ボロスでの構築

Posted in Reconstructed on February 19, 2013

By Gavin Verhey

When Gavin Verhey was eleven, he dreamt of a job making Magic cards—and now as a Magic designer, he's living his dream! Gavin has been writing about Magic since 2005.

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 ボロス軍は、誇りを胸に勢い良く門を開け放ち、飛び出すことだろう――これなら、『ギルド門侵犯』のギルドをテーマにした特集の初めを飾るのにふさわしい!

 剣を持て、戦に備えよ――ボロスの時間だ!

ウォジェクの矛槍兵》 アート:Nic Klein

 今週は、他ならぬコミュニティ・カップ2012の参加者にして高名なデッキ・ビルダー、ジェシー・スミス/Jesse Smithが送ってくれた、恐ろしく速いボロス・デッキを見ていくつもりだ。(君たちの多くが、@Smi77yとして彼のことを知っているんじゃないかな)。今週私の目がジェシーのデッキに留まったのは、このデッキにはボロス向けのツールの数々に加えて、あまり見ることはないが面白いカードの組み合わせが入っているためだ。

 いいかい? それじゃあ見てみよう!

ジェシー・スミスのスタンダード版ボロス

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その戦術とは

 ボロスにとっては攻撃がすべてだ――それこそはこのデッキが目指すところだ。ジャスティン・リン/Justin Lin監督の映画(『ワイルド・スピードMAX』ほか)より速く、苛烈に、優秀なクリーチャーたちや速攻、火力を活かして、できるだけ速く対戦相手を倒すのだ。

 ボロスで、とりわけ大隊持ちのカードを使うなら、カーブ・アウト、つまりマナ・カーブに沿ったゲーム展開をすることが鍵となる。最初の3ターンでクリーチャーを並べ、できるだけ早く大隊を使えるようにしたいし、早い段階でクリーチャーを交換するのは、大隊を維持するために避けたいところだ。今回のデッキでは、大隊持ちのクリーチャーは1体だけなので事情は少し違うものの、それでも、目標を心に留めておくことは大切だ。ボロス軍は一致団結を望んでいる。彼らが持つのは、数の力なのだ!

軍勢の集結》 アート:Eric Deschamps

 ともあれ、このデッキは見事なまでにカーブ・アウトを実現できる。1マナ域が7枚、2マナ域は12枚、そして3マナ域が8枚あり、かなり安定して最初の3ターンにクリーチャーを出すことができるだろう。

 このデッキがきちんと回ると、対戦相手に毎ターン攻撃を加え、ダメージを与えることになる。そこで、改良の際は与えるダメージ量とデッキの柔軟性を試行し、最適化することが肝要だ。それぞれのマナ域で最適なクリーチャーは? クリーチャーの種類を散らすべきマナ域は? どう調整すれば立て直しが早くなるだろう? 各マナ域の枚数は変える必要があるだろうか? これらの問いに答えがあってしかるべきである。

 よし、それじゃあ答えていこう!

デッキ詳細

 今回のデッキ詳細は少し違った趣向でお送りし、個別のカードごとに見るのではなくマナ・コスト別に話していくつもりだ。今回の目的は各カードを見ることではなく、ボロス・デッキにおいて各マナ域ができることを最適化することだ。議論の進め方としては今回はこのほうが良いと思うね。

 いくぞ!

1マナ域

 このデッキの1マナ域は《教区の勇者》と《石大工》だ。(いや、君たちが議論に含めたいのなら、《ボロスのギルド門》もそうだな)。これらが最適だろうか? もっと良いものがあるかな?

教区の勇者石大工

 毎ターン攻撃したいデッキでは、私は優秀な1マナ域をかなり高く評価する。1マナ域を抜くことは、ゲームの過程でダメージを何点か損する結果に繋がるのだ。さらに、これは毎ターンクリーチャーを出したいデッキにおいても良くないことだ。1マナ域は、カーブ・アウトにつまずいてもその穴を埋めることができる。マナ・カーブから外れて2ターン目に門を置かなければならない状況でも、あるいは2マナ域ではなく2枚の1マナ域を持っていても、いずれにしてもかなり良い形を維持できるのだ。これは他の方法ではうまくいかない――1ターン目にプレイするものがなくても、2マナ域を使う訳にはいかないのだ。

 今回のデッキにあるふたつのうち、《教区の勇者》は確実に残したい。彼は大抵2ターン目にで2/2となるだけでなく、さらに大きくなるのもまったく珍しくない。《教区の勇者》が《町民の結集》を呼びかければ、極めて強烈な一撃を加えることになり、それはこのデッキができる最高のスタートのひとつだ。

