通算 8 回戦目、二日目の緒戦となるこのラウンド。果たして BEST 8 に残るのは誰か。注目のラウンドだ。
「坊主」こと深田は、いわゆる「黒単」だが、他の物よりもより《イチョリッド/Ichorid》による攻撃に主眼を置いている。《凍血鬼/Bloodcurdler》《生き埋め/Buried Alive》などが搭載されている所からもそれが伺える。
対する Kastle は、関西勢が使用する青緑とほぼ同型のデッキ。メインから《リスの巣/Squirrel Nest》を採用している所ぐらいが相違点だろう。
ところで、深田は今日が卒業式だそうだが、行かなくていいのか?
Game 1
先手の Kastle が《強制/Compulsion》、深田が《ナントゥーコの影/Nantuko Shade》というお互いのデッキの定番の立ち上がり。まずは《ナントゥーコの影》がいいパンチ力で突進する。
しかし 4 ターン目、Kastle は《リスの巣/Squirrel Nest》をトップデッキ。コレをすぐさま森に貼る。
深田は次ターンから《イチョリッド/Ichorid》でのアタック体制に入るところだっただけに、これは非常に厳しい。是非とも《腐臭の地/Rancid Earth》を引いて、叩き壊したいところだろう。
その後、深田は《よろめく大群/Shambling Swarm》を出し、《イチョリッド》とアタックを繰り返してなんとか消耗戦に持ち込もうとする。しかし、《リスの巣》からの無限ブロッカーのせいで、ライフの減りは鈍い。
一方の Kastle、実はここまで島 1 枚、森 3 枚の 4 マナで止まってしまっており、特に島が足らない為に《強制》を回す暇も無く、手札の《尊大なワーム/Arrogant Wurm》も出すことが出来ない。深田のリソースは減らしているとはいえ、ライフもジワジワと減ってきている。あと 1 マナあれば・・・というところなのだが。
という我慢合戦の結果、とうとう Kastle が島を入手。深田の《イチョリッド》のアタックに対して《尊大なワーム》を《強制》からキャスト。これをブロックし、返しのターンから攻勢に転じ始めた。
しかし深田も、ここまで使い道のなかった《もぎとり/Mutilate》で除去しようと試みる。が、これを《霊気の噴出/AEther Burst》によって回避され、非常に厳しくなる。
それならば、と《生き埋め/Buried Alive》から《イチョリッド》大量生産モードに入らんとするも、今度は Kastle が 2 枚目の《リスの巣》!これで万事休す。
《腹黒い夢/Insidious Dreams》から《ラクァタスのチャンピオン/Laquatus's Champion》でトドメを刺そうという最後の抵抗も、あっけなく《堂々巡り/Circular Logic》でカウンターされ、最後はリスの大群に踏み潰された。
Win Kastle
Game 2
先手の深田、《催眠の悪鬼/Mesmeric Fiend》で Kastle のハンドを見ると、2 マナ目のランドと、《野生の雑種犬/Wild Mongrel》と《一瞬の平和/Moment's Peace》以外は重いスペルばかり。当然《野生の雑種犬》を抜く。
さて Kastle 、なんとか 3 マナそろうものの《熊の谷/Bearscape》をキャストすることしか出来ない。その次のターンは《リスの巣》となかなか十分なマナが揃わない。
一方の深田、順調に 4 マナをそろえて、なんと《よろめく大群》を 3 ターン連続でキャスト。《イチョリッド》と共にどんどん攻め込む。なんとか《一瞬の平和》や熊トークンなどで凌ぐも、ともかくマナが揃わない。
もうダメかと思われたその時、とうとう 6 マナ目を引いて苦し紛れながらも《激動/Upheaval》で場のリセットに成功。なんとか建て直しを図りたい Kastle。
しかし、これが《イチョリッド》の恐ろしいところ。マナを使わず、《激動》のディスカードにより「弾」をいっぱい補充した 3/1 Hasteの集団が、《日を浴びるルートワラ/Basking Rootwalla》《野生の雑種犬》を突き破り、Kastle のライフを奪い去った。
Win 深田
Game 3
この時点でのこり 7 分。両者時間を気にして急ぐが、デッキ的に勝ち目があるのは深田だろう・・・誰もがそう思っていた。
しかし、Kastle の素晴らしいショーが始まる。深田の 2 ターン目の《催眠の悪鬼/Mesmeric Fiend》によって《日を浴びるルートワラ》がリムーブされるものの、そこから《野生の雑種犬》《尊大なワーム》《ワームの咆哮/Roar of the Wurm》と連打。さらに深田が追加の《催眠の悪鬼》をだすとスタックして 2 体の《日を浴びるルートワラ》で手札ゼロ。
深田「全然違うデッキやん・・・」
という深田の言葉どおり、謎の緑ビートダウンデッキの場所を引きまくった Kastle が、時間切れと同時に勝利を手中にした。
Kastle wins
Final Result:Kastle 2-1 深田