WORLDS VIDEO COVERAGE

Posted in Event Coverage on September 1, 2004

By Wizards of the Coast

In addition to our text coverage, magicthegathering.com is taking you inside the World Championships with regular video updates. Watch along all week as Randy Buehler and reporter Justin Gary talks to the game's top names in San Francisco.

ちょうど日本を出国したのが台風一過の蒸し暑い午後だったからかもしれないが、ほとんど湿度もないサンフランシスコは実に爽やかに感じる。温度計はおよそ摂氏20度といったあたりで、テレビでは共和党大会でのシュワルツネッガー州知事の演説がやたらとリピートされている。そう言われてみれば、彼はご当地カリフォルニアの知事だ。

さて、今年度世界選手権のイベント会場があるのはそのカリフォルニア州サンフランシスコのFisherman's Wharfとよばれる一帯で、具体的には桟橋のような場所で、すぐそこには灯台が見える。ただ、日本の海辺が連想させるべっとりまとわりつくような潮風はなく、会場もカリフォルニアの太陽が直接採光できるデザインで、ゲームのコンベンション会場らしからぬ雰囲気だ。

ちなみに、名物はなんといってもシーフード。Fisherman's Wharfというだけあって、パイ生地で包んだクラムチャウダーだとか、牡蠣やカラマリ(イカの一種)の料理などは本当にすばらしい。戦いを前に、プレイヤーたちの多くも海鮮料理に舌鼓をうってきたようだ。

TABLE OF CONTENTS

  • 6:10 pm - From Day 1 Results
    by Keita Mori
  • 4:40 pm - Entering Round 6 Matches
    by Keita Mori
  • 2:40 pm - Triple Feature Matches in Round 5
    by Keita Mori
  • 12:40 pm - Entering Round 3 Matches
    by Keita Mori
  • 11:45 am - Japanese Art – 3D Card
    by Keita Mori
  • 10:50 am - Japanese Deck Selections
    by Keita Mori
  • 9:59 am - Entering Round 1 Matches
    by Keita Mori

BLOG

Wednesday, September 1: 6:10 pm - From Day 1 Results

4勝2敗ライン以上に勝ち上がったプレイヤーたちをピックアップしてみた。

大阪から藤田 剛史、森田 雅彦、中村 修平といったタレントが、Fireball-浅原連合のアライアンスからは池田 剛、浅原 晃、小倉 陵が勝ち上がっている。やはり、というか実績あるチームからは結果が出ているということだろうか。

また、森 勝洋と田中 久也という二人が選択している「青白コントロール」も好調だったといえるかもしれない。ちなみに、今では世界でもっとも有力なデッキビルダーにあげられているGabriel Nassifもこのアーキタイプだった。

Rank Player Points Decks
10 Fujita, Tsuyoshi ™ [JPN] 15 Ponza
13 Mori, Katsuhiro [JPN] 15 UW Control
21 Ikeda, Tsuyoshi [JPN] 15 Mono Green Urza-Tron
39 Morita, Masahiko [JPN] 12 Affinity
69 Tanaka, Hisaya [JPN] 12 UW Control
78 Nakamura, Shuuhei ™ [JPN] 12 Affinity
83 Asahara, Akira [JPN] 12 Goblins
89 Ogura, Ryo [JPN] 12 Goblins

Wednesday, September 1: 4:40 pm - Entering Round 6 Matches

初日最終戦を前に、なんと日本勢にはここまで5連勝というプレイヤーが生き残っていた。グランプリ名古屋でベスト8入りをはたした齋藤友晴の「青白コントロール」を選択した森 勝洋と、ここまでたびたびご紹介してきた「Ponza」の藤田 剛史である。

Antoine Ruel(フランス) vs. 藤田 剛史

「Ponza」、もしくは変則の「Big Red」同士のミラーマッチが最終戦のフューチャーマッチに招待された。まるでチキンレースであるかのようなスリリングでスピーディなマッチの記録をご覧あれ。

Game 1

先行藤田が快調に第3ターンに《煮えたぎる歌/Seething Song》からの《弧炎撒き/Arc-Slogger》展開というすばらしいロケットスタート。さらに4ターン目には《破砕/Demolish》でRuelの《山/Mountain》を破壊している。 Ruelのノンランドパーマネントは《守護像/Guardian Idol》だけだ。