 一方、《石大工》にはやや確信を持てない。赤単色デッキでは、余ったマナを使えることや対戦相手に次々とクリーチャーへの対処を強いることなど、なかなか悪くなかった。赤単はマナ・カーブから外れることも多々あるだろう。しかし、今回のデッキはマナ・カーブを厳守したい。これはつまり、《石大工》に割く余分なマナを持つことはまずない、ということだ。《石大工》は人間だが、私は1マナ域ではそのことを重視しない。シナジーは良いものだけれど、第1ターン、つまり《教区の勇者》が機能する前に唱えることが多いなら、強さを優先しようと思う。

 他にこのデッキにとって魅力的な1マナ域は4枚。《ボロスの精鋭》、《宿命の旅人》、《ラクドスの哄笑者》、そして《ドライアドの闘士》だ。

ボロスの精鋭宿命の旅人

 《ボロスの精鋭》は人間であるという利点はあるものの、他には場合によって3/3になるというだけで、選択肢のなかでは弱く感じる。対戦相手が大量に除去を持っている場合に備えて、私はパワー2で安定しているクリーチャーを採用したい。

 《宿命の旅人》はクリーチャーの数を維持してくれるので、大隊重視のデッキで使うなら夢のようなカードだ。しかしながら、今回のデッキでは大隊はそこまで重要でなく、これよりも1マナでパワー2のクリーチャーが欲しいところだ。

ラクドスの哄笑者ドライアドの闘士

 《ラクドスの哄笑者》と《ドライアドの闘士》では、私は普段なら基本的な数値が高い方を選ぶだろう。この環境にはタフネス1のクリーチャーを撃退する方法がたくさんあり(何より《悲劇的な過ち》と《ボーラスの占い師》がある)、そのため《ラクドスの哄笑者》を採用するものと思われる。

 だがしかし、他に考慮すべきものがある。マナ基盤にどれだけの影響があるかだ。《魂の洞窟》の指定を人間以外にしたくないのなら、このデッキで1ターン目に赤マナを得る、ということは決して安定したものではないのだ。《ドライアドの闘士》を使えば、タップするのは白マナの出る土地で良くて、比較的スムーズに第1ターンに繰り出すことができるだろう。こうした理由で、私は《ラクドスの哄笑者》よりも《ドライアドの闘士》を採用するつもりだ。

2マナ域

 このデッキの2マナ域は《稲妻のやっかいもの》と《ウォジェクの矛槍兵》、そして《町民の結集》だ。

稲妻のやっかいもの町民の結集

 《稲妻のやっかいもの》はこのデッキの2マナ域として理想的だ。人間だし、速攻を持つことが多く、さらに他のクリーチャーに速攻を付与できる。こいつは澱みなくダメージを与え続けるので、文句なく4枚欲しい。

 《町民の結集》も最高だ。2体の1/1はアタッカーとしてもまずまずで、クリーチャー・デッキの同系戦では時間稼ぎにもなる。《教区の勇者》が《町民の結集》を呼びかけるのは、いつでも超強力だ。さらに、トークンたちは大隊の達成にも一役買うのだ。

ウォジェクの矛槍兵

 ここで触れるべき新顔が、《ウォジェクの矛槍兵》だ。で3/2の基本性能。パワーが3ある時点ですでに、ビートダウン用のクリーチャーとして興味をそそる。おまけに、大隊で先制攻撃が付き、そのおかげで多少の回避能力が得られる。また、こいつは人間なので、勇者を強化するのだ。

 こいつがこのマナ域に入れられる最高のクリーチャーだろうか?

 ここで話題に挙げたいカードが4枚ある。《灰の盲信者》、《火拳の打撃者》、《真火の聖騎士》、そして《スレイベンの守護者、サリア》だ。

灰の盲信者真火の聖騎士

 《灰の盲信者》は速攻に加えて元から先制攻撃を持っており、ぜひこのデッキで使いたいところだが、マナ・コストが気にかかる。1ターン目に、3ターン目にが欲しいというのに2ターン目にを得ようとするのは、順番に呪文を唱える妨げとなる。カーブ・アウトを目指すこのデッキにおいてはまずいことであり、そんなリスクは負いたくない。

 《真火の聖騎士》は素晴らしいカードだ――しかし、こいつは《石大工》と同じ問題を抱えている。能力を使った上でクリーチャーをプレイするようなマナが余ることは、まずないだろう。カーブ・アウトを狙うこのデッキでは全然うまくいかないので、他のものを使いたい。

火拳の打撃者スレイベンの守護者、サリア

 これに対して、《火拳の打撃者》は議論の余地が大いにある。一見無害に見えるかもしれないが、この環境でクリーチャーを1体くぐり抜けるということは、重要だ。例えば、対戦相手が守備を《スラーグ牙》頼みにしている場合、《火拳の打撃者》がこちらの軍勢を一斉に通すのだ。こいつは人間でもある。最近、多くの赤いデッキが《紅蓮心の狼》で良い結果を見出しているが、このカードはそれと同じ特性を持っているのだ。

