準々決勝 : 三田村 和弥(千葉) vs. Sebastian Thaler(ドイツ)

Posted in Event Coverage on April 21, 2007

By Yukio Kozakai

セバスチャン・セイラー

昨年度のルーキー・オブ・ザ・イヤーを争った2人。三田村 和弥(千葉)は、PTチャールストンでの活躍で上位につけたのだが、最終的に、ルーキーの座はSebastian Thaler(セバスチャン・セイラー/ドイツ)が射止めている。共に、PTデビューは昨年のプラハであり、今回で6回目のプロツアーとなる。共通項は多い。

三田村の限定構築にかける意気込みは半端ではなかった。スタンダード構築戦で開催されているトーナメントに調整中の限定構築デッキを持ち込んで上位入賞を果たすなど、"次元の混乱"のカードリストが明らかになってからというもの、常にこの限定構築戦に主眼を置き、膨大な時間を調整と練習に費やしてきた。

三田村ら、千葉勢のバックアップを地域コミュニティが積極的に行い、限定構築戦の大会がそれこそ毎週のように開かれ、実戦の中で彼の青黒ピクルスは鍛え上げられていった。

筆者は、昨年の日本選手権スイスラウンド最終戦。初日までトップを走っていながら、最後の最後で涙を飲んだ平山 大輔(千葉)のエピソードを思い出していた。彼を取り囲む、熱い友情と信頼でつながれた仲間達。試合を終えた平山に、真っ先に声をかけたのは三田村だった。今度は三田村の応援に、続々とこの横浜へ仲間達が駆けつけている。彼ら流の「手荒な」激励を受け、三田村は決勝ラウンドへ向かう。

Thalerは、ドイツで車を販売するセールスマンとして忙しく働く、20歳の若武者だ。PTで世界中を回りながら仕事をこなしつつ、しかもどちらでも結果を残すというのは並大抵ではない。

三田村や齋藤 友晴(東京)の活躍で語られることの多いPTチャールストンでも、彼のチームは6位と健闘。さらに、今年の開幕戦となったPTジュネーブでは、あと一歩でプレイオフというところまで勝ち上がっている。そして、今回のプロツアーサンデー。語るべきトピックには事欠かず、しかもフレッシュかつ、実力派同士の好カードだ。

……で、あるにもかかわらず、このマッチの注目度は他のテーブルに比べて高いわけではない。それほどまでに、今回のプロツアーサンデーは、ネームバリューに満ちたタレントで埋め尽くされているのだ。

非常にリラックスしたムードで、開始の合図を聞くこととなる。

Game 1

三田村

先手の三田村が1マリガンからキープ。土地が2枚だけと、土地破壊デッキであるThalerに対して苦しく映ったが、無事に3枚目を引き当てて《影魔道士の浸透者/Shadowmage Infiltrator》をプレイ。順調に土地を引き当てる三田村は、さらに変異を追加する。

Thalerも、2枚の《明日への探索/Search for Tomorrow》待機から《ウェザーシードのトーテム像/Weatherseed Totem》へとつなぎ、爆発的にマナを育て上げる。

早々と6マナを並べたThalerが《幽体の魔力/Spectral Force》を叩きつけるも、三田村は涼しい顔で変異をレッドゾーンへ。フェイスアップした《ヴェズーヴァの多相の戦士/Vesuvan Shapeshifter》と相打ちし、《影魔道士の浸透者》が殴り続けて三田村のハンドはどんどん充足していく。変異をプレイしてターンを返す。

一方、Thalerのマナブーストは、もはや充分であるのにもかかわらず、まだまだ止まる気配が無い。ついに最後の手札である2枚目の《幽体の魔力》に手をかける事になり、《ウェザーシードのトーテム像》と共に攻撃を仕掛け、一挙に13点のダメージを叩き出す。三田村は、手札の枚数こそ充分なのだが《応じ返し/Snapback》を引けていない。

