デザイン演説2010

更新日 Daily Deck on 2010年 9月 27日

By Mark Rosewater

Working in R&D since '95, Mark became Magic head designer in '03. His hobbies: spending time with family, writing about Magic in all mediums, and creating short bios.

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 7年前、私はマジックのヘッド・デザイナーに就任した。色々なものを決めていくうちに、私は年に一回、自分のコラムを使って、その時点でのマジックのデザインがどのように行なわれているのかという概観について語りたいと思うようになった。この年次スピーチはアメリカ大統領の一般教書演説になぞらえたもので、私はこれをデザイン演説と命名した。今回で6年目になる。2005年2006年2007年2008年2009年のものも公開されている(英語)。

 まず、最初にこの簡単な質問に答えることから始めることにしている。「マジックのデザインにおいて、去年はどんな年だったか」だ。一言で答えれば、ギリギリ「最高」と言えない程度に良かったと言えよう。より詳細に答えるなら、デザイン上様々な危険性をはらんでいたが、ほんのわずかな例外を除いては昨年はマジック史上最高のデザインをした年である、と私は感じている。これは、去年がマジックの17年の歴史の中でもっとも成功を収めた年であることと無関係ではないだろう。


 このコラムでは、まず最大の成功3つについて述べ、その後で最大の教訓3つについて述べて、それから昨年私が定めた3つの目標に関してどのような結果を得たかを検証していく。そして、最後に、翌年に向けての目標を提示しよう。この目標は、ミラディンの傷跡ブロックのヒントになるかもしれない。

    2009/2010年のハイライト

 これから、デザイン面で優れていた年の中でも特に傑出していたものだと私が考えているもの3つを挙げていく。

土地テーマ

 ゼンディカーのテーマを最初に提示したときに冷ややかに受け取られたと言うことについては何度もコラムで書いた。ブロックのメカニズム的な中心を土地にすると言うのは、少しばかり不充分だと思われたのだ。公正に見て、その通りだ。証明されるまでは不確かなことであり、それが実際にうまく行くと言うことを私が証明する番だった。

 ゼンディカーのデザイン・チーム(私、ダグ・ベイアー、グレアム・ホプキンス、ケン・ネーグル、マット・プレイス)は持ちうるアイデア全てを持ち寄り、私はその結果に満足した。市場調査によれば、諸君の多くも満足してくれたということだ。実験的デザインだった「土地ブロック」は、将来何度も使うことが出来るテーマになったのだ。我々が何でも完璧に仕上げてきたとは言わないが(実際、そんなことはない)、今回は、ゼンディカーが成功する程度には上手く仕上げたのだ。


 ヘッド・デザイナーとして多くの責任があるが、私にとってもっとも重要なものの一つが私(と、私のデザイン・チーム)が新しく探検できる場所を見つける能力だ。我々が再び戻ることができるほどに諸君が楽しんでくれるテーマを見つけることは素晴らしいことだが、ゲームが成長し続けるなら、さらに新しいゲーム・プレイの場所を見つけ続けなければならない。毎年そんなことはできないし、すべきでもないが、見つけることに成功した年はマジックの長期成長性を考える上で非常によい年なのだ。

エルドラージ覚醒

 エルドラージ覚醒は、デザイン上の厳しい挑戦だった。シャドウムーアが年の途中にメカニズムを再起動する大型セットを入れるという道を切り開いたが、エルドラージ覚醒で挑んだことはそれ以上に複雑なことだった。初心者にとっては、エルドラージ覚醒はそれ単体で働く大型セットである。シャドウムーアにはイーブンタイドがあったが、エルドラージ覚醒はそのセット単体で目的を達しなければならない。また、エルドラージ覚醒はメカニズム的には独立しているが、クリエイティブ的にはゼンディカー・ブロックの一部である。最後に、マジックにブロックという考え方が導入されてから初めて、このセットでは単一の大型セットに相応しいテーマを探求する必要があった。


 ブライアンと彼のデザイン・チーム(アーロン・フォーサイス、グレアム・ホプキンス、ビル・マッキラン、デヴィン・ロー)は上記全ての問題を解決し、そしてさらに一つ新しい問題に手をつけた。彼らは今まで見たことのない環境を作ろうとしていた。デザイン・チームは「大艦巨砲マジック/battleship Magic」と呼んでいたが、エルドラージ覚醒のデザインは単に型破りだったと言うだけではなく、型を特製ハンマーでぶちこわしてミキサーにかけるぐらいのことをやってのけたのだ。

