シールドテクニック「ギルド対策サイドボーディング」

更新日 Event Coverage on 2013年 3月 2日

By Hisaya Tanaka

 11回戦にもわたるシールド戦が終わり、ドラフトラウンドがスタートした。ドラフトはここから6回戦。トータルで17回戦の戦いの末にトップ8が確定するのだ。それにしても17回戦中11回戦がシールド戦での勝負となると、グランプリを戦い抜いていく上でシールド戦をうまくこなしていくこと自体が、勝利に対してかなりのウェイトを占めていることになる。

 そんな中、11回戦終了時点で勝ち残っているプレイヤー達にシールドの結果について聞いてまわると、多くのプレイヤーが行なっているシールド戦略が存在した。グランプリ・横浜を5倍楽しむ!『ギルド門侵犯』シールド入門(後編)にあった、シールド戦でのじゃんけん必勝法を行なっていたのだ。

 何人かにその戦略の具体的な方針やプランをインタビューしてきたので、ここに紹介していこう。

■ 津村 健志の場合

 昨年、殿堂入りを果たした津村。

 彼はメインデッキをシミック、サイドボードとしてボロスにデッキを変更するサイドボーディングプランを用意していた。

Tsumura, Kenji / メインデッキ

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Tsumura, Kenji / サイドボード後

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――「サイドボードでデッキの入れ替えをしていたと聞いたのですが。」

津村「ボロスを用意していたのですが、もっと積極的にサイドチェンジするべきでした。」

――「詳しく聞かせていただけますか?」

津村「メインのシミックは悪くなかったんですよ。ただエスパーやオルゾフと3回あたったのですが、その際に強請・長期戦に対して弱すぎたんですよね。一度はきちんと変えられたのですが、残りのマッチはサイドボードのボロスに信頼が置けなくて、そのままシミックで戦ってしまいました。」

――「ボロスを使ったら、もう少し勝てましたか?」

津村「そうですね。少なくとももうひとつは勝てたと思います。」

――「この環境はサイドボーディングで大胆にデッキを変える人が多いですが、津村さんはどう思いますか?」

津村「サイドに用意できるデッキが実用的ならやったほうがいいですね。」

――「やはりギルドでのデッキ相性と先手後手の問題でしょうか。」

津村「はい。一番望ましいのは、2色でデッキを組んでカードの入れ替えで速度を調整できる形ですね。それができなくても別デッキで同じことができるなら、スリーブ入れておいたりしていつでも使えるようにしておいたほうがいいです。ただ、さっきも言ったんですが、実用的でない弱いデッキになるのはダメですね。」

――「なるほど。しかし、津村さんがそういう方針なのは珍しいですね。」

津村「そうですね。組み間違えとかならともかく、戦略的に2色、デッキが丸々入れ替わるなんてサイドボードしたのは、人生で初めてです。でも普段こういったことをやってなかったので、本番できちんと変更できませんでした。もう少し環境把握ができて、オルゾフの強請に対して長期戦になってしまうことがわかっていたり、練習で2つデッキができたときに、どちらが強いかを選択するのではなく、両方を使ってみるという練習をしっかりするべきでしたね。」

■ 石村 信太郎の場合

 マジック・オンライン(MO)においてシールド戦最強と謳われる石村。かつて世界選手権に併催されたMOCSにも出場し、600-700人規模で行われるオンライン・プロツアー予選を三度も抜けたそのシールド能力は、このグランプリ・横浜でも発揮されていました。

Ishimura, Shin'tarou / メインデッキ

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――「カードプール自体はどういった印象でしたか?」

石村「10点中7点ですかね。ギリギリ2敗くらいだと思っていたので、1敗1分けはラッキーでした。」

――「サイドボーディングでデッキが変わるとお聞きしたのですが。」

石村「はい、サイドボードでエスパーデッキになります。」

Ishimura Shin'tarou / サイドボード後

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――「このエスパーは除去が多いですね。どういった時にメインデッキのボロスをエスパーに変更をするのですか?」

石村「主に先手後手ですね。オルゾフが組める場合は先手後手どちらでもいけるけど、それ以外のデッキの場合は先手後手で入れ替える必要があると思います。ただこのデッキは強いわけではないので、相手のデッキが強すぎる場合はブン周りに賭けてボロスにします。」

――「こういったデッキを丸ごとサイドボーディングするというのは珍しいとは思うのですが、『ギルド門侵犯』環境の特徴でしょうか。」

石村「そうですね。先手後手、ギルドの相性差が大きいので。」

――「やはりMOで練習して、そういったところを見つけていくのでしょうか。」

石村「はい、MOだとデッキの入れ替えが簡単なので、いろいろ試してみます。」

■ 八十岡 翔太の場合

 昨日の記事で自分のデッキを70点と言った八十岡は、しっかり二日目に残っている。もちろん八十岡もサイドボーディングとしてデッキ自体を変更する形をとっていた。

――「八十岡さんもデッキ入れ替えするくらいのサイドボードをしていると聞いたんですが。」

八十岡「うん。」

――「カードプールを見た時から、こういったプランを考えているのですか?」

八十岡「そうだね。最初見せたときは2つ目がまだできてなかっただけ。」

Yasooka, Shouta / メインデッキ

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――「メインはグルール中心の4色でしたが、サイド後はどうなるんですか?」

八十岡「白赤黒の3色。カードを何枚か入れ替えて、その3色でも早めと遅めのデッキにするようにしてる。」

――「実質3デッキあるってことですか?」

八十岡「多少入れ替えてるだけの部分もあるけど、まあそうだね。」

――「ではデッキを見せてもらっていいでしょうか。」

Yasooka, Syouta / サイドボード

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――「これは早いほうですか?」

八十岡「遅いほうだね。早い方は《ザリーチ虎》とか何枚かを《反逆の行動》とかに変える形。」

――「どういった相手の時にサイドボードするのですか?」

八十岡「相手がボロスならこっちの遅いほうだね。オルゾフなら早い方。」

――「メインで続行するのは?」

八十岡「グルールとシミックだね。あと相手が強いときはブン周り期待して早い方。」

――「メインも4色だしサイドプランも豊富ですが、常にこういった構築を心がけているんですか?」

八十岡「いつもこんなプールがあるわけじゃないから、常にってわけじゃないね。こういったサイドボーディングができるのは全体の半分くらいで、しかもその2,3割は2色で組んで十分強いからそういうことをやる必要がない。まあそれ以外の時が大きなサイドボードをする時だね。」

■ さいごに

 この環境の最大の特徴である「ギルド」。

 今回のシールド戦はその「ギルド」の影響を多大に受ける環境であった。多くの強豪プレイヤーは、サイドボーディングでそのギルド自体を変更するという、今までの環境では考えられないようなプランを採用していたのだ。

 もちろん100点のデッキが作れればそれに越したことはない。しかしそういった強いカードプールを持たない場合でも、ギルドの対戦相性や先手後手などの要素を加味して、デッキ自体を頻繁に入れ替えるというテクニックが、彼らを上位へと導いているのだ。

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