コントロールが抱える難題を解決せよ

更新日 Building on a Budget on 2012年 6月 20日

By Jacob Van Lunen

Jacob Van Lunen began playing Magic in 1995. He has participated in organized play at every level of competition and was a member of the winning team at Pro Tour San Diego in 2007, thanks to an innovative draft strategy. As a writer, Van Lunen has had more than three hundred Magic strategy pieces published

 こんにちは、そしておかえりなさい。私は先週からスタンダードの新しいデッキに取りかかり、今日のデッキも君たちの役に立つんじゃないかと思ってわくわくしているよ! 実際に、私は今回のデッキに強く刺激を受けていて、今週末にプロツアーの地方予選に持っていこうか、と考えている。

 スタンダードは現在、《秘密を掘り下げる者》デッキとそれに対してわずかに有利な赤緑デッキに支配されている。コントロールデッキは、それへの一般的な脅威である積極的なクロックに加えて、カード・アドバンテージまで得られてしまっていることにより、苦戦を強いられている。多くの読者が、私が現行スタンダードでのコントロール・デッキについて書くことを望んでいる。私は難題と隣り合わせにいるのだな、と気がついたのだ。

ソリンの復讐》 アート:Jana Schirmer & Johannes Voss

 除去呪文は君たちが生き残りゲームを長引かせるために使うべきだが、結局それだけでは、《ムーアランドの憑依地》や不死クリーチャーたちによって苦しめられることになるだろう。この問題の解決法は常軌を逸するもので、そのほとんどは行き詰ることになる。私はあらゆるものを試し、《絡み線の壁》までも試して、諦めかけていた。

 そのとき、天啓に打たれた! コントロール・デッキは、アグレッシブなデッキに必然的な敗北を喫する前にゲームを終わらせる必要があるのだ。無茶苦茶な話に聞こえるかもしれない。私の知るデッキ構築理論やマジックへの理解がそれをままならないものにしているのだ。今現在、アグレッシブなデッキは大量のカード・アドバンテージと多種多様な脅威をコントロール・デッキに仕向け、一貫して長期戦に持ち込まないようにしている。

 そこで、私はゲームを素早く終わらせる道を見出さなければならなかった。それは簡単なものではない。《蒸気の絡みつき》で負けが決まるので、大型クリーチャーを使うわけにはいかない。現行スタンダードのデッキを組む際もっとも難しい部分のひとつは、《瞬唱の魔道士》と《蒸気の絡みつき》による問題だ。4マナ以上で戦場に出たときの効果を持たないクリーチャーを出し、対戦相手のハンドに《瞬唱の魔道士》と《蒸気の絡みつき》がある場合、君たちは基本的にはそのゲームを落としてしまう。

 手段は限られた。スタンダードで競合し得るコントロール・デッキを組むなら、ゲームを素早く終わらせる必要があるだろう。どうすればいい?

ソリンの復讐

「10点!」

 《ソリンの復讐》はほとんどの競技環境で見られないカードだ。唱えるのが難しく、盤面に影響しない。昔は、私はこういうカードの大ファンというわけではなかった。《ウルザの激怒》みたいなカードで「本体に10点」とは言ったことがない。

 だがしかし、今こそ「10点を叩き出す」人たちにとって絶好の機会だ。Delverデッキのリストは同型に有効なためカウンター呪文を切り詰めていて、その他のデッキでは《ソリンの復讐》による20点差のライフ・レースはままならないだろう。《ソリンの復讐》は今や大量に流通しているレアであり、簡単に手に入るに違いない。

 《ソリンの復讐》を2枚引くことを前提にするのは厳しいので、対戦相手に10点のダメージを与える方法が他に必要になるだろう。《ソリン・マルコフ》が正解だ。次のようなことを初めて目の当たりにしたら、君たちはきっと嬉しい驚きを得るだろう。

  • ソリン・マルコフ》の+2能力、クリーチャー1体を除去し、ターンを返す。
  • 次のターン、−3能力で対戦相手のライフ総量を10にし、《ソリンの復讐》、グッド・ゲーム。

