Round 6 : 森 勝洋(東京) vs. Johan Sadeghpour(スウェーデン)

Posted in Event Coverage on April 20, 2007

By Daisuke Kawasaki

ヨハン・セデプアー

間違いなく今回のデックテックのひとつのトピックとなるであろう青黒タッチ赤の「ベイビースター」。デックのポテンシャルはもちろん、使用している面子の豪華さもあり、ここまでの観戦記事でもすでに数回取り上げているので、概要についてはあえてはここで触れない。ここで、ついにビルダーである「帝王」森 勝洋(東京)がフィーチャリングエリアへと呼び出されることとなった。

対戦相手はスウェーデンの強豪Johan Sadeghpour(ヨハン・セデプアー)。PTロンドン'05での3位入賞をはじめとして、様々なプレミアイベントでの入賞経験を持つプレイヤーである。

森のデックは言うまでも無く「ベイビースター」なのだが、ここでJohanが使用しているデックも、アプローチとしては非常に「ベイビースター」に近い4色コントロールである。メインでの貯蓄ランドによる色マナの不足に不安が残るものの、中盤以降でのコントロール対決に森以上に焦点あてた構成となっている。

Game 1

お互いが《戦慄艦の浅瀬/Dreadship Reef》にカウンターを貯めつつ、土地をセットし続ける序盤。その序盤の均衡が森のキャストした《影魔道士の浸透者/Shadowmage Infiltrator》によって崩される。

Johan "Oh…Jon Finkel…"

強い強いと言われながらも環境に恵まれず、トーナメントシーンで活躍することの無かった《影魔道士の浸透者》。このカードがここまで脅威となるレギュレーションが未だかつてあっただろうか。

これには、《滅び/Damnation》で対応するJohanだったが、森は続いて《神秘の指導/Mystical Teachings》をキャストする。しかし、これには、Johanが《神秘の指導》を重ね、結果、森の《神秘の指導》は文字通り《根絶/Extirpate》されてしまう。

ここで多くのプレイヤーであれば、多少の困惑の色を見せることだろう。

しかし、この席に座っているのは「帝王」森 勝洋。《ウルザの工廠/Urza's Factory》をセットすると、にこやかに「Good Card」と余裕を見せる。

この後、しばらくの間、お互いがセットランドでエンドするドローゴーモードに突入する。

こうなってくると、俄然《ウルザの工廠》が光り輝いてくる。お互いが順調にマナが伸び、ついにトークンが生み出され始めるかというその瞬間にJohanがキャストしたスペルは《入念な考慮/Careful Consideration》。これによって、Johanも《ウルザの工廠》を引き込み、セットする。さすがの森も、これには小さく舌打ちを。

先にトークンを生み出しアタックする攻め手側だった森だが、Johanの《突然の死/Sudden Death》によって攻守が入れ替わる。

森のアタックに対応してトークンを生み出し、防御に回っていたJohanだったが、森はその形を嫌い、結果、トークン同士によるノーガードの殴り合いがスタートする。

しばらく互いに《戦慄艦の浅瀬/Dreadship Reef》にカウンターを貯めつつ、トークンで殴りあうという奇妙な状況が続いたが、ここで森が《影魔道士の浸透者》をキャストする。そして、これを皮切りにカウンター合戦が勃発する。

まず、Johanが《吸収するウェルク/Draining Whelk》をキャストする。ただのカウンターであれば、おとなしく引き下がるつもりであった森だが、この微差でのダメージレースを行っている現状で巨大なダメージソースが登場してしまうのはちょっと、いやかなりよろしくない。予定調和的に《取り消し/Cancel》を打ち合った上で、森は本命とも言える《吸収するウェルク》(対象は、《吸収するウェルク》)をキャストする。これが通れば圧倒的に優位に立てる森。しかし、当然ながらここにも《取り消し》が。これをめぐるカウンター合戦が行われた後、森はカウンターをあきらめて、《吸収するウェルク》自体へと、《突然の死/Sudden Death》をキャストする。

こうして、結局は、大量の蓄積カウンターが消費されただけで、まったく場に変化は起こらなかった。森の土地が全てタップした事を除いては。

その隙をついた《消えない賛歌/Haunting Hymn》によって、森の手札は0に。そして、安全確認後に登場する《ザルファーの魔道士、テフェリー/Teferi, Mage of Zhalfir》。

