初夏の日本選手権と、歳末のファイナルズ。
この二つのイベントが古くから日本のトーナメントシーンを支えてきた「二本柱」といっても過言ではない。数多くの伝説的なエピソードによって綴られてきたファイナルズの歴史は、はたしてどのようなページを付け加えることになるのだろうか?
しかし・・・それにしても、今年のファイナルズでは「驚くほど」強豪プレイヤーの欠場が目に付くのである。残念ながら主演級の名優たちの何人かも見ることが出来ないわけだが、はたして彼らはいったいどこへ姿を消してしまったのだろうか?
「東京勢。まあ、正確には23区DCI組はホント・・・オレ一人だけしか出てないんだよね」
-石田格(2001年度優勝)
■予選敗退者
構築レーティングなぞ、いわば「みずもの」である。輝かしい戦歴を誇るプレイヤー、それこそプロツアー常連クラスの猛者たちであっても最高水準のレーティングを維持することはやはり難しいようだ。・・・そして、厳しい予選大会での競争を勝ち残れなかった者たちが続出することとなったのである。
メタゲームの照準がしぼりにくく、その上Byeによるアドバンテージなどもなかったからだろうか? ともあれ、意外なビッグネームたちばかりがリストアップされてしまっている。そう、それだけ《予選/Qualifier》とは厳しいものだ。
<プレイヤー氏名:予選出場デッキ>
- 黒田正城:サイクリング
- 中村聡:緑白赤
- 平林和哉:サイクリング
- 塩津龍馬:スライ
- 小倉陵:サイクリング
- 藤田修:スライ
- 長岡崇之:《サイカトグ/Psychatog》
- 安藤孝太郎:《ミラーリの目覚め/Mirari’s Wake》
- 安藤玲二:緑白赤
- 藤枝勇:《ミラーリの目覚め/Mirari’s Wake》
- 景山太郎:緑黒ビートダウン
- 林眞右:《サイカトグ/Psychatog》
- 森雅也:ゾンビ激動
- 林智加良:青緑マッドネスタッチ黒
■予選未出場者
- 塚本俊樹
- 真木孝一郎
- 藤田憲一(・・・予選に寝坊)
- 信下淳
- 小宮忠義
- 百瀬和之
「参戦権を持たず、それでいて予選にも出場しなかった」というメンバーのリストをよくよく見てみると・・・なんと、そこにはファイナルズのトロフィーが4つも(塚本が2回、真木が1回、小宮も1回優勝)転がっているのである!
・・・というか、歴代のファイナルズ王者のほとんどが参戦しておらず、ディフェンディングチャンピオンの石田格ただ一人が孤軍奮闘というかたちだ。こうなると、「新世代の登竜門」という色あいはさらに強調されたと言えるのではないだろうか。
■参戦辞退者
- 池田剛
- 三津家和彦
- 松尾悟郎
- 佐々木佑介(仙台)
- 深田崇聖
現在の日本勢プロツアー・レギュラーの兄貴分でもある池田剛。彼は出場権を持ちながらも参戦を見送る・・・ということとなったようだ。ちなみに、理由は単純明快。
「ベスト8になってもpayしなそうだから」
基本的に、旅費の高くつく「北海道・九州勢は参戦」はシード選手であっても見送ることが多いようだ。「参加することに意義がある」という段階をとうに過ぎ去ったプレイヤーである彼だから、当然のことなのかもしれない。
また、今年の日本代表でもあった大学院生コンビ(三津家・佐々木)も学業多忙につき参戦を見送っている。「北陸の雄」松尾悟郎の姿もなく、「坊主」こと深田崇聖も「この時期は休みなし・・・」なのだとか。