プロツアー『神々の軍勢』トップ5カード

更新日 Daily Deck on 2014年 2月 23日

By Blake Rasmussen

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 もし《流刑への道》がなかったらどうするか、ショーン・マクラーレン/Shaun McLarenに尋ねてみるといい。恐らく「《タルモゴイフ》や《修復の天使》を使う側に手を染めますね」と答えることだろう。《瞬唱の魔道士》、《稲妻》、《流刑への道》の「三本柱」がモダンでできる最強のインスタント・タイミングの動きだ、と多くのプレイヤーたちが判断している。《稲妻》がその採用数を伸ばし、さらに(一度により多くのクリーチャーを巻き込める)《神々の憤怒》が採用されるようになったことを受けて、多くのチームがタフネスの基準を4に引き上げた。《やっかい児》はいくつか《村の鐘鳴らし》と挿し換えられ、《タルモゴイフ》と《修復の天使》も数を増やしたのだ。

 マクラーレンは今大会決勝で、《流刑への道》を精度の高い武器として活用した。相手の攻めを鈍らせるだけでなく、こちらの攻撃を通すのにも使ったのだ。確かに、《稲妻》の方が用途は広いかもしれない。しかし《流刑への道》ほどの除去性能を持ったカードは他にないのだ。


 今週末、《出産の殻》は最も危険視されたデッキとなった。禁止改訂を無傷で過ごしたデッキの中で「メリーラ・ポッド」、そして同系統の「キキ・ポッド」は最高のものであり、両方とも使用者を伸ばしたのだ。結果を見ると、「メリーラ・ポッド」は決勝戦まで駒を進めたジェイコブ・ウィルソン/Jacob Wilsonをはじめ、32位以内に最も多くのプレイヤーを送り出した。《出産の殻》は自由自在のサーチ能力と莫大なマナ・アドバンテージを毎ターンもたらし、何度となくこのデッキのギアを一気に上げた。ある「呪禁オーラ」との一戦で、ウィルソンは2ターン目にして10/10のクリーチャーと対峙することになった。それでも彼はこのファイレクシア製アーティファクトの力を存分に使い、勝利をものにしたのだ。メタゲームの中で狙われる立場となってもなお生き残り、成功を続けることができるなら、このデッキがプレイヤーを獲得し続けることに疑いの余地はないだろう。

 少なくとも、これから発表する第3位のカードが広く使われるようになるまでは……


 世界ランキング22位にその名を載せるブライアン・キブラー/Brian Kiblerによると、今大会の参加者はふたつに分けられるという――《神々の憤怒》を意識していたものと、そうでないものだ。今後を占うカードになったとはいえ、この赤の全体追放除去が、今週末に現れた「Zoo」デッキの群れと成功を収めた「メリーラ・ポッド」のどちらにも大打撃を与える、という認識は、全員が持っていたわけではなかったのだ。実際に今大会で異常な数のプレイヤーが「Zoo」を選択したのは、《神々の憤怒》を意識していなかったからだ、とキブラーは言う。皮肉にも、その結果《出産の殻》デッキが「Zoo」を食い、《神々の憤怒》がありながらも《出産の殻》が成功できる大会となったのだ。

 《神々の憤怒》は決勝でもその力を見せつけた。マクラーレンがこのカードで盤面を流し、ウィルソンは戦場の優位を奪えなかった。

 《神々の憤怒》はある意味シークレット・テクだったのかもしれない。今、その秘密が明らかになったのだ。


 ここで語れることには限りがある。さて、何から話すことにしようか。この順位に入る青と赤の候補は他にも色々あった。《瞬唱の魔道士》、《稲妻》、《欠片の双子》、《血清の幻視》などだ。しかしそれらのカードの影には、それらを支える縁の下の力持ちがいることを、私たちは知っているはずだ。《蒸気孔》を使ったデッキはトップ8を制圧し、青と赤の組み合わせを使わないデッキはわずかふたつしかなかったのだ。

 しかも、同じ青と赤を使いながらも、それらはひとつのスタイルに留まらなかった。「ストーム」と「白青赤コントロール」は似ても似つかないデッキであり、「白青赤コントロール」と「白青赤双子」は形こそ似ていてもプレイに大きな違いがあった。また、「白青赤双子」と「タルモ双子」は系列を同じくし、「タルモ双子」は「青赤双子」の発展型だ。そして「青赤双子」もまた、「ブルー・ムーン」とまったく趣の違うデッキだった。ともあれ、世界中のイゼット使いたちは彼らを象徴する土地がモダンの最前線に上がり、歓喜の渦に包まれたことだろう。この後発表するエンチャント・カードの大躍進がなければ、《蒸気孔》が今大会のナンバー・ワン・カードとなっていたかもしれない。

 とはいえ第1位のカードも、イゼット使いたちは楽しめるだろう……


 決勝で《漁る軟泥》を奪い勝負を決めた、《不忠の糸》の雄姿を見ただろうか?

 準々決勝で《欠片の双子》をまとった《前兆の壁》をかすめ取った瞬間を、目にしただろうか?

 今週末、青使いたちは、そして中でもショーン・マクラーレンは、幾度となく対戦相手のクリーチャーを裏切らせ、破滅を引き起こしてきた。

 とりわけ、決勝でウィルソンのプロツアー初優勝を阻んだ「《漁る軟泥》への《不忠の糸》」より際立った瞬間はないだろう。《漁る軟泥》を自軍にすべり込ませたマクラーレンは、最後にその裏切った《漁る軟泥》で攻撃したのだった。

 《不忠の糸》がプロツアー『神々の軍勢』ナンバー・ワン・カードである理由を、もう少し詳しく今大会のチャンピオンに聞いてみよう。

「私をプロツアー優勝へ導いたのは、このカードに他なりません」と、マクラーレンは喜びを口にした。「あとで額縁に飾るつもりです」


(Tr. Tetsuya Yabuki)

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