ラウンド 6: Unchain vs. Mropaganda

更新日 Event Coverage on 2002年 5月 11日

By 森慶太

Round 6 Feature Match:Mropaganda vs. UnchainUnchain
A:真木孝一郎(青白)
B:藤田憲一(黒青)
C:藤枝勇(赤緑)

Mropaganda
A:川口嘉奈子(赤緑)
B:室賀秀男(青黒)
C:橋本玲(青白タッチ緑)

 ここまで 2 引き分け。
 実質的にもう後が無いラインで関東勢同士がマッチアップされた。ちなみに「Mropaganda」は室賀と《プロパガンダ/Propaganda》の語呂あわせであり、「Unchain」とは藤枝のニックネームからの命名だそうだ。特に「Unchain」の方はマスコットキャラ(?)の藤枝勇を売り込むためのネーミングだとか。ともあれ背水の陣で挑む大一番、心して観戦したい。

・C:藤枝勇 vs. 橋本玲

 Unchain の特攻隊長、藤枝勇が怒涛の攻めを見せた一戦。

《踏み荒らし/Overrun》を搭載した藤枝のデッキが堅実な攻撃を繰り返して緒戦をものにする。そして、不運にもMropaganda の頭脳である橋本玲は肝心の 2 本目にも続けて壮絶な事故をおこしてしまう...

 橋本のデッキは《強制/Compulsion》を効果的に活用しつつ《ティーロの信者/Teroh's Faithful》などで戦線を安定させ、《アムガバ/Amugaba》や《秘教の処罰者/Mystic Enforcer》によってゲームを締めくくるはずの手堅いデッキであるはずだったのだが、とにもかくにもマナがこない。

 2 戦目では線の細いビートダウンしか展開できなかった藤枝だったのだが、橋本の最後の望みとなったスレッショルド状態での《秘教の処罰者/Mystic Enforcer》を《一時的狂気/Temporary Insanity》で奪い取って介錯することとなった。
強力なデッキであっただけに、橋本も痛恨の表情を隠せない。

藤枝勇 2-0

・B:藤田憲一 vs. 室賀秀男

 異様な光景だった。
 
巨大な体躯と「悪そうな」キャラクターで有名な藤田が、手札を叩きつけながら「...お話になりません」と吐き捨てる。そして、室賀は肩を小さく震わせながら「クックック...」と声に出してそれを嘲る。「フフフ...」だったかもしれないが、ともかく背筋がぞくっとするような笑い声だったのは印象に残っている。

黒青のミラーマッチ。

しかし、彼我の戦力差はさすがの藤田憲一にもいかんともし難いものだったようだ。
2 体の《顔なしの解体者/Faceless Butcher》、《ラクァタスのチャンピオン/Laquatus's Champion》という圧倒的な布陣。さらに、《操作室/Chamber of Manipulation》によって奪い取られた藤田のクリーチャーはこれまた 2 枚の《無垢の血/Innocent Blood》によって根こそぎにされてしまう。

橋本のデッキも強かったが、室賀秀男の青黒も暴雨風のごとき強さだった。

「...わりぃ。負け負け」
-藤田憲一

室賀秀男 2-0

A:真木孝一郎 vs. 川口嘉奈子

 「引き分け大魔王」真木孝一郎。

 最近はライターとしての活躍ばかりが目立つ真木だが、本来はカミソリのような切れ味のプレイングが売り物のリミテッダーだ。Magic Invitational 経験者としても知られる彼は「決して怒らせてはいけない男」として日本中の強豪誰もが一目置いている存在である。

しかし、最近の真木はとかく引き分けが多かった。というか、彼の長考癖が招く「引き分け地獄」が彼を栄冠から遠ざからせているのだ。そう、3分けはイコール 1 勝 2 敗なのだから。負け試合を強引にドローゲームに持ち込んでいるパターンがほとんどであるにせよ、真木はとにかく引き分けが多すぎるきらいがある。

 ともあれ、チーム Unchain としては藤枝が勝って藤田が敗れてしまった。

Fujieda 'Unchain' Isamu with his team mate Ken'ichi Fujita 一般的なカードプールを考えれば川口嘉奈子の赤緑は相対的にあまり強くない「ハズ」だろう。何せ、室賀と橋本のデッキに強力なカードがかなり投入されていたからだ。そして、真木には安定した白青の優秀なカードたちと爆弾カードである《激動/Upheaval》が手渡されており、Unchain 優位だろうという先入観が筆者には存在した。

