早速ですが、〈ダークスティールの突然変異/Darksteel Mutation〉と名づけられた『統率者(2013年版)』の新しいカードについての話をしましょう。

この小さなエンチャントは、統率者戦のいくつかの戦法に必ずや問題となるでしょう。もちろんこれは統率者の価値をなくし、ブロッカーか無意味なアタッカー以外には使い物にならなくしてしまうので正に悪魔のような除去です。
このカードには訂正しなければいけない問題があります。このエラッタは皆さんのほとんどが思い浮かべるこのカードの動きを、単にそのとおりに行わせるものです。このカードの公式なオラクルははこうです。
Enchant creature
Enchanted creature is a 0/1 Insect artifact creature with indestructible and loses all other abilities, card types, and creature types.
日本語訳(参考)
エンチャント(クリーチャー)
エンチャントされているクリーチャーは破壊不能を持つ0/1の昆虫・アーティファクト・クリーチャーであり、その他のすべての能力、カード・タイプおよびクリーチャー・タイプを失う。
太字の文が変更された部分です。この変更は何故行われたのでしょうか? この変更の理由を解説するために、マジックのルール・マネージャー、マット・タバック/Matt Tabakにキーボードを譲りましょう。それではマット、お願いします!
我々がパーマネントのタイプやサブ・タイプを変更するときは2つの方法があります。既存のタイプを上書きするか、タイプを加えるかです。上書きする場合、単に「〜になる」とだけ書きます。タイプを加える場合、大体は「他のタイプに加えて〜になる」と付け加えます。《蛙変化》を唱えた後、その前に人間・戦士でも昆虫・忍者でも何であってもそのクリーチャーはカエルだけになります。しかしアーティファクト・クリーチャーのために組み込まれた余り知られていない例外のルールが存在します。何かがアーティファクト・クリーチャーになった場合、ルールによってそれまでのあらゆるカード・タイプ、サブ・タイプを維持します。〈ダークスティールの突然変異〉は以前の似たような呪文と違い対象をアーティファクト・クリーチャーにするので、この例外が適用されます。このルールの例外は他のカードには重要ですが、ありうるのは恐らく〈ダークスティールの突然変異〉の対象がクリーチャー・エンチャントのままか、ビーストのままであることに関係があるかなどでしょう。なので我々はこのカードがどう機能するかをはっきりさせるために少しテンプレートから外れた訂正を行いました。ですが心配はいりません。このカードはとても優秀です。
マット、ありがとうございました! 私がお伝えしたように、大部分のプレイヤーにとってはこのエラッタはプレイに何の変更も与えませんが、我々はこの変更を皆さんに知っていてほしいと考えました。来週の『統率者(2013年版)』のリリース・ノートをお待ちください!
(Tr. Takuya Masuyama / TSV YONEMURA "Pao" Kaoru)