《魂の洞窟》に関する話

更新日 Feature on 2012年 5月 25日

By Matt Tabak

Senior editor. Game designer. Writer. Bon vivant. Matt wears many hats inside Magic R&D, but they're hard to see as he's so tall.

 《魂の洞窟》に関する最近の裁定について耳にしている方もおられると思います。ここで、現在の裁定とご理解いただくべき内容について説明し、その後でそれらの判断に至る考えについても説明いたします。

Cavern of Souls
 

現在の裁定:

 《魂の洞窟》をコントロールしている状態で、その選んでいるクリーチャー・タイプのクリーチャー呪文を唱えた場合、通常は2つめの能力を起動したものとして扱われ、その呪文は打ち消されなくなります。《魂の洞窟》のコントローラーは、そのカードを確実に見えるようにする責任があります(他の土地の下にしたり、肘の影に隠れるようにしてはいけません)。そのクリーチャー呪文を唱える時に、打ち消されないようにしているという宣言を明示する必要はありませんが、対戦相手はいつでもあなたの行動を明確にするように頼むことができます。複数の《魂の洞窟》をコントロールしている場合、どの《魂の洞窟》がどのクリーチャー・タイプを宣言しているのかを明確にするのはあなたの責任となります。もし、《魂の洞窟》の1つめの能力を起動して自分のクリーチャー呪文を打ち消せるようにしたい場合、その呪文を唱える時点で明示的にそう宣言しなければなりません。イベントに参加する際に疑問があれば、そのイベントのジャッジにご確認ください。

 さて、その裁定について説明致します。

 私の考えでは、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト(私たち)がプレイヤー(皆さん、そして私たちも)のためにできることのなかで最も重要なことは、マジックを楽しく魅力的なものにするということです。この理念はまずカード、そしてイベントにも適用されるものです。究極的には、私たちは皆さんのためにここにいるのです。イベントの要素の中には、単体で見れば楽しくないものもあります。しかし、それは全体としてよりよい経験のためのものです。デッキ登録そのものを楽しいと思う人は少ないでしょうが、イベント全体をより楽しめるようにするために必要な保護なのです。

 最近の大イベントでの意見の分かれる状況を受けて、一旦、2つめの能力を起動すると明示するか、あるいは2つめの能力を使って色マナを出さなければその呪文を唱えられない場合は明白に2つめの能力を使っているので打ち消されないが、それ以外の場合は1つめの能力を起動したものとして扱うという裁定を出しました。

 この裁定の根拠になったのは、2つの基本的な考え方です。

  • プレイヤーが何か普通でないことをしたい場合、それは明示されるべきである。
  • プレイヤーはゲームの局面を明確にするべきで、不明瞭にすることによる利益を得るべきではない。

 新裁定は非常に筋の通ったものです。プレイヤーは対戦相手と意思疎通をすべきです。そうすれば混乱は解決でき、誤解は避けられ、よりよいゲーム体験ができます。口先手先で引っかけるより、高度な技術戦のほうがマジックを楽しめるのです。元の裁定の問題点は、あいまいさを引き起こしかねないと思われる行動をおそれるあまり、論理の筋道を踏み外していたという点にありました。

 《魂の洞窟》は非常に特殊なカードです。対戦相手の行動に劇的な変化をもたらす、2つのマナ能力を持っています。しかも、それは目に見えません。もし2つめの能力を起動するときに1点のライフを失うのであれば、状況はずっと簡単に(カードはずっと弱く)なったことでしょう。しかし実際は、選んだクリーチャー・タイプを持つクリーチャー呪文を唱える時に《魂の洞窟》をタップした場合、その呪文は打ち消されないと考えるのは非常に道理に適っています。つまるところ、このカードはそういうものなのです! しかし、あなたがこの裁定を知らなければ、この裁定を知っている対戦相手はその知らないことにつけこんであなたの呪文を打ち消すかも知れません。混乱したあなたはジャッジを呼び、(過去の裁定では)あなたの対戦相手の主張を支持することになるでしょう。《魂の洞窟》を正しく使う意志があったにもかかわらず、裁定を知らなかったことによって不利益を被るわけです。この結果は望ましいものではなく、ルールを知らない人をも守るルールが望ましいと考えています。

 そこで、私たちは裁定を覆すことにしました。《雲散霧消》を持った相手を苦しめるような裁定です。選ばれているクリーチャー・タイプのクリーチャー呪文を唱えてきた相手に対しては、どの土地がタップされているかを意識しなければならなくなりました。ただし、《魂の洞窟》のコントローラーはそれを戦場に出す時点でクリーチャー・タイプを口頭で指定しているので、対戦相手はそのゲームにおいて何が起こっているのかを充分理解できると私たちは考えています。

雲散霧消
 

 これは複雑な問題であり、《魂の洞窟》のようなカードがもたらす意思疎通の問題に注意すべきだということを私たちは学びました。これについて考えていなかったのは事実で、申し訳なく思っています。こういう問題は、カードをより良いものにしようとするときにはよくあることですが、二度と繰り返さないようにしたいと思います。

 新しい裁定は即時有効で、今週末のグランプリ・アナハイムにも適用されます。私も、ヘッドジャッジのトビー・エリオット/Toby Elliottとともにグランプリ・アナハイムに向かいます。参加される方は、是非この件に関するご意見をお聞かせ下さい。会場でなくても、フォーラムやツイッターでも構いません。それでは、お楽しみ下さい!

マット・タバック/Matt Tabak

 

@TabakRules

(Tr. YONEMURA "Pao" Kaoru)

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