今週末は新セットである『神々の軍勢』のプレリリース大会です。
ぜひ、店舗に行って新しいカードに触れ、楽しんでみてください。
『テーロス』の時と同様に、『神々の軍勢』に収録されているカードで問題を出していきます。
これらは「リリースノート」の文章から抜粋しております。回答を見る前に、まずは考えてみてください。
なお、アクティブ・プレイヤーをAP、非アクティブ・プレイヤーをNAPと表記しています。
- 問1
APは以下のパーマネントをコントロールしている。
- 《万神殿の兵士》
- 《審判官の使い魔》
- 《拘留の宝球》
- 《都市国家の神、エファラ》
さて、《都市国家の神、エファラ》はクリーチャーであるだろうか?
- 回答1(クリックで表示します)
クリーチャーではない。
【2色への信心】
《都市国家の神、エファラ》を始めとしたセットに登場する5柱の神は、それぞれあなたの2色への信心を参照する能力を持ちます。
あなたの2色への信心は、あなたのパーマネントのマナ・コストに含まれる1色目、2色目、あるいは両方の色を持つマナ・シンボルの総数に等しくなります。
注意しなくてはいけないのは、《審判官の使い魔》のように混成マナ・シンボルがある場合、それは1つの混成マナ・シンボルにつき1回のみ数えられることです。
従って、問題の場合、それぞれのカードで白と青への信心は以下のようになります。
- 《万神殿の兵士》 =1
- 《審判官の使い魔》 =1
- 《拘留の宝球》 =2
- 《都市国家の神、エファラ》 =2
従って、白と青への信心は「6」となります。7未満ですので《都市国家の神、エファラ》はクリーチャーではありません。
- 問2
APが《ネシアンのデモロク》を唱え、解決し、それを戦場に出そうとした。
NAPは手札に《稲妻の一撃》を持っている。
2−1)
NAPが貢納を支払うか支払わないかを決める前に、NAPが《ネシアンのデモロク》を対象に《稲妻の一撃》を唱えて、それを破壊することはできるか?
2−2)
NAPが貢納を支払わないことを決めた。《ネシアンのデモロク》が戦場に出たときの誘発型能力を解決する前に、NAPは《ネシアンのデモロク》を対象に《稲妻の一撃》を唱えて、それを破壊した。さて、誘発型能力はどうなるか?
- 回答2(クリックで表示します)
2−1) できない。
2−2) 通常と同じく解決される。
【新キーワード:貢納】
新しいキーワード能力「貢納」は、貢納を持つクリーチャーが戦場に出る際に機能する能力です。対戦相手を選び、その対戦相手が「そのクリーチャーにN個の+1/+1カウンターが置かれた状態で戦場に出す」ことを選んでもよい、というものです。
つまり、貢納を支払う場合、そのクリーチャーが戦場に出てからカウンターが置かれるわけではなく、既に置かれた状態で戦場に出ます。また、貢納を支払うかどうかを決めるのはそのクリーチャーが戦場に出る際に行われるので、その時点ではプレイヤーが呪文を唱えたり、能力を起動したりすることはできません。
《ネシアンのデモロク》を見ても分かる通り、貢納を持つクリーチャーは、「戦場に出たとき〜」という誘発型能力も持っています。この能力は貢納が支払われず、かつこのクリーチャーが戦場にでたときに誘発します。
また、いったん誘発した誘発型能力は、誘発した元のオブジェクトがどうなろうとも、通常通り解決されます。
- 問3
3−1)
APは《忌まわしき首領》と、タップ状態の《絶望の偽母》をコントロールしている状態で、自分のターンを迎えた。
このままでは、アップキープ・ステップで、APは《忌まわしき首領》の誘発型能力で、クリーチャーを1体生け贄に捧げなくてはならない。しかし、APは《忌まわしき首領》も《絶望の偽母》も失いたくない。
何か良い手はあるだろうか?
3−2)
NAPはタップ状態の《絶望の偽母》をコントロールしている。
APは、NAPの《絶望の偽母》を対象に、《裏切りの先触れ》を唱えた。
解決時に《絶望の偽母》の神啓が誘発するが、そのコントローラーはAPだろうか? それともNAPだろうか?
