日本勢参戦チーム紹介

更新日 Event Coverage on 2002年 9月 27日

By Keita Mori

 誰一人土曜日にさえ勝ち残れなかったニューヨークの悪夢から一年。やはり、多くの有力チームはその陣容を再編成してボストンに臨んできた。総勢121チームのうちの 9チームが日本選手団である。彼らの簡単なプロフィール(掲載はチーム名ごとにアルファベット順)をここで紹介しておこう。

はたして、彼らのうちの何組がドラフトに勝ち進めるだろうか?
 ともあれ、チーム・シールドというフォーマット自体が多分に「運ゲー」的であるだけに、なんとか幸運の女神の慈悲にすがりついてほしいものだ。 

■D.D.Hamu
A:藤田修
B:林眞右
C:小宮忠義

 チーム名は「ハム様と二匹のD」だから「D.D.Hamu」というネーミングとのこと。若きエースである「ハム」こと林を老獪な二人のプレイヤーがバックアップするというチーム構成である。それぞれの住所が関東、名古屋、関西と離れてしまっているため、チームとしてはPTQ以来のぶっつけ本番となったようだ。
 
 Magic Online漬けの生活を送っているという小宮忠義がカードプールの色分けを担当し、細部をそれぞれが好みで調整するというスタイルでこの日のシールド戦に取り組む。

■Hato Beeam
A:桧垣貴生
B:大磯正嗣
C:上野一樹

 チーム名は漫画のタイトルから。英語の綴りが間違っているのはご愛嬌だろうか。

一見したとおり、ファイナル準優勝などの戦績で知られる桧垣貴生がエースで四番、さらにキャプテンまで兼任するという徹底したワントップ型であるらしい。「赤緑ならどんなパターンでも使いこなせる自信がある」と豪語する桧垣に当然赤緑を割り振り、大磯に黒、上野に青がらみ、というのがこのチームの色分担の基本となっているようだ。

桧垣いわく「練習はシールドに絞って重点的にやってきました。やっぱり、二日に残らんことにはドラフト技術もへったくれもないんでね」

N.G.O.K.■N.G.O.K.
A:東野将幸
B:藤田剛史
C:長岡崇之

 名コンビ+第三の男。そんな構図で編成されるチームは実に多い。このN.G.O.Kもそんな典型例の一つといえるだろう。

 それにしても、藤田剛史&東野将幸というゴールデンコンビにとって「三人目選び」というのは実に頭の痛い課題だった。藤田修、石田格、森雅也といったスタープレイヤーを次々に起用してイベントに臨んできた彼らだったのだが、そのどれもが戦績不振を原因とした自然消滅という繰り返しになってしまっている。

 「あのコンビと組めるようなヤツはいないんじゃないか?」

 日本のトッププレイヤーたちがそんなことを囁きだした中で、彼らはついに「教祖様」こと長岡崇之と巡り会った。同じ関西勢であり、マジックプレイヤーとしての実力も折り紙つき。なによりも長岡は彼らとウマのあう男だった。
そして、グランプリ名古屋で確たる手ごたえをつかんだ彼らは...ボストンへと遠征することを決めた。

ところで、この編成を見ると誰もが藤田剛史が司令塔のワントップを想像することだろう。しかし、実情は違う。東野に黒、藤田に緑、長岡に白という基本的な配色が決まっているだけで、あとはすべて三人の共同作業でデッキ構築にあたるのだそうだ。

 また、彼らは面白い「賭け」をしていることでも注目かもしれない。
 東野、藤田、長岡はそれぞれ60$ずつを出しあって、その180$をプールする。そして、各ラウンドごとに個人としてマッチに勝利すると10$ずつ取り戻すことができるのだそうだ。つまり、6回戦を5-1で乗り切ることになった場合、都合50$は手元に帰ってくるわけだ。
 それでは、プールされたまま戻ってこなかったお金はどうなるのだろうか。

 「ま、罰ゲームみたいんなもんやから、その金で三人でパーっと飲み食いやね。今年はヤケ酒にはしたくないな。」

■No Yaburon
A:鈴木健太
B:丹羽崇
C:中村聡

 世界の「Hatman」こと中村聡の率いる三人組、それがこの No Yaburonだ。
チーム名の由来は、ゲームデザイン事務所である「遊宝洞」でマジックに取り組む仲間から「ヤブロン」こと広木を抜くとこの三人が残るから...なのだそうだ。「ヤブロンぬき」だから「No Yaburon」というわけか。

 ともあれ、同じ職場の仲間同士ということでチームワークは抜群。とくに、仕事の合間を縫っての練習を延々繰り返してきたのだというだけに、彼らは初日突破へかなりの自信を持っているようだ。

 「Executioners(註:藤田憲一+真木孝一郎+中村聡で臨んだ昨年度ニューヨーク大会)のとき、二日目に残ってるチームのドラフトテクニックを見て...なんでこんなレベルのプレイヤーが残れて我々はダメなんだろう、とショックを受けました。しかし、シールドを突破できないことにはドラフトテクニックの見せようもありませんからね」

 一年前に無念の涙を呑んだ中村が率いるチームであるだけに、「今回はシールドを重点的に...というか、ほとんどシールドしかやっていない」とのことだ。それだけに、何が何でも初日を5-1以上で切り抜けた上で...決勝ラウンド進出に繋げたいところだ。

Panzer Hunter■Panzer Hunter
A:安藤玲二
B:百瀬和之
C:石田格

 国際的なネームヴァリューを持つ日本最強トリオ。

それこそ、Wise Word あたりで紹介されてもおかしくないチームの一つだろう。東京・大阪とマスターズで二大会連続準優勝を飾ったトップ・チームであり、その世界屈指のRatingによって今大会へと招待されている。