なんとかこの怪獣を除去せねばならないAntoine Ruel(兄)は、《マグマの噴流/Magma Jet》+《紅蓮地獄/Pyroclasm》+《静電気の稲妻/Electrostatic Bolt》という非効率極まりない3枚がかり。この一連のプレイによって、さすがにハンド面での貧富の格差がうまれてしまいそうだが、なんとRuelはここから大逆転というわけである。そう、《真面目な身代わり/Solemn Simulacrum》から《刃の翼ロリックス/Rorix Bladewing》につないでしまったのだ!

その通り。立ち上がりは上々だった藤田だが、残念ながら後続アタッカーに恵まれなかったというわけである。

Antoine Ruel 1-0

Game 2

今度は藤田が魅せる。

開幕タップインランドスタートから2ターン目に《守護像/Guardian Idol》。4ターン目と5ターン目に息をつかせず《破砕/Demolish》連射でRuelのマナベースを攻撃した。その上で6ターン目に《刃の翼ロリックス/Rorix Bladewing》が降臨し、Ruelは即座に投了を選択。お互い苦笑いだ。

藤田 剛史 1-1

Game 3

ここで事件が。

なんと、先手のAntoine Ruelが第3ターンに《金属モックス/Chrome Mox》を経由してからの《煮えたぎる歌/Seething Song》キャストでをマナプールに。そう、ここでいきなりの《刃の翼ロリックス/Rorix Bladewing》である。

このときの藤田 剛史のハンドにも《煮えたぎる歌/Seething Song》と《刃の翼ロリックス/Rorix Bladewing》が潜んでいたことも考えると、この試合はまさに西部劇に出てくる「早撃ち」のようなミラーマッチだったといえるだろう。

Antoine Ruel 2-1 藤田 剛史
Day 1 Undefeated !!

一方その頃、森勝洋はクロアチア代表チームのSasha Zorcが操る「赤緑トロン」との3本目に向かうところだった。

両者マリガンスタートなのだが、森が2枚の《島/Island》セットから《秘宝の障壁/Relic Barrier》設置という立ち上がりだったのに対して、Zorcは順に《ウルザの魔力炉/Urza's Power Plant》、《ウルザの鉱山/Urza's Mine》という…何かを感じさせるような力強いセットランド。

森はここから2連続で《邪神の寺院/Temple of the False God》をセットし、対してZorcは《森/Forest》、《樹木茂る山麓/Wooded Foothills》とセット。Zorcの《忘却石/Oblivion Stone》に森は《無効/Annul》をプレイし、ここぞとフェッチランドである《樹木茂る山麓/Wooded Foothills》の起動にも《もみ消し/Stifle》をあわせてみせた。そう、《精神隷属器/Mindslaver》対策でよくサイドインされる青いトリックカードにはこういった効能もあるわけだ。

森は《ウルザの塔/Urza's Tower》をもたらすべくZorcがプレイした《刈り取りと種まき/Reap and Sow》に《マナ漏出/Mana Leak》をあわせ、ほっと一息。しかし、そんな森 勝洋をあざ笑うかのようにZorcはナチュラル・ドローのみで「ウルザランド」をそろえてしまったのだった。

7ターン目に《精神隷属器/Mindslaver》を起動したZorcは、悠々と8ターン目にアントワイン(双呪)で《歯と爪/Tooth and Nail》!

そんなわけで、森 勝洋の6連勝も無名の新鋭によって阻まれてしまったのだった。

Sasha Zorc 2-1 森 勝洋

Wednesday, September 1: 2:40 pm - Triple Feature Matches in Round 5

22名という大規模な選手団を送り込んでいるだけあって、現段階での上位にもプレイヤーが多数送り込まれている。そんな中、この第5回戦では3人の日本人がフューチャー・マッチの対象としてマイクで名前を呼び出された。マッチアップは以下のとおりである。

大礒 正嗣 vs. Gabriel Nassif(フランス)
藤田 剛史 vs. William Jensen(アメリカ)
森田 雅彦 vs. Daniel Zink(ドイツ)

