先程のフューチャーマッチにおいて Executioners にしてやられてしまった Loafing Giants 。当然トップ 4 に勝ち残ってシングルエリミネーションラウンドに進出することは必須の条件というか、彼らにとっては既定の事実のようなものだ。したがって、Circle Money Draft が提案してきた Intentional Draw を受け入れることはあり得なかったのだった。何せ、勝てばいいだけの話であるからだ。
ちなみに、一方の Circle Money Draft とは Dci トーナメントセンターでひたすらマネー・ドラフトに励んでいる「マネドラ部」の面々である。マニアックな皆さんはその存在をご存知かもしれない。エース格の平林和哉は、PT 東京においてデッキビルダーとしての声望を高めたのことでも知られている。
平林和哉 VS Michael Putilnik
Game 1
赤黒の平林と赤緑黒タッチ白の Pustilnik というマッチアップ。
このエース級同士の対戦は、後手 Pustilnik の 2 ターン目 Quirion Explorer が 3 ターン 平林に Zap で除去されるという立ち上がりを見せ、平林が Phyrexian Slayer をアタッカーとして召喚すれば、Pustilnik は Eladamri's Call で Flametongue Kavu をチューターしてきておいた上で Rooting Kavu 、Serpentine Kavu と続けたのだった。
明らかに Pustilnik の地上戦線が充実しはじめ、平林のアタッカーである Slayer は満を持しての Flametongue Kavu でもって排除されてしまい、形勢は圧倒的であるかに思われたのだった。
押され気味の平林は Sepentine Kavu を Shivan Emissary によって除去し、召喚した Urborg Emissary をコストとした Death Bomb でもって Rooting Kavu を葬った上で、キッカーつきでの Phyrexian Scuta を召喚し、戦線をなんとか五分に持ち込もうとした。
しかし、 残りライフが 8 点の平林の陣営に 5/5 の Scuta が待ち構えているところへ「明らかに不自然な」4/2 の Flametongue Kavu での攻撃を行ってきた Pustilnik。平林は腹を括ってこれを本体に通したところ、Gaea's Might がキャストされてしまったのだった。
Pustilnik 1-0
Game 2,3
またしても後手 Pustilnik の Quirion Explorer を 平林が 3 ターン目に Zap するという立ち上がり。平林が先程同様に Phyrexian Slayer を召喚し、第 5 ターンにも Maniacal Rage をエンチャントしたことで今度は平林有利かと思いきや、Pustilnik は Primal Growth 経由で 4 ターン目に Serpentine Kavu 、第 5 ターン目には Darigaaz, the Igniter !! という素晴らしい展開を見せたのだった。しかも、6 ターン目 に Pustilnik が引き当てたのも Flametongue Kavu !! というトップデックっぷりであった。
「・・・さすがに決まったかな」 そんなムードの中、平林は黙々とキッカーで召喚した Scuta で Serpentine Kavu をブロック。スルーせざるを得なかったドラゴンの攻撃によってライフを 7 点にまで削られてしまった。Pustilnik は Darigaaz の能力を起動せずに、Quirion Sentinel を召喚し、赤マナを浮かせて Assault を 4 点のダメージを食らっている Scuta に打ち込んで除去。さらに、Flametongue Kavu でもって 4/4 となった Phyrexian Slayer を撃ち落し、まさに一方的なシチュエーションを作り上げた。
しかし、平林は反撃の刃を研ぎつづけた。
7 ターン目に Soul Burn で Flametongue Kavu を除去し、なんとか Sentinel と Darigaaz の攻撃にも持ちこたえられる状態とした。もちろん、それは Pustilnik が「色」を指定して起動する Darigaaz の特殊能力の「色選択を誤ることを前提として」のことで、ギャンブル性は非常に高かった。そして、Pustilnik が指定したのは「赤」で、平林のハンドは Agonizing Demise と Recover という 2 枚の黒いカードであった。
ともあれ、平林のライフは 1。
6 マナしか残されていなかった平林は、次ターンに Terminate をトップデッキして Darigaaz を、Agonizing Demise でもって Sentinel を葬り去るしかなかったわけで、余裕綽々といった感のプロツアー王者。
しかし、平林はまさしくその一枚をトップデッキした!!!
そこからは圧倒的に平林主導の流れで、Recover(対象:Scuta)→Scuta 再召喚としてアタッカーを調達し、唯一 Pustilnik が召喚できた Stone Kavu も Volcano Imp を召喚して生贄に捧げての Death Bomb で除去してみせた。もちろん、平林は必要牌をトップデッキしてみせてのこと。
Pustilnik が Alpha Kavu を諦め顔で召喚すると、やはり平林は Shivan Emissary をトップデッキ。
平林はこの一戦をものにしただけでなく、続く 3 本目も凄まじいドローでの勝利を掴み取ったであった。
平林 2-1 Pustilnik
しかし、その直後に星野裕亮がマナ事故を引き起こして Robert Dougherty に敗れ去り、荒井健一郎も Alex Shvartsman が展開した Armored Guardian の前に敗北を認めざるを得なかった。
平林が一人気を吐いた・・・といった感じであろうか。
Loafing Giants 2-1 Circle Money Draft