 ブライアンは箱の外で遊ぶことが好きなことで知られている。私見ではあるが、エルドラージ覚醒は彼の現時点で最高のデザインだった。リミテッドに関しては賞賛の声しか聞こえてこないし、チームはすべての目標を達成したと思う。それにも増して、彼らはマジックの世界に新しい、そしていずれ再び現れるであろう大敵を劇的に導入してくれたのだ。

アーチエネミー

 現在、マジックのデザインをもっともこなしている3人は、私、ブライアン・ティンスマン、ケン・ネーグルだ。私とブライアンの話は今挙げたことで充分だろうから、ここではケンの話をしよう。ワールドウェイクは良いデザインだったが、ケンの今年のデザインにおいてより革新的だったのはアーチエネミーだろう。ここ数年のデザインがしてきたことは、マジックの可能性を広げることだ。もちろんマジックの根っこは常に1対1の競技プレイにあるが、マジックの枝は広がり続けているのだ。


 アーチエネミーはデザインに2つの衝撃をもたらした。1つは、将来デザインできうる世界はプレイヤーのほとんどが考えているよりも広いということ。そしてもう1つは、新しいプレイの仕方はそれ自体が独自のモノになり得るということだ。アーチエネミーのカードはそれまでの何にも似てはいないもので、非常にエキサイティングなデザイン上の視点からデザインされている。

 我々が新しい世界を作り上げるべく情熱を注ぎ新しいプレイの仕方を作り続ける中で、アーチエネミーやプレインチェイスが使い捨てられるのではないかという懸念があることは知っている。新しいフォーマットを導入するために最初の数年を使い、それから、新しいデザインや革新とともに再びそれらのフォーマットを取り上げるので安心してくれたまえ。諸君がアーチエネミーやプレインチェイスのファンだというのなら、心配はいらない、いずれ再び現れることになるだろう。

    2009/2010年の教訓

 ここまで、昨年のデザイン上の成功例を取り上げてきた。では、もう一方の極限、デザインがこれから改善していくべきことは?

プレイヤーにブロック内の連続性を感じさせよ(全てが変わったとしても)

 エルドラージ覚醒は素晴らしいデザインだったが、問題がなかったわけではない。私が考える、そして多くのプレイヤーからも聞こえてくる、最大の問題は、ゼンディカーやワールドウェイクと関連づけるためにもう少しエネルギーを費やすべきだったということだ。クリエイティブ的には強く繋がっているが、メカニズム的な繋がりを完全に絶ってしまったのは間違いだったと思う。


 ゼンディカーのキーワード全てをエルドラージ覚醒に入れるべきだったと言っているわけではない。ただ、もう少しメカニズム的な繋がりを持たせ、3セットが同じ世界のものだと感じられるように出来たとは思っている。例えば、エルドラージ覚醒に同盟者というクリーチャー・タイプを持つクリーチャーがいても良かった。ゼンディカーのように同盟者関連の能力を持つ必要はなく、ただ同盟者というクリーチャー・タイプだけでいい。そうすれば、ただゼンディカーやワールドウェイクの同盟者を誘発させることができるというだけであっても、同盟者デッキを少しは強化できたのではなかろうか。

 正直なところを言えば、どれぐらい混ぜるのがいいのかは判らない。しかし、エルドラージ覚醒では少なすぎた。公正のために言えば、それまでなかったことなので、今まさに知見を得たところである。もし同じようなブロックを作ることになれば、少し違う方法でブロックの構築を進めることになるだろう。

リミテッドに速すぎあり

 私が一番最初にデザインしたセットは、テンペストであった。そして、テンペストはマジック史上最速のリミテッド環境だと言われていた。ゼンディカーがその王位を奪ったかどうかは定かではないが、王位を脅かしたのは事実である。私は、リミテッド環境を速める方に、ゲームの全ての要素における振子を動かすのが好きだが、ゼンディカーはその適正な位置を超えてはるか彼方に動かしてしまったと思う。


