準々決勝 : 大礒 正嗣(広島) vs. Mark Herberholz(アメリカ)

Posted in Event Coverage on April 21, 2007

By NAOKI SHIMIZU

大礒 正嗣

「久々」と言われるプロツアーながら、見事6回目のサンデー入りを果たした大礒。ここパシフィコ横浜は、2年前の世界選手権における国別代表戦で見事優勝を成し遂げた言わば「思い出の地」である。

そんな会場で行われた今大会であるが、スイスラウンドの途中までは、「もしかしたらトップ8には三田村 和弥(千葉)しか残れないのではないか」という日本勢の「不調」ぶりだった。過去においてはそれは「普通」だったのかもしれないが、今や日本は世界でも最もマジックが強い国の1つなのだ。 

その事実を体現するかのように、大礒は4敗ラインという崖っぷちに立たされながらも2日目の後半のラウンドを連勝し、トップ8に滑り込んだ。同様に斉藤 友晴(東京)も底力を見せ、結局日本は三田村と合わせて3人のトップ8を輩出したのだった。これが日本の意地だと言わんばかりに。

そんな日本勢とは対称的に、早々とトップ8入りを決めたのがホノルル王者、Mark Herberholz(マーク・ハーバーホルツ/アメリカ)である。今回のPT参加者に「誰のデッキが一番強いか」という質問を投げかけたところ、「ハーバーホルツのデッキ」という答えが非常に多かった。

彼のデッキはメインでは青黒コントロールに白を足した形である。その理由は《解呪/Disenchant》、《永遠からの引き抜き/Pull from Eternity》。

とてもメインボードに入るカードのようには見えないかもしれないが、これら二つは特に青黒同系での《ファイレクシアのトーテム像/Phyrexian Totem》、《永劫の年代史家/Aeon Chronicler》の強さを意識したものと思われる。このチューンナップが「青黒の海」となった今大会を切り開く鍵となったのだ。

一方「オーソドックスな赤緑」といわれる大礒のデッキが何も工夫されていないわけではない。彼のデッキには《ケルドの後継者、ラーダ/Radha, Heir to Keld》の代わりに《虹色のレンズ/Prismatic Lens》が採用されている。緑系のデッキが青黒に負ける最も多いパターンは、《滅び/Damnation》によってクロックごと《根の壁/Wall of Roots》などを流されて大きくマナを後退させてしまい、重い呪文が機能しなくなるというものだ。それを防ぐために、クリーチャーでないマナソースを採用したということである。

いまだ大礒は「プロツアー王者」の肩書きは持っていない。この思い出の地で、初戴冠へむけて「最強デッキ」に立ち向かう。

Game 1

先手は大礒。互いにマリガン後のハンドをキープ。

1ターン目こそ《明日への探索/Search for Tomorrow》から滑り出した大礒だったが、土地が3枚で止まってしまう。なんとか《根の壁》によって4マナに到達することはできたものの、手札には《幽体の魔力/Spectral Force》《ボガーダンのヘルカイト/Bogardan Hellkite》が出番はまだかと嘆いている。

一方のHerberholzは順調に《戦慄艦の浅瀬/Dreadship Reef》《石灰の池/Calciform Pools》を並べてマナを伸ばしていく。

大礒 vs. ハーバーホルツ

土地が止まったままの大礒は5ターン目にしてようやく《獣群の呼び声/Call of the Herd》によってクロックを場に作り出すが、十分にマナがあるHerberholzは涼しい顔。次のターンに引き込んだ待望の5マナ目、《虹色のレンズ》も《解呪》されてしまう。

更に大礒が《獣群の呼び声》をフラッシュバックしたところでHerberholzは《滅び》をプレイ。これによって《根の壁》を失った大礒の次のドローが《調和/Harmonize》なのが恨めしい。

次のターンからようやく4枚目と5枚目の土地を引いた大礒だったが、Herbelholzの《吸収するウェルク/Draining Whelk》《神秘の指導/Mystical Teachings》を見てカードを片付けた。

大礒-0 Herberholz-1

大礒は《死亡+退場/Dead+Gone》をアウトし、《なだれ乗り/Avalanche Riders》《砕岩を食うもの/Detritivore》をインしてマナを攻める作戦に。

一方Herberholzは《突然の死/Sudden Death》《根絶/Extirpate》《解呪/Disenchant》をアウトして《神秘の指導/Mystical Teachings》とそして《山/Mountain》、《砕岩を食うもの/Detritivore》をインした。

