ラウンド 12

更新日 Event Coverage on 2004年 1月 17日

By 真木 孝一郎

Pro Tour San Diego を最後に引退を表明している Turian。現在婚約中でもある彼女が、Wizards of the Coast で Magic Online のプログラマーとして活動を開始したからだ。Wizards 社員と共に生活する者には、マジックの公式大会に出場出来ないというルールが存在する。世界最高のリミテッダーとして名高い Turian だが、そのプレイに酔いしれる事が可能な時期は残り少ない。

 対する Nicolai だが、二度のヨーロッパ選手権優勝や、昨年この時期に開催された Pro Tour Chicago 準優勝を始め数々の戦績を残す強豪選手。常に笑顔を絶やさない Nicolai は、皆から愛されるキャラクターと怖れられる強さを併せ持つプレイヤーである。

Game 1

 青黒の親和系デッキを構築した Turin は呪文爆弾を連発しながらドローを進め、更に@3マナどろー
へと進める。

Yotian Soldier

 対する Nicolai は《急報/Raise the Alarm》から《レオニンの空狩人/Leonin Skyhunter》、そして《ヴァルショクの篭手/Vulshok Gauntlets》に繋げる悪くない展開。ただし、籠手を有効利用するには、《レオニンの居衛/Leonin Den-Guard》《ヨーティアの兵/Yotian Soldier》といった攻撃時にタップしない生物が必要だ。

 いきなり Turian のデッキが爆発する。《血清の水槽/Serum Tank》の力を利用しながら、《屍賊の殴打者/Nim Lasher》、《機械仕掛けのコンドル/Clockwork Condor》《太陽のしずく/Sun Droplet》と畳み掛けるように展開。Nicolai も《氷の干渉器/Icy Manipulator》、《マイアの処罰者/Myr Enforcer》と悪くない展開を見せるが、更に Turian が追加した二体の《厳粛な空護り/Somber Hoverguard》前に旗色が悪い。

 更には、Turian の《ニューロックの使い魔/Neurok Familiar》が《氷の干渉器/Icy Manipulator》を運んでくるサプライズまでもが。Nicolai も《氷の干渉器/Icy Manipulator》や呪文を駆使しながら攻撃を続けるが、《太陽のしずく/Sun Droplet》の回復力が Turian 本体をがっちりとガードしている。

 《ヴァルショクの篭手/Vulshok Gauntlets》を利用し、Nicolai もどうにか Turian のライフを 10 近辺まで減らしてはみたものの、ここで Turian が二枚目の《氷の干渉器/Icy Manipulator》を。更に Turian の警戒しながらのプレイがなかなか白お得意の《まばゆい光線/Blinding Beam》戦略を始動させずにいる。

 ようやく《ロクソドンの戦槌/Loxodon Warhammer》を引き当てた Nicolai だが、所詮は装備。二枚構えの《氷の干渉器/Icy Manipulator》を相手にしては活躍が期待できるわけもない。

 だが、Nicolai も諦めない。《まばゆい光線/Blinding Beam》や《急報/Raise the Alarm》を駆使し、常にプレッシャーを与え続ける。

 だが、Nicolai が 1 ターンに引けるカードは一枚。《血清の水槽/Serum Tank》を擁する Turian が 1 ターンに引くカードはその倍。

 補給戦の差が勝負を決めた。

Turian 1 - Nicolai 0

Game 2

 二本の《氷の干渉器/Icy Manipulator》を見た Nicolai としては白お家芸の装備速攻を早めに決めたい所。クリーチャーと装備の二枚をたった 1 マナで無力化してしまう《氷の干渉器/Icy Manipulator》は装備型デッキの天敵だ。

 その辺りも工夫したサイドボードが行えているかどうかも、このゲームの注目所となる。
 
 だが、Nicolai の動きは装備無しで《急報/Raise the Alarm》から。その間に Turian は《鉄のマイア/Iron Myr》から《機械仕掛けのコンドル/Clockwork Condor》へと繋ぐ。遅くなればなるほどシステムを構築しやすいわけで、これは Turian には願ってもない展開。

Iron Myr

 そして、まずは《太陽のしずく/Sun Droplet》から。
 
 《厳粛な空護り/Somber Hoverguard》こそ、《拘引/Arrest》する Nicolai だが、その間に Turian は《物読み/Thoughtcast》を経由した上で、《金属ガエル/Frogmite》、《鉛のマイア/Leaden Myr》を場に追加。親和特有のアーティファクトがアーティファクトを産む鬼回りを見せつける。

