Daily MTG : Magic: The Gathering

Posted in Event Coverage on September 4, 2004

By Wizards of the Coast

WORLDS VIDEO COVERAGE

In addition to our text coverage, magicthegathering.com is taking you inside the World Championships with regular video updates. Watch along all week as Randy Buehler and reporter Justin Gary talk to the game's top names in San Francisco.

3つのフォーマットにまたがっての18回戦という厳しい予選フォーマットを終え、プロツアー・シアトルでVon Dutchのメンバーとして栄冠を掴み取ったばかりのKamiel Cornelissen(オランダ)が順位表の最上段をかちとった。

チーム順位では下馬評どおりにフランスチームが首位を奪回しており、その最大の原動力といえるのが決勝ラウンド進出をはたしたGabriel Nassifの活躍だろう。そのフランスチームには「新人王」のタイトルを狙うAlexandre Pesetも名を連ねているわけだが、ライバルの一人であるカナダのAeo Paquetteが個人戦決勝ラウンド進出をきめたため、是が非でもチームチャンピオンを掴み取っておきたいというプロポイント事情となりそうだ。

そして、そのフランスを追うのが日本代表だ。最終戦まで決勝ラウンド進出の可能性を残したポジションに踏みとどまって敢闘した藤田 剛史が文字通りにチームを先導し、通算で藤田が12勝6敗、津村が10勝8敗、中村が11勝7敗という具合に全員勝ち越しという目標を達成している。果たして土曜日の国別対抗団体戦ではどのようなパフォーマンスを魅せてくれるだろうか?

また、日本勢からの決勝ラウンド連続進出記録は今大会も守られた。

2日目を9勝3敗で折り返していた名古屋の小倉 陵。彼が見事にブロック構築で4勝1敗1IDという成績をおさめ、とうとう栄光を掴み取ったのだ。団体戦には参加しない小倉、明日をまる一日休養にあて、そして日曜日にテレビジョンマッチを戦うことになるだろう。

日本代表チーム(日本選手権観戦記事より)

TABLE OF CONTENTS

  • 6:25 pm: Undefeated MBC Decks
    by Keita Mori
  • 6:00 pm: Japanese Standings after 18 Round of Swiss
    by Keita Mori
  • 3:40 pm: The Decision Match in Round 17
    by Keita Mori
  • 2:08 pm: from Round 16 Matches
    by Keita Mori
  • 12:20 pm: from Round 15 Matches
    by Keita Mori
  • 10:25 am: from Round 13 Matches
    by Keita Mori
  • 9:40 am: Japanese Block Deck Selections
    by Keita Mori
  • 9:11 am: Contenders
    by Keita Mori

BLOG

数ある三日目全勝者の中でタイブレイカーに勝利し、ブロック構築チャンピオンの座をCMU-TOGITのEugene Harvey(アメリカ)が掴み取った。彼はサイドボードから緑のアーティファクト対策カードを投入されるというヴァージョンのAffinity(親和)デッキをプレイしているわけで、つまるところ、「やっぱり親和」であったということか。Harveyはこの日の好調によって最終順位を16位まで押し上げることに成功した。

Murray Evansなどはブロック構築で6連勝したことによって決勝ラウンド進出をつかみとっており、これまたAffinityデッキでの快挙なのだった。結局、なんだかんだで包囲網を掻い潜ったAffinityは少なからず存在したということだ。

