真木「がけっぷち対決よね」

と、言う通り。もう1敗も1分け許されない綱渡りが早くも訪れていた。この綱渡りに失敗した瞬間にサーカスは幕を閉じるのだ。その試練が、1人の伝説の男と1人の若者に課せられている。
デッキは真木が赤白、志村が黒緑をドラフトしており、ピック内容を見る限りには志村が若干有利か。真木のデッキに仕込まれた2枚の《罰する者、ゾーズー/Zo-Zu the Punisher》が火を噴くか、それとも志村の速攻が決まるか。
そんな2人の戦いは、試合開始の合図がかかっても誰も気付いておらず、ちょっと慌しく始まったのだった。むむ、お喋りが過ぎたようで。
Game 1
ダイスロールで先攻は志村。早速《大蛇の野伏/Orochi Ranger》《悪逆な大峨/Villainous Ogre》でビートダウンを仕掛けて先制する。
対する真木は《罰する者、ゾーズー/Zo-Zu the Punisher》1号をブロッカーに調達して《悪逆な大峨/Villainous Ogre》と相打つが、志村の4ターン目のアクションは《血塗られた悪姥/Wicked Akuba》と《野太刀/No-Dachi》。
ここまで常にフルタップで最高効率のダメージを叩き出している志村は、真木が《霜投げ/Frostwielder》をプレイするのも気にせず《希望の盗人/Thief of Hope》を追加。
しかし、真木は踏み止まる。
すぐに《罰する者、ゾーズー/Zo-Zu the Punisher》2号をプレイグラウンドに送ると、《大蛇の野伏/Orochi Ranger》を《霜投げ/Frostwielder》で排除し、《祝福の息吹/Blessed Breath》で守られた《罰する者、ゾーズー/Zo-Zu the Punisher》が《野太刀/No-Dachi》装備の《血塗られた悪姥/Wicked Akuba》を撃退。《希望の盗人/Thief of Hope》も《山伏の炎/Yamabushi's Flame》で火葬すると、《溶岩の魂/Soul of Magma》を戦線に加える。
ダブル砲台にサポートされた真木の陣内をどうにかすべく、志村も引き込んできた《霊魂の奪取/Rend Spirit》で《溶岩の魂/Soul of Magma》を除去。《大蛇の支援者/Orochi Sustainer》を加え、手札の《苔の神/Moss Kami》をプレイするマナは整った。真木は果敢に《罰する者、ゾーズー/Zo-Zu the Punisher》2号でのアタックを続け、ライフレースは真木が8、志村が11。
土地は置きたいのだが、自らの《罰する者、ゾーズー/Zo-Zu the Punisher》が戒めとなって手札の2枚の土地をプレイ出来ず、《手の檻/Cage of Hands》を《苔の神/Moss Kami》に貼り付けるのが精一杯の真木。チャンプブロッカーに《灯籠の神/Lantern Kami》を迎え入れるが、真木の攻撃が志村の中核に入り込める要素が見当たらない。
志村の《尊い蜘蛛/Venerable Kumo》と、《野太刀/No-Dachi》付きの《大蛇の支援者/Orochi Sustainer》が襲い掛かる。残ライフ3。真木の手札には、このターン引いてきた《狐の裂け目歩き/Kitsune Riftwalker》と《不退転の意志/Indomitable Will》がある。《平地/Plains》を2枚しかコントロールしていない真木が頭を抱える。
《平地/Plains》をプレイすれば、ライフは1になる。
《平地/Plains》をプレイしなければ、このまま決められてしまう「かも知れない」。
「かも知れない」
とりあえず《罰する者、ゾーズー/Zo-Zu the Punisher》でアタックをした後、真木が下した決断は、《平地/Plains》を「プレイする」事だった。
チャンプブロックに回した《灯籠の神/Lantern Kami》が墓地へ行き、志村がブロッカーとして《狩猟の神/Kami of the Hunt》をプレイした後に、真木に最終ターンが返ってきた。
さて、真木が残ライフ4の志村を倒す為の材料は、以下の3つだ。
①《狐の裂け目歩き/Kitsune Riftwalker》