 そして、《ニューロックの使い魔/Neurok Familiar》が運んだ第二便は…、二枚目の《太陽のしずく/Sun Droplet》。

 互いのターンに2点ずつ回復する謎生物に進化した Turian を前に、おいおいどう殴れば死ぬんだよとげんなり顔の Nicolai。一枚目の《氷の干渉器/Icy Manipulator》を気合いの《無効/Annul》で未然に叩き落とし、二枚目には《惰性の泡/Inertia Bubble》を付け無力化するものの、なかなか殴り勝つ絵が見えてこない。

 しかし、努力が成果を導いた。
 
 《ピューターのゴーレム/Pewter Golem》に、ようやく引き当てた《ロクソドンの戦槌/Loxodon Warhammer》を装着。パワー 7 の怪物を作り上げると、《太陽のしずく/Sun Droplet》の回復を上回る勢いで攻撃を開始した。Game 1 では《氷の干渉器/Icy Manipulator》が無力化していた《ロクソドンの戦槌/Loxodon Warhammer》であるが、この Game では Nicolai の対策カードが炸裂している。

 《太陽のしずく/Sun Droplet》の力によって、速度こそ低下しているものの、ほぼ確実な死が Turian に迫る。

 《血清の水槽/Serum Tank》の無い Turian は人並みの速度でしかライブラリーを掘り進めず、人並みの防御をした後に、人並みに死亡した。

Turian 1 - Nicolai 1

Game 3

 二つの熱戦を終え、残された時間は僅かに十二分。二人はシャッフルしながら、残り時間を考え引き分けについて検討しあう。結論はプレイだ。

 三度、Nicolai は《急報/Raise the Alarm》からの開始。Turian も同様に呪文爆弾を設置するが、3 ターン目まで目立った動きを見せない。

 逆に Nicolai は《運命をもてあそぶ者/Fatespinner》から《レオニンの高僧/Leonin Abunas》、そして《ピューターのゴーレム/Pewter Golem》という完璧な展開。

 Turian も順に《厳粛な空護り/Somber Hoverguard》《屍賊の殴打者/Nim Lasher》《悲哀を持つもの/Woebearer》と並べるが、早すぎる《運命をもてあそぶ者/Fatespinner》の登場に戦闘フェイズを飛ばすしか無く、攻撃に移れずにいる。

 そこに《ピューターのゴーレム/Pewter Golem》が襲いかかる。《レオニンの高僧/Leonin Abunas》のおかげで対象にも出来ず、かといって《運命をもてあそぶ者/Fatespinner》の仕業で攻撃も出来ず、じり貧の展開だ。

 刻一刻と時は過ぎていく。迫り来るタイムアップに向け、チャンプブロックをも駆使しつつ凌ぎを続ける Turian 。そして、ようやく準備が整った。
 
 《水銀の精霊/Quicksilver Elemental》を召還する。通常であれば、このコピー能力で《ピューターのゴーレム/Pewter Golem》から再生能力を借り受け対処出来るところだが、眼前には小憎たらしく居座り続ける《レオニンの高僧/Leonin Abunas》が。だが、《恐怖/Terror》の力によりその加護を取り去る。

 しかし、そこで更に Nicolai が動いた。《まばゆい光線/Blinding Beam》でチャンプブロックにより数を減らした Turian の場を一気に凍結にかかる。決まってしまえば、残りライフの少ない Turian の運命は風前の灯火だ。

Assert Authority

 しかし、Turian も《権威の確立/Assert Authority》で必死に踏ん張る。Nicolai の《ウィザードの模造品/Wizard Replica》が、自らの魂と引き替えにその呪文を封じるが、それと引き替えに決定的なライフの損失を防ぐ事に成功する。

 最後の大技が返されてしまった Nicolai。Turian のライフを 1 まで削るが、このたった僅か 1 を削り切る事が出来ない。逆に Turian はここから一気の盛り返しを見せ、逆転勝利すらといった状況。

 だが、ここでタイムアップの放送が入った。あと 2 ターン攻撃すれば Turian の勝利はぎりぎり可能なラインだが、逆に攻撃を仕掛けてしまうと《まばゆい光線/Blinding Beam》による敗北が待ち受ける微妙なタイトロープ。

 素早く計算を終えた Turian。攻撃をせずにエンドを終了。勝つ事よりも、負けない事を選択した。

 残されたターンが素早くすぎ、フルタイムを使用したゲームは引き分けに終わった。

Turian 1 - Nicolai 1

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