Eugene Harvey

Download Arena Decklist
 

Murray Evans

Download Arena Decklist
 

Eugene Harvey

Download Arena Decklist
 

Wim Gins

Download Arena Decklist
 

Grgur Petric Maretic

Download Arena Decklist
 

Kkyoung Geun Nam

Download Arena Decklist

Friday, September 3: 6:00 pm - Japanese Standings after 18 Round of Swiss

Name Day 1 Day 2 Day 3 Total Standings
小倉 陵 12pts 15pts 13pts 40pts 6th
藤田 剛史 15pts 9pts 12pts 36pts 18th
森 勝洋 15pts 9pts 12pts 36pts 30th
浅原 晃 12pts 15pts 6pts 33pts 41th
中村 修平 12pts 12pts 9pts 33pts 43rd
大礒 正嗣 9pts 12pts 12pts 33pts 50th
鍛冶 友浩 9pts 15pts 9pts 33pts 56th
加藤 英宝 10pts 12pts 9pts 31pts 71th
射場本 正巳 9pts 12pts 9pts 30pts 81th
齋藤 友晴 9pts 12pts 9pts 30pts 101th
津村 健志 6pts 12ts 12pts 30pts 112th
大澤 拓也 9pts 13pts 6pts 28pts 120th
田中 久也 12pts 9pts 6pts 27pts 136th
水谷 直生 9pts 9pts 9pts 27th 141th
志村 一郎 10pts 12pts 3pts 25pts 171th
石田 格 9pts 12pts 3pts 24pts 184th
藤田 修 6pts 9pts 9pts 24pts 207th
中野 圭貴 0pts 15pts 9pts 24pts 208th
重原 聡紀 6pts 6pts 12pts 24pts 210th
池田 剛 15pts 6pts 0pts 21pts 219th
森田 雅彦 12pts 4pts 3pts 19pts 249th
岡本 尋 9pts 9pts 0pts 18pts 257th

Friday, September 3: 3:40 pm - The Decision Match in Round 17

何も言うまい。一年前に栄光をつかみとった師匠が見守る中、小倉 陵はこの試合に勝利した上で次の戦いで握手をするだけだ。そう、とにもかくにもここで勝たないことにははじまらない。そんな血戦がフューチャーマッチへと選出され、道半ばで倒れてしまった多くの仲間たちと岡本 尋がそれを見届けることになった。

Rank Player Points Op.Win%
1 Cornelissen, Kamiel [NLD] 42 64.84%
2 Paquette, Aeo [CAN] 39 65.36%
3 Soh, Terry Han Chuen ™ [MYS] 39 62.36%
4 Bevand, Manuel [FRA] 36 66.92%
5 Nassif, Gabriel Lillia [FRA] 36 63.41%
6 Ogura, Ryo [JPN] 36 60.54%
7 Nuijten, Julien ™ [NLD] 36 59.82%
8 Siron, Geoffrey ™ [BEL] 36 57.70%
9 Evans, Murray ™ [CAN] 36 52.86%
10 Lemoine, Vincent ™ [BEL] 36 52.38%

小倉 陵 vs. Manuel Bevand(フランス)

Fireball Proと浅原連合のアライアンスを中核とする連合軍で調整した赤緑のビートダウンをプレイするのが小倉。他方、MD5ドラフトでおなじみのとあるアーキタイプをプレイするフランスのBevand。どのようなアーキタイプかというと、

各種《爆弾/Spellbomb》や《ガラクタ/Bauble》を《粗石の魔道士/Trinket Mage》でサーチしてきて、それを《オーリオックの廃品回収者/Auriok Salvagers》でグルグルまわし、場合によっては《原野の脈動/Pulse of the Fields》で時間を稼ぎながら《清純な天使/Pristine Angel》でフィニッシュ、というもの。

そう、ドラフトではありがちな、構築ではなかなか見かけないユニークなものだ。

Game 1

青白ベースのBevandだが、最初の3ターンに《島/Island》、《島/Island》、《山/Mountain》とセットしてターンエンド。後手小倉はこのエンドステップに本体へと《マグマの噴流/Magma Jet》を。まずは標的のライフを18点に減らし、ライブラリーのトップ2枚を確認した。

その上で《永遠の証人/Eternal Witness》を3ターン目に小倉が召喚しようとすると、ある意味予定調和的にやってくる《卑下/Condescend》。Bevandも占術を堪能した上で第4ターンを迎える。しかし。アンタップ、アップキープ、ドロー、セットランドなし、《黄鉄の呪文爆弾/Pyrite Spellbomb》サイクリングでターンエンド。

そう、青白コントロールが3マナで足踏みしてしまうという展開だ。ここで小倉はセットランドから1マナをたてて《永遠の証人/Eternal Witness》プレイ。マナが残っていないBevandは《卑下/Condescend》の打ちようもなく、小倉は先ほど打消されてしまった《証人》をここで回収。確実なアドバンテージをつかみ、小さくも力強い一歩を踏み出した。

続く5ターン目も、Bevandは《上天の呪文爆弾/Aether Spellbomb》をサイクリングして…セットランドなくターンエンド。そう、明らかに風は吹いている。あとは迷わずに確実に歩を進めるだけだ。

ここで小倉は自身の第5ターンにフルタップで《弧炎撒き/Arc-Slogger》をプレイすべきかどうかをしばらく考えていたようだが、結局は《卑下/Condescend》を使わせることとなった。しかる後に《証人》でアタック宣言。標的のライフを16点としてターンを終える。

