2200人を超えるプレイヤーが集まった、グランプリ・横浜。そんな中、近年活躍をしている注目のプロプレイヤー数人に、デッキ構築終了後の感触を聞いてみました。
■ 中村 修平
中村「先週よりは全然強いかな」
中村は、カナダのモントリオールで行われた「プロツアー」ギルド門侵犯から、先週行われたグランプリ・シャーロットまで、『ギルド門侵犯』のリミテッドの大会を連続でこなしてきました。「先週より強い」と言いながらも、中村はそのグランプリ・シャーロットでしっかり二日目に残っている。今回のデッキを見せてもらうと、しっかりとしたオルゾフカラーのメインデッキに、タッチ色の強力カードを数枚タッチした形です。
――メイン色のカードもしっかりしてるし、コモンありレアありだしタッチも強そうですね。
中村「まあ文句はないですね。」
――点数でいうと?
中村「70点は超えるけど、80点はつけられませんね。」
――デッキ構築の際にはどういったことを気にしていますか?
中村「タッチをするべきかどうかは、かなり気をかけてますね。」
――ギルド門がたくさんあったら、とかそういうことでしょうか。
中村「2色で組んだ時にそれで勝ちきれるかどうかという点かな。」
――今回は2色では勝ちきれない感じだったということでしょうか。
中村「いや、今回はタッチの色が強すぎたんですよね。それでこっちのほうが勝てると思いました。」
■ 八十岡 翔太
――デッキどうでした?
八十岡「弱いよ」
八十岡が見せてくれたデッキは何と4色。ここでもしっかりと八十岡ワールドが発揮されていました。
――でも基本の部分はしっかり2色で構成されてますし、ギルド門を利用して入るだけカードをタッチした感じですね。
八十岡「そうだね。デッキ重い部分があるし《緑側の見張り》とギルド門は全部入れるので、自然とタッチできるものは全部いれたね。まあ弱いって言っても70点かな。許せる。」
■ 渡辺 雄也
渡辺「厳しいですね。すぐにいなくなりそうです。」
弱気な発言をする渡辺のカードプールを見ると、きっちりまとまって見えるボロスデッキ。
渡辺「2色にはまとめたんですが、カードが弱いしスペル過多なんですよね。」
――どういったあたりが厳しいのでしょうか。
渡辺「スペルが多いということ自体ですね。その上入れたスペル自体も《天駆ける進撃》や《闘技》といった感じであまり強くないです。特に《闘技》はたくさんあったのですが、ボロスというアーキタイプには合ってなくて厳しいですね。」
――カードプールを見ると、シミックを試した感じがありますが。
渡辺「《闘技》を活かせる形を考えた時にシミックを試してみたのですが、それでもカード枚数が足りませんでした。《すがりつくイソギンチャク》2枚を《闘技》用に全力で入れてです。」
――他に迷った点はありましたか?
渡辺「《聖堂の護衛》が2枚あったのですが、ボロスにするときに切りました。対戦相手がオルゾフだったり、重いデッキだったりした時にはサイドインすることになると思います。」
――では、最後に今日の目標は。
渡辺「4勝2敗で初日抜けですね。」
■ 行弘 賢
行弘「中の上っすね」
昨年12月に行われたグランプリ・シンガポールで優勝した行弘のデッキは、オルゾフデッキにレアを1枚だけタッチした形だ。
――序盤のカードも強く後半はレアで押せる。これで中の上ですか?
行弘「上になるためには、除去があと2、3枚あればって感じですね。」
――すんなりデッキは決まりましたか?
行弘「最初はボロスにしようと思ったんです。《火花の強兵》と《溶鉄の始源体》があったんで。でもカードが19枚しかなくて、オルゾフにしました。」
――なるほど。デッキ構築の際にどういったことを意識して構築したのでしょうか。
行弘「後半はレアがあるので、序盤を意識しました。最初はデッキに《ザリーチ虎》を入れていたのですが、このデッキは土地が詰まった時のほうがつらいと思ったので、そこを《死体の道塞ぎ》に変えました。少しでもマナを軽くしたかった。」
――その1マナが重要ってことですね。
行弘「あと迷っていたのは、タッチを《ディンローヴァの恐怖》にするかどうかですね。結局これも、マナが軽い方ということで選択しました。」
――全勝行けますか?
行弘「いや、2敗に近い1敗くらいですね。」
■ プロの構築を見て
プロ達のデッキ構築を見ていると、今までの環境よりタッチ色やマナに留意している感じを受けました。参加プレイヤーの増加によるグランプリ自体が長丁場だという点や、環境のギルドによる偏りなど、普段よりもデッキ構築で考えることが多い環境のようですね。
果たして本日の勝ち組はどのようなデッキになるのでしょうか。