森は、普段からは想像できないほどゆっくりとライブラリーに手をかけた。

Johan -1 森 -0

Game 2

森 勝洋

より広く、多くのデックに勝てる可能性を広げる構築がされている「ベイビースター」に対して、コントロールにメタを絞って対策されているJohanのデック。単純な相性で考えれば、Round 3の大澤の例を持ち出すまでもなく森が不利である。

2ターン目の森の手札には、《戦慄艦の浅瀬》と《虹色のレンズ/Prismatic Lens》。

通常であれば、ここで2ターン目に《虹色のレンズ》をキャストし、マナを伸ばそうと考えるだろう。だが、森はそうしなかった。

森は2ターン目に《戦慄艦の浅瀬》にカウンターを貯めると、3ターン目に土地をセットしながら《虹色のレンズ》をキャストし、さらにカウンターを貯めた。こうすることで、2ターン目3ターン目での行動は犠牲になるものの、4ターン目には1マナ多く出せる状態になる。細かいテクニックではあるが、こういった技術を、確実に、そして高速で行えるのが森の強さである。

そう、森のプレイングが加速し始めている。こうなった時の森が負ける姿を想像するのは、なかなかに難しい。

稼いだマナで《永劫の年代史家》を待機2でキャスト。

ここには《永遠からの引き抜き/Pull from Eternity》が《神秘の指導/Mystical Teachings》から突き刺さる。Johanのデックも、環境の理解の深さがうかがえる構築となっているのが伝わってくる。

森は、変異キャストし、Johanのドロー後にタップアウトしながらの《根絶/Extirpate》を《神秘の指導/Mystical Teachings》にキャスト。すると、またも《消えない賛歌/Haunting Hymn》で手札を0にされてしまう。

しかし、森のドローがすごい。まずはテフェリーをトップデック。これは予定調和的に《突然の死/Sudden Death》されるが、続いて《影魔道士の浸透者/Shadowmage Infiltrator》をドロー。この《影魔道士の浸透者/Shadowmage Infiltrator》をブロックするべく、Johanが《ウルザの工廠/Urza's Factory》を起動したところで《塩水の精霊/Brine Elemental》が表がえる。

一気にライフを危険領域にまで持ち込まれたJohanは、トークンでの2体ブロックで《塩水の精霊/Brine Elemental》を葬り去ることに成功するが、そこで森が手札に眠らせていたのは、2枚目の《ザルファーの魔道士、テフェリー/Teferi, Mage of Zhalfir》と、《取り消し/Cancel》を封じる《呪文の噴出/Spell Burst》。

手札の枚数では勝ったものの、Johanは最後までボードへの回答を手に入れることができなかった。

Johan -1 森 -1

Game 3

コントロール対決となった森とセデプアー

森はノータイムでキープを宣言。完全にトップスピードに入った感じだ。

対照的にマリガン判断で長考をするJohan。ここでまずはワンマリガン。多少悩んだ末にキープ。

《石灰の池/Calciform Pools》にカウンターを載せ続けるJohanにたいして、森は《虹色のレンズ》《ファイレクシアのトーテム像》と直接的にマナ加速をする。

Johanは、その溜め込んだカウンターを使って、《永劫の年代史家/Aeon Chronicler》を待機するが、かわりに青マナ発生源をほとんど失ってしまう。この隙に突き刺さるのが《吸収するウェルク/Draining Whelk》。突然の6/6飛行クリーチャーの降臨に対して、急いで解決策を模索しなければならないJohan。

いや、むしろ解決策はすでにJohanの手の中にある。Johanの手には2枚の《突然の死/Sudden Death》という、これ以上無い解決策が眠っているのだ。そう、眠っている。Johanは解決策はあるものの、十分な黒マナに恵まれていないのだ。場にあるのは《石灰の池》《戦慄艦の浅瀬》といった貯蓄ランドばかり。長期戦を見越して投入されているこのカードだが、突如として短期決戦となったこのゲームではあまりにも悠長すぎる。

結局、Johanは最後まで十分な黒マナを用意することができなかった。

Johan -1 森 -2

最後まで黒マナに恵まれなかったJohanを不運の一言で済ませることは簡単である。

だが、運命が絶対に自身の手で変えられないものだとは筆者は思わない。

貯蓄ランドを増やして、色マナの事故を起こすリスクを増やしたのは、Johanの選択である。

多くの種類のカードを投入し、トップデックで勝てる場面を増やす構築をしたのは、森の選択である。

そして、最後の最後まで《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》を手札に残し、Johanの逆転の可能性を限りなく低くしたのも、やはり森の選択なのである。

世界は人の力で変えられる。

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