アンタップ、アップキープ、ドロー、《知識の渇望/Thirst for Knowledge》。そして…セットランドなしでのターンエンド。まさしく苦虫をかみつぶしたような表情のBevandだ。

そんなBevandとは対照的に、小倉はしっかりと6ターン目には6枚目のランドをセット。《永遠の証人/Eternal Witness》で《弧炎撒き/Arc-Slogger》を回収し、静かに《証人》でアタック。ライフ14。戦闘後には《呪文爆弾》へと《酸化/Oxidize》をお見舞いする。

それでも、なんとかBevandも7ターン目に4枚目の土地を引き当て、ここで《粗石の魔道士/Trinket Mage》を召喚。ライブラリーから《上天の呪文爆弾/Aether Spellbomb》をサーチしてプレイ。小倉は力強く《弧炎撒き/Arc-Slogger》をプレイマットへと送り出し、このモンスターが吐き出した炎があわれな《魔道士》を吹き飛ばした。2体の《永遠の証人》がアタック宣言。ライフ10。

Bevandは力なく第8ターンをドロー・ゴー。小倉は2体の2/1クリーチャーでのアタックと《弧炎撒き/Arc-Slogger》の能力起動3回とでフランス勢をしとめようとしたが、対戦相手も最後の抵抗として《原野の脈動/Pulse of the Fields》をプレイしつつ、《上天の呪文爆弾/Aether Spellbomb》にて《弧炎撒き/Arc-Slogger》をバウンス。

しかし、小倉にはまったく動じるところがない。

戦闘後に3枚目の《永遠の証人/Eternal Witness》を呼び出して《マグマの噴流/Magma Jet》を回収。次のターンには3体の《証人》が突撃し、《マグマの噴出》が本体へ。かくて、スコアボードの左側に「1」という数字が刻まれた。

小倉 陵 1-0

Game 2

サイドボード後、小倉はいわゆる「まあまあ」の初手をまよわずマリガンし、力強くサイドボード・カード入りとなった6枚のキープ。そして、小倉の策、このカードが電撃的に突き刺さることになる。

そんなこととは露知らず、なんとか星を取り返したいManuel Bevandは3ターン目に《上天の呪文爆弾》をサイクリングというスタート。そしてBevandは今回も4ターン目のセットランドに恵まれず、力なく《旅人のガラクタ/Wayfarer's Bauble》を置いてターンエンドとした。

追い風を全身で感じながら、小倉は4ターン目に1マナを残して《減衰のマトリックス/Damping Matrix》設置。…ここでBevandは文字通りに軽くパニックを起こす。あたふたしながら《ガラクタ》を起動してみるのだが、シャッフルする手つきもおぼつかない。相当こたえているようだ。実際問題、このアーティファクトは《卑下/Condescend》満載、《呪文爆弾》数枚というハンドだったBevandにとってはまさに痛恨のものだっただろう。

ここからの小倉は淡々とセットランドをかさね、《卑下》がただのキャントリップ系「占術」呪文としてしか機能しないように丁寧にアクションを起こしていく。エンドステップ、本体へ《マグマの噴流/Magma Jet》を、そしてその火力を回収する《永遠の証人/Eternal Witness》を自ターンのメインで。

それでも、遅ればせながらマナを展開しはじめ、《最後の言葉/Last Word》で《トロールの苦行者/Troll Ascetic》だけはなんとか退けたBevand。しかしながら小倉はゆるぎない決意でアタック宣言。《原野の脈動/Pulse of the Fields》を意識してエンドステップには丁寧にマナバーンを。

時計の針を進めさせたくないBevandは、ただの2/4クリーチャーとして《オーリオックの廃品回収者/Auriok Salvagers》を召喚し、そこへX=0で自分の《卑下》をプレイ。占術。小倉は表情ひとつかえずにそこへ《ネクラタル/Nekrataal》よろしく《映し身人形/Duplicant》を送り込み、淡々とアタックとマナバーンを継続した。

《呪文爆弾》のサイクルという方法論が失われてしまったため、とにもかくにも《清純な天使/Pristine Angel》からなんとかお茶を濁さないといけないBevand。必死に《知識の渇望/Thirst for Knowledge》から《粗石の魔道士/Trinket Mage》を展開。ライブラリーを圧縮し掘り進む。

