Round 1: 大礒 正嗣 (広島) vs. 浅原 晃(神奈川)

Posted in Event Coverage on August 24, 2006

By Daisuke Kawasaki

大礒 正嗣

昨年度の日本代表は、本当にすごかった。

この話の賞味期限が切れるのも今大会までで、今後の新しい物語はこの週末に選ばれる新たなる日本代表によって紡がれることだろう。だからこそ、ここでなおさら強調しておきたい。

昨年度の日本代表は、本当にすごかった。

そして、王者・諸藤 拓磨、ファイナリスト・彌永 淳也が共に欠席した今大会において、その賞賛を一身に浴び、フィーチャリングされるべきプレイヤーとして「世界基準のISO」こと大礒 正嗣がこのフィーチャリングテーブルに呼び出されることになんの疑問があろうか。

その大礒の前に対戦相手として立ちふさがるのが、ご存知、浅原 晃。世界選手権トップ4の成績を持ち出すまでもなく、そしてその実績だけに縛られることなく、いまや日本を代表するプレイヤーの1人である。初めて殿堂入りが発表されるなどで「歴史と伝統」がテーマとなっていた昨年度の世界選手権で「歴伝:G.o.D.」によって活躍するなど、ただのプレイ以上の物語をテーブル上で紡ぎ出すことでもおなじみだ。

日本のマジック界の象徴として存在する日本選手権。

そんな中で、まさに「世界レベルの日本」を体現する2人の対戦が今始まろうとしている。

Game 1

ダイスロールに勝利したのは大礒。赤青ランデスボアを使用する大礒は、ここで当然の先攻を選ぶ。マリガンは共にないという順当なスタート。

そして、先に優位を築き上げたのは大礒だった。2連発の《未達の目/Eye of Nowhere》によって浅原をディスカードに追い込み、早くも《猛烈に食うもの/Magnivore》によるビートダウンをスタートする。

ところで、浅原と言えば、その飄々とした、のらりくらりとした、どこまで本気かわからないようなキャラクターでもよく知られる。だが、浅原はそういったキャラクターによって、いつの間にか会話の流れや場の空気を支配してしまうことでもよく知られている。

そして、現実をも支配する浅原が、やはりのらりくらりといつの間にか場を支配してしまう流れがここでもでき上がる。

《アゾリウスの印鑑/Azorius Signet》などを展開しマナベースを確立させつつ、《師範の占い独楽/Sensei's Divining Top》《宮廷の軽騎兵/Court Hussar》で手札を充実させる。そして、コールドスナップで自身も注目カードとしてあげている《相殺/Counterbalance》をキャストする事で相手の手を緩めた上で、《猛烈に食うもの/Magnivore》へと《信仰の足枷/Faith's Fetters》。2枚目の《猛烈に食うもの/Magnivore》へは《神の怒り/Wrath of God》。

ドローにも恵まれず、《相殺/Counterbalance》と《師範の占い独楽/Sensei's Divining Top》のコンボによって窮屈な展開を強いられる事になった大磯に対して、やりたい放題の浅原が完全に場を支配する。

大礒 「これ(《相殺/Counterbalance》)ってトップ公開するの任意でしたっけ?まぁどっちでもいっかー」

と、なんとなくなげやりな気配すら漂わせる大礒。

そんな大礒に突きつけられたスペルは、浅原の数ある代名詞のひとつ《不朽の理想/Enduring Ideal》。

そう、あの「歴史に残る伝説、略して歴伝」がまたも繰り返されようとしている。

《ズアーの運命支配/Zur's Weirding》と2枚の《ドラゴン変化/Form of the Dragon》が場に出されたところで、大礒は少しでも相手のデックの中味を知る為に《海の中心、御心/Mikokoro, Center of the Sea》を起動する。

浅原 1-0 大礒

Game 2

浅原 晃

さて、浅原と言えば、名言とも迷言ともとれる様々なコメントを残してきたことで知られているが、大礒もまた一般に知られていないだけで、多くの素晴らしいコメントを残してきている。

例えば、世界選手権のドラフト終了時に浅原の残した「ボブメイヤーは土地がめくれれば宇宙」というコメント。いまや、この「宇宙」という用法は、《闇の腹心/Dark Confidant》を使用するプレイヤーたちの間では一般的に使用されるほど広く知られているが、もともとこの「宇宙」という言葉を使いだしたのは大礒だったのである。