 どんでん返しだ。

 《ソリン・マルコフ》は今のところ、スタンダードで使用可能なプレインズウォーカーの中ではもっとも手に入りやすいもののひとつだ。彼を4枚揃えるのに問題はないだろう。

ソリン・マルコフ
真面目な身代わり

 コストが6マナとか7マナとかの呪文を4枚投入したいので、マナをいち早く加速する良い設備が必要だ。私は緑を含めることを考えたが、無色のカードを使って十分な加速ができると判断した。

 《真面目な身代わり》はここ数ヶ月で劇的に手に入りやすくなっている。しばらくの間このカードを使ってデッキを組む機会がなかったから、これを最新のデッキに入れることができそうで、嬉しいよ。

 《清純のタリスマン》は他のカードには見られない、防御をしつつマナ加速をする、という最高の仕事をしてくれる。

 《太陽の宝球》は《不屈の自然》として機能するね。

清純のタリスマン
太陽の宝球

 コントロール・プレイヤーとしての役割を全うするため、効果的な単体除去と全体除去が必要だろう。《黒の太陽の頂点》は現行スタンダード環境で最高の選択肢だ。フル投入した《黒の太陽の頂点》を使うことによって、まるで弾数無制限の全体除去を使えるようなデッキになる。《黒の太陽の頂点》は唱えた後デッキに戻るので、危険なクリーチャーの軍団と対峙するときには、私たちはいつも解決策を持っていることだろう。

 《喉首狙い》はこのデッキにぴったりの単体除去だ。マジック・オンラインでは黒い《出産の殻》デッキが成績を残していて、紙のマジックでも人気になるのも時間の問題だ。除去には、よくマッチアップする相手に効果的であって欲しいところだ。サイドボードに何枚か《破滅の刃》を入れるとしよう。これは、滅多に当たらない相手だが、《鍛えられた鋼》に対しては《喉首狙い》と入れ替えることができ、また単体除去が重要な一戦に追加することができる。

胆液の水源
マイコシンスの水源
ファイレクシアの核
 

 《真面目な身代わり》だけでなく、カード・アドバンテージを生み、「10点」呪文を掘り起こすものが必要だ。私は青を足して《思案》を入れることを考えたが、予算とマナの問題でそれは控えることにした。黒単コントロール・デッキでは、《胆液の水源》と《マイコシンスの水源》、そして《ファイレクシアの核》が私の手札をいっぱいにする最良の方法だろう、と判断したのだ。

 1枚差しの《死の支配の呪い》と《困窮》はこのデッキに丸さを持たせる。

 これらをひとまとめにしたデッキがこれだ。

黒単「あなたに10点」

Download Arena Decklist
Planeswalker (4)
4 ソリン・マルコフ
クリーチャー (4)
4 真面目な身代わり
ソーサリー (9)
4 ソリンの復讐 4 黒の太陽の頂点 1 困窮
インスタント (2)
2 喉首狙い
エンチャント (1)
1 死の支配の呪い
60 カード
 

 このデッキにはたくさんのレアが入っているが、マジック・オンラインではそれらすべてが非常に簡単に手に入る。さらに安くすることも考えたけれど、どこを変えようとしても強烈にデッキのパワーが下がってしまう。現在、私はマジック・オンラインの二人構築でこのデッキを使って7−1し、そこで、現時点でのリストをお見せしようと思った。このデッキは強いよ。