まずは大礒とNassifの一戦をみてみよう。

グランプリ名古屋から一貫して白緑のサイクリング・デッキ、いわゆる「エターナル・スライド」での参戦となった大礒 正嗣はフランス代表チームのメンバーでもある著名なデッキビルダー、Gabriel Nassifの「青白コントロール」デッキとマッチアップされることになった。日本にも熱烈なファンがいる鼻の高いフランスの青年、いつも黄色い帽子かシャツを身につけている彼は…今シーズンのPlayer of the Yearを十分に狙える位置でのスタートだ。

双方ともコントロールベースのデッキであるだけに、とにもかくにもマナベースの確保が急務。お互いが《永遠のドラゴン/Eternal Dragon》をサイクリングして《平地/Plains》を調達することになる。

ただ、そんな中でNassifのカウンター呪文がピンポイントに大礒のキーカードたちを退ける。"Thoren"こと《真面目な身代わり/Solemn Simulacrum》がかわるがわる《マナ漏出/Mana Leak》と《無効/Annul》で打ち消されてしまい、それを回収すべく展開した《永遠の証人/Eternal Witness》も《卑下/Condescend》の対象になってしまう。

《雲上の座/Cloudpost》を重ね、《邪神の寺院/Temple of the False God》をもプレイし始めたNassifは大礒とのあいだに圧倒的なマナ量での差を築くことになり、そうなると毎ターンの《永遠のドラゴン/Eternal Dragon》サイクリングの度合いでも差がついてしまう。

当然、《巻き直し/Rewind》や《卑下/Condescend》にバックアップされながら《永遠のドラゴン/Eternal Dragon》がこの試合でフランス勢に勝利をもたらした。

Gabriel Nassif 1-0

一方その頃。昨年度の世界王者であるDaniel Zinkとの「親和」ミラーマッチを戦っていたのが日本の誇る「親和」使い、グランプリ王者に輝いてようやっと個人戦における「シルバーコレクター」を返上したばかりの森田 雅彦だった。

一戦目を複数の《物読み/Thoughtcast》をかかえながらも青マナに恵まれないという展開で敗北してしまっていた森田だが、二戦目は生き返ったドローによってなんとか星をとりもどしていたようだ。かくて、肝心要の三本目を観戦してみよう。

まず、先手の世界王者Zinkがセット《教議会の座席/Seat of the Synod》から《電結の働き手/Arcbound Worker》を展開。すると、後手の森田もまったく同じ行動。ただ、2ターン目にZinkはきっちりとライブラリーのトップから《電結の荒廃者/Arcbound Ravager》を引き当ててプレイし、《働き手》でのアタックを通す。ここで対する森田はセット《ちらつき蛾の生息地/Blinkmoth Nexus》から《彩色の宝球/Chromatic Sphere》、《霊気の薬瓶/Aether Vial》、《金属ガエル/Frogmite》と展開量という意味ではなかなかのターンを迎える。

見事に《荒廃者》を先ほど引き当てたわけだから、このまま押せ押せでいきたいZink。セット《ダークスティールの城塞/Darksteel Citadel》から、これまたライブラリーのトップに隠れていた《頭蓋囲い/Cranial Plating》を展開。これを纏わせた《電結の働き手/Arcbound Worker》でアタック宣言。森田はこれに《電結の働き手/Arcbound Worker》での相打ちというかたちで応戦し、Zinkはダメージをスタックしてから自身の《働き手》を《電結の荒廃者/Arcbound Ravager》の能力で生贄にささげ、つまりは都合二つの+1/+1カウンターを《電結の荒廃者/Arcbound Ravager》自身に載せたことになる。森田は《カエル》を3/3に。

巨大化しつつある《電結の荒廃者》にやられてしまう前に、何とか局面を打開したい森田は…《モリオックの装具工/Moriok Rigger》を展開した。これを巨大化させることによってよってなんとか対抗していきたいところだ。