そういう意味では、この対戦は、世界の枠に収まらず、ある意味で「宇宙」No.1を決める対戦とすらいえるだろう。

Game 2も続いて大礒が先攻。

またも、大礒の《石の雨/Stone Rain》が浅原の《冠雪の島/Snow-Covered Island》を襲う展開となるが、今度はすでに《冷鉄の心臓/Coldsteel Heart》を展開していた浅原。《師範の占い独楽/Sensei's Divining Top》のサポートはないものの、《相殺/Counterbalance》をキャストする。

Counterbalance

大礒 「運ゲーとつにゅー!」

そして、ここで大礒は手札を見ながらちょっと考えるが、《師範の占い独楽/Sensei's Divining Top》がでてくると、より窮屈な闘いを強いられる事はすでにGame 1で身をもって体験している。

大礒 「んんんーこのマナコストなら…あてられるものならあててみろー」

と、3マナの《石の雨/Stone Rain》をキャスト。浅原のデックには3マナのコストのスペルは無いとの読み。だが、続くターンに浅原が3マナの《宮廷の軽騎兵/Court Hussar》をキャストしたのを見て一言。

大礒 「そういや、そんなんいたっけかー」

もちろん、浅原は立派にGame 1でもキャストしている。そして、続く大礒のターンに《連絡/Tidings》がキャストされた際にめくられた浅原のライブラリーのトップは、その3マナの《宮廷の軽騎兵/Court Hussar》。まさに1ターン違い。大礒の言葉を借りれば「宇宙」。

浅原も、ライブラリー操作を持たない状態で、《占術の岩床/Scrying Sheets》から冠雪地形を手に入れるといった小さな「宇宙」略してコスモは発動させているのだが、「大宇宙」大礒にはかなわない。完全に大礒の宇宙ペースだ。

もちろん、大礒の持ち味は宇宙だけではない。

浅原がマナを使いきったところで、《手練/Sleight of Hand》をキャストし、浅原にトップに《師範の占い独楽/Sensei's Divining Top》を置かせてカウンターさせる。そうして、浅原のライブラリートップが1マナのカードに固定させた上で、目の上のたんこぶである《相殺/Counterbalance》に《未達の目/Eye of Nowhere》を打つという着実なプレイングを魅せる。

しかし、これにたいして、浅原は得意のビックリドッキリメカ発動。ダブルピッチの《徴用/Commandeer》によって、その対象を自身の《宮廷の軽騎兵/Court Hussar》に変化させ、《相殺/Counterbalance》を守ると共に手札を充実させる。

しかし、浅原の奇策も、大礒の宇宙ペースを乱しきる事はできなかった。

11/11という巨大なサイズで降臨した《猛烈に食うもの/Magnivore》をなんとか対処するべく、《占術の岩床/Scrying Sheets》や《宮廷の軽騎兵/Court Hussar》を駆使してドローを掘り進める朝原であったが、そこにあったのは宇宙ではなく、ただの土地だった。

浅原 1-1 大礒

Game 3

大礒 「ここは引き分けで手を打とうではないか」
筆者 「いや、まだ結構時間ありますから(残り時間13分)」
浅原 「まだ結構時間ありますか…」
大礒 「まだ結構時間ありますね…」

といった会話を挟んだり挟まなかったりしつつのGame 3。

もう1人の日本代表である志村 一郎が心配そうに2人を観戦している。

大礒が《真髄の針/Pithing Needle》で《師範の占い独楽/Sensei's Divining Top》を指定する、なんとなく泥仕合の開幕を予想させる開幕。

そして、その予想は現実となる。

大礒のキャストする《猛烈に食うもの/Magnivore》はことごとく《糾弾/Condemn》され、そのままお互いに決め手となるスペルをひけない展開となり、無念の引き分けに終わる。

浅原が《相殺/Counterbalance》でめくるライブラリートップが、《不朽の理想/Enduring Ideal》《徴用/Commandeer》とことごとくマナコストが7マナで、「こんなんあるわけあっかー」とカードに怒りをぶつけたり、《破壊放題/Shattering Spree》の複製のマナコストについてジャッジに質問するものの、結局複製は《相殺/Counterbalance》を誘発しないことに気がつき「うわ、どっちでもいーじゃんー」と本日二度目の「どっちでもいい」を発動したりと、2人のプレイヤーのファンにとっては見せ場の多い対戦ではあったが。

浅原・大礒といった宇宙を代表するプレイヤー達にとって、13分という時間は短すぎた。

浅原 1-1 大礒

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