 しかし、筆者が目にした光景は想像とは 180 度かけ離れたものだった。
 
 押し寄せる 2 体の《ワームの咆哮/Roar of the Wurm》からの 6/6 トークン、同じく 2 体の《獣の襲撃/Beast Attack》からの 4/4 トークン。《尊大なワーム/Arrogant Wurm》、《熊人間/Werebear》、《野生の雑種犬/Wild Mongrel》をはじめとした優良クリーチャーの群れと、それをサポートする《ナルシシズム/Narcissism》!! そう、室賀、橋本だけでなく川口までもがパワーハウスそのものをプレイしていたのだ。

2 枚の《孤立の力/Strength of Isolation》をコストとして《気病み/Hypochondria》を効果的に活用する真木は、なんとか《激動/Upheaval》トップデッキまで持ち込みたいどころだったが、いかんせん土地は 5 枚しかない。それにしても、川口の率いる凶暴な軍団は 4/8 となった《秘教の盲信者/Mystic Zealot》でさえまったくコントロールできないという有様だ。

かくて、川口嘉奈子が緒戦をモノにした。

そして、真木孝一郎は後の無くなった二戦目を残り 15 分という段階からスタートすることになった。やはり、見守るチームメイトたちはしきりに時計を気にしている。そう、くどいようだが、彼は「引き分け大魔王」なのであり、実際に今日だけで 2 つのマッチを Unchain はドローで終わっているのだ。

とにもかくにも大注目の真木。

彼は《神秘の使い魔/Mystic Familiar》に《孤立の力/Strength of Isolation》をエンチャントしてビートダウンをスタートさせたものの、3 枚目のランドをセットできずにターンエンドという嫌な予感の漂う立ち上がり。一方の川口は《熊人間/Werebear》を経由して《ドングリの収穫/Acorn Harvest》、《ワームの咆哮/Roar of the Wurm》と順調に戦線を展開させる。まことに川口の勢いは壮絶だった。

絶対にホシをおとせない真木は《巡視犬/Patrol Hound》、《ティーロの信者/Teroh's Faithful》などを展開してお茶を濁しつつ、決死の 2/4 フライヤーでのビートダウンを敢行。4 点分のゲインライフもあって盤面は苦しいものの、ライフレースでは先行した。

Upheaval
《激動/Upheaval》の存在を知らない川口が思い切ったアタックを仕掛けてこなかったためにライフトータルが 5 (川口)対 9(真木)という状態で迎えたターン、ついに真木は待望の 6 マナ目を引き当てた。

そして、 2/4 Flyer でのアタックから真木は《激動/Upheaval》をプレイ。真木がターン終了を宣言した瞬間にヘッドジャッジからタイムアップのアナウンスがあった。実はアナウンスのコールは実際の進行時計よりも若干遅かったきらいがあり、真木は運に味方された、ともいえるのかもしれない。
まさに間一髪だった。

ともあれ、延長 3 ターン目(真木サイドの 2 ターン目に)に再度展開した1/2《使い魔》に《孤立の力/Strength of Isolation》をエンチャントしてアタックするという勝ち筋だけは残ったわけだ。もちろん、再召喚された《熊人間/Werebear》プラス火力というパターンは諦めるしかない。

しかし、川口のハンドに火力は存在しなかった。しかし、《野生の雑種犬/Wild Mongrel》が静かにその出番を待っていたのだった。
そう、延長開始ターン(0ターン目)にセットランドできるわけだから、ハンドに秘めていた《野生の雑種犬》を召喚することで真木の勝ち手となるはずだった《神秘の使い魔/Mystic Familiar》をたんなるチャンプブロッカーとしてしまうことができるわけなのだった。

繰り返すが、ライフトータルは真木が 9 、川口が 5 。
そしてチームスコアが 1-1 で、現在進行形のマッチでは川口が 1-0 でリードしている段階だ。

しかし、川口は延長 2 ターン目に《雑種犬》ではなく《熊人間/Werebear》をプレイした。普段なら《激動/Upheaval》後のプレイとしてはマナソースの再展開は定石パターンなのかもしれないが、今回の場合、この《熊》は純然たるアタッカーとしては 4/4 でしかない。

結局、真木孝一郎が《孤立》した《使い魔》で川口にとどめをさしたことで、Unchain はまさかまさかの 2 勝 3 分ラインへと到達した。

「2 枚目でランドとまったときは、正直ゴメンとおもった(笑)」と語る真木だったが、「引き分け大魔王」の面目躍如たる結果となってしまった。

そう、Unchain は 3 勝 2 敗と同じライン上にアプローチしてしまったのだから。

Final Results:Draw Game

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