大礒のデッキに基本でない土地って何があったっけ?
その疑問は次のゲームで明らかになる。

Game 2

マーク・ハーバーホルツ

土地事故によって1本目を落としてしまった感がある大磯、《山》が2枚に《虹色のレンズ》が2枚という緑マナがすぐに出せない手札を少し考えてキープ。
だが3ターン目には《虹色のレンズ》2枚、《森》、《獣群の呼び声》を場に送り出していた。先ほどとは打って変わって順調な序盤である。

3点ずつのクロックをかけられているHerberholzではあるが、その後の《獣群の呼び声》のフラッシュバック、《ムウォンヴーリーの酸苔/Mwonvuli Acid-Moss》を順番に《取り消し/Cancel》し、《ボガーダンのヘルカイト》を抱えて大礒が打ち込んだX=6の《分解》の後も《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ/Urborg, Tomb of Yawgmoth》+《堕落の触手/Tendrils of Corruption》で簡単にリカバリーしてみせる。

大礒は続いて《幽体の魔力》で攻めるがこれにも《滅び》が。《ボガーダンのヘルカイト》も5点の火を噴くだけで墓地送りに。

息切れしてしまった大礒はここで《ウルザの工廠/Urza's Factory》をドロー。

そう、Herberholzはこのような長期戦を見越して《砕岩を食うもの》をサイドインしたのである。《ザルファーの魔道士、テフェリー/Teferi, Mage of Zhalfir》を経由した《神秘の指導》によって《砕岩を食うもの》をサーチしてみせると大礒は驚いた顔。

更に《永劫の年代史家》を待機して大磯の2枚目の《獣群の呼び声》トークン2体に備える。大礒は《ウルザの工廠》の組み立て作業員2体と合わせて攻撃してHerberholzをライフ1まで追い詰めるが、その後の《堕落の触手》がまたしてもゲームを決めた。

Herberholz,王手。

大礒-0 Herberholz-2

Game 3

Herberholzが長期戦を見越しているのなら、大礒は序盤に一気に畳み掛けてしまいたいところだ。

それを助けるような手札に大礒が恵まれる。1マリガンながら《森》《山》《明日への探索》《獣群の呼び声》《ムウォンヴーリーの酸苔》《砕岩を食うもの》といった内容。土地を1枚引けば「ブン周り」だ。

そして3ターン目、大礒は《ウルザの工廠》をドロー!ノータイムで《ムウォンヴーリーの酸苔》を打ち込み、《戦慄艦の浅瀬》が2枚に《虹色のレンズ》という不安定なマナを攻める。さらに大礒は《砕岩を食うもの》を待機、続いて《なだれ乗り》をトップデックして即プレイ。大攻勢をかける。

だがHerberholzの土地は止まらない。《入念な考慮》から《滅び》につなぎ、
《獣群の呼び声》の表裏のトークンに対しては《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》《堕落の触手》で失ったライフを回復しつつ除去。

大礒が《ウルザの工廠》のためのマナをそろえにプレイした《明日への探索》をも《吸収するウェルク》し、守りを固める。

このままではまずい大礒、その思いとは裏腹にここで攻撃が止まってしまう。一方Herberholzは《神秘の指導》から《ザルファーの魔道士、テフェリー》をサーチしつつ、大礒の《砕岩を食うもの》待機(X=2)をも《永遠からの引き抜き》で対処し、大礒が《調和》で引き込んだ《ボガーダンのヘルカイト》も《時間の孤立/Temporal Isolation》とまさに完璧。その後《神秘の指導》フラッシュバックから《神秘の指導》サーチによってアドバンテージを稼いでいく。

《消えない賛歌》は決定的だった >

もはやこうなってしまうとHerberholzの独壇場。さらなる《吸収するウェルク》を恐れてプレイできなかった《分解/Disintegrate》と《ボガーダンのヘルカイト/Bogardan Hellkite》も根こそぎ《消えない賛歌/Haunting Hymn》で叩き落し、その後の大礒の《なだれ乗り》《調和》《幽体の魔力》という最後の抵抗でさえ、順番に《吸収するウェルク》《取り消し》《堕落の触手》で退けてしまった。

3本目の周りを持ってしても、Herberholzは陥落しなかった。
ここにHerberholzのデッキの底知れぬ強さを垣間見たように感じられる。

大礒-0 Herberholz-3

Mark Herberholz、準決勝進出!

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