第2ドラフトからは、再び第1ポッドの模様をお届けしよう。
今回も非常に豪華な顔ぶれの卓であり、その中でも加藤 一貴・浅原 晃・森田 雅彦の3人並んだGPチャンプに注目した。
卓上には他にも大塚 高太郎、大礒 正嗣といったビッグネームに加え、PTシカゴ出場の実績を持つリミテッド巧者の高崎 雄一、今大会でブレイクを果たしている伊藤 渉吾、関東の新鋭、秋山 貴志が取り囲む。
森田は、ここまで怒涛の11連勝。
すでにベスト8をほぼ手中にしており、3連敗しない限りは鉄板だろう。浅原も第1ドラフトを全勝して勝ち上がってきており、「勢いのある名手」の技の切れ味をじっくり堪能して頂きたいと思う。
並びは、以下の通り。
1) 加藤
2) 浅原
3) 大塚
4) 高崎
5) 秋山
6) 伊藤
7) 大礒
8) 森田
まずは加藤のデッキから。
序盤は積極的に青のカードを集め、しっかりと色を主張。本当にほぼ真っ青なピックをしているのが表から読み取れると思う。3枚の《無神経な詐欺師/Callous Deceiver》と2枚の《狐の裂け目歩き/Kitsune Riftwalker》で序盤を凌ぎ、中盤以降は空から戦う形を取っている。《霊魂の奪取/Rend Spirit》《引き込み/Pull Under》といったスペルを早い順目で取れているので、このあたりをタッチして青白+黒といった構成になるだろう。
それにしても、全体的に白いカードの出が渋かった感が否めない。何しろ《手の檻/Cage of Hands》が1枚も出ていないのだから。
続いて浅原のデッキは、緑赤+《曇り鏡のメロク/Meloku the Clouded Mirror》といった内容。2枚ずつ投入された《木霊の手の内/Kodama's Reach》《桜族の長老/Sakura-Tribe Elder》のバックアップの下、Blog記事にも紹介のあった「多色緑」というアーキタイプをここでも貫いている。
インベイジョンブロックの頃の「《砕土/Harrow》初手」ドラフトまでとはいかないが、テンポ重視のドラフト環境下にあって、マークの薄い特定のアーキタイプを徹底してドラフトし続ける姿勢が、この好成績につながっているのだ。
しかも、同じくBlog記事で紹介済みの森田も同じドラフトを展開していた。
早い順目で《平穏な庭園/Tranquil Garden》をドラフトするなど多色を見越したドラフティングを展開し、今回も《桜族の長老/Sakura-Tribe Elder》《木霊の手の内/Kodama's Reach》をしっかりとピックしている。
つまり、加藤を挟んだ両脇では、壮絶な鏡打ちが行われていた事になる。
森田は赤からスタートしたドラフトだったが、自分のパックで引き当てた《北の樹の木霊/Kodama of the North Tree》を強烈なシグナルとして発信し、最終的には緑多色に落ち着いているのだ。恐るべし。
そういえば、森田はミラディンブロックの時も頑なに「親和」というアーキタイプを徹底して使用していた。絶対の自信を持って磨き上げてきた技を、決勝ドラフトでも十二分に発揮してくれる事だろう。