Round 2 : 藤田 剛史(大阪) vs. Helmut Summersburger(オーストリア)

Posted in Event Coverage on April 19, 2007

By Keita Mori

昨夜、ブロック構築について貴重な意見を我々に聴かせてくれた藤田 剛史が第二回戦の注目の対戦に招待された。ここで対峙するのはオーストラリアの古豪Helmut Summersberger(エルムート・ズマースバーガー)。彼は2000年世界選手権ベストエイト入賞暦もあり、2005年グランプリ・リール、2006年グランプリ・バルセロナで優勝を飾っている強豪だ。特にレガシーフォーマットをスレッショルドデッキで勝ち上がったこともあり、構築戦における勝負強さが印象的だ。

Helmut Summersberger


もちろん、構築のスペシャリストという意味では藤田はHelmutを迎え撃つ立場といっても過言ではない。「デッキ構築の天才」としてマジック・インビテーショナルにも招待された彼は、今年末に選考会が行われる第三期マジック殿堂入りでもKai Budde(カイ・ブッディ/ドイツ)と並ぶ有力候補とされている。殿堂入りを狙う他候補の多くが引退状態である中、プロツアーデビュー10年を経ても藤田は最前線で戦い続けており、その姿勢が評価されているのだ。藤田がこの時のらせん=ブロック構築でも結果を残せたなら、彼の得票数はさらに上積みされることになるだろう。

藤田 剛史:青単色
Helmut Summersburger:緑赤タッチ黒青

Game 1

エルムート・ズマースバーガー

緑色のマナブーストカードとマナ補正カードを活かして多色化した緑赤を使っているのがHelmutだ。スプラッシュされている主なカードを挙げると、それは《虚空/Void》や《永劫の年代史家/Aeon Chronicler》といったラインナップである。

後手をとったHelmutはストラテジー通りに《虹色のレンズ/Prismatic Lens》と《根の壁/Wall of Roots》でのマナ加速から第4ターンに《虚空/Void》を詠唱するという展開で動き始める。しかしながら、このソーサリーは藤田の《陰鬱な失敗/Dismal Failure》によってカウンターされてしまい、さらに1枚の手札を奪われてしまった。

そして、先手をとっていた藤田がかわるがわる「待機」しておいた《裂け目翼の雲間を泳ぐもの/Riftwing Cloudskate》と《祖先の幻視/Ancestral Vision》とが藤田に航空戦力と追加の手札とをもたらし、《ザルファーの魔道士、テフェリー/Teferi, Mage of Zhalfir》が早くも盤面に大きなインパクトを与えるという流れとなった。

Helmutはなんとかこの《テフェリー》を《分解/Disintegrate》によって葬ることには成功するが、藤田がスタックしてプレイした「待機」=1の《永劫の年代史家/Aeon Chronicler》によってゲームを決められてしまう。

「待機」という性質ゆえに打ち消されること無くカードを供給し続け、あるときは「速攻」もちの《マロー/Maro》として強烈なパンチを見舞うこのカード、時のらせん環境を代表するパワーカードとして注目しておいていただきたい。

藤田-1, Summersberger-0

Game 2

藤田 剛史

第2ゲームでも藤田が序盤に「待機」を続け、Helmutがマナ加速を連発するという流れでゲームがスタートした。

《祖先の幻視》で手札を増し、《裂け目翼の雲間を泳ぐもの》で敵陣の《レンズ》をバウンスしながらビートダウンを続ける藤田は、マナをたててターンを返すという青らしいブラフを使用せず、連続して変異でクリーチャーを呼び出してプレッシャーをかける。

変異の片方を《分解》で除去しながらも、防戦一方というわけにいかないHelmutは、かわるがわる《永劫の年代史家》2枚を待機する。しかし、藤田は狙い済ませて《ザルファーの魔道士、テフェリー》を「瞬速」で送り込み、《年代史家》たちが「裂け目」から出現することを許さなかった。

この環境において、変異クリーチャーを展開した青いデッキに7マナ域へのアクセスを許してしまうということは致命的である。フェイスアップする《塩水の精霊/Brine Elemental》による擬似《Time Walk》効果がもたらす影響は絶大で、これが《ヴェズーヴァの多相の戦士/Vesuvan Shapeshifter》とのコンビネーションでロックを決めるという「ピクルス」コンボは、現代によみがえった《停滞/Stasis》ともいうべき決定力を誇っているからだ。

名手Helmutは当然このことを熟知しており、藤田が決して7マナ域にたどりつかないようにマナを攻めた。《なだれ乗り/Avalanche Riders》で《砂漠/Desert》を壊し、《ムウォンヴーリーの酸苔/Mwonvuli Acid-Moss》でさらなる《砂漠/Desert》を壊す。

Helmutは膨大なマナを手に入れており、土地破壊呪文をプレイしつつ、ダメージソースの調達にも余念が無かった。《幽体の魔力/Spectral Force》、《ボガーダンのヘルカイト/Bogardan Hellkite》といったスーパーヘビー級フィニッシャーを連続展開し、かなり大味ながらもクロックパーミッション然としたゲームメイクを狙っていったのである。

しかしながら、《テフェリー》がにらみを聞かせる中で《ボガーダンのヘルカイト》を召喚したHelmutは瞬間的にタップアウトを余儀なくされてしまい、そこを藤田は見逃さなかった。

藤田は《応じ返し/Snapback》でドラゴンをバウンスした上でアンタップステップを迎え、「待機」していた《祖先の幻視》によってもたらされた追加のドローで7枚目の土地にアクセスし、変異クリーチャーをフェイスアップすることになった。

藤田-2, Summersberger-0

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