 ワールドウェイクによって色々な要素が低速化した。これがゼンディカーの時から出来ていたらよかったと思う。上陸はリミテッド環境を加速させる性質を持っているので、どうしてもこのブロック(正確に言えばその最初の2セットだ)は最も速い側に走ってしまったのだ。テンペストは遠い昔の話で、デザイン上の時代も違っているので比較できないが、ゼンディカーは環境の振子を速い方に振りすぎるということがあることを教えてくれた。


プレイヤー間に相互作用を

 これは直前の内容とも関連しているが、重要なので別項目を立てることにした。マジックは2人(以上)のプレイヤーによるゲームである。本質的に、プレイヤー間の相互作用のゲームなのだ。対戦相手を無視して自分の盤上だけを見るような環境になるというのなら、何かが間違っているのだ。


 ゼンディカーのリミテッドでは稀に見られただけだとは言っても、デザインはそれを考慮しなければならない。相互作用がないのはマジックにとって悪いことであり、デザインは決して見逃してはならない。プレイヤーが一人遊びをしたいのであれば、別のゲームをすればいいのだ。

 我々は、より大きな事故に繋がりうる小さな事故を回避すべきなのである。これは開発部が心に刻むべき教訓だ。

    3つめと目標

 さて、この年のデザイン上の良かったところ悪かったところを見てきたわけだが、ここで去年提起した目標について検討してみよう。

 目標について語る前に一言。毎年、私は次のセットのための目標を定めるが、プレイヤーからはその目標が不公正に見えるという声が挙がる。セットのデザインは既に終わっているのだから、セットの完成後に目標を定めるのは卑怯だと。私の答えは2つある。まず、目標を評価する時には達成物を見ているのではなく、公開されているものを見た諸君の反響を見ているのだということ。セットで何かを作ることはできるが、諸君がそれを気に入らなければ我々は失敗したことになる。目標を達成するとは、プレイヤーが楽しむ形で何かを作ることに成功することを意味するのだ。

 次に、私が語る目標は、デザインの開始時に我々のために定めているのだということ。もちろん、諸君がその内容を目にするのは今なのだが、それは今が諸君に関係するタイミングだからだ。デザインのすることは全てタイムカプセルに入れられ、公開できるようになるまで秘密にされることになっている。私がこのコラムで語っていることは、大抵1~2年前の話なのだ。

 さて、それでは目標について語るとしよう。

2010年度目標#1:デザイン上の新しい世界を探検する

 ゼンディカーは土地テーマを以て新しいデザイン世界を切り開き、ブロック全体の基礎を築いたのは明白である。確かに、今までにもこの方向に触れたことはあるが、これほど深く掘り下げたことはない。我々の調査によると、もっとも人気のあるメカニズムは上陸である。ゼンディカーの企画の中でもっとも人気があったのは、拡張アートの基本土地である。多くの土地が好評を博し、「土地テーマ」は高得点を得た。どこからどう見ても、我々は新しいことに挑戦し、諸君の好評を得て、そしてこの目的を達成したと言えるだろう。

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 私がこのテーマが成功したと知ったときの話をしよう。開発担当副社長のビル・ローズと私は、同じ月(1995年10月だ)に開発部で働き始めた。だから、彼と私はお互いの思いを話し合ったものだ。私は土地テーマに魅せられていて、ビルはそれほどではなかった。彼は私の意見を尊重してくれて、まだ疑いを持ちながらもブロックのテーマとしての採用を認めてくれた。しかし、最初の2~3ヶ月の間にテーマの有用性を示せなければ、別のテーマを探さなければならないという条件付きだったが。

 そして、それから2年後、将来の計画について話し合っていた時のこと。ビルは「次に土地ブロックをやるときは」と言い出したのだ。「え、何、次?」 思わず聞き返した私に、ビルはにっこりとほほえんだ。「マーク、グッジョブだったな」 私のデザイン・チームが成功したと判った瞬間だった。

2010年度目標#2:ゲームにさらなる共鳴をもたらす

 アーロンが基本セット2010で基本セットの再設定を行なった最大の目標の一つに、ゲームにさらなる共鳴をもたらすというものがあった。アーロン曰くの共鳴とは、カード上のものがプレイヤーの既に知っていることと近づくようにするということだ。マジックは、マジック世界だけの固有名詞を持っているが、アーロンはプレイヤーが既に知っている何かがマジックのカードになっていることによってプレイヤーを引き寄せることが出来ると確信していたのだ。