しかし、さすがは昨年度世界王者。ライブラリーのトップが強い。

ここで2枚目の《頭蓋囲い/Cranial Plating》を引き当てたZinkは、もちろんこれを《電結の荒廃者》に纏わせてアタック宣言。森田は《霊気の薬瓶/Aether Vial》によってインスタントタイミングで《大霊堂の信奉者/Disciple of the Vault》を登場させつつ、《カエル》でこの《電結の荒廃者/Arcbound Ravager》をブロック。ここで相打ちというわけにはいかないZinkは《ダークスティールの城塞/Darksteel Citadel》をコストに《荒廃者》を+1/+1。この戦闘に一方的に勝利し、森田は森田で(さきほどの《彩色の宝球/Chromatic Sphere》起動とあわせて)《モリオックの装具工/Moriok Rigger》を4/4クリーチャーとした。

おされ気味には見えるものの、実はライフ面での損失がない森田。ここで《装具工》と《信奉者》でのアタックを敢行し、《物読み/Thoughtcast》を詠唱。さらなる《彩色の宝球/Chromatic Sphere》を場にもたらした。見た目のライフレースでは先行したものの、やはりもう少しインパクトのある盤面を演出したいところだろう。

ところで、隣の席では大礒 正嗣がまさにGabriel Nassifとのマッチの2本目に勝利しようとしていた。

大礒の2体の《永遠のドラゴン/Eternal Dragon》でのアタック宣言に対して、Nassifが片方を《ドラゴン》でブロック。戦闘後に大礒は《すき込み/Plow Under》を唱えて、これがNassifに《巻き直し/Rewind》されてしまうのだが、大礒はそこで《永遠の証人/Eternal Witness》をプレイして墓地の《証人》を回収し、その《証人》で《すき込み/Plow Under》をさらに回収してNassifへと叩き込んだのだ!

さて、「親和」ミラーマッチに視線を戻そうか。

Zinkは《秘宝の障壁/Relic Barrier》と《羽ばたき飛行機械/Ornithopter》、さらには《厳粛な空護り/Somber Hoverguard》を展開しつつ、2枚の《頭蓋囲い/Cranial Plating》をまとった《電結の荒廃者/Arcbound Ravager》でアタック宣言。森田は《モリオックの装具工/Moriok Rigger》でこれをブロックすることを選択し、相打ちとはいったものの《電結の荒廃者/Arcbound Ravager》の脅威はそのまま4/6 Flyerとしての《羽ばたき飛行機械/Ornithopter》という形で場に残されてしまった。

結局、2枚の《頭蓋囲い/Cranial Plating》にバックアップされた2体の航空戦力を前に、森田は回答を見出せなった。

Daniel Zink 2-1 森田 雅彦

さて、他方で森田の師匠格である藤田 剛史はプロツアー・ボストン王者のWilliam Jensenとの3戦目を戦っており、盤面はどう見ても不利であった。ちなみにJensenが「ゴブリン」、藤田は「Ponza」だ。

目には目を、といわんばかりに土地破壊スペルをサイドインしていたJensenは、なんと開幕ターンの《スカークの探鉱者/Skirk Prospector》をマナソースとして使用して、第2ターンからの《石の雨/Stone Rain》を藤田のマナベースに注いでいたのだ!

3ターン目にも《石の雨/Stone Rain》を見舞ってきたノリノリのJensenに対して、藤田は防戦一方だ。《宝石の手の焼却者/Gempalm Incinerator》に《静電気の稲妻/Electrostatic Bolt》を、《スカークの探鉱者/Skirk Prospector》にも《静電気の稲妻/Electrostatic Bolt》をプレイできたくらいだ。Jensenが三発目の土地破壊である《溶鉄の雨/Molten Rain》を放った瞬間など、実に藤田はノンランド状態まで追い詰められてしまっているのである。

しかし、藤田には逆転の秘策があった。
なんとか《山/Mountain》を3枚までそろえた藤田は、第8ターンに反抗の狼煙をあげた。

《煮えたぎる歌/Seething Song》、《煮えたぎる歌/Seething Song》から7マナ。

まずは3枚目の《静電気の稲妻/Electrostatic Bolt》を出てきたばかりの《ゴブリンの名手/Goblin Sharpshooter》に。そして、大空に《刃の翼ロリックス/Rorix Bladewing》を放ったのだ!

