ラウンド 7

更新日 Event Coverage on 2004年 1月 17日

By 森 慶太

5勝1敗という素晴らしい成績で初日の2回のドラフトを勝ち上がってきた藤田。そんなわけで彼は熾烈極まりない3番ポッドで3回目のロチェスターを戦うことになったのだった。その卓にはフィンランドの英雄Tomi Walamies、アメリカ勢からGabe WallsとBen Starkの若手二人、フランスのAntoine Ruel(弟)、カナダのRichard Hoaenといった強豪たちがひしめきあっており、日本勢からは藤田、中野、大澤という三人組が加わっていた。

そして、その3番ポッドでのロチェスターを終えた藤田は上家のBen Starkとマッチアップされることになった。Starkは自パックから《ブルードスター/Broodstar》を引き当てた赤青で、軽量のいわゆるサイクリング・アーティファクトやアーティファクト・ランドを満載した「ターボ・ブルードスター」然としたデッキを構築している。藤田が警戒しているカードは《磁石マイア/Lodestone Myr》、《ブルードスター/Broodstar》、《記憶の仮面/Mask of Memory》あたりだそうだ。

Starkの下家に位置した藤田は赤緑に落ち着いているのだが、《鉄のゴーレム、ボッシュ/Bosh, Iron Golem》、《ヴァルショクの戦具/Vulshok Battlegear》、《骨断ちの矛槍/Bonesplitter》という具合にカラーレスのパワーカードばかりからスタートしてしまったためにカラーシグナルの主張で遅れをとってしまったのを少し後悔しているという。それでも、強力な装備品にバックアップされた《トゲ撃ちゴブリン/Spikeshot Goblin》などの勝ち手段はもちろん存在している。

Game 1

初日最終戦を飾って気持ちよくベッドにもぐりこみたいであろう両者。試合開始のアナウンスの時点で時計の針は午後10:00をまわっているわけで、やはりスイス7回戦とロチェスタードラフト3回を一日ですませようという日程はかなりの強行軍と言えるだろう。両者とも静かに闘志を燃やしつつも…疲労の色をどことなく表情に浮かべながらのダイスロールであった。

そして、後手の藤田がダブルマリガン。

そんな藤田とは対照的に《鉄のマイア/Iron Myr》を2体連続で召喚し、《血清の水槽/Serum Tank》によってデッキを掘り進み始めるStark。しかし、藤田もなんとか「マナソースばかりドローしてくる」という得意技のおかげでマナの展開量では遅れをとらずにすんだ。《ヴィリジアンの社交家/Viridian Joiner》によるブーストも含めて《テル=ジラードの射手/Tel-Jilad Archers》と《機械仕掛けのコンドル/Clockwork Condor》を場に展開してなんとか体裁を取り繕う藤田。

しかし、そんなことはお構いなしに呪文爆弾やアーティファクト・ランド、タリスマンを連発しながらデッキをひたすら《血清の水槽/Serum Tank》で掘り進んでいくStark。彼は戦線に《ヴァルショクの狂戦士/Vulshok Berserker》、《コバルトのゴーレム/Cobalt Golem》、《記憶の仮面/Mask of Memory》といったカードを追加して膠着させ、なにかに憑かれたようにひたすらデッキを掘り進む。

藤田はダブルマリガンスタートながらも7ターン目に8マナを確保して《鉄のゴーレム、ボッシュ/Bosh, Iron Golem》の召喚にたどり着く。が、これをStarkは狙い済ました《権威の確立/Assert Authority》でカウンター。

結局、第9ターンにBen Starkは10/10というモンスターサイズの《ブルードスター/Broodstar》を召喚し、首尾よく藤田を投了に追い込んだのだった。

Ben Stark -1

Game 2

何とか逆転勝利を目指したい藤田。赤緑という構成上、巨大すぎる《ブルードスター/Broodstar》による蹂躙の前になんとか勝負をつけたいところだ。

気合いを入れなおした藤田は開幕ターンに《山/Mountain》から《骨断ちの矛槍/Bonesplitter》展開。続くターンも《森/Forest》から《金のマイア/Gold Myr》、3ターン目に《トゲ撃ちゴブリン/Spikeshot Goblin》と絶好調だ。

Atog

しかし、Ben Starkの最序盤もすばらしい親和ぶり。開幕ターンに《伝承の樹/Tree of Tales》から《上天の呪文爆弾/AEther Spellbomb》をプレイ。2ターン目にも黒と緑の呪文爆弾を設置し、なんと第3ターンにして《マイアの処罰者/Myr Enforcer》を展開するという風であった。蛇足だが、色があっていなくてもアーティファクト・ランドやマナ・マイア、呪文爆弾を必要数まで投入するのはこのミラディンではあたりまえのことであるようだ。

藤田はこの《マイアの処罰者/Myr Enforcer》を《解体/Deconstruct》し、あまったマナのうち1マナをつかってゴブリンに矛を装着してアタック宣言。2点をマナバーンしてターンを終えた。対するStarkは《記憶の仮面/Mask of Memory》を場に展開しただけで第4ターン目を終了。4マナ目のランドが引けず苦渋のマナバーンだった。

だいぶハンドを使ってしまったStarkは場に設置しておいた呪文爆弾を次々とキャントリップし、《上天の呪文爆弾/AEther Spellbomb》で《トゲ撃ちゴブリン/Spikeshot Goblin》をバウンス。その上で《鉄のマイア/Iron Myr》と《エイトグ/Atog》を場に展開した。

