ありがとう、さようなら

更新日 Daily Deck on 2012年 3月 28日

 今日、私は君たちへと謝意と感謝の大爆発を投げつけよう。これらの記事を読んできて、マジックのフレイバーへのこの熱狂を共有してきた皆へと。君たちは本当に素晴らしい。私はこの数年、マジックのアート、フレイバーテキスト、背景ストーリー、そして次元とプレインズウォーカーについてのクレイジーな理論について君たちと語るのが大好きだった。だが、私は週刊コラムニストを続けることを終わりにしようと決めた。我々はヴォーソスの黄金時代にいると信じているのは事実だが、これは私が週刊連載を担当する最後のSavor the Flavor記事となるだろう。

静かな旅立ち》 アート: John Avon

 この決定は完全に私自身によるものだ。私はウィザーズ社を去らないし、マジックからも離れないし、退陣するとか何かを求められたわけでは決してない。私は間違いなく今もまだこの場所、マジックのクリエイティブ・チームにいて、マジックの舞台、カードセット、そしてプレインズウォーカーが動かす物語を君たちに楽しんでもらうために次々と作り出している。だけどSavor the Flavorの週刊連載を書くことについては、終わりの時だろうと決めたんだ。

 毎週毎週、君らと共有するこの時は、私が強烈なほど誇りに思っている偉業だ。この連載は私をライターとして成長させてくれたし、我々ゲーム製作者と人々との力強い繋がりを維持してくれた。この連載は私がとても情熱を燃やす豊かな世界、華麗なアート、そして我々が作り出した手製の物語の代弁者という栄誉ある地位を私にくれた。

 そして君たち、興奮し楽しむ人々と直接の接触をくれた。君たちこそが我々が毎日足を運ぶまさにその理由であり、マジックの紆余曲折を設計する者達として常に心に留めている存在だ。直接理解し合えて、創造したものについてその消費者と熱情を共有できることは、ばかげているほどに比類のない贈り物で、どのような仕事に就いている者でも持つべきであろう光栄な経験だ。

 だが当面、私は執筆を終える。私はこのコラムを人生のうち四年半の間書いてきた、そして思っていたよりもずっと率直に言う機会を得た。終わらせる時間だ。支援に、熱狂に、そして君たちと共有してきたヴォーソス魂に、フレイバーに取りつかれた我が小さな心の底から君たち全員にありがとうを言いたい。

    では、次のコラムニストは?

 あいにく、今すぐというタイミングでSavor the Flavorのコラムニストの役割に飛び込んでくれる、別の適切なライターはいない。私は、フレイバーに取りつかれた別のパイロットのために、素晴らしい空のコクピットを残してコラムから旅立つことを望んでいた。だが現在、マントを受け取る完璧な候補者はいない。週刊のコラムニストには大きな責任が伴い、後継者を簡単に選べない間に私の出発が来てしまった。

空位の玉座の印章》 アート: Cyril Van Der Haegen

 その一方、君たちは完全に私から逃げられはしない。プレビュー期間の開始時に、私はフレイバーと背景ストーリーについての特集記事を書き続けるだろう。参加しているプロジェクトについて語るために飛び出すだろう(例えば、私は来たる基本セット2013の首席デザイナーなので、この先数ヶ月はそれについて語ることが豊富にあるよ)。本質的に、私は週刊コラムニストから、開発部の特集記事の臨時執筆者隊の一人へと移ることになる、私以前の多くの者達のように。

    では、これはSavor the Flavorにとって何を意味するのか?