さらには、うるさい後続を《星の嵐/Starstorm》で一蹴。
なんと藤田 剛史はここで5連勝というすばらしいパフォーマンスを果たしてしまった。

藤田 剛史 2-1

藤田が電撃作戦での逆転勝利を決めていたその頃、大礒 正嗣は対照的にスピード戦法で追い立てられてしまっていた。

2枚の《邪神の寺院/Temple of the False God》と2枚の《島/Island》からの《巻き直し/Rewind》でちょっとしたマナブーストを果たした上で、Gabriel Nassifは上空に《正義の命令/Decree of Justice》からのトークンたちを解き放ったのだ。

当然、Nassifはカウンター呪文を握っている。

Gabriel Nasiff 2-1

かくて、日本勢トータルでは1勝2敗とあいなった5回戦フューチャーマッチだった。

Wednesday, September 1: 12:40 pm - Entering Round 3 Matches

ここまでの日本代表の成績をまとめると4勝2敗。津村 健志と中村 修平が無難に1勝1敗ときている中で、勝ち頭となっているのが日本王者の藤田 剛史だ。

自らデザインした「Ponza」デッキを操る彼は、ここで今季の新人王レースのリーダーであるAlexandre Peset(フランス)とマッチアップされ、それはフューチャーマッチとして観客が見守ることとなった。

Game 1

先手をとったPesetがセット《森/Forest》からスタート。彼はかつてでいう「ステロイド」然とした赤緑のデッキであり、《山/Mountain》、2枚目の《森/Forest》と展開して、3ターン目に《極楽鳥/Birds of Paradise》を召喚という立ち上がりとなった。

かたや新人王を目指すPesetだが、こちとら目標は世界王者。《ちらつき蛾の生息地/Blinkmoth Nexus》セットからスタートとなった藤田 剛史はPesetの《森/Forest》にまずは《溶鉄の雨/Molten Rain》。ここで藤田がランデス・デッキであることを知ったPesetは4枚目の土地を引き当てられず、《極楽鳥/Birds of Paradise》からのでさらなる《極楽鳥/Birds of Paradise》をもたらしてターンエンド。そして、我らが日本王者は残酷にも《紅蓮地獄/Pyroclasm》を詠唱し、Pesetの緑マナは壊滅的打撃を被った。

ここからの藤田は3枚の《ちらつき蛾の生息地/Blinkmoth Nexus》でのビートダウンを敢行しながら、要所要所でマナソース破壊を継続。《争乱の崖地/Contested Cliffs》に《石の雨/Stone Rain》を、フェッチランドである《樹木茂る山麓/Wooded Foothills》からの《ぶどう棚/Vine Trellis》には《紅蓮地獄/Pyroclasm》と《静電気の稲妻/Electrostatic Bolt》の二枚がかりで。

結局、舞い降りた《刃の翼ロリックス/Rorix Bladewing》が、まったくいいところのなかったフランスの伊達男にとどめをさした。

藤田 剛史 1-0

Game 2

ここで先手を取ることになるPesetが…おそらくは土地破壊、具体的には《忍び寄るカビ/Creeping Mold》を投入してくるだろうと藤田は予測。ここで《破砕/Demolish》をサイドアウトした。同様に無駄カードとなる《粉砕/Shatter》も退場となり、《星の嵐/Starstorm》を目いっぱいメインデッキにつめこんだのだった。

開幕ターンに《森/Forest》から《極楽鳥/Birds of Paradise》をプレイ、という満点のたちあがりのPeset。しかし、後手2ターン目、Pesetが《山/Mountain》をセットしたのみでターンを返してきたところに藤田は《紅蓮地獄/Pyroclasm》。なんとか3ターン目に4マナ域へアクセスしようというPesetの目論見を阻んだ。Pesetはここで《紅蓮地獄/Pyroclasm》にレスポンスして《マグマの噴流/Magma Jet》を藤田本体へと叩き込み、その「占術」効果によってライブラリーの上から2枚を確認し、ランドがライブラリー最上段となるように調整した。

この「占術」によって調達された《森/Forest》をセットしてターンを終えるPeset。日本王者は迷わずここへ《溶鉄の雨/Molten Rain》を叩き込む。そしてAlexandre Pesetが続くターンをセット《樹木茂る山麓/Wooded Foothills》のみで終えると、藤田はここで大きく勝利へ向けた力強い一手を放つ。

ターン4:《煮えたぎる歌/Seething Song》から《刃の翼ロリックス/Rorix Bladewing》!

