世にも奇魔なモダン語り

Posted in Reconstructed on March 12, 2013

By Gavin Verhey

When Gavin Verhey was eleven, he dreamt of a job making Magic cards—and now as a Magic designer, he's living his dream! Gavin has been writing about Magic since 2005.

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 今週は、単に奇妙な体験をするわけじゃない。奇魔な体験をするんだ。さあシートベルトを締めたところで、イゼット実験の時間だ!

膨れコイルの奇魔》 アート:Dan Scott

 モダンがお目見えしてからというもの、私がモダン・デッキを募集するたびに信じられないほど多種多様で刺激的なデッキを受け取るので、モダンは私のお気に入りのフォーマットの1つだ。

 私をがっかりさせるような投稿は1つもなかった。

 のみならず、私は今回もお気に入りとなるモダンのデッキリストの束を受け取ったのだが――記事の終わりにある惜しくも選ばれなかったデッキたち、を見逃したりしないでくれよ――私の目を捕らえて放さなかったデッキが1つあった。実際、私の熱中度合いは非常に高く、開発部の自分の席の周りを通りかかった人たちにそれについて伝えはじめ、続いてすぐにマジック・オンラインでそれを構築することでデッキを回し始めた。

 日本から届いたこのデッキは、私のコラムが国際的な範囲にまで広がっていることを思い起こさせる。イワヤマ マサトモによって構築されたこのデッキを見てくれ!

イワヤマ マサトモの「奇魔ストーム」

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その戦術とは

 ほとんどのコンボ・デッキ同様、このデッキは何をするのかすぐに理解できるものではない。《のぞき見》? 《急かし》? 《たなびく紺碧》?!? さらに土地は10枚しかなく、色を足してもいない。いったいどうなっている?

 その答えはこの2枚のカードによるコンボだ。

 このデッキにおける、ごく普通の動きについて説明しよう。

1ターン目:《膨れコイルの奇魔》。

2ターン目:《極楽のマントル》、装備。相手は死ぬ。

 ちょっと待って、何だって?

 いや、見間違いじゃない。マジック・オンライン上でこのデッキを組み上げるやいなや、多くのゲームに2ターンで勝った。

 刮目せよ。チャンスを逃してはいけない。

 このコンボの動きはこんな感じだ。《膨れコイルの奇魔》はインスタントかソーサリーを唱えるたびにアンタップして+1/+1される。《極楽のマントル》は装備しているクリーチャーがタップで好きな色のマナを1マナ出せるようにする。

 《極楽のマントル》を装備した《膨れコイルの奇魔》があり、カードを引ける1マナのインスタントやソーサリーの束があれば、デッキをあっという間に回転させることが可能だ。《膨れコイルの奇魔》をタップして青マナを出し、《急かし》のような呪文を唱え、それにより新しいカードを引きつつ《膨れコイルの奇魔》をアンタップできる。さらに良いのは、《魔力変》や、そう、《たなびく紺碧》のようなカードを唱えるたびに実質的に追加のマナを得ることだ。

 最終的には、攻撃して20点以上のダメージを通すか、《ぶどう弾》で対戦相手に20点与えるか、あるいは両方を用いることができる。

 さて、これは常に2ターン目に勝てるという話ではない。これは2枚のカードによるコンボで、両方が必要になる。幸いなことに、デッキの残りほとんどはドローカードで占められているので、その2枚を探し出して3~4ターン目にコンボを開始するのはかなり簡単だ。

 いくつかの微調整により、初手にコンボ・カードが両方あればほぼ必ず2ターン目に勝てる状態はそのままに、かなり安定して3ターン目に勝てるようになった。

 微調整について語るために、個別のカード詳細に進もう!

カード詳細

 このデッキには多くの似たような働きをするカードがあるものの、機能の改善と向上のために調整できる余地がまだまだある。見ていこう!