小倉はここでも静かに《魔道士》へと《マグマの噴流》をうちこみ、力強くクリーチャーたちをレッドゾーンへと送り込んだ。そして戦闘終了後に《真面目な身代わり/Solemn Simulacrum》を展開し、小倉の前には対戦相手とはあまりにも対照的な豊かな大地が広がることとなった。

それでも、返す11ターン目になんとか《清純な天使/Pristine Angel》を引き当て、これを展開できたManuel Bevand。ただ、実質的なタップアウト。ここでBevandは小倉の顔をじっと見つめながらターンを返してきたのだが、明らかに視線がこう尋ねてきている。「…もってるかな?」と

そして、小倉はその決定的一枚を持っていた。

アンタップ、アップキープ、ドロー。そして、ここまでポーカーフェイスを貫き、一貫して堅実な態度を崩さなかった小倉 陵がはじめて笑顔を作った。

取り囲む日本勢からは万雷の拍手と喚声があがり、Manuel Bevandは握手をもとめて右手を伸ばしてきた。

《火の玉/Fireball》をあなたに。

小倉 陵 2-0

いつかやってくるかもしれないと夢みた栄光。それを本当にもたらしてくれたこの呪文のことを、おそらく小倉は一生忘れないだろう。


Friday, September 3: 2:08 pm - from Round 16 Matches

このラウンドを含めて残すところ3つ。最終局面を迎えつつあるトーナメントにおいて現在日本勢の首位に位置している小倉の動向を見てみたい。赤緑デッキの彼は2番テーブルでKamiel CornelissenのAffinityとマッチアップされており、まだ開始数分だというのに小倉先手での2本目がはじまろうという局面だった。そう、電光石火でConelissenにやられてしまっているのだ。

ともあれ、気を取り直して小倉は開幕ターンにセット《山/Mountain》。Cornelissenは《ダークスティールの城塞/Darksteel Citadel》から《霊気の薬瓶/Aether Vial》を出してきた。小倉は2ターン目もセット《山/Mountain》でターンエンド。一方でCornelissenはセット《空僻地/Glimmervoid》から《電結の働き手/Arcbound Worker》を召喚し、その上で《金属ガエル/Frogmite》をプレイしてエンド宣言。小倉がここで《マグマの噴流/Magma Jet》を《カエル》へと発射すると、そこにレスポンスで《薬瓶》が起動され、降り立ったのは《大霊堂の信奉者/Disciple of the Vault》。チクリと小倉のライフが減り、占術が解決される。

それにしても、小倉の第3ターンは、正直なところ暗澹たるものだった。土地をプレイできず、1点の《火の玉/Fireball》を《大霊堂の信奉者》へ。そしてこの悪い流れは後々まで響いてしまうことになり、小倉が土地2枚でストップしてしまったままでこのマッチを落としてしまうことになるのだった。

ちなみに、決まり手は《モリオックの装具工/Moriok Rigger》と《電結の荒廃者/Arcbound Ravager》のタッグだったが、そもそも試合になっていなかったというほかあるまい。ともあれ、小倉には気を持ち直してほしいものだ。

なんせ、想定ライン的にはまだまだ1勝1分で栄光の日曜日へと進めそうなのだから。

Kamiel Cornelissen 2-0 小倉 陵


Friday, September 3: 12:20 pm - from Round 15 Matches

Rank Player Points Op.Win%
1 Japan 81 56.17%
2 Belgium 81 51.01%
3 Korea (South) 78 51.92%
4 France 76 58.10%
5 Germany 76 53.82%
6 Poland 75 55.69%

14回戦おえて首位に日本代表チームという具合に好調の日本勢。ベスト8をかけたマッチの行方を追ってみよう。

Table Player Points   Opponent Points
4 Ogura, Ryo [JPN] 33 vs. Nuijten, Julien ™ [NLD] 33
9 Asahara, Akira [JPN] 30 vs. Krempels, Craig ™ [USA] 30
10 Nakamura, Shuuhei ™ [JPN] 30 vs. Nassif, Gabriel Lillia [FRA] 30
11 Kaji, Tomohiro [JPN] 30 vs. Evans, Murray ™ [CAN] 30
14 Osterberg, Rickard [NOR] 28 vs. Kato, Eiho [JPN] 28
15 Osawa, Takuya [JPN] 28 vs. Hwang, Wen Jien [TWN] 27