Alexandre Pesetはこのファッティに対する回答を模索したいところだったが、藤田は《石の雨/Stone Rain》でマナベースを攻撃し、捨石ブロッカーとしての《極楽鳥/Birds of Paradise》さえも《星の嵐/Starstorm》でなぎ払っての完勝を掴み取った。

藤田「後手ではじめるからには《煮えたぎる歌/Seething Song》なしの初手は絶対にキープしない、という強い気持ちで臨みました」

そして、赤い《暗黒の儀式/Dark Ritual》が勝利への最短コースにアクセスさせてくれたのだった。

Match Results:藤田 剛史 wins 2-0

Wednesday, September 1: 11:45 am - Japanese Art – 3D Card

日本人ではじめて「アーティスト」として世界選手権へ招待された人物がいる。マジックのカード数枚を重ねて立体的なアートワークを作り上げていることで知られる「絵札細工師」こと大久保 成士郎(おおくぼ せいしろう)氏だ。

ここで掲載した写真だけでは本物が持つ臨場感は伝わりきらないだろうが、彼の手がけるカード細工をArt(芸術)として前々から高く評価していたWizards社のRon Fosterがシアトル本社のスタッフに強く働きかけたことにより、大久保氏の招待は実現した。実際にイラストを描いているアーティスト各位と同じように専用の展示ブースを与えられた大久保氏は、平日の真昼間という時間にもかかわらず多くのギャラリーを集めており、時の人となっている。そんな、マジックのカードを「素材」として独特の奥行きを持ったアートに仕立ててしまう大久保氏に話をうかがってみた。

氏によると、マジックとの出会いは第四版(4th Edition)からで、当時は「いかにして余ったくずカードの山をどうするか」が悩みの種だったという。マジックに夢中だった大久保氏は際限なくブースターを開封し続けたために、それこそ《大喰らいのワーム/Craw Wurm》などは「~枚」という単位ではなく、「~ミリメートル」という厚さで数えたほうが早いだろうというほどだった。それでいて、大久保氏には無駄なカードを捨てるということも出来なかったそうだ。

「ジグゾーパズルでも作ろうかとも思ったんですけれどもね。そんなもの、いくつもいくつもあってもしょうがない。そこで、ヨーロッパの手工芸でデコ・パージュだとかシャドー・ボックスと呼ばれている作品を思い出したんです。あ、これなら僕にもできるぞってね」

かくて、大久保氏は6枚のPradesh Gypsies(4th Edition)を取り出して、カードのイラストの淵を彫刻刀でくりぬき始めた。そう、すべてのはじまりだ。

「一番製作数が多いのは《大喰らいのワーム/Craw Wurm》ですね。Daniel Gelon氏の。もう20個は作ったと思いますよ。製作時間? それはやっぱり集中力しだいなのですけれど、3時間ですんでしまうこともあれば、丸一日かかってもはかどらないこともありますよね。」

もはや職人。まさしくアーティストの名前に相応しい大久保氏は、実はMagic;the gathering以外のカードゲームに関してもこういった「立体カード」つくりを手がけている。ただ、そんな大久保氏にもちょっとした悩みがあるのだとか。

「これはもう、国内でこういった作品を作らせていただいている以上は…版権ですよね。たしかに、二次加工させていただいたカードを販売していいのか、というとたしかに微妙な問題になってしまう。それでいて、私の作品をほしいといってくださる方もたくさんいますから。…かといってお金をとるとなると、これが問題になってしまうケースもあります」

こう苦笑する大久保氏に尋ねてみた。実際にこの記事を読んだファンには大久保氏の作品を鑑賞したり手に入れる機会はあるだろうか? はたまた、どうしたらそれがかなうだろうか?

