『Modern Masters』ドラフト・ポッド2 ハイライト

更新日 Event Coverage on 2013年 7月 31日

By Frank Karsten

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『Modern Masters』ブースター・ドラフトの心躍る戦いが、無事幕を下ろしました。以下が、各プレイヤーがプレイしたデッキと成績の簡単なまとめです。

 それでは、そのハイライトを皆さんにお届けします。

ブライアン・キブラー/Brian Kiblerへの贈り物

「ドラゴンマスター」ことブライアン・キブラーが一番好きなカードとして挙げているのは、《聖遺の騎士》です。このカードは彼をプロツアー・オースティン2009の王座へ導き、それ以来彼はこのカードを使い続けています。そう、本日行われた『Modern Masters』ドラフトでも。

聖遺の騎士

ブライアン・キブラーは、たとえリミテッドであっても一番のお気に入りカードと結ばれる運命にありました。

 第1パック、この緑白の騎士が流れてきたとき、キブラーはただ微笑みました。「マナ安定と加速ができるこいつは、緑を含めた多色デッキで使うととびっきり強いんだ」と彼は言います。もちろんキブラーはそこで《聖遺の騎士》を取り、彼の緑青デッキにタッチできるよう、その後土地サイクリングを持つカードもピックしています。

タルモゴイフ卓

 それは第2パックのことでした。席順が隣同士になっているスタニスラフ・ツィフカ/Stanislav Cifkaとリー・シー・ティエン/Lee Shi Tianのふたりが、どちらも《タルモゴイフ》を引き当てたのです。しかしそこは世界選手権参加者、コレクションに加えるためにピックするプレイヤーはいません。「世界選手権王者」という、《タルモゴイフ》より大きな賞品があるのですから。それにしても、スタニスラフ・ツィフカの右隣に席を占めていたブライアン・キブラーは、2回も流れてくる《タルモゴイフ》に顔がにやつくのを隠せなかったことでしょう。

TarmogoyfTarmogoyf

流れ流れてどこへ行く? 片方はキブラーが知っています。

「いやあ、あれは面白かった」と、キブラー。「1枚目は取ったんだけど、それは俺のデッキに合ってたからだよ。《上天の呪文爆弾》とか《広漠なる変幻地》とか《衝撃的な幻視》とか、墓地に色んなタイプのカードを落とす手段は揃ってた。結局メインには入らなかったけど、サイドから入れたよ。2枚目の《タルモゴイフ》をピックしなかったのは、《明日への探索》があったから。そっちの方がずっと良かったからね」その後2枚目の《タルモゴイフ》がどうなったのか知りたい方は、ドラフト・ビューワーをご覧下さい。

烈日ドメイン

 昨日、私はグランプリトップ8常連のマーティン・ジュザ/Martin Juzaとプロツアー「ラブニカへの回帰」優勝者スタニスラフ・ツィフカに、『Modern Masters』リミテッドでできる2枚コンボの中でのお気に入りを聞いてみました。すると、ふたりはこう答えたのです。

「《木霊の手の内》と基本土地かな。」

木霊の手の内森

木霊の手の内》と基本土地――素晴らしい2枚コンボです。もしかしたら最強コンボ?

 そして今日、なんとふたりは『Modern Masters』ドラフトで5CG(5色緑)デッキを組みました。チェコのプレイヤーは、あらかじめこの戦略を決め打ちしていたのでしょうか? 実は、昨日のコメントはただの冗談だったそうです。「いや、こういう流れになったんだよね」と、ジュザ。ツィフカも、特にアーキタイプを決め打ちしていたわけではないと言います。「ちょっとパックに良いカードが無くて、マナを安定させるカードを取っていったんです」。どうやら上手くはいかなかったようで、獲得ポイントはふたり合わせて6点でした。

最も難しいピック

 今回のドラフト話のメインを務めるのは、やはりリミテッドの達人、ベン・スターク/Ben Starkでした。今シーズンのリミテッド勝率71%という驚異的な成績を持ち、普段はものの数秒でピックを決めるスタークが、「今までで一番難しいピックだったよ」と言うのですから、これは心して聞かねばなりません。

 順を追ってお話します。

 スタークは初手《台所の嫌がらせ屋》から2手目《入念な考慮》とピックし、《遍歴のカゲロウ獣》と《明けの星、陽星》を左隣のトム・マーテル/Tom Martellへ流すなど、自分の選択を周知させ続けるところからドラフトを始めました。その後スタークは、特に遅い順目で《エーテリウムの彫刻家》や《上天の呪文爆弾》が流れてくるのを受け取ります。ここで彼は、この卓で親和をドラフトしているプレイヤーがいないことを確信し、そこに入り込みました。2パック目では複数の《マイアの処罰者》に恵まれ、スタークはそれらを強固な青白親和デッキにまとめ上げたのです――隣のトム・マーテルが、同じ色をドラフトしていたにも関わらず。「親和をドラフトするときは、色はそれほど問題じゃない。それよりシナジーだね」とスタークは言います。「隣が青白コントロールをやってるかもしれない。でもそれは、それぞれまったく別のカードを求めているわけだから、それでいいんだ」

 3パック目を開けたそのとき、大きな転機が訪れます。《曇り鏡のメロク》を取るか、《聖域のガーゴイル》を取るか。どういうことでしょう。「メロクはこのセットで最高のカードのひとつだけど、《聖域のガーゴイル》は俺のデッキで最高のカードのひとつなんだ」ドラフト後、スタークはそう語りました。「その2枚の差は本当にわずかだった。たぶん今までで一番難しいピックだったんじゃないかな。ピック時間をギリギリまで使ったよ。《聖域のガーゴイル》の方が良いって結論になったけど、他にも考えるべきことはあったね。まず、《聖域のガーゴイル》は1周する可能性があったこと。でもこのパックは奥が深すぎて。誰かがこいつを嫌がって、カットしちゃうんじゃないかと心配になったんだ。そしてもう1点、メロクは他のプレイヤーのデッキにとっても良いカードだということだ」制限時間を使い切ったスタークは、ピックをしなければいけません。

彼は《聖域のガーゴイル》を選んだのです。
 

 結果的には成功でした。彼は見事な親和デッキを組み上げ、《エーテリウムの彫刻家》や《マイアの処罰者》、そしてもちろん《聖域のガーゴイル》の力で、次々と対戦相手を撃破したのです。

 3-0という結果を掲げ、スタークは今再び世界中に知らしめることができました。ドラフトのピックにおいては、彼こそがベスト・オブ・ザ・ベストなのだと。

 

(Tr. Tetsuya Yabuki)

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