しかし、そんなことは問題としなかった。変異の正体は《塩水の精霊/Brine Elemental》であり、《スクリブのレインジャー/Scryb Ranger》がデッキに入っていないThalerは停滞状態に。そして、三田村のトップデッキは《ヴェズーヴァの多相の戦士》。

三田村 -1 Thaler -0

Game 2

三田村は、後手ながらも申し分ないハンドとドローを手に入れる。

《広漠なる変幻地/Terramorphic Expanse》から《虹色のレンズ/Prismatic Lens》につなぎ、さらにもう一枚《虹色のレンズ》を追加する。Thalerも《根の壁/Wall of Roots》《明日への探索》と連打するのだが、土地がストップしてしまう。

色マナこそ揃って《なだれ乗り/Avalanche Riders》をプレイするThalerだったが、三田村のドローがずっと土地。しかも、手札には2枚の《入念な考慮/Careful Consideration》。どんどん土地を伸ばして《ムウォンヴーリーの酸苔/Mwonvuli Acid-Moss》を《取り消し/Cancel》、《虚空/Void》を《吸収するウェルク/Draining Whelk》、2度目のThalerも《取り消し》と、完璧に捌ききってみせる。

さらに、Thalerがダメージレースに持ち込むべく《なだれ乗り/Avalanche Riders》をプレイすると、三田村の変異が《意志を曲げる者/Willbender》へと表返り、Thalerの《沼/Swamp》を破壊。これでもう《虚空》の危機はない。

土地破壊デッキ相手に《虹色のレンズ》、土地と引き続けた三田村。ドローに恵まれて、連勝で第3ゲームへ向かう。

三田村 -2 Thaler -0

Game 3

三田村はセイラーと固い握手を交わした

Thalerが《明日への探索》から《ムウォンヴーリーの酸苔》という理想的な立ち上がり。一時的に、土地の枚数は5対1まで差がついてしまう。

三田村 「Bad match-up……」

苦笑する三田村。しかし、赤マナが無くて動けないThaler。その間に三田村がリカバリーに成功し、《影魔道士の浸透者》をプレイ。これは《絞殺の煤/Strangling Soot》で秒殺されるのだが、ようやく《虹色のレンズ》から赤マナを調達したThalerが《なだれ乗り》を呼び込むが、またしても必殺の《吸収するウェルク》がThalerへと舞い降りる。

虎の子の赤マナを生かし、Thalerが《虚空》で《吸収するウェルク》を除去するが、変異の1体(正体は《ヴェズーヴァの多相の戦士》)に《絞殺の煤》のフラッシュバックを使わせ、《入念な考慮》から追加の《ヴェズーヴァの多相の戦士》を変異でプレイ。そして、引き込んだのは《塩水の精霊》!

2体の変異が生き残ってターンが返ってくると、最後まで赤マナを2つ出せなかったThalerが手札の《ボガーダンのヘルカイト/Bogardan Hellkite》を解き放つこと無く、三田村は3連勝で準決勝進出を決めた。

ゲーム開始前、2人はこう語っていた。

Thaler 「厳しいマッチアップだけど……《調和/Harmonize》を引ければ大丈夫かもね」

三田村 「そうだね。先手取って、《調和》されたらダメかもね」

Thalerが待望した先手は三田村が取り、《調和》はこのマッチで1枚たりとも見る事はなかった。運と風を味方につけた三田村は、冷静にこう語る。

三田村 「不思議と緊張はしてないですね。昨日の最後の2回戦とか、今日の決勝ラウンドとか、凄い額の賞金がかかってるじゃないですか。なのに、落ち着いてますね。今思うと、PTチャールストンの時は緊張していたんだなって思います」

プロツアーを転戦することで得られた「経験」は、確実に三田村の地力を上げた。そして、彼自身の弛まぬ努力とが相まって、今まさに結実の時を迎えようとしている。¥

三田村 -3 Thaler -0

三田村 和弥、準決勝進出!

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