「名古屋に住んでおりますので、北は東京、南は神戸あたりまではイベントに遠征していますよ。で、この作品は結局のところ6枚のカードで出来ているわけですから、『トレーディングカードゲーム』らしくカードとの交換でやらせてもらってます。どこのメーカーさんも実際のカードとの交換は笑って許してくれていますからね」

…ちなみに、大久保氏はマジックをもうプレイしてはいない。
いまさらながらに、マジックという作品の楽しみ方は人それぞれだということを思い出させてもらったひとときだった。


Wednesday, September 1: 10:50 am - Japanese Deck Selections

グランプリ名古屋で見事に決勝ラウンドに進出していた射場本正巳(Pro Point)や齋藤友晴(APAC DCI Ranking)に期待がかかるのはもちろん、名古屋で「最後の調整」を行ったであろうプレイヤーたちの奮闘にも期待したいところだ。

さて、ここでは世界選手権に参戦する日本勢のデッキ選択をおさらいしつつ、「出欠」を知らべてみようか。

出場権 氏名 スタンダードデッキ/参加状況 GP名古屋でのデッキ(戦績)
昨年度Worlds Top 8 岡本 尋(愛知) Urza Tron Mono Green Tron (初日落ち)
日本代表チーム 藤田 剛史(大阪) Ponza Goblin Burn (初日落ち)
  津村 健志(広島) Affinity Affinity (初日落ち)
  中村 修平(大阪) Affinity Affinity (30位)
  中野 圭貴(大阪) Ponza Affinity (二日目途中棄権)
Pro Point 20点以上 浅原 晃(神奈川) Goblins Goblins (12位)
  池田 剛(福岡) Urza Tron 欠場
  石田 格(東京) Goblins Mono Green Tron (57位)
  大礒 正嗣(広島) Eternal Slide Eternal Slide (83位)
  鍛冶 友浩(埼玉) Goblins Eternal Slide (初日落ち)
  黒田 正城(大阪) 欠場 Goblin Burn (10位)
  志岐 和政(長崎) 欠場 Affinity (56位)
  志村 一郎(茨城) Goblins Mono Green Tron (初日落ち)
  平林 和哉(滋賀) 欠場 UW Control (14位)
  藤田 修(京都) RG Goblins Goblin Burn (初日落ち)
  森田 雅彦(大阪) Affinity Affinity (二日目途中棄権)
  横須賀 智裕(東京) 欠場 欠場
オンライン予選 重原 聡紀(山口) Urza Tron Mono Green Tron (初日落ち)
APAC DCIランキング 射場本 正巳(東京) RB Death Cloud Death Cloud (ベスト4)
  大澤 拓也(神奈川) Goblins Mono Green Tron (初日落ち)
  小倉 陵(愛知) Goblins Mono Green Tron (初日落ち)
  覚前 輝也(大阪) 欠場 Death Cloud (46位)
  齋藤 友晴(東京) UW Control UW Control (ベスト8)
  加藤 英宝(静岡) Affinity 欠場
  田中 久也(東京) UW Control UW Control (38位)
  野道 英毅(兵庫) 欠場 欠場
  畠 弥峰(千葉) 欠場 Goblins (21位)
  藤田 憲一(東京) 欠場 欠場
  真木 孝一郎(東京) 欠場 欠場
  松尾 悟郎(石川) 欠場 欠場
  水谷 直生(埼玉) RG Beast Beast (初日落ち)
  三津家 和彦(滋賀) 欠場 Rude Awakening (二日目途中棄権)
  三原 槙仁(大分) 欠場 Affinity (27位)
  森 勝洋(東京) UW Control Affinity (初日落ち)

総勢22名。もちろん世界選手権としては過去最大規模の選手団だ。

しかし、まず私を驚かせてくれたのは、いわゆる「コガモ団」から、平林 和哉、志岐 和政、三原 槙仁といった面々が遠征を取りやめたことだ。とくに志岐は世界選手権での成績いかんでは十分に「新人王」が狙えるポジションであっただけに残念。いまや、日本勢からの新人王誕生は鍛冶や大澤のがんばりにかかっているということになる。もっとも、重原 聡紀がここで華々しく優勝を飾っての受賞…というストーリーラインも可能性という意味では十分起こりうることである。Alexandre Peset(フランス)の快走を、はたして日本の若武者たちは阻止できるだろうか。

