第一の扉の背後には何があるのか?

更新日 Daily Deck on 2012年 6月 26日

By Gavin Verhey

When Gavin Verhey was eleven, he dreamt of a job making Magic cards—and now as a Magic designer, he's living his dream! Gavin has been writing about Magic since 2005.

 君は人目につかない扉に近づく。


地下室の扉》 アート:Rob Alexander

 君はどうする?

引き返す!
扉を開く!

 扉はわずかに動いた。背筋に寒気が走り、君はためらう。その扉は重くて開きにくく、何年も開かれていないか――あるいはおそらく一度封印されていたようだ。光が内側から発せられる。

運命の扉》 アート:Larry MacDougall

 君は扉を押し開け切るか?

戸を閉じる!
押し開ける!

 君は力を込めて押す。開かない。

 扉を開けようと躍起になり、君は扉を爆破しようとしてマナを集中する。すると突然、扉がきしみ、滑らかに開く。目の前に光が燦然と溢れ、異界の景色が広がり、思考は肉体を離れ、身体が摩滅していく。その刹那、君は現実と世界の狭間、そして君自身の生と死の境目を認識する。

 そしてその後・・・その後にあるのは・・・

 空虚だけだ。

空虚への扉》 アート:Svetlin Velinov

君の負け! はい、おしまい。


 ここに、しばらく見かけなかったカードがある。最後にまわりで見かけたのは統率者戦テーブルの上やアダム・プロサック/Adam Prosakのキューブドラフトデッキで、それは人を押して扉をくぐらせることが何を意味するのかを新規プレイヤーに教えるため、基本セット2013に戻ってくる。

 《大祖始》分のマナに加えて5マナのコストが必要で、やっとこさ誰かを《空虚への扉》送りにするのは、とてもじゃないが簡単な勝利への道筋とは思えない――しかし、それは確かに面白い。

 私は効果によってゲームに勝つことができるような「勝利条件」――まあこのカードに関してアーロン・フォーサイス/Aaron Forsytheが開発者コメントを書くなら、「敗北条件」という表現を使うだろうけど――が、オデッセイの《偶然の出合い》を見た頃から大好きなんだ。それを使って勝つってのはおそろしく難しい。使っててもいらいらするだけだろうね。

 だがそれでも、私たちはそれを扱えるだろうか? やれるとも! 我らの空虚という船に跳び乗り冒険へ漕ぎだす時だ。

 幸運にも、私は自分の狂気の中にパートナーがいる。助手であるロス・ドリューはこの運命の扉とよくかみ合った5色のデッキリストを送ってくれた。さあ見ようじゃないか。

ロス・ドリューの5色コントロール

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    その戦術とは

 まずは、置いといてだ。このようなデッキを始めるにはさまざまな方法がある。多くの人は《原始のタイタン》4枚から始めるのではないかとにらんでいるのだが、それは私が進みたい道筋ではない。なぜか?

 私には信念があるからだ。

溶岩震》 アート:Gabor Szikszai

 オホン。不安定な代替


勝利敗北条件で勝つデッキを構築するつもりなら、よりよくこの扉を利用しよう。あなたは《原始のタイタン》をプレイして、扉を開くよりも先に攻撃して相手を倒してしまうような、古臭い本を抱えたとんがり帽子の魔法使いか?

 ガンダルフはフロドを滅びの山へ直接テレポートさせたか? ダンブルドアはハリー・ポッターが今知る必要があった事柄をすべてすぐに伝えたろうか? マイケル・ジョーダンがスペース・ジャムに出演する前からバッグス・バニーにはバスケットボールの才能があったのか? 不敬虔なプレインズウォーカーは結局最後にはケファライ横丁のジョークの一部として終わるだけだ。

 これは、我々に対する挑戦として、勝利への風変わりな道筋となる《空虚への扉》にこのデッキが依存するということを意味する。扉を開かないなら、やめときな。これはつまり今週私が構築するつもりなのはスーパージョニーのデッキということか? 当然だ。私がワクワクしているかって? 断然だ!

