
全勝対決にコマを進めたのは、2人の強豪だった。
斉藤 友晴は先日行われたGPブリスベンで初日に全勝しており、舞台を横浜に移してその再現なるかというのがギャラリーの焦点だ。
だが、本人の考えは少し違うようだ。
斉藤「初日全勝よりも、1敗してる方が緊張感が出るからいいのかもね」
もちろん数学的な確率を述べるならば、勝てるゲームは勝っておいた方がベスト8のテーブルがグッと近付くのは言うまでも無い。しかし、これはブリスベンで辛酸を舐めた斉藤だからこそ言い切れる台詞であり、斉藤が言うからこそ説得力が生まれるのだ。
その斉藤は黒白のビートダウンデッキをプレイ。サイドで黒赤にも変更出来る受けの広さが魅力だ。
対する三原は、白赤+青の《明けの星、陽星/Yosei, the Morning Star》《降る星、流星/Ryusei, the Falling Star》《義理に縛られし者、長雄/Nagao, Bound by Honor》と、ゴージャスがスリーブに入っていると言っても過言ではないパワーデッキを操って豪腕ぶりを発揮している。
「全勝デッキある所に《義理に縛られし者、長雄/Nagao, Bound by Honor》あり」というのが、GPオースティンから語られる神河物語シールドでの定説となりつつあるが、歴史は繰り返されるのだろうか。
Game 1
先攻は三原。
《燃えさし拳のずべら/Ember-Fist Zubera》をプレイしてターンを返すと、斉藤も《血塗られた悪姥/Wicked Akuba》を召喚、三原が《激憤の本殿/Honden of Infinite Rage》をプレイして斉藤の足を止めると、《血塗られた悪姥/Wicked Akuba》と《燃えさし拳のずべら/Ember-Fist Zubera》が相打ちとなり、続いて三原は《義理に縛られし者、長雄/Nagao, Bound by Honor》を戦線に送り込む。
斉藤は《つぶやく神/Gibbering Kami》で殴り合いに持ち込むが、ライフレースで優位に立っているのは完全に三原。しかも、もうスピリットは通さないとばかりに《狐の易者/Kitsune Diviner》が構え、斉藤がプレイした《小走りの死神/Scuttling Death》をタップして《義理に縛られし者、長雄/Nagao, Bound by Honor》が斬りかかる。
さらに《古石の神/Kami of Old Stone》でガッチリ度当社比200%UPの三原。これに対して斉藤が考え込む。手札には《真実を捻じ曲げるもの、逝斬/Seizan, Perverter of Truth》《忌まわしい笑い/Hideous Laughter》《不退転の意志/Indomitable Will》があり、斉藤は戦闘を仕掛ける。
まず、《古石の神/Kami of Old Stone》にブロックされた《小走りの死神/Scuttling Death》に《不退転の意志/Indomitable Will》がエンチャントされ、その後に《忌まわしい笑い/Hideous Laughter》で三原の場を一掃した斉藤。さらに《小走りの死神/Scuttling Death》を生け贄に捧げて《義理に縛られし者、長雄/Nagao, Bound by Honor》も除去し、場にはクリーチャーが1体もいなくなった。
しかし、これでもう一度立て直せると思った斉藤に待っていたのは三原の《明けの星、陽星/Yosei, the Morning Star》。転生で回収した《血塗られた悪姥/Wicked Akuba》を再召喚し、《明けの星、陽星/Yosei, the Morning Star》と殴り合いを始めた斉藤だが、残りライフが1しかない。
三原も斉藤が何か除去を持っていると一気にやられてしまう可能性があるため、《明けの星、陽星/Yosei, the Morning Star》での攻撃を控えて《兜蛾/Kabuto Moth》と共に斉藤の最後の攻撃に備える。
斉藤が何も持っていなければ、次のターンに《激憤の本殿/Honden of Infinite Rage》がトドメを刺してくれるはず。後の無い斉藤は、その最後のドローに叫びと共に祈りを込めた!
斉藤「何か引けー!」
三原「何かあるのかー!」
斉藤「……(引いたカードを見て)ありがとうございましたー!」
斉藤 0-1 三原
Game 2
先手の斉藤がテイクマリガン。《狐の易者/Kitsune Diviner》《旅行者の凧/Journeyer's Kite》と連打した三原に対し、先程苦しめられた《激憤の本殿/Honden of Infinite Rage》を張り返す。しかし、三原も見事に《山/Mountain》を引き込んで《激憤の本殿/Honden of Infinite Rage》を重ねて破壊し、《狐の易者/Kitsune Diviner》を守ることに成功。さらに《古石の神/Kami of Old Stone》プレイで場を落ち着かせた後に、ゆっくりと《旅行者の凧/Journeyer's Kite》を起動する。
土地が3枚で止まってしまった斉藤は、《鼠の墓荒らし/Nezumi Graverobber》《浪人の犬師/Ronin Houndmaster》をプレイするに留まり、一方の三原は《旅行者の凧/Journeyer's Kite》で順調にマナを伸ばして、初手から鎮座召されていた《明けの星、陽星/Yosei, the Morning Star》が目覚めの時を待っている。

斉藤は何とか《鼠の墓荒らし/Nezumi Graverobber》を《冒涜する者、夜目/Nighteyes the Desecrator》へと反転して機会をうかがい、三原がプレイした《明けの星、陽星/Yosei, the Morning Star》を《霊魂の奪取/Rend Spirit》で排除するも、既に控えていた《兜蛾/Kabuto Moth》に加え、新たに《義理に縛られし者、長雄/Nagao, Bound by Honor》を自陣に加えた三原は隙を見せない。
マナさえあれば《明けの星、陽星/Yosei, the Morning Star》を奪い取れる斉藤だが、いかんせん土地が3枚から伸びずにいる。《今田の旗本/Konda's Hatamoto》《義理に縛られし者、長雄/Nagao, Bound by Honor》のアンコモンコンビが、遠慮会釈無く斉藤の陣地に踏み込み、高らかに勝ち名乗りをあげたのだった。
斉藤 0-2 三原
Results : Winner is 三原 槙人 !!!