膨れコイルの奇魔

 これはデッキのコンボの中核となるものの1つであり4枚必須だ。興味深い議題としては、他の勝ち手段を加えるべきかどうかという観点がある。

 正確にはどのカードを足すという話なのか? そうだな、《ニヴメイガスの精霊》は確かに手助けしてくれそうなカードだ。コンボに取り掛かりたくない場合には、呪文を全部《ニヴメイガスの精霊》に食わせて対戦相手に殴りかかることもできる。

 しかしながらそのマイナス面は、コンボに取り掛かっている場合はデッキに追加したそのカードは無駄になるという点だ。それに多くを割く余裕は無いし、多くの場合コンボを失敗させてしまう危険性がある。付け加えて、除去はこちらの初期のコンボを打ち砕くが、複数の《膨れコイルの奇魔》があれば単体除去呪文を使われてもまだやり直すことが可能だ。サイドボード後なら《ニヴメイガスの精霊》のようなカード(あるいは何かしらの妨害要素、例えば《コジレックの審問》や《ミジウムの外皮》)を考慮できるものの、メインデッキにおいては対戦相手を打倒する手段としてこの2枚のコンボのみを頼りとすることに心配はない。

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 このカードは替えがきかず、コンボの必須パーツなので、間違いなく4枚全投入だ。

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 《血清の粉末》は通常ほとんど見かけることはなく、このカードを採用したのは興味深い。瞬時の勝利を狙う2枚コンボデッキでは、確かに取り上げるだけの意味があるカードだ。このカードが「無料の」マリガンを提供する場合、コンボ全体をより首尾一貫したものにしてくれる。

 しかしながら、本当のところは無料ではない。デッキに《血清の粉末》を投入するマイナス面は、コンボ中に不要なカードの束となる点だ。非常に多いがゆえに、これは投入するだけの価値を持たない。付け加えて、この《血清の粉末》が単に別のキャントリップ(小さなおまけとカードを引く効果持ちのカード)であれば、コンボ要素が足りないときに手札に来たら、より魅力的に思えるかもしれない。このようなデッキにおいては少し魅力的に見えるが、これがもたらす問題は受け入れる余地がない。

ぶどう弾

 大抵の場合、《ぶどう弾》は対戦相手を倒すために重要なカードだ――だがコンボ中に引きたくない。さらに《思考掃き》によってそれら全てを墓地に落とす危険性は受け入れられない。4枚は多すぎるし、1枚では少なすぎる――よって2枚か3枚が正しい数だ。

 どちらにも利点がある。3枚の《ぶどう弾》なら見つける可能性がより高いので、もしコンボが途中で「途切れる」としても、しばしば対戦相手を倒せるだろう。2枚の場合は同様にはいかない。

 両方とも試してみた結果としては、私は《ぶどう弾》を2枚にするほうが良いと感じた。3枚ではコンボを試みる際にコンボを止めてしまうカードの数が増えるのは確かだし、通常このデッキの最終的なバージョンで開始する場合はめったに途切れない。2枚が正しいと思う。

キャントリップ呪文

 私はこれら全てを一まとめにし、続いてそれら全てを個別に見ていくつもりだ。だが最初に、これらについて何が重要なのかを記しておく。

 これらのカードの重要な部分は、すべてカードを引くものであり、次に1マナのコストであるか、マナを取り戻せるということだ。(《魔力変》のようにね。)デッキ全体を掘り進められるように、連鎖を維持できるだけのキャントリップ呪文を限界まで必要とする。ここにはいくつかの2マナのカードを投入する余地があるが――それについては後でやろう。

 まずは、このデッキが明らかに必要とする最も重要なものに関してやっていこう。

 《血清の幻視》と《手練》は一貫性を高め、コンボの準備中なのかコンボ実行中なのかに関わらず必要なものを見つける助けになるので、どちらも間違いなく4枚ずつ投入だ。《ギタクシア派の調査》、《魔力変》、そして《たなびく紺碧》はすべて、無料で唱えられるか、マナを戻してくれるか、《膨れコイルの奇魔》を本来に加えてアンタップすることで追加のマナを生み出すので、これらもだ。

ギタクシア派の調査魔力変

 その後に、たしかにいくつか議論できるものがある。

 《思考掃き》と《彼方の映像》はとても刺激的に見えるが実際はどうか。《彼方の映像》はコンボが頭打ちになった時用に元のデッキでは必須だったが、私の調整によりそれほど必要ではなくなってきた。《思考掃き》を伴う場合は良いが、《思考掃き》はうっかり《ぶどう弾》を墓地に落としてしまうマイナス面も持っている。とは言うものの、結局のところこれら2枚は確かに維持する価値があるだろう。

思考掃き彼方の映像

 《のぞき見》は全体的にかなり弱い。時折対戦相手の手札を知りたいことはあるだろうが、しばしば対戦相手の手の内に関わらずコンボに行かなければならないわけで、実際に相手の手札を知りたいなら既に《ギタクシア派の調査》がある。

 とはいえ、一番弱いのは、間違いなく《急かし》だ。対戦相手の終了ステップに何かするつもりでないなら、実際のところこのデッキに何ももたらさない。これは投入する魅力的で十分な理由をほぼ持たない。間違いなく外す部分だ。

 そうすると、何なら足す意味がある?

