あと2マッチ。これから18ラウンド目にあたる戦いを始める2人には、明らかに疲労の色が伺える。
この準決勝まで残ったメンバーにはプロツアー「ギルド門侵犯」の参加権利が与えられるのだが、今欲しいのはそのもう少し先のトロフィー。
それならば余計なことはこれ以上考えず、ただ黙々とデッキをシャッフルするのみ。
ゲームに、集中する。
ゲーム1
ラクドスを操る村栄は、そのギルドの序盤を支える優秀なクリーチャーである《ラクドスの哄笑者》と《流城の貴族》を連打し、さっさとゲームに勝ち切ってしまうことを目指す。
《栄光の目覚めの天使》/《堀葬の儀式》システムを内蔵する小北のデッキとしては、後で取り返せるカードアドバンテージ面の損出よりも、火力呪文をケアしてライフをいかに残すかを考えるべきなのだろうか?
瞬速で現れた小北の《イゼットの静電術師》は、解鎖した《ラクドスの哄笑者》の攻撃を受け流しつつ、1/1の《流城の貴族》を速攻で墓地に吹き飛ばすのだが、村栄は第二メインフェイズに《火柱》でこれを排除した。
改めて《イゼットの静電術師》を戦場に加え、そこから《士気溢れる徴集兵》を使ったトリックで2/2クリーチャーを破壊する小北だが、村栄は攻撃手段を《地獄乗り》に変えて、攻撃の手は止めない。
そしてそのまま奇跡を起こしたX=3の《忌むべき者のかがり火》を公開すると、《ファルケンラスの貴種》へと繋ぐ。
この速度には小北が逆転するための唯一の手段、《栄光の目覚めの天使》が間に合うはずもなかった。
村栄 1-0 小北ゲーム2
村栄 龍司
ゲーム開始早々、村栄の《強迫》が刺さり、《信仰無き物あさり》を引きぬく。
だが、フラッシュバックのついたこのカードの効果は止められず、の3マナある小北が捨てたのは、なんと《堀葬の儀式》と《高原の狩りの達人》?
4マナ目がまだないこと、そして手札がとても強いことは伝わってくるのだが、戦場に出されたカードはまだ《ベラドンナの行商人》1枚だけ。
予想通り、そこから《イゼットの静電術師》をキャストされるも、それは即座に《灼熱の槍》する村栄。
いつの間にか出していた《戦の大聖堂》で《ラクドスの哄笑者》は3点のダメージを稼ぐのだが、やはり持っていたもう一枚の《高原の狩りの達人》で戦場はビタ止まり。
地上が止まるならば、《ファルケンラスの貴種》へと攻撃手段を変えるのだが、変身した狼男とのダメージレースへ持ち込まれてしまう。
村栄は損を承知で《火柱》とチャンプ要員の《ラクドスの哄笑者》の2つの呪文を唱え、《高原の荒廃者》を元の人間に戻すのだが、これによりライフが回復、さらに狼トークンを生産され、小北はそのまま全軍突撃!
これが功を奏し、生け贄のなくなった《ファルケンラスの貴種》は手札から現れた《イゼットの静電術師》に狩られてしまい、そのまま次のゲームの準備へと2人は行動を切り替えた。
村栄 1-1 小北ゲーム3
ゲーム1とは打って変わって、攻撃的だったはずの村栄のデッキはクリーチャーも出さず、ただただ土地を並べるのみ。
ラクドスにありがちな少し重めの手札をキープしたように見えるのだが、残念ながら軽めのカードを引くことができなかったようだ。
小北 雄史
対して、初手のキープ時に少し時間をかけていた小北だったが、初動から中盤へのゲーム展開をしっかり考えていただけのようで、むしろ多くの選択肢から最適なものを選ぶのに頭を悩ましているようだ。
英語版のデッキテクインタビューで回答していた、デッキのベストカードである《慢性的な水害》を自分の土地に貼り、《信仰無き物あさり》も使って、もりもりライブラリーを掘りまくる。
エンドに《滅殺の火》、メインで賛美した《地獄乗り》で仕掛ける村栄だが、小北の《大聖堂の聖別者》に阻まれ、思うようにはライフを減らすことができない。
そんなタイミングで《堀葬の儀式》と《栄光の目覚めの天使》を同時に《慢性的な水害》で落とせた小北、一気にゲームを終わらせにかかる!
2枚の《高原の狩りの達人》、《大聖堂の聖別者》、《イゼットの静電術師》が《栄光の目覚めの天使》の能力で現れ、ライフ回復に狼トークンと、盤面のパーマネント数は一方的に大増加。
小北に対して村栄は《灼熱の槍》を唱えて《高原の狩りの達人》の変身を食い止めるのだが、ダメ押しで小北がもう一度《慢性的な水害》経由の《堀葬の儀式》を唱える。
《栄光の目覚めの天使》をリアニメイトしたことにより、《イゼットの静電術師》+《ベラドンナの行商人》のコンボが揃ってしまい、勝ち手段を抹殺された村栄はカードを片付けた。
村栄 1-2 小北