まずは日本勢勝ち頭の小倉 陵。赤緑デッキを操る彼はオランダ代表チームのメンバーでもあるJulien Nujiten少年のAffinityデッキとマッチアップされ、2戦目をたたかっていた。どうやら緒戦は無事に白星で飾れていたようで、後手スタートだ。

そんな後手の小倉は2ターン目に《テル=ジラードの正義/Tel-Jilad Justice》をNujitenの《威圧のタリスマン/Talisman of Dominance》に叩き込む。Nujitenも2ターン目の《電結の働き手/Arcbound Worker》に続けるかたちで3ターン目にも2マナでストップしてしまいながらも《電結の荒廃者/Arcbound Ravager》をプレイした。

しかしながら、小倉は《酸化/Oxidize》をまず《電結の荒廃者》にうちこみ、+1/+1カウンターの逃げ場となった《電結の働き手》にも《静電気の稲妻/Electrostatic Bolt》。悪いことにここでマナのとまったままのNujitenは《マイアの回収者/Myr Retriever》しか展開できなかった。そこで小倉は続くターンにも《テル=ジラードの正義》を《囁きの大霊堂/Vault of Whispers》に。

1マナのみに制限されてしまったNujitenはむなしく1/1《マイア》のみでアタック宣言。ただ、この《マイア》も続くターンには小倉の《ヴィリジアンのシャーマン/Viridian Shaman》によってこれは葬られてしまい、墓地に落ちたときの誘発型能力で回収した《囁きの大霊堂/Vault of Whispers》も2匹目の《ヴィリジアンのシャーマン》の格好のターゲットとなってしまった。

それでもなんとか《囁きの大霊堂》を引き当てたNujitenは《大霊堂の信奉者/Disciple of the Vault》を連続して展開し始めるのだが…2体ならんだところで小倉はチームの名前を関した火力呪文を詠唱。その《火の玉/Fireball》は続くターンに《永遠の証人/Eternal Witness》が回収するという完璧さであった。

かくて、海外初遠征だという小倉 陵は決勝ラウンド進出をかけた大きな大きな足がかりを手にしたことになった。

ちなみに、小倉のすぐ横のテーブルでは我らが日本王者・藤田 剛史が《秘宝の障壁/Relic Barrier》で場を制圧した上での《炉のドラゴン/Furnace Dragon》を光臨させている。もはやAffinityデッキは投了寸前だ。

その横では全米選手権王者であるCraig Krempelsと浅原 晃がAffinityのミラーマッチを行っており、浅原は《煮えたぎる歌/Seething Song》からの《炉のドラゴン/Furnace Dragon》を炸裂させて快勝した。

浅原「あれはOsyp型でしたね。緑から《ヴィリジアンのシャーマン/Viridian Shaman》や《酸化/Oxidize》が飛んできましたから」

そう、一口にAffinity(親和)といっても、実にバリエーションは豊かなのだ。

また、プロツアー・チャンピオンRickard Osterbergとマッチアップされた加藤 英宝も見事にAffinityミラーマッチで勝利。この加藤というプレイヤーはいつも丸眼鏡然としたサングラスをかけていることで有名なプレイヤーで、中村 聡が「ハットマン」なら彼は「サングラスマン」だろうか。

ただ、勝利の凱歌があがっていたものばかりではなく、当然苦杯をなめさせられてしまったものたちもいる。鍛冶 友浩はというマナベースのまま、ハンドに2枚の《腐食ナメクジ/Molder Slug》と《機械の行進/March of the Machines》とを抱えながらAffinityにビートダウンを許してしまった。

Affinityデッキの日本代表、中村 修平はフューチャーマッチでGabriel Nassifとマッチアップされ、

中村「開幕ターンのセットランドから《酸化/Oxidize》されはじめて、なーんものこらんかったすよ…」

と2-0で圧殺されてしまっている。神奈川の若手、新人王の資格をもっている大澤 拓也も赤緑Postとの決戦でカードの引き合い勝負に負けてしまったそうだ。

閑話休題。この絵ラウンドには双子のZink兄弟がマッチアップされており、これもフューチャーマッチであった。そう、昨年度世界王者Daniel Zinkも兄弟プレイヤーだったのである。

Daniel「同時にうまれたから、どっちが兄貴かって質問が一番困るんだよね」


Friday, September 3: 10:25 am - from Round 13 Matches

Machine-Slug Deck called "Aprils"

