ラウンド 1:

更新日 Event Coverage on 2004年 1月 16日

By 森 慶太

“Nico”ことHerzogとNitterはともにノルウェー出身で古くからの友人同士であり、Team Outlandのチームメイトとして何度もチーム・プロツアーで共闘してきた仲である。さらに彼らはともに欧州選手主権優勝という輝かしい実績を誇っており、かたやNitterはプロツアー・ニースの優勝者、一方のHerzogもツアー決勝ラウンドの常連にして欧州選手権二冠というパフォーマンスで記憶されているプレイヤーだ。まさに甲乙つけがたい北欧のツインタワーによる友人同士の対決がプロツアー・アムステルダムの緒戦を飾ることとなったわけである。

Game 1

ダイスロールに勝利した”Nico”が先行を選択し、静かにゲームがはじまる。”Nico”はド三色のトリコロール(赤青白)で、Nitterがほとんど純正の赤黒(親和用の土地+サイドオプションとして《伝承の樹/Tree of Tales》入り)という具合だ。ちなみにNitterがプロツアー・ニースを制したときにほとんど一貫してドラフトしていたのが《リスのお喋り/Chatter of the Squirrel》や《入門の儀式/Rites of Initiation》をキーカードとする赤緑の超軽量ビートダウンだった。だからというわけでもないだろうが、彼のドラフトするデッキはいつもビートダウンに特化したアーキタイプであることが多いように感じられる。

そのNitterは後手の開幕ターンに《伝承の樹/Tree of Tales》から《レオニンの円月刀/Leonin Scimitar》をプレイし、続くターンに親和で《金属ガエル/Frogmite》を召喚。ここで先手の”Nico”は3ターン目に《ヨーティアの兵/Yotian Soldier》を展開してくるのだが、Nitterは2枚目の《レオニンの円月刀/Leonin Scimitar》をプレイして二本とも《金属ガエル/Frogmite》に装着。あっという間に4/4クリーチャーが後手3ターン目のレッドゾーンに送り出されたわけだから…上々の展開といえるだろう。

しかし、”Nico”lai Herzogも第4ターン目に《水晶の破片/Crystal Shard》をプレイしてタップアウトした状態であるEivind Nitterの4/4カエルをターゲッティング。最初の脅威をバウンスすることで対処し、さらには《金属ガエル/Frogmite》を再召喚しなおすだけで4ターン目を終えることになったNitterに対して《バンシーの刃/Banshee’s Blade》をつきつけたのだった。

この《バンシーの刃/Banshee’s Blade》というのは回避能力をもったクリーチャーとは最高の相性を見せる装備品であり、実質アンブロッカブルの《ニューロックのスパイ/Neurok Spy》や飛行クリーチャーが数多く投入された”Nico”のデッキにはこれが複数搭載されている。もちろん、攻防一体の動きを見せる《ヨーティアの兵/Yotian Soldier》のようなクリーチャーと組み合わさったときも素晴らしい威力を発揮する一枚だ。

Eivind Nitterとしては《水晶の破片/Crystal Shard》を意識してマナを残しつつ2本の《レオニンの円月刀/Leonin Scimitar》を装備した《金属ガエル/Frogmite》でアタックすることしかできないわけで、返す6ターン目に《チス=ゴリアの歯/Tooth of Chiss-Goria》によってさらに増強された《ヨーティアの兵/Yotian Soldier》がレッドゾーンに送り込まれ、”Nico”の《バンシーの刃/Banshee’s Blade》に最初のカウンターがのせられた。

ただ、そうは言っても序盤のダメージレースでは4/4のパンチ2発ぶんリードしていたNitterだけに、なんとか除去のトップデッキあたりからの挽回にかけたいところ。しかしながら、ドローは皮肉にも《粉砕/Shatter》ならぬ《恐怖/Terror》…。それにしても《恐怖/Terror》と《粉砕/Shatter》の価値観が逆転してしまっているという現象はミラディンというセットのイメージをよくあらわしているといえるだろう。ともあれNitterはさみしく《ゴブリンの打撃者/Goblin Striker》召喚するのみでターンエンドとなった。