 私がマジック・オンラインでやったいくつかのマッチをお伝えしよう。


 ダイスは私の負けで、《》、《ファイレクシアの核》、《太陽の宝球》、《真面目な身代わり》、《ソリンの復讐》、《清純のタリスマン》、《喉首狙い》をキープ。

 対戦相手は《根縛りの岩山》を置いてエンド。私は《ソリン・マルコフ》を引いて《》を置く。相手は《銅線の地溝》から《絡み根の霊》をキャストし、攻撃。私のドローは《埋没した廃墟》で、それを置いて《太陽の宝球》をプレイ。相手は攻撃後《刃の接合者》を投入した。私は《黒の太陽の頂点》を引き、土地を置いて《真面目な身代わり》を投下。相手は全軍で攻撃。私は《絡み根の霊》をブロックし、《》を引いた。それから相手は《高原の狩りの達人》を追加してターンを返した。私はもう1枚《》を引いて、《清純のタリスマン》をキャストし、《黒の太陽の頂点》をX=2で唱えた。相手は《酸のスライム》を唱えて《清純のタリスマン》を破壊し、1点で攻撃。私のドローは《胆液の水源》。《ソリン・マルコフ》を着地させ、+2能力で《酸のスライム》を除去する。相手は《原始のタイタン》を投下し《ケッシグの狼の地》ともう一枚土地をサーチして、1/1のゴーレムでソリンに攻撃してターンを返した。私のドローは《困窮》。ソリンの−3能力を使い相手のライフ総量を10にし、《ソリンの復讐》で勝ち。

サイドボード:−1《困窮》、−4《胆液の水源》、+1《血のやりとり》、+2《死の支配の呪い》、+2《破滅の刃》。


 《》、《》、《》、《清純のタリスマン》、《黒の太陽の頂点》、《ソリン・マルコフ》、《死の支配の呪い》をキープ。

 対戦相手は《アヴァシンの巡礼者》を置いてターンを渡した。私は《破滅の刃》を引いて、土地をプレイ。相手は《国境地帯のレインジャー》を投下し、エンド。私は《マイコシンスの水源》を引いて、それを唱え、《》を持ってきた。相手は2点で攻撃し、《高原の狩りの達人》を投入。私は《ファイレクシアの核》を引き、それを置いて《清純のタリスマン》をキャスト。相手は7点で攻撃し、何もプレイせずターンを返した。《黒の太陽の頂点》を想定した動きだ。私は相手のエンドステップに1点のライフを得た。そして私のアップキープに、相手の《高原の狩りの達人》が裏返る。私のドローは《死の支配の呪い》。それを貼って、私のライフは11に。

 相手は《絡み根の霊》をキャストして7点で攻撃し(残りライフは4)、ターンを返した。私のドローは《ソリン・マルコフ》。《》を置いてもう一枚《死の支配の呪い》を貼り、ライフを1点得る。相手は2点で攻撃してエンド。私は《真面目な身代わり》を引き、《ソリン・マルコフ》着地。カウンターをふたつ乗せ、《高原の荒廃者》を除去する。相手は4枚目の土地を置いて何もせずターンを返した。

 私は《》を引き、それを置いて《ソリン・マルコフ》の−3能力を使い相手のライフを10にしてから《真面目な身代わり》を投下した。相手はそのままターンを返す。私は《ファイレクシアの核》を使って《マイコシンスの水源》からもう1枚土地をつかんだ。私のドローは追加の《真面目な身代わり》。ソリンの+2能力を相手に使ってライフを8にし、《真面目な身代わり》の2点で攻撃。それからもう1枚《真面目な身代わり》を投入した。相手は《刃の接合者》を唱え1/1のゴーレムを戦場に。私は《真面目な身代わり》2体で攻撃し、相手は片方をチャンプブロックした。ソリンの+2能力で相手のライフは2。次のターンのドローを見て、相手は投了した。



 私はダイスに勝ち、《》、《ファイレクシアの核》、《喉首狙い》、《清純のタリスマン》、《ソリン・マルコフ》、《ソリンの復讐》、《困窮》をキープした。

 私は《》を置いてエンド。対戦相手は《秘密を掘り下げる者》をキャストし、ターンを返した。私のドローは2枚目の《ファイレクシアの核》。《秘密を掘り下げる者》に《喉首狙い》を撃つ。相手は《ギタクシア派の調査》を唱え、それから《瞬唱の魔道士》で《ギタクシア派の調査》をフラッシュ・バックした。私は《黒の太陽の頂点》を引き、土地を置いて《清純のタリスマン》をキャスト。相手は2点で攻撃し、《聖トラフトの霊》を投入してターンを返す――私は1点のライフを得た。私のターン、ドローは《》。土地を置き、《黒の太陽の頂点》をX=2で唱えた。相手は土地を置いてエンド。

