強欲の代償

更新日 Card Preview on 2月 28, 2017

By Quinn Murphy

Quinn has been fascinated with Magic ever since Revised Edition. When he is not spending time with his lovely wife and amazing son, he's constantly brewing decks for, playing, and writing about Magic.

 強欲なのは、いいことです。

 いや、《強欲》は実際にはそんなに良くはないですかね。4マナを支払って、さらにライフ2点と{B}を支払ってようやくカード1枚が手に入るというのは、カード1枚に対しての時間と投資がかかりすぎです。ライフ1点を支払ってカード1枚なら、どうでしょうか? 現在はカードに対して支払いたいライフといえば、これが標準的な相場です。

 基本的には、支払うライフに対して、必要となる点数で見たマナ・コストも等しくなります。なので、カードを2枚引くために《夜の囁き》で2マナとライフ2点を支払ったり、3枚引くために《苦い真理》に3マナとライフ3点を支払ったりするでしょう。《ファイレクシアの闘技場》はその法則に当てはまりませんが、1ターンにつきライフ1点を支払ってカードを1枚引くというエンジンを作り出します。対戦相手がすぐさま対処しない限り雪だるま式に増えていくカード・アドバンテージというものは、ほとんどの場合素晴らしいものでしょう。

 カードのためにライフを支払うことは、行うべき有益な取引である、という事実はもはや常識となっています。しかし昔はそこまで理解されていませんでした。カードのためにライフを支払うことがいかに強力であるか、その実例として挙げられるのが《ネクロポーテンス》です。《ネクロポーテンス》と、その「調整版」である《ヨーグモスの取り引き》が与えてくれた教訓は、さらに根本的な考え方となりました。それは、カードとライフの取引に制限がない場合、マジック全体から見ても最も強力でぶっ壊れになりうる効果の1つだ、ということです。

 ここで私が言う制限のない取引というのは、初期投資としてマナを支払って準備しておけば、後は望むだけライフを支払って、同数のカードを引ける、というものです。《強欲》が機能しにくい本質的な理由は、支払いに{B}が含まれているところにあります。戦場から得られるマナによって、ターンごとに得られるカードの枚数に制限がかかってしまうのです。その余分なコストの支払いさえなければ、1ターンに9枚引くこともできますし、引いたカードを唱えるだけのマナも十分に残っていることでしょう。

 ライフでカードを制限なしに引くことができれば、とても面白いことが起こります。同一ターン内に、ライフを19点支払って19枚のカードを引き、コンボパーツを手に入れて、そのまま勝てるでしょう! ライフ獲得手段と組み合わせれば、すべてのカードを引き切ることすら可能となります。

http://media.wizards.com/2017/images/daily/sNBPjBsCnp_draw.png

カードを全て引いてしまおう!

 無制限の取引はとても強力で、そこから他の全てを得ることができれば、とんでもないことになるでしょうね。

 それでは、《ネクロポーテンス》に翼が生えたら、どんなものになるでしょうか?

 どんなものになるかは、ご想像の通りです。彼が帰ってきました。

http://media.wizards.com/2017/b9jm8nwv_mm3/jp_qRT5PSZ6rs.png

 新イラストでこそありませんが、『モダンマスターズ 2017年版』に《グリセルブランド》が収録されているというだけで、プレゼントとしては十分ですよね。飛行と絆魂を持つ7/7に(条件付きとはいえ)無条件の取引がくっついて? それが8マナ? どんな条件だとしても、どうにかしますよ。何としてでも使いたいです。

 《グリセルブランド》の能力には、ライフ7点単位で支払うという条件がついています。つまり、カードを19枚引くためにライフ19点を支払う、ということができません。彼の能力を使いたい時は常に、ライフ初期値の20にはそぐわない、7という単位で行わなければならないのです。この欠点が悪名高い悪魔の悪用を妨げるかというと、そんなことはまるでないんですけどね。

重くて遅いわけじゃない

 8マナというコストは、現実的に考えてかなり重いです。シールドデッキやドラフトでは({B}{B}{B}{B}の部分を除けば)それほど問題にならないかもしれませんが、構築戦でこの悪魔のコストをまっとうに支払える可能性があるのは、極めて腰の重いコントロール・デッキぐらいのものでしょう。

 《グリセルブランド》をまっとうに唱える必要がないのは、喜ばしいことです。《グリセルブランド》はモダンやレガシーのリアニメイト戦略では定番のクリーチャーで、2ターン目になるや否や戦場に出てきて悪用されまくることもあります。

 ほとんどのリアニメイト向けクリーチャーは単に相手を素早く倒す脅威に過ぎませんが、《グリセルブランド》は違います――ドロー・エンジンでもあるのです! 対戦相手を攻撃するためだけでなく、何かのコンボを決めるためにも利用できます。

 悪魔とともに《滋養の群れ》を採用した《御霊の復讐》デッキがはっきりと証明しているように、《グリセルブランド》にライフ獲得要素が加われば、ドローは無限と言えるでしょう。

Grishoalbrand

モダン

 このデッキの作戦は、《グリセルブランド》を墓地から引っ張り出して、《滋養の群れ》を引き込むというものです。そこから《裂け目の突破》を使って《世界棘のワーム》を出したり、《御霊の復讐》で《怒れる腹音鳴らし》を釣り上げたりして、対戦相手を破滅させます。

騙して開示、画して提示

 どんなフォーマットでも、本来の契約を無視してカードを引く手段にできるなら、悪魔を利用する好機でしょう。そしてレガシーは、あなたが思っているよりも裏をかく方法に溢れています!

「スニーク・ショー」

レガシー

 この伝統的なデッキは、《グリセルブランド》(と、彼の相棒《引き裂かれし永劫、エムラクール》)を多種多様な方法で戦場に出し、それを打ち消し呪文で護衛するというものです。大物敵役であるこの2名が自由にふるまっているのなら、対戦相手は逆に不自由な思いをしているに違いありませんね。

悪魔の帰還

 ご覧いただけたように、《グリセルブランド》はいつでも嬉しいプレゼントです。この強力なコンボを可能にする強力な脅威は、3月17日に『モダンマスターズ 2017年版』が発売されれば手に入りやすくなります。本当にすごいことです。モダンやレガシー、それにドラフトで《グリセルブランド》を引いたとき、どんな奇抜で破滅的な方法を使って彼を使役しましょうか?

(Tr. Yuusuke "kuin" Miwa / TSV testing)

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