
初日を全勝で折り返した5名のプレイヤーが、同じテーブルで顔を合わせる。そして、その中で3人が連続して並ぶ事となった。橋本 玲・高桑 祥広・三原 槙仁のピック譜をお届けしよう。
実際にドラフトが始まる前に軽くテーブルの状況を説明すると、三原の対角線上に残りの全勝者である伊藤が、三原の下家に森田がいる。他にもGP名古屋からの好調を維持する斉藤、日本選手権ベスト8・高校選手権3位と勢いの止まらない覚前、GPシンガポール・GPシドニーでベスト8の実績を持つRoyce Chaiがおり、タレント揃いの1st Podとなった。
注目するのは、再びリミテッドGPの戴冠で復活を目指す、橋本のドラフティングだ。
しっかりとした縦のシナジーとマナベースで構築された"蛇デッキ"を使用して、初日を全勝で折り返した橋本。3勝2敗1分でベスト8当確ラインに立てる事を考えれば、このドラフトは何としても2勝1敗以上で切り抜けたいところ。ならば大崩れしないテンポデッキを構築する事が、橋本にとって条件的には一番の近道になる。ピック内容は別表を参照して頂きたい。
並びは、以下の通り。
1) 橋本
2) 高桑
3) 三原
4) 森田
5) Chai
6) 斉藤
7) 伊藤
8) 覚前
見事に赤黒の強烈なビートダウンデッキのドラフトに成功した橋本。自らが開封したパックで《食い込む疫病/Swallowing Plague》をピックしてからというもの、ほぼ一直線のドラフティングを展開出来たようだ。序盤に《鼠の殺し屋/Nezumi Cutthroat》を1~2枚流してしまった部分が気になったが、中盤以降で2枚の《鼠の殺し屋/Nezumi Cutthroat》を無事に回収して、しっかりとデッキが引き締まった。期待していいだろう。
高桑も第1パックから一貫して白緑を主張しており、そのままの流れで最後まで突き進んでいる。しかし、2つ上の覚前と2つ下の森田が緑を選択しており、間に挟まれた形の高桑はデッキを白主体にした上で、《桜族の長老/Sakura-Tribe Elder》と2枚の《木霊の手の内/

最後に三原だが、苦しいドラフトを強いられながらもしっかりと「デッキ」を組み上げてきたという印象だ。《夜の星、黒瘴/Kokusho, the Evening Star》を始めとして、《激憤の本殿/Honden of Infinite Rage》《夜陰の本殿/Honden of Night's Reach》の"ダブル本殿"と、単体のパワーで圧倒できるカードをしっかりとピックしており、2枚の《鼠の殺し屋/Nezumi Cutthroat》と3枚の《残酷な詐欺師/Cruel Deceiver》が2枚の《抑えきれない怒り/Uncontrollable Anger》で猛進して、長い勝負は避ける展開に持ち込むのが三原の勝利の方程式になるだろう。
彼ら以外のプレイヤーの主要なピックを簡単に追いかけていくと、森田が《北の樹の木霊/Kodama of the North Tree》、Chaiが《義理に縛られし者、長雄/Nagao, Bound by Honor》、斉藤が《夜の華、切苦/Kiku, Night's Flower》《夜の星、黒瘴/Kokusho, the Evening Star》、伊藤が《龍の牙、辰正/Tatsumasa, the Dragon's Fang》《潮の星、京河/Keiga, the Tide Star》といったカードを手に入れており、かなり過剰なパワーゲームが行われていた。
と、いうのが、卓全体を見渡した素直な感想である。