②《不退転の意志/Indomitable Will》
③《霜投げ/Frostwielder》
あ、大事な事を忘れてた。
④志村のブロッカーは、全員スピリット
真木 1-0 志村
Game 2
先手の志村が《松族のおとり/Matsu-Tribe Decoy》をプレイする所から始まる中速スタート。
真木は再び《罰する者、ゾーズー/Zo-Zu the Punisher》を召喚して迎え撃つ展開だが、土地が3枚でストップしてしまう。仕方無しに《燃えさし拳のずべら/Ember-Fist Zubera》を追加して志村の出を伺うが、《霊魂の奪取/Rend Spirit》で《燃えさし拳のずべら/Ember-Fist Zubera》を失い、さらに志村は《聖鈴の僧団/Order of the Sacred Bell》をプレイし、ダメージを覚悟の上《森/Forest》をプレイ。《大蛇の支援者/Orochi Sustainer》を追加してターンを返した。
これはもう、手札には《苔の神/Moss Kami》があると宣言しているのと同じだ。
真木の手札には2枚の《氷河の光線/Glacial Ray》。ようやく4枚目の土地を引けた真木が、連繋で《聖鈴の僧団/Order of the Sacred Bell》を除去するが、やはり志村の手の内には《苔の神/Moss Kami》が降臨を待ちかねていた。
真木が抑止力に追加出来たのは《百爪の神/Hundred-Talon Kami》。これも《松族のおとり/Matsu-Tribe Decoy》をブロックした後に《木霊の力/Kodama's Might》で倒れ、再び真木の場には《罰する者、ゾーズー/Zo-Zu the Punisher》が1人ぼっちに。土地を置ければ《地揺すり/Earthshaker》などを展開出来るが、飼い犬の《罰する者、ゾーズー/Zo-Zu the Punisher》に噛み付かれるのが今は痛すぎて耐えられない。
志村の攻撃陣は《尊い蜘蛛/Venerable Kumo》《苔の神/Moss Kami》《松族のおとり/Matsu-Tribe Decoy》《大蛇の支援者/Orochi Sustainer》と揃い、反撃不可能と見るや真木はカードを片付け始めた。
真木 1-1 志村
Game 3
先手の真木が苦い表情。
相変わらず《罰する者、ゾーズー/Zo-Zu the Punisher》に愛されているのか、彼らは確かに手札に2枚見える。だが、肝心の土地が1枚しか見当たらない。仕方なくマリガンを宣言する。

6枚スタートながら《燃えさし拳のずべら/Ember-Fist Zubera》《罰する者、ゾーズー/Zo-Zu the Punisher》とプレイし、志村は《森/Forest》を引くのが1ターン遅れたものの、《謙虚な武道家/Humble Budoka》《狩猟の神/Kami of the Hunt》と呼び出して地上を固める。
真木の手札には《抑えきれない怒り/Uncontrollable Anger》。
志村が殴りかかってきた所で、《罰する者、ゾーズー/Zo-Zu the Punisher》にそれをエンチャントして《謙虚な武道家/Humble Budoka》を除去するが、《狩猟の神/Kami of the Hunt》を止めた《燃えさし拳のずべら/Ember-Fist Zubera》は、真木がプレイしていた《狐の易者/Kitsune Diviner》を《肉体の奪取/Rend Flesh》する事で増強され、計算通りに除去とは行かなかった。
返しの攻撃も志村の《桜族の長老/Sakura-Tribe Elder》で食い止められ、マナを拡張した志村が《呪われた浪人/Cursed Ronin》《希望の盗人/Thief of Hope》と連続召喚して直線一気の体勢だ。
真木はというと、先程の戦闘の応酬で見ごたえあるシーンを演じたものの今度は土地を引き過ぎており、延々《罰する者、ゾーズー/Zo-Zu the Punisher》が強制パンチを仕掛けるのみ。
ズラリ並んだ志村のクリーチャー群を前に、土地だけではどうにもならなかった。
真木 1-2 志村
Final Results : Winner is 志村 一郎 !!!