決勝戦: 森勝洋(P.S.2) vs. 中村修平(S.S.D.)

更新日 Event Coverage on 2002年 5月 12日

By 森慶太

Katsuhiro Mori of P.S.2たったの一勝しかあげられなかった初日が嘘のような大活躍を続けてきた森勝洋。森田と黒田とで一勝一敗になってから、つまり森勝洋自身の勝敗がチームの命運を分かつという段階になってからの彼は凄まじい勝負強さを見せた。

「中指にはめた指輪に念をこめてつけなおすと、今日はトップデッキできるんですよ

...と、かなりオカルト染みたコメントを残してくれたわけだったが、これは勝負どころをわきまえたときに「気持ちをいれなおす」ための儀式のようなものなのだろう。これは Panzer Huntersの「エースキラー」安藤玲二がしきりに頬を一人ビンタを繰り返すのと同じことだ。

しかし、本当に八面六臂の活躍をみせていたのは S.S.D の中村修平のほうだったかもしれない。基本的に中村が必ずマッチに勝利し、窪内か今井のどちらかがそれにこたえて辛勝する...というパターンの繰り返しでこのチームはここまで駆け上がってきたからだ。「しゃみ修が勝ってくれるから」チームメイトたちも懸命にそれにこたえようと頑張れたのだそうだ。

そう、現在 Rookie of the Year Race において日本勢ではダントツの位置をキープしている「しゃみ修」は、若くしてチームの精神的な支柱であり、役割としては Panzer Hunters における石田格に比されるほどの大活躍をみせていたのだった。

 そして、中村と森のマッチにおいてもっとも印象的だったシーンは Game 1 に披露された。

 黒白の中村が《巡視犬/Patrol Hound》を出せば、青緑の森が《熊人間/Werebear》。
 《薄暮のインプ/Dusk Imp》には《エイヴンの魚捕り/Aven Fisher》と続けた。

 そして、2 体ずつのクリーチャーを展開したところで盤面を動かすべくお互いが仕掛けにうってでる。このままの状態ではファーストストライクの共鳴者能力の起動をチラつかせた《巡視犬/Patrol Hound》だけは確実にアタックを繰り返せることになるわけだが、もちろん本当の攻防はまだまだこれからだ。

「三味修」が《魔性の教示者/Diabolic Tutor》でライブラリーをまさぐって一時的な優位をより強固なものにすべく画策し、森勝洋はそれに呼応するかのように「中村の」《薄暮のインプ/Dusk Imp》へと《かそけき翼/Ghostly Wings》をエンチャントした。

チームロチェスターはすべてが公開情報であるわけだから、中村修平はここで一言。

「ワラかな?」

Shuhei Nakamura of S.S.D. そして、中村修平は涼しい顔で 2 体でアタック。
当然の 森勝洋はごとく《翼》の能力で《インプ》をバウンスする能力を起動し、コストとして指定した《日を浴びるルートワラ/Basking Rootwalla》をマッドネスでプレイした。

これによって《巡視犬/Patrol Hound》だけを一方的に殺せるはずだったのだが...ブロッククリーチャー指定後に、中村が《犬》の共鳴者能力を起動した。この攻防を予見していたかのようにコストとして《狂気の力/Strength of Lunacy》を指定し、それをマッドネスで《犬》にまとわせた。
「共鳴者」能力の起動からの不意打ちトリックや除去スペルを回避すべく、中村は《教示者》からこのスペルを調達していたのだ。

 この一手で森の出鼻をくじくことができた中村は、《墓をこじ開けるもの/Gravegouger》、《薄汚いネズミ人間/Dirty Wererat》といったビートダウンクリーチャーを次々と展開。

 森勝洋は《セファリッドの物あさり/Cephalid Looter》を召喚してライブラリーをほりすすんだにもかかわらず、2 枚目の《島》を引いてこれないという自体に陥ってしまったのだった。

 結局、森はマナの不具合によってハンドを活かしきれずに敗れ去ってしまったわけなのだが...お互いのマッドネスを巡るトリック合戦を制したことで中村修平が勢いづいたような印象が強かった。

 そして、森は中村の勢いに終始圧倒されてしまうこととなる。
 
優秀な攻撃陣を連打してくる中村に対して《操作室/Chamber of Manipulation》を出すことで抵抗しようとした森だったのだが、2 戦目においても中村の勢いはとまらなかった。直接対決で師匠格の藤田剛史を倒してきたばかりの若武者は、ジリジリと森勝洋のハンドに消耗をしいた。

そして、森勝洋はとうとうハンドがたった一枚という状況にまで追い込まれてしまい、投了を余儀なくされた。

P.S.2 is our GP Nagoya Champion !!中村修平 wins 2-0 森勝洋

 しかし、それでも森勝洋の「指輪のおまじない」は天に通じた。

 背中をあずけた森田雅彦が 2 枚の《踏み荒らし/Overrun》と《獣群の呼び声/Call of the Herd》プラス《ナルシシズム/Narcissism》という爆弾デッキで圧勝し、タイトロープを渡りきった黒田正城が雄叫びとともに 2-1でマッチを獲得したのだから。

 個人としての圧倒的な力を背景に Rookie of the Year の称号までを獲得した 19 歳の若者だったのだが、彼自身がはじめて手に入れた王冠は仲間たちの手によってもたらされることになった。

 そして、抱き合って勝利を分かち合った仲間とともに森勝洋はトロフィーを掲げた。
 Masters 出場という大きなチャンスを得た彼らは、間違いなくバケるに違いない。

 おめでとう、Poor Shark 2!!

Final Results:PS2 wins GP Nagoya!!

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