 ゼンディカー・ブロックに関して、アーロンが私に示した目標はさらに共鳴を増やすということだった。基本セットでは全体の関連性を考慮せずにカードを選ぶことができるが、拡張セットではそれ以上の様々な条件が追加される。さらに、土地テーマはそれ単体では共鳴性を持たない。この問題を解決するには、土地セットに相応しい、共鳴するテーマを探す必要があった。

 この問題を解決したのは(ゼンディカーのデザイン・チームだけでなくクリエイティブ・チームにも所属し、水曜日のコラムを書いている)ダグ・ベイアーだった。彼は、冒険の世界というアイデアを持ち込んでくれた。つまり、世界そのものが障害になっているというのだ。土地は冒険テーマに繋がり、冒険テーマはこのセットの様々なメカニズム、つまり罠、探索、同盟者、を生み出した。

 共鳴に成功したかどうかは判断するのが難しいところだ。我々の調査では、共鳴している印象だという評価は得ている。メカニズムは関連づけることには一応成功しているが、大成功とは言い難い。一年を通して高水準だったが、私は「冒険の世界」に関して多くの讃辞を得ている。プレイヤーはゼンディカー・ブロックのことが気に入っているということは明らかだ。このブロックは非常に共鳴的だったのだ。この目標に関しても、定量しにくい話ではあるが、合格点を付けるのが妥当だろう。

2010年度目標#3:可能性に挑戦し続ける

 昨年のこのコラムで、私はエルドラージ覚醒が大型の第3セットになると発言していた。それへの反応は楽しい驚きだった。プレイヤーはその意味を知らなかったが、その秘密そのものを楽しんでいるように見えた。アーチエネミーも、数ヶ月間に渡ってプレイヤーの想像力をかき立てる商品だった。

 過去を振り返ると、デザインは成功に甘んじていられるものではないと感じる。新しいブロックのテーマ、新しいブロックの構造、根本的に新しいリミテッド環境、新しいカジュアル・フォーマット......色々なことがこの一年で行なわれてきた。そして、この12ヶ月はプレイヤーに立ち止まるヒマを与えなかったと言っていいだろうと思う。つまり、この目標も達成だ。

 こうして、3つの目標は3つとも達成された。私がこの記事の最初にデザイン上成功を収めた年だと言った通りである。

    目の前にあるブースター・パックへ

 ここまでは昨年の目標に対してどのように対してきたかについて説明してきたが、これからは今年の目標について語ろう。一年前、ミラディンの傷跡ブロックに向けて作った目標がある。目標を諸君に開示するのは今ここでだが、我々は既に挑戦を終えている。来年、それらの目標を達成したかどうかについて諸君の反響を元に判断することになる。

 それでは、今年の目標だ。

2011年度目標#1:ブロックを経験にする

 過去17年間のマジックのデザインを回想してみると、デザイン技術が進化してきていることに気づくだろう。その最大のものは、視野だ。かつてはデザインにおいてはカード1枚に焦点を当てられていた。時を経るにつれ、その視野は次第に広くなっていき、現在の視野はブロック全体になっている。

 ローウィン=シャドウムーアは、基本的なブロックの構造に手を入れた。ゼンディカー=エルドラージ覚醒ではブロックをメカニズム的に定義しているものについて見直した。ミラディンの傷跡ブロックは、また完全に新たな方法でブロックのデザインに挑戦している。セットのサイズには手を加えず、秋の大型セットと冬と春の小型セットという構造になっている。今年、我々はブロックの結合に対して全く異なった視点から取り組んでいるのだ。


 今年、我々は諸君に物語を伝え、同道していくことになる。ウェザーライト・サーガのような古典的な物語ではない。イラストやフレイバーを並べて全体像を作ってくれというのでもない。物語を環境を通して伝えようというのだ。ミラディンに戻ったのは、重大事件が起こりつつあるからである。ミラディン人がまだ気づいていないことだが、邪悪な軍勢は既に彼らの次元を侵略している。全体を支配する計画を通じて、ゆっくりと汚染を広げているのだ。このブロックでは、ミラディン次元に何が起こったかについてミラディン軍とファイレクシア軍の戦いを通じて語っていく。

