スタンダード有力デッキ解説

更新日 Event Coverage on 2004年 8月 27日

By 吉川 祐輔

ついに開幕したGP名古屋。ここでは、改めて現スタンダード環境の有力デッキのおさらいをすることで、今大会の展望を考えてみたいと思う。
知っている方も、知らない方も、お付き合いいただけると幸いです。

親和(Affinity)

Masahiko Morita

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ソーサリー (4)
4 Thoughtcast
インスタント (4)
4 Shrapnel Blast
アーティファクト (8)
4 Cranial Plating 4 Chromatic Sphere
60 カード

無尽蔵のドロー能力さえないものの、爆発的な展開力、《頭蓋囲い/Cranial Plating》による瞬殺の可能性はいまだ健在な、スタンダードの王者。

基本的な動きはいわゆる「ウィニー」、小型クリーチャーによる波状攻撃である。親和能力を持つ《金属ガエル/Frogmite》《マイアの処罰者/Myr Enforcer》はそのコスト効率から中心戦力になり、《電結の荒廃者/Arcbound Ravager》《電結の働き手/Arcbound Worker》は攻撃に変化をもたらすと共に単体除去への耐性を高める。《大霊堂の信奉者/Disciple of the Vault》は攻撃によらない勝ち手段を提供する。

クリーチャーが中心のデッキだが、少数の非クリーチャーカードもまた重要な役割を果たす。前述の《頭蓋囲い/Cranial Plating》は圧倒的な打撃力を与え、《物読み/Thoughtcast》が追加戦力を、《爆片破/Shrapnel Blast》はとどめのダメージを、それぞれもたらす。

しかし何の変化もないままここまで勝ち残ってきたわけもなく、より速い展開を求めて《霊気の薬瓶/Ather Vial》や《極楽のマントル/Paradise Mantle》を採用するデッキも現われている。一方、大量のアーティファクトを要求する《マイアの処罰者/Myr Enforcer》はメインデッキから外れることが多くなってきた。代わって、戦闘軸をずらすことができる《厳粛な空護り/Somber Hoverguard》、《霊気の薬瓶/Ather Vial》から飛び出て瞬殺の可能性を秘める《エイトグ/Atog》、長期戦を見据えた《マイアの回収者/Myr Retriever》などの選択肢が増えている。

最大勢力であるからこそ、綿密な調整に基づいた微妙なカードの選択が勝敗を分けることになるだろう。

ウルザトロン(緑単、緑赤、4色)

Ando Reiji

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ソーサリー (12)
4 Sylvan Scrying 4 Reap and Sow 4 Tooth and Nail
インスタント (4)
4 Oxidize
アーティファクト (8)
2 Wayfarer's Bauble 3 Mindslaver 3 Oblivion Stone
60 カード

「マナは力」。その言葉が全てを体現する単純かつ強力なデッキで、ファンも多い。

採用されている構成は様々だが、《森の占術/Sylvan Scrying》《刈り取りと種まき/Reap and Sow》で「ウルザ3地形」《ウルザの塔/Urza's Tower》《ウルザの鉱山/Urza's Mine》《ウルザの魔力炉/Urza's Power Plant》を揃え、圧倒的なマナでもって《歯と爪/Tooth and Nail》その他の重量級スペルを操って勝利する。《歯と爪/Tooth and Nail》からは、ミラディン発売時からの定番《白金の天使/Platinum Angel》+《レオニンの高僧/Leonin Abunas》で敗北を逃れるコンボの他、フィフス・ドーンからは《トリスケリオン/Triskelion》+《メフィドロスの吸血鬼/Mephidross Vampire》のクリーチャー全滅コンボを手に入れ、安定感が増した。また、最近では《隔離するタイタン/Sundering Titan》による大ざっぱな土地破壊戦術も注目されている。

採用している色構成によって、デッキの指向性は異なる。緑単色は《酸化/Oxidize》《永遠の証人/Eternal Witness》を安定して運用して、どちらかというとウルザ地形が揃うまで耐えることを主とする。逆に、多色化したタイプは《火の玉/Fireball》《正義の命令/Decree of Justice》《卑下/Condescend》など大量マナを有効に生かすことを念頭に置いている。
いずれにせよ、噛み合った時の破壊力は随一。そうでないときの細かい動きが、ミラーマッチなどでは特に重要になってくるはずだ。

白緑サイクリング(エターナルスライド)

Hisaya Tanaka

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カードの限りない再利用を可能とする、「永遠」の名を冠した2種のカード。これらを最大限に活かしたのがこのデッキだ。

序盤の動きはコントロールに準じ、《神の怒り/Wrath of God》などでひとたび盤面の平静を得た後は、《霊体の地滑り/Astral Slide》によって《永遠の証人/Eternal Witness》を取り除いたり出したりを繰り返すことでカードの再利用サイクルをつくる。最終的には《永遠のドラゴン/Eternal Dragon》が尽きることなくサイクリングされ、同時にフィニッシャーを担う。

自分の場を構築することができたならば圧倒的になるのだが、どうしても受動的なデッキであるため、ふとした事で逆転されやすい。また、勝ち手段が限られるため決着に時間がかかるのも難点だ。様々な点を考え、使い手を選ぶデッキと言えるだろう。

土地破壊(ランデス)

Kota Kawamoto

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ソーサリー (9)
4 Stone Rain 4 Molten Rain 1 Hammer of Bogardan
インスタント (9)
4 Electrostatic Bolt 4 Magma Jet 1 Pulse of the Forge
アーティファクト (8)
3 Pyrite Spellbomb 3 Oblivion Stone 2 Icy Manipulator
土地 (22)
18 Mountain 4 Stalking Stones
60 カード

根強い人気を誇るデッキタイプである。ここに挙げたのは赤単色のものだが、赤緑でビーストを主軸に置いたバージョンも多く見られる。

基本的には第2~3ターンから土地破壊を開始し、相手にやりたいことをさせぬまま圧倒する。フィニッシャーは中~高マナ域の大型クリーチャーが多い。対策がされやすく、先行することが必須でありながら出遅れやすいなどの問題があるが、その性質上ウルザトロンに高い耐性を持つことが、このデッキに対しての追い風となるだろう。

その他

本年度の日本選手権を制したゴブリンや、同じく3位の白青コントロールも依然有力だが、その使用難易度から大きな流れにはなり得ないと感じる。しかし、上位では必ず姿を見かけることになるだろう。

《クラーク族の鉄工所/Krark-Clan Ironworks》系コンボデッキは、上手くメタゲームの隙間を突ければ活躍も考えられるが、親和デッキ対策に巻き込まれる恐れが高いため、難しいかもしれない。

その他のデッキで可能性があるとすれば《死の雲/Death Cloud》デッキか。強力なこのカードを使いこなし、環境を読みきる力を持ったプレイヤーが選択すれば、十分に成果が狙える。

いずれにせよ、名古屋での答えは36時間後には出ていることになる。今は各プレイヤーの活躍を楽しみに待つとしよう。

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