デッキ選択という意味では、ともかく自分の道を信じぬいた重原や森田のような者もいれば、名古屋での結果を踏まえて路線変更となった藤田(剛史)や中野のような者もいる。そんな中で、いわゆる「独自路線のデッキタイプ」というのはBeastをひたすら練り上げてきた水谷と、グランプリでの成功を背景に《死の雲/Death Cloud》路線で赤黒デッキを完成させた射場本ぐらいだ。

Wednesday, September 1: 9:59 am - Entering Round 1 Matches

さすがは世界選手権。緒戦から豪華なマッチアップの目白押しだ。

ディフェンディング・チャンピオンであるDaniel Zink(ドイツ)と強豪Enguene Harvey(アメリカ)のマッチアップが実現し、その隣の席では今年度日本選手権ベスト8の中野 圭貴が帝王Kai Budde(ドイツ)に挑んでいた。Kai Buddeのデッキは青赤の《未来予知/Future Sight》+《抹消/Obliterate》デッキで、これは《機械の行進/March of the Machines》系コントロールのひとつの完成系とよばれているアーキタイプ。

藤田 剛史デザインの「Ponza」、すなわち赤単色土地破壊デッキをプレイする中野は果敢にBuddeのマナベースを攻撃した。必死に青マナを狙撃しつつ展開する《弧炎撒き/Arc-Slogger》。

しかし、中野のファッティは《残響する真実/Echoing Truth》にバウンスされてしまい、機を見計らって突き刺さる《マナ漏出/Mana Leak》や《卑下/Condescend》。殴りかかる《守護像/Guardian Idol》も《静電気の稲妻/Electrostatic Bolt》の的だ。結局、《未来予知/Future Sight》からの圧倒的なアドバンテージから完膚なきまでにやられてしまった中野 圭貴だった。

Kai Buddeはさすがの安定感でまずは一勝というわけだが、実はメインデッキは《抹消/Obliterate》後の荒野を《機械の行進/March of the Machines》で生物化した《ダークスティールの鋳塊/Darksteel Ingot》で緩やかなビートダウンを果たすというパターンのみである。中野としては攻めどころで土地破壊スペルがテンポよく集まらないという…ランデス特有の悪い展開にはまってしまったともいえる。

サイドボード後の二戦目もワンサイドゲーム。中野は2枚の《溶鉄の雨/Molten Rain》のみでランドデストラクションが弾切れとなってしまい、しっかりとマナベースを築きあげたBuddeは中野の起死回生の《刃の翼ロリックス/Rorix Bladewing》をきっちりと《卑下/Condescend》でカウンター。その上で悠々と2体の《弧炎撒き/Arc-Slogger》を展開してゲームを決めた。

ともあれ、Buddeが選択したというだけでも注目のこの青赤デッキ。どうやら今大会の一大潮流と呼べそうで、中野がBuddeに苦杯をなめさせられたその頃、我らが日本王者・藤田 剛史も無名の(藤田いわく)青赤使いとマッチアップされていたようだ。そう、「Ponza」対「青赤抹消」というマッチアップがここでも展開されていたのだ。

Future Sight

しかし、「世界王者をとります!」と日本選手権で高らかに宣言した藤田はさすがの勝負強さを見せ、なんと《未来予知/Future Sight》をはられてしまう展開から試合に勝利している。日本代表としてのスコアは藤田 剛史が勝ち、津村 健志がBye(対戦相手が「No Show」、つまりあらわれなかった)、中村 修平が「親和」ミラーマッチに敗れてしまっており、チームとしては6点の勝ち点を手に入れている。

ちなみに、この「青赤抹消」は日本ではあまりポピュラーではないデッキかもしれないが、カナダ選手権での活躍以来世界では注目のアーキタイプであった。

…本来なら今すぐここでデッキリストをご紹介したいところだが、会場にワイヤレスLAN回線が通っていることもあり、初日の最終局面まではデッキリストをWeb上で発表しないというイベントポリシーであることをご理解いただきたい。ラウンド6終了後に「注目のデッキリスト」たちを一挙掲載予定だ。

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November 29, 2021

Historic at the Innistrad Championship by, Mani Davoudi

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