さらにStarkはこの《エイトグ/Atog》に先ほどの《記憶の仮面/Mask of Memory》を装備してアタックをしかけたが、藤田の《骨断ちの矛槍/Bonesplitter》つきマイアと相打ちすることになった。お互いにダメージスタック後に視殺戦を展開していたりしたのが実に印象的である。コンバットトリックに関しては「後出し優位」なのは鉄則であり、それゆえにお互いが我慢比べというわけだ。もしくは、それを演出したブラフにすぎないのかもれないが…ともかく《エイトグ/Atog》とマイアは強化も除去もされることはなかった。

そして、しばらくマナソースが3枚でとまっていた藤田が第7ターンに待望の4マナ目を引き当て、ここで《ヴァルショクの狂戦士/Vulshok Berserker》を召喚。バウンスされた《トゲ撃ちゴブリン/Spikeshot Goblin》は依然として藤田のハンドに温存されているわけだが…Starkはこの3/2ヘイスト・クリーチャーに対して虎の子のカウンター呪文《権威の確立/Assert Authority》をプレイすることを選択したのだった。もちろん、貴重なカウンター呪文を消費してしまったかわりにBen Starkは1ターンだけだが無人のレッドゾーンを独占する事が出来る。かくて、《記憶の仮面/Mask of Memory》をまとわせて《鉄のマイア/Iron Myr》でアタック宣言。《目録/Catalog》効果を満喫してから《ピューターのゴーレム/Pewter Golem》を召喚し、Starkはターンを返す。

5マナ目を引き当てた藤田はここで満を持して《トゲ撃ちゴブリン/Spikeshot Goblin》を再度召喚してターンエンド。当然、《記憶の仮面/Mask of Memory》は《ピューターのゴーレム/Pewter Golem》に装備され、Starkはアタック宣言。この試合で2回目となる《目録/Catalog》効果が起動された。…そして、ここでBen Starkはとうとう《ブルードスター/Broodstar》を手に入れるのである。かくて、アーティファクト・ランドやら《彩色の宝球/Chromatic Sphere》やらのおかげで5/5というサイズのフライヤーがプレイグランドに光臨した。

しかし、藤田はずっと温存していた《戦闘の成長/Battlegrowth》をStarkのエンドステップに使用。+1/+1カウンターが狙撃手ゴブリンを強化する。そして、第9ターンメインステップに藤田修はハンドに秘蔵していた《ヴィリジアンのシャーマン/Viridian Shaman》をプレイ。これによってBen Starkの《記憶の仮面/Mask of Memory》が破壊され、《ブルードスター/Broodstar》は4/4というサイズに。そこで藤田の「2/3」《トゲ撃ちゴブリン/Spikeshot Goblin》は《骨断ちの矛槍/Bonesplitter》を装備してパワー4にまで巨大化し、とうとう対戦相手の決戦兵器を破壊して見せるのである。

この砲台をより強固なものとすべく、藤田は続くターンに《ワーム皮の鍛冶工/Wurmskin Forger》を召喚。これはBen Starkが2枚目の《権威の確立/Assert Authority》が防いだが、続く第11ターン目にも藤田は2体目の《ワーム皮の鍛冶工/Wurmskin Forger》を召喚。

完璧な砲台を築かれてしまったBen Starkはここで投了を宣言する。

藤田 修 -1, Ben Stark -1

Game 3

ここまでの二戦を振り返ると、やはり戦いのキーポイントは《ブルードスター/Broodstar》をめぐる攻防であった。藤田としてはなんとか砲台を完成するか、《ブルードスター/Broodstar》云々になってしまう前にゲームを決めるかしかないのである。

先手をとったBen Starkは第2ターンに《威圧のタリスマン/Talisman of Dominance》を設置して第3ターンに《記憶の仮面/Mask of Memory》プレイというたちあがり。対する藤田修も3ターン目に《トゲ撃ちゴブリン/Spikeshot Goblin》を召喚してゲームをスタートさせた。

第4ターンはStarkが《コバルトのゴーレム/Cobalt Golem》、藤田がそれをけん制するかのように《機械仕掛けのコンドル/Clockwork Condor》召喚で応じた。

それでは、とStarkも第5ターンに《彩色の宝球/Chromatic Sphere》と《トゲ撃ちゴブリン/Spikeshot Goblin》を展開。藤田はこれに《静電気の稲妻/Electrostatic Bolt》で即応しつつサモン《ヴィリジアンの社交家/Viridian Joiner》。

火力をあぶりだしたStarkはこの第6ターンに6/6の《ブルードスター/Broodstar》を召喚。そして、藤田はこれをこのタイミングで除去することは出来ない。

そうなると第7ターン目に《磁石マイア/Lodestone Myr》と《マイアの処罰者/Myr Enforcer》をプレイグラウンドに追加したStarkは8/8となった《ブルードスター/Broodstar》でのアタックを開始する。

超巨大フライヤーが《記憶の仮面/Mask of Memory》を装着することとなり、ここで藤田修は握手のために右手をさしだした。

かくて、《ブルードスター/Broodstar》にはじまった勝負は《ブルードスター/Broodstar》に終わってしまうのであった。

Ben Stark -2, 藤田 修 -1

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