 《スレイベンの守護者、サリア》は、これらのなかでは一線を画した位置にある。彼女は、クリーチャーよりスペルを多く使う方針のコントロール・デッキに強い。

 正解はどれか? 正直に言って、メタゲームがそれを決める。君たちの関わるメタゲームで、《火拳の打撃者》の能力がどれだけ必要か、それに尽きるのだ。《スラーグ牙》や《ボーラスの占い師》がブロックに回ることが多いのなら、《火拳の打撃者》を仲間に加えたい。スペル偏重のデッキが山ほどあるなら、《スレイベンの守護者、サリア》が欲しい。どちらでもないのなら、純粋にパワーの高い《ウォジェクの矛槍兵》を採用するだろう。

 結局のところ、私は《ウォジェクの矛槍兵》と《火拳の打撃者》の数を散らして、その後のメタゲームに合わせて調整したい。(いずれにしても、最近のコントロール・デッキは通常《スラーグ牙》や《ボーラスの占い師》を使うので、《火拳の打撃者》はそれらに対して無駄にならない)。厄介なブロッカーをなんとかくぐり抜ける必要があるなら、《火拳の打撃者》を増やそう。ブロッカーはそれほど問題でなく、単純にパワーが欲しいなら、《ウォジェクの矛槍兵》を使えばきっと君たちの求めに応じてくれるだろう。どちらにしても、たぶん私はコントロール・デッキを手玉にとるための一助として、《スレイベンの守護者、サリア》をサイドボードに仕込むことだろう。

3マナ域

 このデッキの3マナ域は、《銀刃の聖騎士》と《ボロスの反攻者》だ。

銀刃の聖騎士ボロスの反攻者

 2枚の3マナ域はどちらも素晴らしい。ボロスに入る優秀な3マナ域を見つけるのは苦にならず、この2枚や《前線の衛生兵》も含め、使いたいものはどれか、ということが争点になる。《ケッシグの不満分子》のようなカードでも、今回のように人間を重視したデッキでは入ってもおかしくないのだ!

 とはいえ、バランスが難しい。3マナ域は強力ではあるものの、最初の2ターンをカーブ・アウトするには役に立たないのだ。先ほど1マナ域の話で述べたのと同じように、3ターン目に2マナ域を使うことは(2マナ域の後さらに1マナ域を使うことだって)いくらでもできるが、2ターン目に3マナ域を使うことはできない。

 こういった制約のため、私は3マナ域を8枚使いたいとは思わない。初手に3枚もあろうものなら、本来やりたいことを信じられないくらい遅れさせることだろう。このデッキには検討すべき4マナ域もあることを考えれば、いくつかに手を入れ、最終的に3マナ域を少し減らしたい。

 それなら、どこを変えるべきだろうか?

 《銀刃の聖騎士》は、敵陣を切り開くのに最適だ。ほとんどの場合、出たターンに少しダメージを上乗せし、結魂したクリーチャー共々ブロックが困難なものになり、《火花の強兵》と組になれば確実に対戦相手を打ち倒すことだろう。その上でなお、自身が大抵は3マナ2/2二段攻撃なので、十分に強力なのだ。

 《ボロスの反攻者》は、中速以上の速さのデッキに対しては比類ないカードだ。先制攻撃を起動させてあっさりと戦闘に勝つことができ、さらに膨大なダメージを跳ね返すこともある。彼が《スラーグ牙》への完璧な解答であることも評価が高い。5点のダメージをそのまま送り返すのも、《スラーグ牙》とそのトークンを乗り越えて戦うのもありだ。

 それでも、《ボロスの反攻者》には大きな問題がひとつある。マナ・コストだ。《魂の洞窟》に頼ったデッキでは、3ターン目にこのミノタウルスを唱えることは叶わないことが、多々あるだろう。私は彼の力を高く評価するが、このデッキではマナ・カーブに沿えないことがある、という欠点を持っている。今回のデッキは、何よりカーブ・アウトを実現したいので、彼は抜いてまた別の3マナ域を選ぶことにしよう。《前線の衛生兵》だ。

前線の衛生兵

 《前線の衛生兵》は実に唱えやすい3マナ3/3で、トークンとカーブ・アウトの利点を最大限引き出すものだ。実のところ、マナ・カーブで言えば大隊を達成するのにこの上ない位置にある。1ターン目に1マナ域、2ターン目に2マナ域をプレイすれば、《前線の衛生兵》は3ターン目にして大隊の準備に入る。おまけに、彼はこのデッキの悩みの種となる2枚のカード、《スフィンクスの啓示》と《忌むべき者のかがり火》を対策しているのだ。

スフィンクスの啓示忌むべき者のかがり火

 《ボロスの反攻者》を《前線の衛生兵》3枚に換えることで、マナの問題を大いに解決し、3マナ域の数を減らすことにもなる。ここで私が目標にしていることが両方達成できるのだ。パーフェクト!

