【戦略記事】 『ワールド・ワタナベ・スタンダード』

更新日 Event Coverage on 2012年 12月 7日

By 高橋 純也

 先に書いたインタビューでは八十岡 翔太(東京)に話を聞いたが、今回の記事は、その八十岡をプレイヤー選手権2012において決勝で打ち破った渡辺 雄也(神奈川)に、このグランプリに参加しているデッキのことを質問してみることにした。彼が初めてタイトルを取ったのはまさにスタンダードのグランプリで、環境は違えどもスタンダードの勝ち方ならお手の物だろう。

――「今回のグランプリに向けての調整は順調でしたか?」

渡辺 「まあいつもどおりに時間を割いて、ほぼ予定通りに終わった感じだね。ただ、ラクドスミッドレンジをあまり触れなかったのが残念だったかな。仮想敵としては対戦したんだけど、自分で使うことが少なくていまいちやりきった感じはない」

――「主に調整したのはどのようなデッキですか?」

渡辺 「バントコントロール、ナヤ、あとは自分が今回使っているトリコFlashだね。僕はマナ加速だったりマナクリーチャーが嫌いだったからナヤは諦めたんだけど、バントコントロールとトリコFlashの二つの選択はすごく難しかった」

――「最終的にトリコFlashを手にしたわけですが、バントとトリコの選択を分けたのはどのような要素ですか?」

渡辺 「バントコントロールはラクドスミッドレンジに不利だったのと、《スラーグ牙》を《スラーグ牙》で対抗しようとしていたところが気に入らなくて諦めたかな」

スラーグ牙

――「ラクドスミッドレンジとの相性差についてはなんとなくわかりますが、《スラーグ牙》についての話はどういうことでしょうか?」

渡辺 「バントコントロールの《スラーグ牙》って、対戦相手の《スラーグ牙》への対抗とライフを得るために投入されてるよね? それってすごく《スラーグ牙》への対抗策って意味では消極的なんだよね。対戦相手も単純なパワーカードとしてしか《スラーグ牙》を使っていない場合においてのみ互角になる」

――「対戦相手はパワーカードとしてだけでなく、《スラーグ牙》を中心にシナジーを組んでいる可能性がある分だけ、同じカードを鏡打ちするために採用するのは損だということですか」

渡辺 「明らかに損ってほどでもないけど、お互いに《スラーグ牙》を引いて場に出した場合にやや不利であることには違いないよね。もちろん、カードとカードの交換だけが肝ではないから、その小さな不利を許してでも採用しなければならないんだけどさ。その微差を諦めているあたりがなんだか気になって使うのをやめた」

――「それでトリコとバントの二択においてバントを諦めたという結果になったのですね。トリコを選んだ積極的な理由はありますか?」

渡辺 「とにかく好きなカードが入ってることが気に入ったのと、《荘園のガーゴイル》ってカードを見つけたことが後押ししたかな。バントとトリコで悩んでいたことからもわかると思うけど、《スフィンクスの啓示》ってカードがかなり好きなんだよね。王者王者。で、環境にあるデッキが大体同じくらい強いことは分かったから、それなら好きなカード使えるデッキを選ぼうって思った。あと、プレイスタイルも合ってるから、難しい局面とか本番での選択が楽かなってね」

荘園のガーゴイル

――「なるほど。プレイスタイルも好きなカードも重要です。この《荘園のガーゴイル》はすこし珍しいカードですね。これはどのようなデッキに有効なんですか?」

渡辺 「基本的な役割は《スラーグ牙》対策だけど、ほとんどのクリーチャーデッキにも強いカードだから特定の何かに強いと言うよりも、単純に強力なカードだね」

――「自分で《至高の評決》を打っても生き残るのは素晴らしいですね。ラクドスとのマッチアップはトリコが不利な印象があったのですが、その問題はどうなんでしょうか」

渡辺 「解決とは言いがたいけど、改善はされてるから許せる範囲に収まったかな。《荘園のガーゴイル》と《イゼットの静電術師》が見つかってからは、そこまで不利だと思ったことはないね。向こうのベストムーブには当然ついていけないけど、ラクドスってデッキもなんだかんだで不安定なんでね。それも踏まえるとそこまで悲観するほどの問題でもないよ」

――「おお。自信ありそうですね」

渡辺 「そこまで自信はないよ。でも、好きなデッキと好きなカードがプレイできるから楽しみかな。まあ頑張るよ」

――「貴重なお話をありがとうございました。頑張ってください」

(※デッキリストは2日目終了後の掲載となります)

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