
2 敗 1 分けの、ベスト 8 進出へはがけっぷちラインでフィーチャーマッチに招待されたのが、プロツアー神戸覇者である黒田と、 2000 年グランプリ仙台優勝者荒堀。
黒田は日本を代表するトッププレイヤーであり、最早説明は不要であろうが、荒堀は実に 4 年前の栄光を掴んで以来、メジャーシーンにはなかなか登場していなかった。
復活をかけて挑む一戦だ。
Game 1
先手は黒田が取り、先に動きを見せたのが 2 ターン目の荒堀が《燃えさし拳のずべら/Ember-Fist Zubera》を出すところから開始。
続けて《浪人の犬師/Ronin Houndmaster》とアタッカーを展回し、《悪忌の隠者、ベンベン/Ben-Ben, Akki Hermit》、《霜投げ/Frostwielder》と、場はほぼ万全と言ったところか。
黒田側だが、まずアクションを起こしたのは、4 ターン目に展回する《つぶやく神/Gibbering Kami》からと、相手のテンポにそぐわぬ第一手。後手後手に回らざるをえない情況だ。
荒堀はシステムクリーチャーの恩恵を受けている事もあるが、なによりスピードに追いつけない黒田を尻目に、どんどん軽量のクリーチャーでプレッシャーを与え続ける。勢いを殺すことなくダメージを与え続けた荒堀は、黒田のライフが 3 になったところで《山伏の炎/Yamabushi's Flame》を黒田に打ちつけ、 1 本目は荒堀の勝利。
荒堀 1 – 0 黒田
Game 2
先手黒田が 3 ターン目に《苦痛の神/Pain Kami》を出せば、荒堀は《無神経な詐欺師/Callous Deceiver》。
だが、黒田は後続が続かず、荒堀が続いて展開する《浪人の犬師/Ronin Houndmaster》や《血の信徒/Initiate of Blood》などに押され続ける。
とりあえずはと、《浪人の犬師》のみでアタックに来る荒堀を《苦痛の神》でブロックし、《苦痛の神》を《血の信徒》にシュート。後に《魂無き蘇生/Soulless Revival》で回収するなどで耐えるプレイは見せるが、なかなかに黒田も必死。
あまり赤黒らしくない動きに違和感を覚えるが、それにも秘密が。
現在の黒田の土地情況が山 1 、沼 4 であり、このターンで山を引いたらしい黒田はそれを場に叩きつけ、勢いよく《山伏の長、熊野/Kumano, Master Yamabushi》を場に放つ。
少し困り顔の荒堀。
このまま放置するわけにもいかないので、とりあえず《消耗の渦/Consuming Vortex》でご退場願い、今与えられるだけのダメージを与えておこうという事で総攻撃。
ライフは結構切羽詰ってきているのだが、折角出すことが出来た《山伏の長、熊野/Kumano, Master Yamabushi》を危険に晒すのがやはり不安であるのか、《苦痛の神》のみをブロッカーとして使用し、あとはスルー。
それではこいつはどうだ!
荒堀は《霜剣山の暴れ者/Sokenzan Bruiser》を配置。
黒田はそもそも赤マナ不足のところから《山伏の長、熊野》を出しており、手札に赤マナがないのは確認済み。
次のターンに黒田が赤マナを引くことが出来なければ、このまま「山渡り」でそのままゲームエンドかと思ったが、見事に次のドローで黒田は山を引き当てる。一気に土地を 6 枚タップして《霜剣山の暴れ者》を葬り去り、あとは野となれ山となれ。
そのまま、恐怖のレアクリーチャーが一気に荒堀を踏み潰した。
黒田 1 – 1 荒堀
Game 3
さて、運命の 3 本目。
今回は荒堀の序盤に勢いが無いと思えば、黒田が一気に攻め込む。
《苦痛の神》から始まり、これは荒堀の《精神のくぐつ/Psychic Puppetry》を経由した《氷河の光線/Glacial Ray》によって除去されるが、その後に黒田は《燃えさし拳のずべら》を出し、《困窮/Distress》で荒堀の手札を確認。
《氷河の光線》ディスカードを考えたが、横にいた《霜剣山の暴れ者》の方を危険視した黒田はこちらをディスカードするように指示。そのまま迎える 5 ターン目には、環境最強カードの一つである《山伏の長、熊野》を再び場へ。
だが、《氷河の光線》を落とされなかった事によって、まだまだ荒堀にはこれを対処する方法がデッキに残されていることとなる。実際に荒堀は《消耗の渦》を引き当て、《消耗の渦》経由でまずは《山伏の長、熊野》に連携《氷河の光線》で 2 点、続けて普通に《氷河の光線》使用の 2 点と、秘儀連繋で《山伏の長、熊野》を葬り去る。
苦労しつつも《山伏の長、熊野》を除去した荒堀は、ここで少し息切れ気味にはなるが、ライブラリーは幸いスペルゾーンの鉱脈を発見したようで、やっとの事で荒堀反撃モードに。
それでも黒田が《内臓捻りの鬼/Gutwrencher Oni》を展回して攻撃は出来なくなるが、荒堀も《師範の占い独楽/Sensei's Divining Top》を引いた事によって、ドローの質が上がっていく。

かたや黒田は、《内臓捻りの鬼》のデメリットによって、ブラフ用の手札を溜める事も出来ず、毎ターンセットランドが空しく続く。
《師範の占い独楽》をガンガン回してライブラリーを掘り進み、スペルをずっと引き続けて展回していると、とうとう場は荒堀有利に逆転した。
《内臓捻りの鬼》をものともせず、物量で黒田を押す。そのフルアタックで黒田のライフが 6 を割ったところで《溶岩の撃ち込み/Lava Spike》と《山伏の炎》を黒田に提示。
荒堀の勝利が確定した。
Final Result : 黒田1 – 2 荒堀