4マナ域

 4枚の《火花の強兵》が、このデッキに備わる唯一の4マナ域だ――彼は大量のダメージを叩き出す。

 《火花の強兵》――私の仲間内ではバームライトニング/Balm Lightningとして知られてたよ――は、こいつ1枚で12点ものライフ差がつく。対ビートダウン・デッキにおいてこの差は大きい! ゾンビ・デッキのようなデッキに対して激しい殴り合いをすることがあるが、6点のライフは生死を分けるだろう。(《悲劇的な過ち》にだけは突っ込まないでくれよ!)他にも、《銀刃の聖騎士》を引き込めば《火花の強兵》はまったくもって壊れたものになる。

火花の強兵

 《銀刃の聖騎士》から《火花の強兵》へ繋ぐと、両者は結魂して攻撃に向かう。4ターン目にして16点ものダメージを叩き込めるのだ! (しかも12点ものライフを得る)。ドカン!

 私は、手札が重たいカードで詰まらないように、このデッキには4マナ域のカードを4枚入れたいとは思わない。4マナ域は3枚にするのが心なしか良いだろう。残る問題は、《火花の強兵》が適任であるのかどうかだ。

 この枠を《火花の強兵》と競うのは、《地獄乗り》だ。どちらが良いだろう?

 《火花の強兵》は打点が高くトランプルも持ち、さらに《銀刃の聖騎士》とのコンボもある――しかし、その後《火花の強兵》はいなくなってしまう。これに対して、《地獄乗り》は戦場に残り、さらなるダメージをたっぷりと与えてくれる……加えて、トークンとの相性も良い!

 今回のデッキには最後の数点を押し切る方法は他にもあるので、私は《地獄乗り》より《火花の強兵》を優先しようと思う。でも、君たちがこのデッキを調整している間に、両方ともしっかり検討するつもりだ。

火力

 《灼熱の槍》と《ボロスの魔除け》はどちらも、当然のようにこのデッキに入れることを検討する火力呪文だ。《ボロスの魔除け》は絶対に使いたい。《頭蓋割り》は素晴らしいカードではあるものの、単体除去がいくらか欲しい。そこで《灼熱の槍》にたどり着く。

灼熱の槍ボロスの魔除け

 私がいじったのは、《ボロスの魔除け》を4枚フル投入したことだけだ。4点のダメージを与え、《至高の評決》からすべてのクリーチャーを守り、マナが余り気味なら《火花の強兵》に二段攻撃を付与する可能性だってある。

 頭の中で考えたこれらすべての変更が、最終的なデッキリストをもたらす。

ガヴィン・ヴァーヘイの「ボロス大隊」

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 君たちがボロスの精神を宿し、戦へ飛び込んでいくなら、これを出発点として試してくれ!

 このアーキタイプには採用する方向性が多くある、ということは確かだ。人間の数を増やしたり減らしたり、白ではなく赤に重点を置いたり、火力を増やしたり、1マナ域と2マナ域を増やしてマナ域をさらに低くしたり――選ぶのは君たちだ。最後に頂点を掴むのは、どのデッキリストだろう?

 さあ、試すのは今だ――さらに、2月15-17日開催の、プロツアー「ギルド門侵犯」のカバレージをお見逃しなく。プロツアー「ギルド門侵犯」で開花する、驚異的なボロス戦略を目にするんだ。『ギルド門侵犯』が参戦し、様々な新しいデッキが探求されているぞ!

惜しくも選ばれなかったデッキたち

 毎週、多くの素晴らしいデッキがReConstructedに送られてくる。今週の私のお気に入りをいくつかご紹介しよう!

ジェレミー・ユースの「タイガー・テイルズ」

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ヴァン・マモカーンの「ボロス・コントロール」

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ランジャンの「火炙りコンボ」

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クウヤ・フジタの「ゴブリン大隊」

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スペンサー・マコームズの「ボロス人間」

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サム・パテの「エンチャントの集結」

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トム・ブルーベックの「すっげぇやつらのためのすっげぇデッキ」

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ジャック・タートルの「不死身の軍勢」

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リッキー・バーネットの「ボロス消火隊」

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チャールズ・カーガルの「冒涜の反抗」

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アーロン・アイゼンマンの「突然の世界火」

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アンジェリカの「ボロス降霊術」

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