ラウンド 7: 平林 和哉 vs. 彌永 淳也

更新日 Event Coverage on 2004年 11月 20日

By Yukio Kozakai

5勝1敗ラインでのベテランとニューカマーの対決をお届けしよう。

平林は、ここまで青緑+赤、サイド後に黒緑+赤にも変更可能という、連繋を軸にしたアドバンテージ型のデッキを組み上げている。一方の彌永は赤青白の強力カードをちりばめて、フィニッシャーには《降る星、流星/Ryusei, the Falling Star》というハードパンチャーが搭載されている。

平林のデッキは「これという1枚が無い」「レアが入っていない」(平林:談)という内容で、上位陣がこぞって怪獣大決戦の様相を見せ付けている中で3Bye明け2勝1敗にまとめているのは、ベテランならではの老獪なテクニックの賜物だろう。

彌永は全国的な成績こそ残してはいないが、関東のGPT・PTQでは常に上位に食い込んでいる強豪だ。ここで金星を挙げれば彌永は一気に2日目が、そして全国区が見えてくる。それはさせじと、越えられない壁として平林が立ちはだかるか。

そこが、このラウンドの見どころだ。

Game 1

ダイスロールで先攻は平林。後手の彌永が《狐の易者/Kitsune Diviner》をプレイ、返しに平林がプレイした《謙虚な武道家/Humble Budoka》で殴り返す序盤戦。さらに平林の《大蛇の野伏/Orochi Ranger》と彌永の《燃えさし拳のずべら/Ember-Fist Zubera》がにらみ合い、平林が《大蛇の支援者/Orochi Sustainer》、彌永が《今田の旗本/Konda's Hatamoto》を召喚する「微妙に"こまい"展開(平林)」が繰り広げられる。

《空民の雲乗り/Soratami Cloudskater》《根走り/Rootrunner》を戦線に加えた平林は早くも手札が0枚になるが、そこは《空民の雲乗り/Soratami Cloudskater》の効果がしっかりバックアップ。《浮き夢のずべら/Floating-Dream Zubera》《無神経な詐欺師/Callous Deceiver》と展開して数の優位を保つ平林。しかし、彌永の場に《降る星、流星/Ryusei, the Falling Star》が現れると、苦笑いを浮かべながら《空民の鏡守り/Soratami Mirror-Guard》をプレイして《大蛇の野伏/Orochi Ranger》に浸透力を与える。

ライフは現在彌永が15、平林が19。彌永の《降る星、流星/Ryusei, the Falling Star》は確かに大きいのだが、うかつに殴ると平林の飛行戦隊の一斉攻撃を受けるハメになる。平林の2点クロックがじわじわと彌永のライフを削り取っていく展開。

彌永も彌永で土地しか引き込めない状態が続き、《空民の雲乗り/Soratami Cloudskater》でどんどん手札を整理していく平林にアドバンテージを広げられていく。どんどん殴り時を失っていく彌永だが、ようやく《空民の学者/Soratami Savant》を引いてきた。

Soratami Savant

今欲しいのはソフトロックの材料でなく平林のシナジーを崩せるカードだが、手札にバウンスがあり、平林が《空民の雲乗り/Soratami Cloudskater》で土地を戻しているのは追い風だ。

彌永が《降る星、流星/Ryusei, the Falling Star》でアタックを敢行し、平林は《空民の雲乗り/Soratami Cloudskater》でチャンプブロック。続いて《空民の学者/Soratami Savant》をプレイして平林の対応を待つ。

考えた末、平林の行動は《空民の学者/Soratami Savant》プレイにスタックして、《消耗の渦/Consuming Vortex》を《降る星、流星/Ryusei, the Falling Star》に撃つ事だった。《空民の学者/Soratami Savant》と相打ちなら充分と《空民の鏡守り/Soratami Mirror-Guard》をレッドゾーンへ送り込む平林だったが、彌永も《消耗の渦/Consuming Vortex》で応え、6マナしかない平林はこのターンの再プレイを諦め、次ターン以降の土地引きに賭ける事に。

その次ターンにしっかりと土地を引き込んで《空民の鏡守り/Soratami Mirror-Guard》を再登場させた平林だが、《未達の目/Eye of Nowhere》で再び《空民の鏡守り/Soratami Mirror-Guard》を返されると平林はさらに苦しくなり、そのままマナも場も縛られた平林はやむを得ずバンザイアタックをしてみるものの、どうにもならなかった。

平林 0-1 彌永

Game 2

再び先手の平林が、今度は目の覚めるようなビートダウン。

《大蛇の野伏/Orochi Ranger》《空民の雨刻み/Soratami Rainshaper》と展開すると、たまらず彌永は《消耗の渦/Consuming Vortex》で《空民の雨刻み/Soratami Rainshaper》を返し、再度平林がプレイを試みると、今度は《未達の目/Eye of Nowhere》で手札へ。

カードアドバンテージを失っても得たいものがある彌永は、《洞察力の花弁/Petals of Insight》までたどり着き、6ターン目には《地揺すり/Earthshaker》をプレイ。さらに手札に控える《降る星、流星/Ryusei, the Falling Star》が出番を待つが、平林の全軍攻撃から放たれた《木霊の力/Kodama's Might》連繋の《氷河の光線/Glacial Ray》で、ライフカウンターは一気に10から0へとカウントダウンを告げた。

平林 1-1 彌永

Game 3

後手の平林がダブルマリガン。しかも《森/Forest》1枚で止まってしまい、《燃えさし拳のずべら/Ember-Fist Zubera》《空民の雲乗り/Soratami Cloudskater》と展開し、《洞察力の花弁/Petals of Insight》で手札を拡張する彌永に対して、ようやく引き込んだ3マナ目である《沼/Swamp》から《悪逆な大峨/Villainous Ogre》を返すのが精一杯。

彌永の場には、相変わらず2匹のクリーチャーだけだが、《血の儀式/Blood Rites》がしっかりと備え付けられ、すぐに《霜投げ/Frostwielder》が投下される。何とか4マナ目にこぎ付けた平林が、諦め半分に《刻みを継ぐもの/Burr Grafter》をプレイするが、実はドローのほとんどが土地である彌永はこれ以上効果的にダメージを積み重ねられないのも事実だ。

それでも、これまでに得たタイムアドヴァンテージと《血の儀式/Blood Rites》は強い。なかなかマナに恵まれない平林は、手札に抱える《忌まわしい笑い/Hideous Laughter》さえ撃てれば、彌永のクリーチャーを全滅させる事が出来る。

しかし、それには《沼/Swamp》が1枚足りないのだ。あと1枚。あと1枚の《沼/Swamp》が引ければ逆転の一手は平林の手の内にあるのだが……。

仕方無しに《魂無き蘇生/Soulless Revival》連繋の《氷河の光線/Glacial Ray》で《狐の刃遣い/Kitsune Blademaster》を除去し、彌永の攻撃を耐えた平林は次の最後の1枚に賭けた―――

ドロー、《沼/Swamp

しかし、《血の儀式/Blood Rites》が平林の「あと1ターン」を奪い取っていたのだった。

平林 1-2 彌永

ラウンド終了後 ―――――

平林「3本目さ、最初のハンドで後手1ランドをキープ出来なかったのが負けかな」

単純に「事故死」と割り切らない、平林の分析と反省。
上を目指す若手は、この基本を決して忘れてはいけない。

Results : Winner is 彌永 淳也 !!!

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