 そうだな、とりわけうまく働くカードを2枚、私は見つけたよ。

 一つ目は《信仰無き物あさり》だ。このカードはこのデッキに入れるに申し分ない。コンボに取り掛かっている間は、手札に余分な《膨れコイルの奇魔》、《極楽のマントル》、そして土地を抱えることになるわけだが、《信仰無き物あさり》はそれらを別のキャントリップ呪文に変換してくれる。さらには序盤にコンボ要素を探し出すためにも使える。最後に、マナを増やすために《たなびく緑青》、《ギタクシア派の調査》、そして《魔力変》を用いるものの、キャントリップ呪文が少ない、というような状況に出くわすこともあるだろう。ここで《信仰無き物あさり》の持つ便利なフラッシュバックがさらに助けとなってくれる。

信仰無き物あさり

 私が追加した2つめのカードは実際ここまで見てきたものと同様に奇妙なカード、《留まらぬ発想》だ。

 コンボを動かしている最中には、マナは2つに増やせるが、手札を再び引く必要がある状況にしばしば出くわす。《留まらぬ発想》はそれに最適だ。コンボを開始すれば全てをそのターン中に終わらせるのでマイナス面は関係ないし、また必要ならば序盤にコンボ要素を探し出すためにも使える。2マナ払って3枚引けるというのは、必要な部分を見つけ出すのには最適だ。開始時の手札がこれで溢れかえってほしくはないが、いったんコンボを動かし始めているならこれらを引き入れたい。

 考慮したほかのいくつかのカードは《たなびく暗闇》、《たなびく真紅》、そして《燃え立つ調査》だ。総合的には《のぞき見》を採用することがより適切だと思っているが、これら3枚すべては心に留めておくつもりだ。

 《燃え立つ調査》はさらなる動力を見つける助けになり、《たなびく暗闇》は対戦相手がクリーチャーを出していたとしても容易に攻撃で本体を倒せ、そして《たなびく真紅》は《膨れコイルの奇魔》を出したターンにコンボで終わらせることを可能とする。さらにデッキを検討するのであればこれらも考慮するだろう。(たなびく2種はどちらも唱えるためにクリーチャーが必要なので、序盤にカードを循環できないことは覚えておくべきだ。)

燃え立つ調査たなびく暗闇

 最後の変更はマナ基盤についてだ。フェッチランドは《彼方の映像》のために迅速に墓地を肥やし、またデッキを薄くすることは通常なら統計的に大した差にはならないが、1ターンに30枚ほどのカードを引く計画で、キャントリップ呪文の後に引き続いてキャントリップ呪文を連鎖する状態を維持しなければならないなら非常に影響してくる。

 さらに《蒸気孔》を加えることで、《信仰無き物あさり》や《魔力変》のようなカードを《極楽のマントル》無しで唱えることが可能となる。しかしながら、低予算でデッキを構築したければ(まさしく低予算で組めるデッキだ)、これらの土地についての要素はそれほど重要ではない。

 そして最終的なデッキリストはこうなる。

ガヴィン・ヴァーヘイの「奇魔パラダイス」

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 環境から《煮えたぎる歌》が外されているモダンで青赤コンボ・デッキを求めているなら、これは私が明らかに試みるものだ。これは脆弱なコンボではあるので、サイドボード後は《コジレックの審問》、《イゼットの魔除け》、そして《使徒の祝福》のような除去をかわす助けとなる多くのカードを用いることができる。

コジレックの審問イゼットの魔除け

 他に試みられるサイドボードは《紅蓮術士の昇天》だ。メインデッキでは多くのキャントリップ呪文を唱えるほうが単に良いと分かったが、対戦相手がサイドボード後に《膨れコイルの奇魔》を除去してくるならば《紅蓮術士の昇天》を用いることで逃げ道となりえる。

 メインデッキで言えば、対戦相手が妨害要素を持っていないならばこれはモダンで見られる他の一般的な全てのコンボ・デッキより早い。多くのゲームで2ターン目にそのまま勝てるという力は見過ごせるものではないだろう。試してみてくれ!

惜しくも選ばれなかったデッキたち

 今週もすごいモダン・デッキが数多く投稿されてきた。あなた自身の目で確かめてくれたまえ!

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