なるチャンプアタックによって、齋藤のクロックは全て排除され、中村の場には大量の、あまりに大量のマナが揃っているのだ。あとはゆっくりと、だが確実に場を支配していくだけである。

当然、それは齋藤も熟知している。たかが3点、されども3点なのである。

この時点での齋藤の手札は、4枚の《ティンバーメア》と3枚の《嵐の束縛》、そして《癇しゃく》。一見怒涛の攻勢によって押し切れてしまいそうに見える手札だが、なんと齋藤の場には緑マナを供給するマナソースがひとつもないという絶望的な状況なのである。

齋藤は長考の後、半ばあきらめ気味に、だがターンが進めば進むほど不利なのは明らかなので唯一のタイミングだと《癇しゃく》をキャストする。

齋藤 「えぇぇぇぇ!」

齋藤は素っ頓狂としか言いようのない声を上げた。そこで中村が取った行動は、齋藤ですら予想していなかった行動だったのである。

中村の手札には1枚もカウンターが無かった。中村のとった行動とは…齋藤に握手を求めることだったのである。

齋藤 -2 中村 -1

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