【観戦記事】 第4回戦:三原 槙仁(千葉) vs. 田崎 裕大(大阪)

更新日 Event Coverage on 2012年 12月 7日

By 伊藤 敦

 第4回戦。3bye持ちのプレイヤーたちが「解禁」され、グランプリ初日もここからが本番である。

 万夫不当のプロやプレインズウォーカーポイント・システムの恩恵に預かった者たちが次々と着席していく、そんな中でフィーチャーテーブルに現れたのは、つい先日グランプリ台北で戴冠したばかりの元世界王者、三原。

 田崎はジャンド、対して「こんな早くにフィーチャーされたくないんだけどな〜」と嘯く三原は、何やら怪しげな五色デッキを持ち込んでいるようだ。

 三原といえば、実は八十岡と並ぶほど独特の世界観を持ったプレイヤーである。

 田崎が三原ワールド(?)に引き込まれてしまうかどうかが焦点となるだろう。

ゲーム1

 先手ワンマリガンの三原に対して、田崎が《ヴェールのリリアナ》の[+1]能力で手札を攻め立てる立ち上がり。が、墓地に送り込まれた《堀葬の儀式》を見て不穏を感じたか、続けて《高原の狩りの達人》を送り出すも、このターンには[+1]能力を起動せず。この隙に三原はエンド前に《イゼットの静電術師》、メインで《ベラドンナの行商人》とプレイして結魂、いわゆる『接死ティム』コンボを完成させる。

イゼットの静電術師++ベラドンナの行商人
イゼットの静電術師++ベラドンナの行商人

 このコンボは《ヴェールのリリアナ》の[-2]能力ですぐさま解消し、さらに田崎は《雷口のヘルカイト》を走らせるが、三原も手札から2体目の《ベラドンナの行商人》をプレイ、コンボを復活させて即座にこれを撃ち落とす。

 田崎は《ヴェールのリリアナ》の犠牲によって再びコンボは阻止するものの、クリーチャーを引き込めず攻め手が止まったところで、三原は《高原の狩りの達人》。返しでようやく田崎も《スラーグ牙》を引き込み、送り出す。

 ここで三原が何もせずエンドし、《高原の狩りの達人》が変身。さらに田崎が《死儀礼のシャーマン》プレイでターンを返すと、三原はエンド前に《イゼットの静電術師》。みたび接死ティムコンボ達成を目論む。が、《イゼットの静電術師》起動に対応で《ベラドンナの行商人》に田崎の《究極の価格》が飛び、イージーウィンを許さない。

 しかし田崎が呪文を2回プレイしたことで表返った《高原の狩りの達人》を、三原はそのままエンドしてすぐに裏返らせ、《死儀礼のシャーマン》をも撃ち落とす。この一連でほとんどリソースを失った田崎に対して、ゲームはこのまま三原のペースかと思われた。


田崎 裕大

 だが田崎もさるもの。引き込んだ2体目の《雷口のヘルカイト》を力強く送り出すと、実は4マナで延々と止まっていた三原の方が一転窮地に立たされてしまう。

 ここはリスクを承知で《遥か見》でマナを伸ばしておき、続く一撃も甘んじて受ける三原だったが、続くターンにブロッカーとして出した《修復の天使》を《究極の価格》で撃ち落とされると、まずは田崎が一本を先取した。

三原 0-1 田崎

ゲーム2

 田崎が後手3ターン目の《殺戮遊戯》で(《追跡者の本能》で見えていた)《修復の天使》を指定すると、明らかになった三原の手札からは《イゼットの魔除け》《高原の狩りの達人》《》《血の墓所》……とともに2体の天使がポロリ。これには三原も苦笑い。

 それでも田崎の《高原の狩りの達人》は《忌むべき者のかがり火》し、《追跡者の本能》のフラッシュバックで手に入れた《酸のスライム》で《スラーグ牙》に応じるが、田崎は相打ち後に《原初の狩人、ガラク》でトークンを生み出して攻め立てる。田崎の盤面には3/3トークン2体と忠誠値4のプレインズウォーカー。三原、絶体絶命。