試合開始からわずか5分。新人王レースを戦っている鍛冶 友浩が、浅原 晃とBrock ParkerのAffinity(親和)ミラーマッチの取材をしている私のところにやってきた。

森 慶太「…お。デッキチェックか何かですか?」
鍛冶 友浩「いえ。もう勝ってきました。今日は『親和』には全然負ける気がしないですね」

「ほう。どんなデッキでしょうか?」
鍛冶「しゃば(射場本)さんの青緑デッキです。実は…」

と、私が鍛冶からデッキの詳細についてたずねようとところで、これまたAffinityデッキのGabe Wallsとの試合に電光石火で勝利した射場本自身もやってきた。そんなわけで彼ら二人に話をうかがったところ、これは3ターン目に《機械の行進/March of the Machines》か《腐食ナメクジ/Molder Slug》をプレイすることを意図してデザインされているものだという。そう、"Silver Bullet"というか"Gauntlet"というか、ようはガンメタデッキである。

たしかに、

T2:《五元のプリズム/Pentad Prism
T3:《腐食ナメクジ/Molder Slug》 or 《機械の行進/March of the Machines

というのは文句のつけようがない高速展開といえるだろう。

はたして、昨年の「Gob-Vantage」のような嵐をおこせるかどうか、是非とも彼らのパフォーマンスに注目していきたいところだ。

Affinity Mirror Match

もう、会場のいたるところで展開されているのがこのAffinityの同キャラ対決。皮肉なもので、わずか数ターンの決戦となってしまうが故に一挙手一投足に時間をかけるプレイヤーが実に多く、この日の緒戦で実際に試合時間をオーバーして延長ターンまで突入したのはこのデッキタイプがからむマッチばかりであった。

この13回戦で対決した浅原 晃とBrock Parker(アメリカ)も、この最終日を戦う上での相棒をAffinityとしたわけだが、両者の"Silver Bullet"、とくにサイドボード後の同キャラ対策で大きな違いがあった。

浅原とプロツアー・ボストン王者との一戦、浅原先手での三本目を追ってみよう。

まず、5枚のアーティファクト・ランドと2枚の《金属ガエル/Frogmite》という初手を浅原はマリガン。結局、6枚のハンドをキープしてセット《囁きの大霊堂/Vault of Whispers》から《電結の働き手/Arcbound Worker》という開幕ターンを浅原は迎えた。対してParkerは《ダークスティールの城塞/Darksteel Citadel》から《働き手》。

浅原の第2ターンはセット《ちらつき蛾の生息地/Blinkmoth Nexus》から《彩色の宝球/Chromatic Sphere》プレイ。《煮えたぎる歌/Seething Song》からの《炉のドラゴン/Furnace Dragon》という明確なサイドボード・ストラテジーを含んだハンドをゆっくりとシャッフルしながら虚空を見つめ、今後の趨勢をやや長考。ここで早速Parkerがやや不満げに机を軽くたたくと、浅原はコンバットステップなしでターンを返した。

対するParkerもサイドボードカードのドローに恵まれたようで、セット《ちらつき蛾の生息地/Blinkmoth Nexus》からその《秘宝の障壁/Relic Barrier》をプレイしてターンを返してきた。もちろん、この段階でのこのカードは《リシャーダの港/Rishadan Port》のようなもので、もちろん浅原のマナベースを攻撃するために用いられた。

《囁きの大霊堂/Vault of Whispers》をタップアウトされた浅原は2枚目の《ちらつき蛾の生息地/Blinkmoth Nexus》をセット。先ほどの《彩色の宝球》を起動してキャントリップしつつ青マナを調達し、ここで《物読み/Thoughtcast》を詠唱してターンを終えた。対するParkerはセット《空僻地/Glimmervoid》から2匹目の《働き手》と親玉の《電結の荒廃者/Arcbound Ravager》を展開し、先ほどの《働き手》をレッドゾーンに送り出した。もちろんスルー。