 私は《清純のタリスマン》を引き、《困窮》を唱える。相手はそれに対応して《修復の天使》。それから《四肢切断》、《蒸気の絡みつき》、《マナ漏出》、《氷河の城砦》、《はらわた撃ち》を見せた。私は《マナ漏出》を抜き、《清純のタリスマン》をキャストした。相手は3点で攻撃し、《聖トラフトの霊》を投入してターンを返す――私はさらに1点のライフを得た。私は《》を引いてそれを置き、《ソリン・マルコフ》を着地させ−3能力で相手のライフ総量を10にした。相手は攻撃でソリンを落とし私に7点のダメージを与えた。私はカードを引き、《ソリンの復讐》を唱えた。

サイドボード:−1《死の支配の呪い》、−4《マイコシンスの水源》、+1《血のやりとり》、+2《困窮》、+2《破滅の刃


 私は手札を6枚にし、《》、《》、《》、《ファイレクシアの核》、《破滅の刃》、《真面目な身代わり》でキープ。

 対戦相手は《氷河の城砦》を置いてエンド。私は《血のやりとり》を引いて、土地を置いてターンを返した。相手は《思案》を唱え、シャッフルを選択。《金属海の沿岸》を置き、さらに《思案》。私は《太陽の宝球》を引き込み、それをキャストした。相手は《聖トラフトの霊》を投下。私は《困窮》を引き、《真面目な身代わり》を投下。相手は土地を置いてエンド。私のドローは《胆液の水源》。土地を置いてから《困窮》を唱えた。相手はそれを《雲散霧消》で対処。私は《胆液の水源》をキャストし、《真面目な身代わり》を引いた。相手は再び土地を置いてエンド。私は《ファイレクシアの核》を使ってもう1枚カードを引いた。《ソリンの復讐》だ。私のターン、《》を引いてそれを置き、《真面目な身代わり》を唱えてさらなる土地を得た。相手は《瞬唱の魔道士》から《思案》をフラッシュバックし、土地を置いた。

 私は《》を引いてそれを置き、《マナ漏出》の分も支払えるように《ソリン・マルコフ》を唱えた。これが通り、+2能力で《瞬唱の魔道士》を除去した。相手は《聖トラフトの霊》とトークンでソリンを攻撃。私は《真面目な身代わり》2体でブロックに行き、相手は片方と相打ちを取って私は《》を引いた。相手はもう1枚の《聖トラフトの霊》を投入し、ターンを返した。私のドローは《困窮》。それで《雲散霧消》を抜き、残りを《マナ漏出》だけにした。それから2点で攻撃し、《マナ漏出》の分も支払えるように《血のやりとり》を唱え、ソリンの+2能力を使った。相手は3枚目の《聖トラフトの霊》を投下してエンド。私はソリンの−3能力を使い、《マナ漏出》の分も支払えるように《ソリンの復讐》を唱えた。これで決まりだ。

 テストでは、このデッキはすごく良く機能してくれるところを私に見せてくれた。フライデー・ナイト・マジック用に組んでみることを強くおすすめするよ。コントロールが抱える主要な問題は、《瞬唱の魔道士》や《絡み根の霊》による効果的なカード・アドバンテージだが、このデッキは必要とあらばゲームを素早く終わらせることにより、アドバンテージ差を埋める素晴らしい仕事をしてくれる。

 ぜひご意見、ご質問をフォーラムに書き込んでくれ! それでは来週のM13プレビューをお見逃しなく。

 良いひとときを。

 

(Tr. Tetsuya Yabuki / TSV Takanori Nakamura)

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