ラウンド 4: 大塚 高太郎 vs. 岡本 尋

更新日 Event Coverage on 2004年 8月 28日

By 吉川 祐輔

Player information

大塚 – “KTO”というニックネームで知られる、2003年度日本王者。名古屋勢。

岡本 – 2003年度世界選手権準優勝。あの快挙から1年、再びの舞台へ。 2人が駆るのは緑単色ウルザトロン。寸分足りとも違わない、正真正銘のミラーマッチ。ぶつかりあいを制するは、静かに燃える師匠格か、それとも復権を狙う若き王者か。こちらも名古屋勢。

Game 1

和やかな雰囲気の中、ダイスロールで岡本先攻。静かにキープした岡本に対し、大塚はマリガン。

《森/Forest》を並べ合う立ち上がりから、やはり同じように《ぶどう棚/Vine Trellis》《忘却石/Oblivion Stone》を置き合う2人。顔を見合わせて苦笑。

1度は4枚目の土地を置けぬままエンド宣言の岡本だが、次のターンに《ウルザの塔/Urza's Tower》 だが土地はそれ以上伸びず、重いスペルのみが手札に溜まる。

実は微妙にしょっぱいのは大塚も同じ。《ウルザの鉱山/Urza's Mine》、《ウルザの魔力炉/Urza's Power Plant》ときて3枚目のトロンは…《ウルザの鉱山/Urza's Mine》。しかし《歯と爪/Tooth and Nail》はあるので、いわゆるテンパイだ。師匠と対してはいるが、ほんの少し余裕が見て取れる。

《永遠の証人/Eternal Witness》で《ぶどう棚/Vine Trellis》を回収するも苦笑のディスカードに入る岡本に対し、大塚はここで待望の《ウルザの塔/Urza's Tower》をドロー。双呪の《歯と爪/Tooth and Nail》をプレイすると、岡本は変わらぬ柔らかい苦笑いでカードを片付けた。

この後の展開は、冗長だと知っているから。

大塚 1-0 岡本

Game 2

続いて先攻は岡本。入念なシャッフルを繰り返す岡本に対し、大塚は先程の勢いを繋げたいのだろう、早々とシャッフルを終わらせて待つ。

先程のリプレイのように、岡本はキープ、大塚はマリガンをそれぞれ宣言。静かにゲームが開始されるのも同じ。

このデッキのミラーマッチには、どうやらいくつかの明確なステージがあるようだ。このマッチを通じて、それを追ってみることにする。

まずは第1ステージ、序盤の緑マナをめぐる攻防。岡本はサイドカードたる《忍び寄るカビ/Creeping Mold》を大塚の《森/Forest》に連打、主導権を得ようとする。しかし大塚は3枚もの《ぶどう棚/Vine Trellis》を並べ、《団結のタリスマン/Talisman of Unity》ともどもマナベースを回復して主導権を渡さない。

岡本も《テル=ジラードの正義/Tel-Jilad Justice》《刈り取りと種まき/Reap and Sow》で路線を継続するが、大塚はあるカードを場に出しステージの変遷を告げる。

《世界のるつぼ/Crucible of Worlds》。MTG.comの読者投票によって生まれたこのカードが壊された土地を場に戻し、盤面のの振り子をも引き戻そうとする。続く第2ステージは、このカードを巡る攻防だ。

岡本は考えを重ねつつも、《永遠の証人/Eternal Witness》でもって《テル=ジラードの正義/Tel-Jilad Justice》を手札に戻し、これを即座に《世界のるつぼ/Crucible of Worlds》へ。すでにカードカウント的には損をしているが、これを壊さなければ今までのプレイングが無に帰してしまうのだ。

だが大塚は、《永遠の証人/Eternal Witness》によって再び《世界のるつぼ/Crucible of Worlds》回収し、場へ。これに対して岡本は、マナ攻撃路線を放棄し別の路線から攻撃を仕掛けていくことになる。言うなれば第3ステージ、《精神隷属器/Mindslaver》合戦だ。一度は大塚が《忍び寄るカビ/Creeping Mold》でそれを阻むが、岡本は《永遠の証人/Eternal Witness》で《精神隷属器/Mindslaver》を回収、プレイを成就させる。

大塚もこれに対しては対処手段を持たず、丁寧に自分のカードを使っていくことで対応していく。合間を縫って第4ステージの《歯と爪/Tooth and Nail》に入りたいところだ。
岡本は占術したり拾ったりで2度《精神隷属器/Mindslaver》を大塚にプレイするのだが、その度に大塚のライブラリトップは決まって《森/Forest》。うっかり《忘却石/Oblivion Stone》を引いてしまえば逆転もあっただけに、いわば逆トップデッキで事件を防いだ格好である。

そして3回目なるかと思われたターン、大塚は自ら引いた《精神隷属器/Mindslaver》をプレイ即起動し、奪った岡本のターンでそれを岡本自身にプレイし、無力化したのだった。

…ん?

不審に思った筆者が両者の墓地のカードを見ると、燦然と輝く”Legendary Artifact”の文字。交わることのない《精神隷属器/Mindslaver》合戦。

そのことを告げると、テーブルジャッジは慌てて巻き戻しの処理に入ろうとした。岡本はそれに制し、ややこしくなる前に投了することをいつもの柔らかい口調で告げた。結局、大塚に警告、岡本に注意の裁定は出ることになったのだが…。

また始まりと同じように、顔を見合わせて苦笑。

師弟対決は、苦笑に始まり苦笑に終わったのだった。

大塚 2-0 岡本

終了後大塚に聞くと、第2ゲームはほぼ想定した戦いができたという。今後ミラーマッチが多くなってくるにあたり、大きな手応えとなったのではないだろうか。

大塚 高太郎、勝利!

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