 正直なところ、最近の Panzer Hunter のチームワークをベストとは言いがたいものだった。「司令塔」石田格と「エースキラー」安藤玲二の師弟コンビの抜群の安定感に比して、一線を退いていた百瀬にはモチベーション的にも実力的にも「第三の男」的なニュアンスが感じられたのだ。
それゆえにサードパーソンのスロットに「アジア二冠王」森雅也を招聘した編成の「The Beautiful World」がグランプリ名古屋でお披露目されることとなったし、今大会もそのトリオでの出場が有力視されていた。しかし、百瀬和之が本格復帰を決意し、それにともなって彼らは Panzer としての再出発を選んだのだった。

 「ドラフトに持ち込むまでが勝負」と語る Panzer Hunter。やはり石田格をコンダクターとして初日のシールドにも臨むことになる。

■S.S.D.
A:窪内直樹
B:中村修平
C:今井公雄

 グランプリ名古屋で準優勝を果たしたことでも知られるチーム。命名はリーダーである中村修平をもじって「シャミしゅうホンマD」。略して「S.S.D.」とのことだ。

 チームワークには自信のある三人組だということだが、社会人である今井は一週間近い休暇を申請したために前倒しの仕事が大量に発生してしまい、窪内も旅費を捻出するためのアルバイトに忙殺されてしまったそうである。つまり、あまり練習時間がとれていないそうなのである。

 「ホンマは優勝狙ってきますよ! とかシャミっときたいんですが、正直...初日ぬけるのが目標ですかねぇ」とは「しゃみ修」の談。

■Team Hikiniku
A:高崎真
B:小林秀樹
C:渡辺真司

 「ヒキニク」というよりは「引き立て役」として結成されたのがこのチームだった。
 岡山でマジックをプレイする彼らは、「小野田倫久のチームの練習相手」としてこのフォーマットに親しむようになったそうだ。そして、小野田たちではなく Hikiniku がPTQ大阪予選を勝ちあがったのである。

 「正直なところ、初日が突破できたらいいなぁってところですね。それがクリアできたならマネーフィニッシュを目標にって感じで、一歩ずついきたいですね」とのことだ。

ツアー初参加となった彼ら。しかし、日本勢の「顔役」でもある中村聡の「No Yaburon」に声をかけてもらい、現地での直前練習を十分にこなすことができたそうだ。おかげで、チーム・シールドという不慣れなフォーマットへの不安もだいぶ払拭できたという。

そうなれば、狙うは大金星。

Unchain■Unchain
A:藤枝勇
B:藤田憲一
C:真木孝一郎

 「Unchain」。

これまた漫画からの引用となる命名なのだが、これはこのチームの「エース」である藤枝勇のニックネームでもある。元ネタのわかる方には簡単な話なのだが、それだけ藤枝という男は豪快な、というか何をするにも桁外れの人物として知る人ぞ知る存在である。
とくに胃袋にまつわる逸話が多いのだが、もちろんマジックプレイヤーとしても彼は一線級の人物だ。...というか、そうでなくては「Executioners」時代にはあの中村聡が座っていた場所を任されるわけがない。

 ちなみに、藤枝にとっては実はこれがツアー初参戦ということになる。しかし、表舞台に現れることはなかったものの、彼は「オフビート・サタデー」の時代からマジックをプレイし続けているという数少ないベテラン・プレイヤーである。

 同じ関東勢であるPanzer Huntersとかなりの練習をつんできたというUnchainであるだけに、このフォーマットに対する不安はないようだ。はたして、老獪な真木・藤田のコンビの期待に藤枝はどれだけこたえることができるだろうか。 
また、真木の「引き分け癖」が悪い方向で発揮されないことを願いたいものだ。

www.shop-fireball.comwww.shop-fireball.com
A:岡本尋
B:池田剛
C:信下淳
 
 いまや、日本のトップ・プロチームといって過言でないのがこのFireballだろう。
メンバー三人を現役のGravy Trainersで揃えることのできた唯一のチームがこのFireballであり、ちょうど本稿執筆中に栄えある第一ラウンドフューチャーマッチへも招待されたところである。当然ながら、真っ先にフューチャーマッチに選んでも遜色のないだけの顔ぶれがならんでいるというわけだ。

 日本最強の呼び声も高いエースの岡本尋を筆頭に、昨シーズン絶好調だった池田剛、参謀格の信下淳と万全に近い布陣。Panzer Hunter と並んで日本勢最上位候補最右翼といえるチームこそが、この www.shop-fireball.com なのだ。

最新Event Coverage記事

Featured

2015年 11月 16日

2001 Grand Prix Sendai Coverage by, Wizards of the Coast

2001 Grand Prix Sendai Coverage 相次ぐ新星の誕生 10 年ぶりの記録的大雪とのことで、積雪は 20cm 近かった。 2 日目は初日の豪雪が嘘であるかのような快晴となったものだが、やはり北国の冬らしく深々とした寒さが印象的だった。 細かい点にまで言及してはキリがないが、とりあえず今回の上位陣の顔ぶれを見て特に印象的...

記事を読む

Featured

2015年 11月 16日

2002 Masters Series San Diego Coverage by, Wizards of the Coast

2002 Masters Series San Diego Coverage In the first game of the finals, it seemed that Karma was on the side of Humpherys. Fuller only needed a bounce spell to wa...

記事を読む

記事

記事

Event Coverage Archive

過去の記事をお探しの場合 アーカイブのページをご覧ください。人気の著者による、数千にわたるマジックの記事が残されています。

一覧を見る