浅原の4ターン目、もちろんここでParkerは《障壁》で浅原唯一の色マナ源である《囁きの大霊堂/Vault of Whispers》をタップ指定。浅原はレスポンスでマナをここから出し、ドローステップを迎えてからこれを《ちらつき蛾の生息地》の生物化起動コストにあてた。そう、場にアーティファクトが1枚増えた勘定だから、「親和:アーティファクト」のカードをプレイする用途に限っては、マナの絶対量を減らしていない計算になるわけだ。当たり前のプレイかもしれないが、展開量の勝負になることも多いこのミラーマッチでは、それに直接的にかかわるマナの確保というのもキーポイント。逆説的にそういった意味でも《秘宝の障壁/Relic Barrier》もまた効果的なサイドカードといえるのだ。もちろん、相手の《電結の荒廃者/Arcbound Ravager》がらみのファッティを封じ込めるだけでも十分だし、《歯と爪/Tooth and Nail》デッキの《ダークスティールの巨像/Darksteel Colossus》を木偶にしてやるためのカードとしても…今日はよく見かけることになるだろう。

浅原は《囁きの大霊堂/Vault of Whispers》をセットし、ここから《大霊堂の信奉者/Disciple of the Vault》をプレイ。さらに《頭蓋囲い/Cranial Plating》を置いてターンを返した。対するParkerはセット《大焼炉/Great Furnace》から《彩色の宝球》をプレイ。電結軍団を戦闘に送り出してターンを終える。

浅原は早く赤マナにアクセスしたいところだが、ここでも《大焼炉》や《空僻地》は引けず。《大霊堂の信奉者》2体目を展開し、片方に《頭蓋囲い》を纏わせたのみでターン終了。Parkerはこのエンドステップで一挙に2枚の《静電気の稲妻/Electrostatic Bolt》をプレイし、浅原の2体の《大霊堂の信奉者》を焼き払って自ターンを迎えた。

セット《大焼炉》から、Parkerは引き当てた《彩色の宝球/Chromatic Sphere》をキャントリップ。浮かせたマナで《ちらつき蛾の生息地》を起動してから《マイアの処罰者/Myr Enforcer》を「親和」ならでは、マナいらずで展開する。アタック宣言。2匹の1/1《働き手》、まだ1/1の《荒廃者》、生物化した1/1《蛾》がレッドゾーンに送り込まれ、浅原 晃はここで《働き手》を《荒廃者》へのブロッカーに指定。Parkerはダメージをスタックにのせたから《働き手》1体を生贄にささげる。これによって《荒廃者》を都合3/3というサイズに仕立て上げて戦闘ダメージを解決させた。

浅原、珍しく気合をこめてのドロー。これが《電結の働き手/Arcbound Worker》。結局これを展開するだけで第6ターンを終えてしまうことになり、もはや《リシャーダの港/Rishadan Port》から《氷の干渉器/Icy Manipulator》へと変化したParkerの《秘宝の障壁/Relic Barrier》がこれをエンドステップにタップアウトさせてきたのだった。

Parkerは悠々と全軍突撃。浅原はブロッカー候補として《蛾》一匹目を起動するとParkerがこれを《障壁》の対象として指定。当然レスポンスでこの《蛾》がマナを生み出してもう一枚の《蛾》を生物化させ、これが 敵軍で最大のサイズである4/4《マイアの処罰者》へと捨て身のチャンプブロックにむかった。

Parkerは数分にわたってここでの《電結の荒廃者/Arcbound Ravager》トリックで浅原を殺すことが出来るかどうかを計算していたようだが、どうも「…1点たりないっぽいな」と呟いて特にアクションらしいアクションなしでのダメージ解決を選択。浅原の残りライフは8となった。

さあ、運命のターン。

アンタップ。アップキープ。浅原はライブラリーのトップのカードを伏せたまま手札に加えてシャッフル。ゆっくりとそれを表にすると…

《空僻地/Glimmervoid》だ!

浅原はここで鮮やかに《煮えたぎる歌/Seething Song》からの《炉のドラゴン/Furnace Dragon》展開を炸裂させ、その後《電結の荒廃者/Arcbound Ravager》や《羽ばたき飛行機械/Ornithopter》を引き当ててきての勝利を掴み取った。

その優劣に関して短絡的に結論は出せないが、少なくともここでは《秘宝の障壁/Relic Barrier》を《炉のドラゴン/Furnace Dragon》が退けたミラーマッチとなった。

