ブルー・アブザン・アグロ(スタンダード)

更新日 Daily Deck on 2015年 10月 15日

By Melissa DeTora

Melissa is a former Magic pro player and strategy writer who is now working in R&D on the Play Design team.

 プロツアー『戦乱のゼンディカー』がいよいよ始まります。私も、プロ・プレイヤーたちが組み上げたデッキを見るのが待ちきれません。こうして新たなスタンダード環境に動きが出るのを固唾をのんで見守る私たちですが、予想されるであろうものの一端をここで覗いてみましょう。先週末、今年最後のワールド・マジック・カップ予選がチリで行われました。そこで実に興味深いことがたくさん起こったのです。今回は、その大会で優勝したトマス・アラベナ/Tomas Aravenaのデッキをご紹介します。

 『戦乱のゼンディカー』導入後のスタンダードにおいて最も大事なことのひとつは、マナ基盤の強さです。「フェッチ・ランド」と「バトル・ランド」が非常に良く噛み合うため、土地を置く順番さえ把握すれば、毎ターン完璧なマナを生み出せるのです。この環境では、「フェッチ・ランド」1枚で4色にアクセスできます。例えば、《樹木茂る山麓》は《》か《》、《燻る湿地》、《燃えがらの林間地》、あるいは《梢の眺望》を持ってくることができるのです。これにより、4色や5色のデッキも気兼ねなく使えるというわけです。

 トマスのデッキは「アブザン・アグロ」であり、《道の探求者》や《先頭に立つもの、アナフェンザ》といった攻撃的なクリーチャーに、この環境最強の4マナ域《包囲サイ》も採用されています。また《搭載歩行機械》や《棲み家の防御者》でカード・アドバンテージも稼げるようになっており、そして《マラキールの解放者、ドラーナ》はゲームをあっという間に終わらせることでしょう。ここまでは、いたって典型的な「アブザン・アグロ」ですね。

 しかし、そこへ青をタッチすることで面白いことになります。デッキリストをご覧の通り、トマスは青をタッチして《軽蔑的な一撃》と《影響力の行使》をサイドボードに採用する、という決断をしました。主要な色以外のマナを生み出すのは難しいことではないため、この決断は厳しいものではありません。タッチして採用するカードが以前までの弱点を克服するものであるなら、なおさらでしょう。例えば、「アブザン・アグロ」はコントロール・デッキに弱いのが常でした。打ち消し呪文はコントロール・デッキに対してこの上なく有効で、青でないデッキにタッチするだけの意味があるのです。

 まったく使われていない『戦乱のゼンディカー』のカードからベスト・カードを選ぶなら、私は《影響力の行使》に一票を投じます。このデッキでは、コントロールを奪えるのはパワー4以下のクリーチャーまでですが、それで十分以上に活躍できるはずです。《精神の制御》や《龍王シルムガル》といった過去のクリーチャー奪取呪文と異なり、《影響力の行使》は「ソーサリー」です。《精神の制御》や《龍王シルムガル》は破壊される恐れがありますが、《影響力の行使》はパーマネントでないため、一度奪ったクリーチャーを対戦相手が取り戻す手段はないのです。

Tomas Aravena - 「ブルー・アブザン・アグロ」

スタンダード
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