- 回答3(クリックで表示します)
3−1) 以下のとおり。
3−2) AP。
【新能力語:神啓】
「神啓」は新しい能力語です。「神啓」自体に意味はありませんが、神啓能力は、クリーチャーがアンタップするたびに誘発する能力の総称として使われています。
神啓能力は、理由がなんであれ、神啓を持つクリーチャーがアンタップ状態になるたびに誘発します。一番簡単にアンタップ状態になる方法は、タップ状態であなたのターンを開始し、アンタップ・ステップを迎えることでしょう。
アンタップ・ステップにはプレイヤーは優先権を得ません。そのため、アンタップ・ステップ中に誘発した能力は、アップキープ・ステップに積まれることになります。アップキープ・ステップには、以下の2種類の誘発型能力が積まれます。
1)そのアップキープ・ステップの開始時に誘発する能力
2)このターンのアンタップ・ステップに誘発した能力
3−1)の場合、以下の2つの能力がスタックに積まれます。
a)「クリーチャーを1体生け贄に捧げる」(《忌まわしき首領》)
b)「
を支払ってもよい。そうしたなら、あなたは黒の2/2のゾンビ・クリーチャー・エンチャント・トークンを1体戦場に出す。」(《絶望の偽母》)
これらは同時にスタックに積まれ、かつ両方ともAPがコントロールしているので、APがスタックに積まれる順番を決めます。
スタックに積む順番を a)→b) として、b)から先に解決することで、APはゾンビ・トークンを生け贄に捧げ、《忌まわしき首領》も《絶望の偽母》も失わずに済むでしょう。
3−2)の場合を考えます。
呪文は書かれている通りに解決されます。《裏切りの先触れ》のテキストは、まずクリーチャーのコントロールを得て、その後それをアンタップします。
つまり、《絶望の偽母》はタップ状態のままでAPにコントロールが移り、その後アンタップします。
従って、《絶望の偽母》の神啓能力のコントローラーは、《絶望の偽母》のコントロールが移動した後のプレイヤー(=AP)になります。
- 問4
APは《菅草の蠍》と《天馬の乗り手》をコントロールしている。
NAPは《沈黙の職工》をコントロールしている。
APが《菅草の蠍》と《天馬の乗り手》で攻撃し、NAPは《菅草の蠍》を《沈黙の職工》でブロックした。
ブロック・クリーチャー選択ステップ中に、NAPは《沈黙の職工》と《天馬の乗り手》を対象に《侍祭の報賞》を唱えた。
4−1)
《侍祭の報賞》解決後に、戦闘ダメージが与えられると、《沈黙の職工》はどうなるか? また、《天馬の乗り手》はどうなるか?
4−2)
《侍祭の報賞》の解決前に、APは《天馬の乗り手》を対象に《神々の思し召し》を唱え、解決時に「白」を選択した。
《侍祭の報賞》が解決され、戦闘ダメージが与えられると、《沈黙の職工》はどうなるか? また、《天馬の乗り手》はどうなるか?
- 回答4(クリックで表示します)
4−1) 以下のとおり。
4−2) 以下のとおり。
【4−1)】
《侍祭の報賞》は2つの対象を取ります。1つ目は与えられるダメージが軽減されるクリーチャーです。2つ目は、軽減した点数分、《侍祭の報賞》によってダメージが与えられるクリーチャーまたはプレイヤーです。このため、ダメージの発生源は《侍祭の報賞》になります。
問題の場合、《沈黙の職工》に2点分の軽減の盾が作られます。その後、《菅草の蠍》から1点のダメージが割り振られますが、それは軽減されます。1点軽減したので、《侍祭の報賞》は1点のダメージを《天馬の乗り手》に与えます。
従って、《沈黙の職工》も《天馬の乗り手》も戦場に存在し続けます。(《天馬の乗り手》は1点のダメージを負っています。また、その1点の発生源は《菅草の蠍》ではないので、接死は関係ありません。)
【4−2)】
この問題では、《侍祭の報賞》の解決時に2つ目の対象が不適正になっています。この場合、可能なことをできるかぎり行うので、「与えられるダメージが軽減される」ことは実行しますが、「軽減した点数分、《侍祭の報賞》によってダメージを与える」ことは実行不可能です。
ではどうなるか見てみましょう。《沈黙の職工》に2点分の軽減の盾が作られます。その後、《菅草の蠍》から1点のダメージが割り振られますが、それは軽減されます。《侍祭の報賞》によってダメージを与える部分はなにもしません。
今回はここまでです。それでは皆様、良いプレリリースを!
Written by: testing
愛知在住のレベル 2 ジャッジ。ルールに造詣が深い氏のブログ closet belief 2 では、おもにルールにまつわる役立つコラムが掲載されることが多く、毎週金曜日に掲載される Friday Magic Quiz を毎週楽しみにしているファンも多い。
本コラム Formal Magic Quiz は、氏のブログで連載されている Friday Magic Quiz への氏によるオマージュであることは疑いようがない。どちらも略称 FMQ としてお楽しみいただければ。
過去の『Formal Magic Quiz』は、記事『ウィザーズプレイネットワーク通信』内にてご覧いただけます。