Round 5 : 小室 修(東京) vs. Julien Nuijten(オランダ)

Posted in Event Coverage on April 20, 2007

By Daisuke Kawasaki

「華麗なる天才」小室 修

今回のプロツアーが行われている会場である、パシフィコ横浜。

過去二度の世界選手権が行われた会場であり、また、数多くのグランプリ・プロツアーが開催された「東の聖地」である。

このパシフィコの歴史の一端に名前を残すプレイヤーがいる。ご存知「華麗なる天才」小室 修(東京)である。この地で小室は、メタを読みきった構築と、「お守り代わりの61枚目のカード」によってブレイクすることとなる。その後の小室の活躍についてあえて触れる必要はないだろう。

対戦相手は、これまた説明不要の「2004世界チャンピオン」Julien Nuijten(ジュリアン・ナウテン/オランダ)。日本・フランスと並んでマジック先進国であるオランダの中でも筆頭各の超がつく強豪プレイヤーである。

そのJulienが使用するデックは、環境第2のビートダウンと目される赤単ビートダウン。白ウィニーが対策されすぎなくらいに対策されていることを考えれば、今回一番のビートダウンと言ってしまっても過言ではないかもしれない。日本でも、塩津 龍馬(愛知)が使用し、現在のところ快進撃を続けている。

一方の小室の使用するデックは、赤黒タッチ青の《虚空/Void》コントロール。アーキタイプとしてはありふれているのだが、小室のデック、このマッチに関してのみ面白いエピソードがある。

プロツアー直前までデックが決まらず悩んでいた小室。そんな小室がデックをシェアしてもらったのが、野中 健太郎(大阪)と…オランダ勢のRogier Maaten(ロジャー マーティン)なのである。

そう、この対戦は「オランダ製のデック」によるビートダウン対コントロールなのである。

Game 1

先手Julienの、2ターン目《ケルドの匪賊/Keldon Marauders》による「5点ビート」を喰らいながらも、小室が《虹色のレンズ/Prismatic Lens》でマナを伸ばすというこの環境で幾度と無く繰り返されてきた典型的なビートダウン対コントロールの形からゲームスタート。

しかし、《ケルドの匪賊》が「消失」し、無人の荒野を《硫黄の精霊/Sulfur Elemental》が縦横無尽に駆け出し始めてから、イニシアチブは次第に小室の側に。Julienの《硫黄の精霊》を《突然の死》でしりぞけ、《永劫の年代史家/Aeon Chronicler》を盤面に追加する。しかし、Julienもそうそう簡単に小室にイニシアチブを取らせるわけにも行かない。本来的にいえば攻守の攻はJulienの側にあるべきなのだ。

Julienは、2枚目の《硫黄の精霊》と《巻物の大魔術師/Magus of the Scroll》を場に送り出し、小室に《永劫の年代史家》を巻き込んだ《滅び/Damnation》をうたせる事に成功する。

だが、ライフレースは12対12のタイ。

Julienは、《脅しつけ/Threaten》で一気に小室のライフを削りにかかるが、ここで小室は華麗に「Pay No Life」。Julienは微妙に土地を引けず、手札を消費しきれないでいる。この段階ではいくらか赤単にカードを引かせても、押し切れるという判断か。

Julienの《ワイルドファイアの密使/Wildfire Emissary》を《滅び》で流しながらの《ファイレクシアのトーテム像/Phyrexian Totem》ビートによってJulienのライフを2まで削りきる。

やっとこさマナが揃い、Julienが《ファイレクシアのトーテム像》へのにらみをきかせられるようになったその刹那に、小室の手札から零れ落ちたのは、《ボガーダンのヘルカイト/Bogardan Hellkite》。

小室 -1 Julien -0

Game 2

またも、Julienの《ケルドの匪賊》5点ビートに対して、小室が《虹色のレンズ》でのマナ加速で返すという展開。しかし、Julienの1ターン目《裂け目の稲妻/Rift Bolt》待機と、自身のクロックである《疫病スリヴァー/Plague Sliver》によって、小室のライフはありえないスピードで減らされている。

小室も、ブロッカーとなっていた《なだれ乗り/Avalanche Riders》を《堕落の触手/Tendrils of Corruption》で排除し、華麗にビートダウンしきるプランを構築する。しかし、Julienの手札から、2枚のX火力が続けて放たれると、後は自分のコントロールする《疫病スリヴァー》のアップキープコストを座して待つこととなってしまったのだった。

小室 -1 Julien -1

Game 3

ジュリアン・ナウテン

3ターン目に至るまで脅威を展開できないJulienに対して、小室は3ターン目4ターン目と場に《影魔道士の浸透者/Shadowmage Infiltrator》を展開する。この2枚の「ジョニー」によって手札が除去で溢れた小室は、Julienの展開するクリーチャーを続々と除去し、地道にダメージを重ねていく。

Julienも、《硫黄の精霊/Sulfur Elemental》キャスト後に、《なだれ乗り/Avalanche Riders》連打と、圧倒的なクロックを刻んでいくのだが、《堕落の触手/Tendrils of Corruption》によるライフゲインのせいで、微妙にライフレースを制することができない。

結局、Julienのクリーチャーが除去されつくしたところで、《疫病スリヴァー/Plague Sliver》が登場。一気にライフ差を引き離す。

Julienは《脅しつけ/Threaten》でひきます事をもくろみ、そのたくらみはひとまずは成功する。

だが、Julienがドローしたカードをキャストするよりも先に、再び小室の華麗な《ボガーダンのヘルカイト》がゲームを決した。

小室 -2 Julien -1

「最近はめっきり勝てない」とぼやく小室。思い出の地横浜で、二日目進出に王手をかける。

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