 私もわかっている、君たちの多くがマジックのフレイバーの面についてのこれらの記事の真価を認めており、そしてこれからどうなるかを知りたがっていると。今のところ、Savor the Flavorの次に何が来るのかはここウィザーズ社でまだ議論中だ。毎週の仕事から身を引くのは完全に私自身の決定だし、それらコラム型の靴に足を突っ込む明確な候補者はまだいないので、どうするのか今は他の人々が決定する。ウェブチーム、開発部、そしてブランド部門の賢明で有能な人々がウェブにおけるマジックのフレイバー記事の未来について、最良の戦略をとことん話し合っている。

際限無き成長の祭殿》 アート: Karl Kopinski

 マジックを偉大なものにしてくれているアート、フレイバー、そして舞台を披露し続けたいという強い欲求はあるし、マジックのそれらの一面に情熱を燃やす君たちと互いに影響し合うという比類なき素晴らしい特権を我々は理解している。我々は今も考えられる限り最も賢明な方法でそうしたいと願っているが、その機会を作る戦略は、未だゴールデンタイムへの準備ができていない。それはもしかしたら今年、マジックのフレイバーの面を探検する何か新しいことへの試みになるかもしれない。もし変更点が記事の新たな執筆者ということだけだったとしても、その執筆者は必ずやその人自身のスタイルと口調と方向性をコラムに持ち込んでくれるだろう。だからもし準備のできている候補者がいたとしても、変化はそのように起こるだろう。もしかしたら、もしそれが決定ならば、このウェブサイトにフレイバーを陳列するという任務そのものが変わるだろう・・・我々はマジックの創造過程の様々な部分についての力説を終わらせ、異なるスケジュールへと移動することも、もしくはフレイバーの情報を伝える形式を完全に変えてしまうこともできた。言った通り、それはまだ議論中だ。もし私がもっと知っていれば、君たちへと伝えているだろう。

 では今すぐには? 近々起こるであろうことは次の通りだ。

  • 本日以降、Savor the Flavorの記事は不定期となる。
  • アヴァシンの帰還プレビューを開始する4月9日、君たちは死の魔術師リリアナ、聖戦士サリア、そして巨大な獄庫での彼女達の戦いの物語の結末をこのサイトで見るだろう。
  • 更なる新セットのプレビュー期間中、クリエイティブ・チームの何人かが君たちを背景ストーリーで満たすために、そしてフレイバーに満ちた新カードを披露するために戻ってくる。時にそれは私かもしれないし、他のライターかもしれない。それら新セットプレビューの一部として、我々はセットの創造についての舞台裏を披露し、そしてセットのアートとフレイバーについての物語を紡ぐだろう。
  • 追加して、我々は君たちに世界構築資料、舞台の詳細、そしてコンセプト・アートのショーケースとして、新たな舞台ごとに「プレインズウォーカーのための案内」シリーズを提供し続ける。時々我々は「プレインズウォーカーのための案内」シリーズの巨大な爆発を9月から10月、新たな世界を訪れる時に提供するだろう。毎年のそれ以外の時期にも、我々は共有すべきより多くの資料を公開するかもしれない。

 以上が、今私が君たちへと伝えられる全てだ。我々が進む最良の道を見極める間、それ以上は漠然としている。

    では、何故立ち止まっているのか?

 書き続けることはできなかったのか? 何故Savor the Flavorから身を引くことを決めたのか? ああ、もう一度言うが、それは私がウィザーズ・オブ・ザ・コースト社を離れるからではない。事実、私の仕事について他には何も変わっていない。私は今も舞台を構築し、アートの説明書きを構成し、クリエイティブな文章の監督を補佐し、物語を練り、そして当然、クリエイティブ・チームの同僚とともに、マジックのためのクールな物事全般を作り出している。私個人的に、この唯一の変化が表すものは、私はこれ以上週刊連載記事を書かないだろうということだ。ならば、何故今それを続けることを止めるのか?

《霊的焦点/Spiritual Focus》 アート: Andrew Goldhawk

 エネルギーの束縛というのは重要なことだ。この記事を書くことは私の主要な仕事ではない。毎週、私はSavor the Flavorの執筆にかなりの時間を要し、その間はチーム内でマジック創造への助力に時間を費やせなかった。だがそれは現実時間だけではなく、我が精神的エネルギーと脳のスペース全体を費やしていた。ブンブンと音を立てる我が脳細胞はできる限り良いゲームを創造することに従事したいと願っている、そして最近、そのコラムはそれら我が仕事のサイクルにおいて不適当な量を占拠している。そのような状態は、我々のマジックについての仕事を報告するという私の業務にとって良いものではない。