 私の信念についてはわかってもらえたと思うので、我々がどのようにこの仕事に取り掛かるかを考えてみよう。

 方針としては5色のコントロール・デッキがいいだろう。に加速するのはかなり非現実的な目標なので、最も容易にたどり着くためには長いゲームにすることだ。我々はこのフォーマットで使える最良のコントロール・カードすべてを利用していく。もちろん、10マナを正しく揃える助けとしてマナ加速や色調整が入るだろう――だが、このデッキの核心はコントロールすることにある。

 加えて、くだんの抹殺条件はアーティファクトなので、我々はクリーチャーを気遣う必要もまたない。実際、少数の優れたクリーチャーは対戦相手を立ち止まらせることをまさに可能とするだろう。

 保持する価値があるどんな要素も見逃さずに、デッキのカードをざっと見始めてみよう。

    カード分類

 このようなデッキを完成させる要素はたくさんある。スタンダードのすべてのカードを利用できるデッキをプレイすることは、デッキ構築において少々要素が多すぎるかもしれない。幸運にも、我々が始めようとしているデッキにはインスピレーションをもたらすいくつかの本質がある。

天使の壁

 盤面を頻繁にリセットしたいので、必要でないなら、あまり多くはクリーチャーを入れたくない。《天使の壁》はビートダウン・デッキに対して非常に面白い選択肢だ――しかし、5色を自由に使えるので、どちらかというと優先して入れるべきであろう非クリーチャーのカードがあると思う。

国境地帯のレインジャー

 さて、これこそ私が支持できるクリーチャーだ! それは土地を探し出し、攻撃クリーチャーをブロックできる。このスロット中では、戦場に土地を直接置けて死亡したときにカードも引ける《真面目な身代わり》が優先されると述べておくが、これは私がプレイしたい類のクリーチャーのよい例だ。

セラの天使

 残念だが、セラ――我々の勝ち手段は《空虚への扉》だけなんだ!

未練ある魂

 これらのトークンはナイスブロッカーになれる――が、簡単に勝てる条件ではないものの、結局スピリットが対戦相手を打ち負かして終わってしまうことがあると私は知っている。扉か、殴るか――これらの魂は他のところに留まる必要があるだろう。

豊かな成長

 これなんだが、私は間違いなくこのカードを4枚デッキに加えてプレイする。これは全然たいしたことがないように見えるかもしれないが、私が望むすべてをこなしてくれる。適切な正しい色のマナを10マナすべて揃えるのは大変だが、しかして《豊かな成長》は余分なマナ発生源を好きな色に変えることで長い道のりを歩む。これは早期にデッキの色をすべて準備してくれる。その上、これはプレイするためのコストが非常に小さく、その過程で別のカードまでもたらしてくれる。これはまさに私が捜し求めているものだ!

太陽の宝球

 私はこのデッキに1つか2つのマナ加速は確実に欲しい。宝球は無色なのはよいのだが、ゲームを進めていくとともにカウンターを使い切ってしまうのはまさに大問題だ。私は《不屈の自然》とこれを交換するつもりだ。《不屈の自然》は緑マナを要求するものの、永続的なマナ源はとても重要である。

熟慮》と《捨て身の狂乱

 いくつかの2マナのドロー呪文がこのデッキリストに入るのは確かだ。しかしながら、最終的なバージョンのリストはおそらく2マナのドロー呪文を8枚入れるスペースを持たない。通常は《捨て身の狂乱》がよりよいカードだと思うが、これらの呪文双方を混ぜ入れておくのが2つの理由から最適だと考える。

熟慮》 アート:Anthony Francisco

 まず1つ目としては、マナの割合を考慮してだ。このデッキはおそらく赤いカードよりも多くの青いカードが入るので、《熟慮》を初期にプレイできる青マナの方が、赤マナよりも簡単に見つけることが予想されるからだ。

 2つ目に、無作為に捨てることがデッキと関係してくるのだ。普通はカードを捨てることを心配したりはしないが、これで勝利条件カードを捨てる余裕はない。このようなデッキでは《捨て身の狂乱》で引いた後に勝利条件カードを豪快に破棄することなどまず望まないし、最終的な構築において扉は2枚のみで進めるつもりだ。それらのうちの1つを捨ててしまっては、このデッキが支えられるよりも試合を長引かせてしまうかもしれない――さらに、2枚捨ててしまうのは致命的だ。私はおそらく最終的な構築においてこれら2つのドロー・カード双方を分けて入れるだろう。