三原 槙仁

 だが、トップデッキといえば三原のお家芸。伝説の《炎の儀式》トップを彷彿とさせる《忌むべき者のかがり火》「奇跡」で眼前の全てを一掃。窮地を脱する。

 しかし、押し切れないと見るや田崎は《地下世界の人脈》《死儀礼のシャーマン》と長期戦に備える構えを見せ始める。こうなると《スラーグ牙》をプレイしてライフにプレッシャーをかけたい三原だが、ここで田崎も応じるように《忌むべき者のかがり火》を「奇跡」し、ゲームの主導権を離さない。

 このままでは毎ターン2枚ずつ引かれてジリ貧となってしまう三原、仕方なく《士気溢れる徴集兵》で《地下世界の人脈》付きの土地を一時的に奪ってカードを引きつつの6点アタックで攻勢を継続するが、じわじわとカード枚数の差がつき始め、田崎は《士気溢れる徴集兵》を《究極の価格》で除去すると、《ロクソドンの強打者》にも即《突然の衰微》で墓地送りにし、さらに《スラーグ牙》と、これぞジャンドと言わんばかりの展開を見せつける。

 この《スラーグ牙》は三原が3/3トークンでのアタック後に3枚目(!)の《忌むべき者のかがり火》で《死儀礼のシャーマン》ごと薙ぎ払うが、田崎は一向に尽きぬ手札から《雷口のヘルカイト》を送り出し、8点アタック。三原も《信仰無き物あさり》してみるものの、手札を空にしつつのプレイは《高原の狩りの達人》で、いまいちプレッシャーが足りない。

 対して田崎は攻撃を継続しつつ、ついにダメ押しの《オリヴィア・ヴォルダーレン》を降臨させる。

 再び追い込まれた三原。祈るようにカードを引く……

 だが、「奇跡」は二度も起こらない。

 そう、いつだって奇跡は人の力で起こすものだ。

 この局面で三原のトップは何と《堀葬の儀式》!!

堀葬の儀式++士気溢れる徴集兵
堀葬の儀式++士気溢れる徴集兵

 墓地に落ちていた《士気溢れる徴集兵》で田崎の《オリヴィア・ヴォルダーレン》を奪ってフルアタックすると、3/3トークンでの地道なアタックが効を奏し、田崎のライフは見事にゼロを割ったのだった。

三原 1-1 田崎

 田崎が《雷口のヘルカイト》で己の構築力の確かさを証明した後、三原の見事な逆転劇。死力を尽くした2ゲームの末、残り時間はわずか11分。否が応にも2人のシャッフルが早まる。

ゲーム3

 田崎の《死儀礼のシャーマン》スタートに対し、三原は第3ターン《イゼットの静電術師》から《高原の狩りの達人》と順調に展開。だが田崎の第5ターン、電光石火の《雷口のヘルカイト》が三原に強烈な一撃をお見舞いする。

 これに対処する術を持たない三原は、ひとまず《スラーグ牙》をプレイしてお茶を濁すが、田崎も《スラーグ牙》をプレイ、ダメージレースにはならない。さらに《スラーグ牙》がもう一組鏡打ちになる傍らで、田崎の《雷口のヘルカイト》だけが淡々と三原のライフを削り続ける。

 とここで、三原の盤面に置かれたランドに目を剥いた。

大天使の霊堂
 

「あ、これでも接死ティムできるんだ」と一瞬納得しそうになったが、冷静に考えれば緑+青赤+白黒である。三原の五色の謎は解けたが、予想以上に凄まじい構築だ。

 ゲームに目を戻すと、何とか接死ティムコンボで《雷口のヘルカイト》を除去したい三原は、田崎の《死儀礼のシャーマン》に種を供給してしまうことを承知の上で、まだ見ぬ黒マナを手に入れるべく意を決して《根囲い》をプレイ。が黒マナには巡りあえず、さらに《追跡者の本能》を表裏で撃ってどうにか《スラーグ牙》を手札に入れることに成功する。

 一方この隙に攻め立てたい田崎だが、なかなか決定打を引くことができず、ついに三原が《遥か見》で待望の《血の墓所》を手に入れてしまう。

 今こそ奇跡、今こそ《忌むべき者のかがり火》……そんな田崎の願いは、しかし届かず。

 《大天使の霊堂》によるティム接死コンボが動き出すと、さらにダメ押しの三原の《忌むべき者のかがり火》で田崎のライフは速やかに削りきられてしまった。

三原 2-1 田崎

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