ラウンド 13:

更新日 Event Coverage on 2004年 3月 21日

By 百瀬 和之

グランプリやプロツアー、PTQなど数多いスイスドローで、最も熱い瞬間の一つ。すなわち、勝った方は決勝に残れる。負けた方は残れない。確実に残れる、確実に残れない。可能性が残る。可能性が完全に絶たれる。その後ID(インテンショナル・ドロー。合意の引き分け)をすることで残れる・・・。

微妙に状況の際はあるが、要は、最終と最終1個前。決勝に残れる可能性がまだ残っている人たち同士での対戦である。このマッチはまさにそれ。もっとも熱く、もっとも真剣なデュエルの1つをお届けします。

Game 1

先行志村、《上天の呪文爆弾/AEther Spellbomb》《レオニンのボーラ/Leonin Bola》から、呪文爆弾はキャントリップでドローに変わり、3ターン目に《ニューロックのスパイ/Neurok Spy》という軽快な滑り出し。山中はこれに《残響する衰微/Echoing Decay》。返されたターンに何もしないものの、志村の《ヴァルショクの狂戦士/Vulshok Berserker》に《恐怖/Terror》と、淡々と対処していく。

そんな山中の事実上ファーストアクションはちょっと寂しい《屍賊の金切り魔/Nim Shrieker》。《囁きの大霊堂/Vault of Whispers》があるためなんとか1/1。何とか育てて殴ろうと言った状態であろうが、志村はこれに対し《ニューロックの使い魔/Neurok Familiar》を出し、ボーラ装着。ならばと山中、1マナで《ドロスのゴーレム/Dross Golem》を送り込むが、志村も《ゴブリンの戦闘車/Goblin War Wagon》《銅のマイア/Copper Myr》と攻撃を許さない。

この時点で手札が《解体/Deconstruct》と土地のみの山中。かなりつらい状態。ボーラがゴーレムをタップされた時をねらって《屍賊の金切り魔》で攻撃するも、《解体》を撃ちたいけど、うつとマナバーンしてしまう苦しい状態である。そして、志村《コバルトのゴーレム/Cobalt Golem》を追加。ますます状況が苦しくなってくる。

 しかし、ここで山中トップデッキ《死面の映し身人形/Death-Mask Duplicant》。《解体》>《レオニンのボーラ》を中継して場に送りだす。志村側は飛行が2体いるものの、攻撃して《屍賊の金切り魔》と相打ちしてしまうと、《死面の映し身人形》が飛行を得てしまう。急に場が完全な五分に。

とおもったら、志村の手から飛び出したのは《手綱取り/Grab the Reins》!

もちろん双呪。《死面の映し身人形》《ドロスのゴーレム》を一気に失い、突然山中の戦線が完全に崩壊。しかし、山中もまだ終わらない。《薄黒爪のコウモリ/Grimclaw Bats》をトップデッキして、これが出るなり4点パンプ可能なことで戦線をなんとか復活させる。ライフもまだ15。しかし、いかんせん物量に差がありすぎる。攻撃は1度止んだものの、志村は《クラーク族の火焚き/Krark-Clan Stoker》を追加し、山中の苦しい状態に変わりはない。しかし、山中も頑張る。《ドロスのゴーレム》《エルフの模造品/Elf Replica》とトップデッキし、これ以上クリーチャー数の差が出るのを許さない。

そしてトップデッキ《骸骨の破片/Skeleton Shard》!

《ドロスのゴーレム》を墓地から回収し、2マナで即場に。そしてもともといた《ドロスのゴーレム》で攻撃。これに対し志村は、適切な対処を出来ず、クリーチャーの追加も出来ない。状況は再度逆転した。次ターン、山中はトップデッキした《ドロスの蠍/Dross Scorpion》を場に送り、《ドロスのゴーレム/Dross Golem》2体で攻撃。志村は《金属ガエル/Frogmite》で応戦するも、破片が対処出来なく、非常に苦しい。挙げ句、ターン終了時に山中の《死面の映し身人形》が手札に帰り、次のターンに1マナ残して場に。これが墓地の《屍賊の金切り魔/Nim Shrieker》を刻印出来るようになった段階で志村は投了を宣言した。《手綱取り》が決まった時点で志村の勝ちを確信した物だが、見事な逆転劇であった。

志村 1-0 山中

Game 2

志村再度《レオニンのボーラ》スタート。続くターンには《ニューロックの変成者/Neurok Transmuter》出し、3ターン目にはそこから《コバルトのゴーレム/Cobalt Golem》。これには山中も苦い表情だが、対処できないクリーチャーじゃない。これに対し《屍賊の模造品/Nim Replica》を場に送り、とりあえず殴ってくるなら相打ち可能で、ボーラを使うにせよ、相手にマナを使わせる構え。どちらにせよ、殴りたいならそこの《ニューロックの変成者》は使えと。

しかし、志村はボーラ装備済みの《ニューロックの変成者》をキープする形で、《水銀のビヒモス/Quicksilver Behemoth》それに対する山中の対応・・・《ドロスの蠍》。細い。余りに細い。それでも志村も《水銀のビヒモス/Quicksilver Behemoth》を毎ターン攻撃につかえるほどアーティファクトもマナも無い状態。ただ《コバルトのゴーレム》で殴り、《ウィザードの模造品/Wizard Replica》も追加し、上から叩く構え。山中も《ドロスのゴーレム》を展開し、少なくとも下はガッチリ固めようと。