禁忌の錬金術

 これはあなたが何か特定の解答を掘り当てる必要があるとき、例えば、盤面リセットや扉でゲームを終えたいときに持っていると素敵なカードだ。しかしながら、墓地に扉を落とすのは危険だし、私はどちらかといえばほとんどの場合《熟慮》か《捨て身の狂乱》のほうがよさそうに思える。ロスがぴったり1枚をデッキに加えていたのは、ゲームが長引いたときのためにまさに最適だからだと私も思うが、それ以上は入らない。

マナ漏出

 打ち消し呪文はこのデッキに関して興味深い議題を生み出す。一方では、私は長いゲームにおいて、対戦相手が呪文を今引きして扉を打ち壊すことを回避したいがゆえに、打ち消し呪文をどうしても確保したい。他方で、マナの構築と加速のために序盤はタップアウトするつもりなのだ。

 これらの対立するニーズを両方ともサポートする方法とは? 《雲散霧消》のような信頼できるカウンターを使うことだ。その結果、ゲーム序盤にしか働かない《マナ漏出》という制限なしに必要な打ち消し呪文を確保できる。

戦慄の感覚

 《戦慄の感覚》は、《セラの天使》やスピリット・トークンの群れで殴って止めを刺す中速ゲームにおいて時間を稼ぐのに最適だ。だが長いゲーム中に《空虚への扉》用の10マナに達する時間を稼ぐことにおいてはそれほど優れていない。このデッキの新しい姿のためにもっとふさわしい選択肢があるだろう。

四肢切断

 これは間違いなく私が支持できる除去呪文だ。マナを供給できない初期は無色で、そしてゲームが進んでいけばを支払ってプレイする選択肢を備えている。私は多分さまざまな他の除去呪文も混ぜていくが、これは1つか2つは入れると見ている。

忘却の輪

 《忘却の輪》はよいパーマネント対策で、しかも幸運なことにほとんどの対戦相手はそうしたパーマネントを出してくるだろう。厄介なプレインズウォーカー、おぞましいクリーチャー、または同じくあなたの扉を封じた相手の《忘却の輪》へと、なんにでも使える答えだ。これは私がこのようなデッキにおいて確実に2枚は望むカードである。

    空虚のすべて

 フィットするカードとして選択肢は十分にある――しかしスロットはすぐにいっぱいになってしまうので、良い選択肢は限られてくる。上で言及されたいくつかの入れ替えに加えて、これは私が加えるにあたり、絞り込んだ新しいカードのいくつかだ。

審判の日》、《終末》、そして《溶岩震

 ゲームは長引くだろうし、次々と襲い掛かるクリーチャーに迫られることも予期できる。《高原の狩りの達人》だとか《聖トラフトの霊》であろうと、毎度それらに対処する必要があるだろう。《審判の日》はこのようなコントロール・デッキで重要な役割を多くこなす。《終末》というちょっとした変化球は《最後のトロール、スラーン》や不死クリーチャーといった悩ましいクリーチャーに対する追加の対策を与えてくれる。

 《溶岩震》もまた、プレインズウォーカー対策を補う追加のリセットだ。能動的で脅威的、再利用可能なアドバンテージ発生源はこのようなデッキには問題なので、それらプレインズウォーカーを狙い打つなりその過程で忠誠度を減らすなりできなければならない。《溶岩震》は即座にインスタント速度で相手クリーチャーをすべて吹っ飛ばし、またそのクエストを手助けしてくれる。溶岩で行こう!

思案

 一貫性は、特に5色デッキにおいて最優先事項だ。《思案》は、マナを整え《終末》を積むことから《空虚への扉》を見つけ除去を探すことまで、すべてを行うことができる。青マナを出せればすぐに、《思案》はこのデッキのために大いなる仕事を始めてくれるんだ。

青の太陽の頂点

 私は終盤にプレイできてゲームを決定付けられる1つの多量ドロー呪文を望んでいた。《青の太陽の頂点》はぴったりなカードだ。これはほとんど事実上《空虚への扉》のようなもので、ゲーム終盤で大量のカードを引ける。《思案》は必要ならそれを見つける助けになり、そしていったん多量のカードを手に入れるためにそれをプレイすれば、かなりの決定打になるだろう。青のトリプルシンボルはこのデッキにとっても簡単ではないが、このカードを必要とするところの状況であるゲーム終盤においては非常に達成しやすい。