そして、”Nico”laiはハンドに抱えていた「ティム装備」《ヴィリジアンの長弓/Viridian Longbow》であっさりとこのゴブリンを一蹴してしまうのだった。”Nico”laiはマナ・マイアを《水晶の破片/Crystal Shard》でバウンスすることでカエルに対するチャンプブロッカーを循環させるシステムを構築してしまっており、これでNitterは攻守ともに手も足も出なくなってしまう。

結局、アーティファクト破壊を引き当てられなかったEivind Nitterはどんどん破壊力を増していく《バンシーの刃/Banshee’s Blade》とそれを身につけた《ヨーティアの兵/Yotian Soldier》によって圧倒されてしまったのだった。

Nicolai Herzog -1

Game 2

なんとか星をとりかえしたいNitter、先手をとったこの2本目では2ターン目に《ゴブリンの打撃者/Goblin Striker》による即アタックから果敢にゲームをスタートする。対する”Nico”も2ターン目にきっちりと《銀のマイア/Silver Myr》をプレイして展開速度で対抗し、好勝負の予感。

Nitterは3ターン目に《ゴブリンの模造品/Goblin Replica》をプレイして場にプレッシャー。対して”Nico”も青マナを残しつつ《ウィザードの模造品/Wizard Replica》を召喚して睨みをきかせる。

しかし、白熱の予感もここまでだった。なぜなら、Nitterのマナソースが無常にも3マナでとまってしまい…一気にワンサイドゲームとなってしまうのである。

セットランドできないNitterが《屍賊の殴打者/Nim Lasher》を召喚して4ターン目を終えると、対するNicolaiは快調にマナを展開して《バンシーの刃/Banshee’s Blade》と《ニューロックのスパイ/Neurok Spy》を召喚してくる。当然、刃をまとったスパイというのは致命傷モノであり、3マナでストップしつつもなんとか《恐怖/Terror》を叩き込むNitterだった。

相手が下唇をかみ締めているのを尻目に、”Nico”は《知識の渇望/Thirst for Knowledge》で《バンシーの刃/Banshee’s Blade》をディスカードするという具合で順風満帆に手札整理。《タージ=ナールの剣鍛冶/Taj-Nar Swordsmith》を展開して地上をかためつつ《バンシーの刃/Banshee’s Blade》をまとった《ウィザードの模造品/Wizard Replica》でビートダウンをはじめたのだった。

その上で《ヴィリジアンの長弓/Viridian Longbow》をプレイしたNicolaiは…起動のためのマナが揃わずにいる《ゴブリンの模造品/Goblin Replica》を《上天の呪文爆弾/AEther Spellbomb》でバウンス。そして《屍賊の殴打者/Nim Lasher》を弓で狙撃した。

マナが揃わないNitterは《ゴブリンの模造品/Goblin Replica》を再召喚したものの…これを何も出来ないうちに《ヴィリジアンの長弓/Viridian Longbow》を使いまわしての二重狙撃で討ち取られてしまう。Nitterはもう諦めきったかのような表情だ。

そして、一本目さながらに《バンシーの刃/Banshee’s Blade》が巨大化し続け、《トゲ撃ちゴブリン/Spikeshot Goblin》が展開された段階でNitterは投了を宣言した。

ところで大脱線なのだが、ファッショナブルなことでしられているNitterがこの日はプロツアーTシャツ一丁というスタイルでフューチャーマッチに登場している。これが心境の変化か単なる手抜き(…寝坊とか)なのかは定かではないが、ともあれEivind Nitterはマナ事故を起こし、マッチに敗れてしまった。まさに余計なお世話かもしれないが、そのことをギャラリーが茶化していたのも印象的だった。

Nicolai Herzog -2, Eivind Nitter-0

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