しかし無論飛行は止まらず、3点とはいえ着々とライフが削れていく。そして、志村《運命をもてあそぶ者/Fatespinner》を場に。現状、ドローも、もちろんメインフェイズもとばすことが出来ない山中はコンバットフェイズを飛ばすのだが、このせいで、現状唯一のダメージ源である《ドロスのゴーレム》も攻撃にいけず。そして志村は《レオニンの円月刀/Leonin Scimitar》を《コバルトのゴーレム》に付け、ダメージクロックを強化。手札の《肉体の裏切り/Betrayal of Flesh》も《ウィザードの模造品》のせい有効に使えず、かなり苦しい状態。とりあえず《屍賊の模造品》を使ってこれから後の災いとなるであろう《ニューロックの変成者》を殺しておくくらいしかできない。

そして、返しのターン。何故かコバルトが飛ばず、円月刀が《ウィザードの模造品》につくわけでもなく、模造品だけでの攻撃。何故?といった顔をする山中に志村は応えてくれた。3マナを出し、《火と氷の剣/Sword of Fire and Ice》!島が1枚立っていてカウンター準備も万端。相当に苦しい山中。何もせずターンを返し、とりあえず剣をもってつっこんできた模造品に、仕方なく《肉体の裏切り》を。これは勿論通るが、いうまでもなく、エンチャント:クリーチャーと違い、装備品というものはこれで解決しない。脇の《コバルトのゴーレム》に剣が装備され、飛行のためのマナをまつ。山中は《ゴブリンの戦闘車》を追加するが、解決になるわけがない・・・

そして剣が。もはや《コバルトのゴーレム》というか、剣を持った何かが突進。本体に5点をいれつつ、《ドロスのゴーレム》を殺しつつ、1枚ドロー・・・強すぎ。これには山中も苦笑いというか、呆れ顔。一応次のドローを見るが・・・無言でカードを片づけた。

志村 1-1 山中

Game 3

後手の志村の《レオニンの円月刀》>《銅のマイア》に、山中の《残響する衰微》が飛ぶ立ち上がり。次ターン志村はクリーチャーを出せないが、沼4枚から出てきた山中の《薄黒爪のコウモリ》に対し、《金属ガエル》を出し、《レオニンの円月刀》を装備。このまま殴り合えば死ぬのはあんただよと。それも山中は了解していて、カエルに対し《本質の吸収/Essence Drain》を撃ち、攻撃。そして志村は《ウィザードの模造品》に《レオニンの円月刀》をつけて凌ごうとするが、当然とまるわけもない。

3点パンプする山中だが、コウモリの攻撃じたいではライフ差は1点しか広がらず、あまり有利な状態とも言えない。攻撃後に《骸骨の破片/Skeleton Shard》を出すが、無論拾うクリーチャーなぞ居なく、後の布石としてしか作用しない。つまり現状追加するクリーチャーがいない。

そこで志村もダメージ源の確保と、《ゴブリンの戦闘車》を出し、模造品2点攻撃。しかし、返す山中のターンに《ゴブリンの戦闘車》に《魂の消耗/Consume Spirit》3点が。ちゃくちゃくとライフの差が広がっていき、そうなると《薄黒爪のコウモリ》の出番である。しかし、志村も負けてられない。確実なダメージ源となる《ニューロックのスパイ/Neurok Spy》を出し、これに円月等装備。コウモリの全開ブーストを許さない。

しかし、山中も一歩も引かない。そもそもブロックに使えない《物あさりのスカラベ/Scavenging Scarab》を出し、余った2マナはコウモリに注ぐ。全開の殴り合いをしようと。この時点で山中ライフ18。志村12。志村は2体をレッドゾーンに送り、山中ライフ14。そこで志村は《水銀のビヒモス/Quicksilver Behemoth》《ニューロックの神童/Neurok Prodigy》を場に。状況が完全に一変した。スカラベは事実上攻防共に全く使えない物となってしまい、コウモリに対する適切なブロッカーも用意された。

山中も手札に《肉体の裏切り/Betrayal of Flesh》があるが、敵の《手綱取り/Grab the Reins》と違い、2体を同時に排除することはかなわない。しかたなく、コウモリ1体で攻撃する山中。この時点でスカラベはゴミ決定。非常に苦しい状況となった。志村も、ダメージレースになれば勝てると確信しているようで、これを自信満々に本体に通す。志村もこれをパンプして死期を早めるわけにも、このターン、余計なマナを使うわけにも行かず、パンプは無し。戦線を維持するため《死面の映し身人形》を場に送る。しかし、現状ただの5/5であるこれに戦況を変える能力はなく、飛行クリーチャーと《ニューロックのスパイ》に殴られ山中ライフ8。そして山中が返しのターンに《エルフの模造品/Elf Replica》を出したところでラウンド終了。エキストラ5ターン突入。そして第1ターン。志村は依然止まらない軍団を送り込む。《ウィザードの模造品》は2ライフの損失と共に《薄黒爪のコウモリ》に殺されるが、山中のライフの残り1。

そして返すターンには何もせず、志村、エキストラ3ターン目の攻撃。《ニューロックのスパイ》に対しては《肉体の裏切り》を《ニューロックのスパイ/Neurok Spy》に。《ニューロックの神童》に対しては、もはやただの1/1飛行でしかないコウモリを差し出す。しかし志村は《電結の働き手/Arcbound Worker》をコストに払うことで《ニューロックの神童》を救い、再度場に。山中もターン終了時にコウモリを刻印して、《死面の映し身人形》に飛行をつけるが、単純なクリーチャー量で負けている上、こちらのクリーチャーのうち一体は《物あさりのスカラベ》。一応気合いを入れてドローをする物の・・・土地。きっちり5ターンで志村が勝負をつけた。

志村 2-1 山中

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