月の賢者タミヨウ

 タミヨウはこの種のコントロール・デッキのための優れたツールだ。彼女はクリーチャー単体に対処し、あなたにカードを補給し、超必殺技は、えーとまあ、みんな気になるよね。(扉一回じゃ足りない時ならまあありかな・・・)

 タミヨウはこのデッキの脅威に先んじて必要であり、幸運なことにこれまでのマナ構成において、とてもプレイしやすい。《審判の日》に続いて《月の賢者タミヨウ》を出すことで、対戦相手はこれへの対抗策を探さざるを得なくなる。

 それらすべての変更の後、最終的なデッキリストはどうなったか? ちょうどこんな感じだ。

5色空虚

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Planeswalker (3)
3 月の賢者タミヨウ
クリーチャー (4)
4 真面目な身代わり
ソーサリー (12)
4 不屈の自然 3 審判の日 1 終末 4 思案
アーティファクト (2)
2 空虚への扉
エンチャント (6)
4 豊かな成長 2 忘却の輪
59 カード

 このデッキが選び取れる道は非常に多く、何であっても「完璧な構築」のようなことは言いがたいのだが、しかし私が想像した扉デッキの良い方向性は確かにこの手法だ。何も無いところからやり始めるのは楽しいよね。

 これは勝手に制限を課して構築されたファンデッキだ。さらに、基本セット2013のリリース後にどのようなメタゲームになるかを知るのは難しいので、十分なサイドボードを提示するのは困難だ。

 しかしながら、もし私がこのデッキをトーナメントに実際に持っていけば、サイドボードには《火柱》《喉首狙い》そして《忘却の輪》のようないくつかのピンポイント除去や追加の《雲散霧消》あたりから入れ始め、そして扉すべてに対処する方法を相手が持つなら、《枷霊》のようなクリーチャー作戦への変形もあるだろう。これはあなたの地域のメタゲームに依存するので、必要なときにいじくりまわしてみよう。そして覚えておこう、これは――楽しむためのデッキだ!

    惜しくも選ばれなかったデッキたち

 《空虚への扉》に適合しなかったものの、これ同様に素晴らしいクールな5色デッキの提出がいくつかあった。見てみよう!

ジャックの5色エンチャントレス

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テリン・ウェアの5色ミッドレンジ

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シーン・ローズのイニストラード伝説

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ルーク・ポールセンのトークン&保管庫

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(以下のデッキ募集部分は、原記事の本日掲載分から収録しております(訳文は次々週7月24日掲載予定です)。 この節の文責・編集 Yoshikawa)

    予算内での戦い

 『Building on a Budget』が終了したことで、コラムの影響力にも多少の混乱が生じている。予算内で組むデッキを見つけたいなら、どんなことをしたらいいと思うだろうか?

 ジェイク(編訳注:『Building on a Budget』の筆者、Jacob Van Lunen)の予算内に合う靴、その条件をずっと満たし続けることは私にはできないが(彼は私よりだいたい3サイズ上のものを履いているからね)、たまに『Building on a Budget』的衣装をまとってコラムの仮面舞踏会に出るくらいはできる。これから2週にわたって、予算内でのデッキ構築の世界に突撃してみようと思う!

  • フォーマット:基本セット2013導入後のスタンダード
  • デッキの制限:ある程度の予算内でデッキを構築すること。ゆるい定義だが、レアは少なく、神話レアはもし使うとしてもごく少数、という予算を考慮してほしい。
  • 締め切り:7月17日(火)午前10時 (日本時間)
  • すべてのデッキリストを英語で、こちらのリンクをクリックした先のフォームからメールでお送りください。

 これは楽しい課題になるだろう! もう十分人気のある内容だが、私はぜひ恒例の企画にしていきたい。どうなっていくか、ともに見ていこう。

 質問やコメントがあったら、気軽にツイッター(@GavinVerhey)で質問してほしい。もしツイッターをやっていないのなら(もしアカウントを隠しておきたいのなら、マジック・プレイヤーにはあまりツイッターを勧められないね)、フォーラムへの投稿やメールを送って私に知らせてくれてもいい。

 それではまた次回、素敵なモダンのデッキの調査に出かける時に。

 それまで、機知の戦いに備えておくことをおすすめするよ。

Gavin


(Tr. Yuusuke "kuin" Miwa / TSV Takanori Nakamura)



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