 だましだまし続けるよりは、私は止めることを選んだ。私は実際のところ、記事に変化を望んではいない。率直に言って、私は連載記事が無期限に続くのを見てみたかった。私自身それを毎週楽しみに読むことができる、それだけでも! だが私は記事が現時点で求めるものを提供できない。私がずっと君たちへと記事を提供する人物であればと願ったし、私ができなくて本当にすまないと思う。もしも、私がSavor the Flavorを今より気にかけないのなら、多分もっと長く続けられただろう。だが記事に後ろ髪を引かれるのと同じくらい、不十分で勇み足の記事を予想すると、私にかつてない程に悪い恐怖を覚える。私は常にできる限りクールなものを創造したいと願うし、ちょうど今、私にそうすることのできる余力はない。だから止め時だ・・・私が時間に追われる間。もしそれが、しばらくの間その記事の執筆者がいないことを意味するならば、私はそうしなければならないことを残念に思う。

 成長のために、最愛の者を殺す。私は熱烈に、Savor the Flavorが至ったものを誇りに思っている。特に昨年あたりからの記事については。私の視点からは、ウェブサイトの鍵となる地位に値していたと思うし、私も個人的にその執筆から学んできたことに感謝している。だがとても奇妙なことだが、時に君たちは現状が首尾よく転がっているとしても、正反対の状態に立つ必要がある。マジックの創造を手助けする中で、そして常に創造のプロフェッショナルであり続けるために私が学んできた最も挑戦的な教訓の一つは、首尾よく動き続けていると知られている物事を変化させる必要があるということだ。君たちは実証済みの成功を見ている。そして、それらの簡単な勝利をただかき回し続けたいという魅惑があろうとも、それらの物事を続けるべきではない。君は新たなものを築くために、古い筋組織を引き裂き続けねばならない。私はマジックを動かす新たな道を探している、そしてあいにく私の記事執筆時間はその部屋を開けるべく靴を履く。もう一度言うが、これは私が決めたことだ。私の選択に、君たちがどうか他の者を非難しないことを願ってやまない。

    ヴォーソスの弁明

 この記事を読んでくれた皆に、掲示板とメールに意見を送ってくれた皆に、そして何よりも、マジックの世界と物語の献身的なファンの皆に感謝を。年ごとに、世界ごとに、そして物語が表現されるごとに、我々はマジックがヴォーソスの魂を取り込んで成長するさまを見てきた。

魂の絆》 アート: Kev Walker

 プレインズウォーカー達は次元の環境とトーナメント会場の両方の意味で、ステージの中央に立っている。「プレインズウォーカーのための案内」シリーズのような世界の詳細と舞台資料は、カードのメカニズムから独立していてさえも、その内容からひっぱりだこだ。マジックのカードセットのマーケティングはそのストーリー展開へと大きく依存しており、その点から我々は「獄庫を開けよう!」プレリリースイベントを面白おかしく開催する(この記事だ。素晴らしいよ)。フレイバーが動かす基本セットは喚情的で、イニストラードのようなテーマに満ちた世界は新たな規範となり、その場所の豊かな雰囲気を創造し、それらが何であるかを感じさせてくれるカードメカニズムにマジックを集中させてくれる。今日このごろは、フレイバーがマジックにおいてどのようにステージの中心を占めるのかの例でいっぱいだ。カードの背景となる物語の重要性という、君たちと私がずっと知ってきた理由から。この格別の記事に何があろうとも、我々開発部の者達はこの教訓を心に留めてきたと知ってくれ。

 締めに、私はこのウェブサイトのコラムニスト仲間のために乾杯したい、そしてウェブでマジック記事の一団に貢献してくれる君たち全てに感謝したい。私は心から言える、素晴らしい毎週毎週を提供し続けるのは簡単ではないと。君たちの功績は偉大だ、そして私はその情熱と献身に拍手喝采しよう。初めての記事を手がけていようと501番目の記事を手がけていようと、君たちは素晴らしい、そしてマジックをよりよくしてくれてありがとう。

 最後にもう一度、皆、ありがとう。またそのうちに会おう。

(Translated by Mayuko Wakatsuki / TSV Yohei Mori)



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