浅原 晃 2-1 Brock Parker


Friday, September 3: 9:40 am - Japanese Block Deck Selections

Name Points Block Deck
浅原 晃 27pts Affinity
小倉 陵 27pts Red Green
鍛冶 友浩 24pts UG "Aprils"
中村 修平 24pts Affinity
藤田 剛史 24pts Big Red
森 勝洋 24pts Red Green
大澤 拓也 22pts Red Green
加藤 英宝 22pts Affinity
志村 一郎 22pts Red Green
池田 剛 21pts 12 posts
石田 格 21pts Red Green
射場本 正巳 21pts UG "Aprils"
大礒 正嗣 21pts Red Green
齋藤 友晴 21pts Big Red
田中 久也 21pts UG "Aprils"
岡本 尋 18pts 12 posts
津村 健志 18pts Affinity
水谷 直生 18pts Ugw "Aprils"
森田 雅彦 16pts Affinity
中野 圭貴 15pts Affinity
藤田 修 15pts Affinity
重原 聡紀 12pts 11 posts

注目のブロック構築、我らが日本勢のデッキセレクトは表のとおりとなった。

Affinity(親和)については、津村、森田、中野らのレシピがまるまる中村 修平によるもので、浅原 晃は独自に煮詰めてきたデザインだ。

Team Fireball Proと浅原連合のアライアンスから選択者が多いことで気になる「赤緑」は志村 一郎の友人がPTQで使用していたデッキをチームとして煮詰めてきたというもの。

"Aprils"とタイトルされているのは青緑の「親和」メタデッキで、三色の水谷のヴァージョンを射場本がアップデートし、友人たちもそのデッキテクをシェアしてもらったとか。射場本が最近よく聞いているアーティストから拝借した命名だという。


Friday, September 3: 9:11 am - Contenders

暫定2位の Aeo Paquette)

二日目の戦いを終えての、2大タイトル争いの行方を整理しておこう。

まず、新人王候補者には世界選手権の参加権をもっていなかったもの、参戦を見送ったものが…暫定2位だった志岐 和政をはじめとして実に多かったことを付記しておこう。

このサンフランシスコでの世界選手権の個人戦で優勝できた場合は32点のプロポイントが、チームとて優勝した場合には6点のプロポイントが加算されることになる。

Player of the Year/年間最優秀プロプレイヤー

Name Standing of Worlds 2004 Country Pro Points
Nicolai Herzog 135th / 18 match-points Norway 80 points
Gabriel Lillian Nassif 9th / 27 match-points France National Team 71 points
Rickard Osterberg 23th / 25 match-points Norway 71 points
Jelger Wiegersma 261th / 12 match-points Netherlands 64 points
Antoine Ruel 4th / 30 match-points France 61 points

Rookie of the Year/新人王

Name Standings of Worlds 2004 Country Pro Points
Alexandre Peset 187th / 16 match-points France National Team 26
Tomohiro Kaji 55th / 24 match-points Japan 21
Simon Carlsson 252th / 12 match-points Sweden National Team 13
Takuya Osawa 61th / 22 match-points Japan 12
Aeo Paquette 2nd / 30 match-points Canada 12

Player of the Yearに関して言うと、首位のNicolai Herzogが実質的に決勝ラウンド進出を逃してしまっただけに、NassifとOsterbergがどこまで追い上げるかという勝負といえそうだ。Ruel兄も高位置につけており、十分に逆転の目はあるだろうか。特に、「世界最高の構築プレイヤー」と呼ばれ、今年度の「世界最強ナショナルチーム」にも所属しているGabriel Nassifの動向が要注目だ。

新人王戦線に関しては…プロツアー・アムステルダムでベスト8にも勝ち進んでいるAeo Paquetteの快進撃に鍛冶がどこまで食いついていけるか、というあたりだろう。もっとも、首位のPesetは土曜日の国別対抗戦での加点を期しているに違いない。なんせ、今年度の彼のチームではOlivier Ruel、Gabriel Nassif、Alexandre Pesetというすばらしいトリオが実現しているのだから。


 

Latest Event Coverage Articles

December 4, 2021

Innistrad Championship Top 8 Decklists by, Adam Styborski

The Innistrad Championship has its Top 8 players! Congratulations to Christian Hauck, Toru Saito, Yuuki Ichikawa, Zachary Kiihne, Simon Görtzen, Yuta Takahashi, Riku Kumagai, and Yo Akaik...

Learn More

November 29, 2021

Historic at the Innistrad Championship by, Mani Davoudi

Throughout the last competitive season, we watched as Standard and Historic took the spotlight, being featured throughout the League Weekends and Championships. The formats evolved with e...

Learn More

Articles

Articles

Event Coverage Archive

Consult the archives for more articles!

See All