 この物語は事実を元にセットに編み込まれたのではない。この物語はデザインの起爆剤だったのだ。実際、このブロックのデザインは、この物語を語ることそのものである。ミラディンの傷跡ブロックはアーティファクト・ブロックではない。確かに多くのアーティファクトが存在し、アーティファクト・テーマのカードは大量に存在するが、それはこのセットの根幹をなすデザインではないのだ。アーティファクトは、物語を語るための道具である。このブロックのデザインの中心にあるのは、出来事を描くこと、そしてゲームのプレイを通じてそれに命を与えることである。

 我々は、フレイバーを有機的にするためにクリエイティブ・チームとともに激しく働いた。何が起こるのかについて、まだ諸君に知らせたいとは思っていない。諸君自身がそれを経験して欲しいのだ。我々の1つめの目標、それは、デザインを諸君が経験できるものにする、ということになる。

2011年度目標#2:郷愁と改革を組み合わせる

 上で、共鳴、つまりマジックがいかにして既知のものを表すカードを作るかということについて語った。共鳴するカードを作り続けたいが、そこにはさらに大きな問題が潜んでいる。もう一つ重要な印紙は、私が郷愁と呼んでいるものだ。既知のものと言ったが、別に既知の物はゲームの外部にだけ存在するわけではない。我々は、ゲームの内部にある既知の物もカードにしたいのだ。


 ミラディンの傷跡ブロックは、2つの強大な軍勢の衝突である。どちらの軍勢も諸君が既に知っているもの(それらの勢力がストーリーに登場した時点ではまだマジックに触れていなかった諸君も話には聞いているもの)だ。デザイン・チームは、両勢力に関する既知の物をデザインに組み込み、かつ新しいものを注ぎ込むということに挑戦してきた。

 それが今年の2つめの目標だ。郷愁から新しいものを生み出すことが出来るか? 既知の物を再開発して新しいものを作り上げることができるか? 映画は常にそれをしてきた。バットマン、シャーロック・ホームズ、ジェームス・ボンド、ジェームス・カーク......それらはキャラクターの本質を残したまま、無数の解釈を施されてきた。ミラディン人やファイレクシア人も、そうありたいものだ。

 どちらの勢力も、かつて大勢力になった理由が存在する。しかし我々は現在のデザイン技術を用いて、何か新しくまた異なるものを作ろうとしている。従って、これが2つめの目標なのだ。

2011年度目標#3:毒の働きを証明する

 毒をセットの大きなメカニズム的テーマにするための闘いについては充分に話してきた。14年の時を経て、ついに達成したのだ。今年の最後の目標は、毒の重要性を証明することだ。それがマジックにとっていいことなのか、プレイヤーの望むことなのか、我々の道具箱に入れて再利用できるようにすべきことなのか?


 私は、毒が、セットを強化し、プレイヤーに愛されるものだと強く信じている(ああ、全てのプレイヤーというわけではない、全員を常に喜ばせることなど出来ないのだ――リンカーンはいいことを言った)。毒を、私や他の開発部の面々が、公開できると思えるような形態に仕上げるまでには長い時間がかかった。今から1年後、毒がどうだったかの評価をすることにしよう。

    デザインこれから

 マジックのデザインはいい状況にある。しかし、歴史が示したとおり、デザインは動き続けているのだ。安定したデザインを続けたければ、ゲームを上向きにし続けなければならない。幸いにして、私は現在のマジックのデザイン・チームは挑戦志向にあると感じている。

 常通り、私は諸君の声を求めている。去年についてどう考えているか。私の見解に同意するか、あるいは異論があるか。私の見落とした失敗はあったか。私の見逃した成功点はあったか――メールで、ツイッターで (@maro254)、あるいは手紙で(実際に送ってきた人もいる)、教えてもらいたい(英語で)。諸君の意見一つ一つに目を通しているが、全てに返事をする時間がないことは理解してくれたまえ。マジックのヘッド・デザイナーの耳を借りたければ、こちらはいつでも貸す準備が出来ているのだ。

 それではまた次回、増殖の球を横のポケットに入れてからお会いしよう。

 その日まで、諸君が対戦相手に10個目の毒カウンターを置く楽しみを知りますように。

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