決勝:Nicolai Herzog vs Antoine Ruel

更新日 Event Coverage on 2004年 5月 16日

By 平林和哉

ついに 2 連続リミテッドプロツアー優勝を射程圏内に捉えた Herzog 。かの Budde 御大ですらチーム戦以外は連続優勝したことがあるわけではない。そう、記録まで後一歩。

ただ今回の相手である Ruel のデッキはカードプールが強力だった決勝ドラフトのデッキの中でもずば抜けて強力なもので、《火と氷の剣/Sword of Fire and Ice》に始まる装備品が 5 枚、おまけに《タージ=ナールの剣鍛冶/Taj-Nar Swordsmith》《オーリオックの鋼打ち/Auriok Steelshaper》《レオニンのシカール/Leonin Shikari》と不気味に装備品関連のカードが揃い踏みの白赤だ。弟の Olivier がプロツアー大阪で届かなかった優勝の二文字。その栄光を求めてプロツアーサンディエゴ最後の勝負が始まる。

Game 1

両者共にマリガンから始まる 1 ゲーム目。まずは後手の Ruel が軽く《先陣のマイア/Alpha Myr》から発進し、それには Herzog が《残響する衰微/Echoing Decay》を。マリガン後にも関わらず《クラーク族の兵卒/Krark-Clan Grunt》《翼竜の幽霊/Pteron Ghost》と続ける Ruel とは対照的に Herzog の土地は 2 枚でストップ。さらには《薄黒爪のコウモリ/Grimclaw Bats》を《粛清/Purge》で除去した上で、《ヴァルショクの篭手/Vulshok Gauntlets》も展開。これは Ruel 有利か、と思われたものの《クラーク族の兵卒》が《恐怖/Terror》されるととたんに《翼竜の幽霊》だけと Ruel の攻めが精彩を欠いてしまう。

さらには《花崗岩の破片/Granite Shard》と苦しくなる Ruel 。おまけにまだ Herzog の手札にはスペルが豊富にある。《マイアのマトリックス/Myr Matrix》が登場したタイミングで《オーリオックの長刀使い/Auriok Glaivemaster》《レオニンのシカール/Leonin Shikari》と何とか攻める手格好にはするのだが、《翼竜の幽霊》は《花崗岩の破片/Granite Shard》で狙撃されてしまい、これに《ヴァルショクの篭手》を移さないことを選んだ Ruel は《血のやりとり/Barter in Blood》で盤面を一掃されてしまった。

続けて《ドロスのゴーレム/Dross Golem》《磁石マイア/Lodestone Myr》が登場すると、誰の目にもゲームの趨勢は明らかになってくる。《ヴァルショクの篭手》を付けるために出した《金のマイア/Gold Myr》も軽く《静電気の稲妻/Electrostatic Bolt》で吹き飛ばされ、《磁石マイア》がもりもり《マイアのマトリックス》で肥大化してあっという間に Ruel はお亡くなりに。

Herzog 1-0 Ruel

Ruel は除去が多い Herzog には効かないと踏んだか《ヴァルショクの篭手》をサイドアウト。他には何度も《焦熱の計画/Fiery Gambit》を入れるふりをしてみたり。

Game 2

Ruel が《金のマイア/Gold Myr》、 Herzog が《鉛のマイア/Leaden Myr》と出し合う立ち上がり。その 2 体がいきなり衝突し、 Ruel は《オーリオックの長刀使い》《翼竜の幽霊》を追加して装備品待ち。《翼竜の幽霊》は《静電気の稲妻》されるものの、次ターンには《オーリオックの鋼打ち/Auriok Steelshaper》、次々ターンには《空狩人の巡回兵/Skyhunter Patrol》と並べるのだがこのタイミングで Herzog は《花崗岩の破片》!装備が引けず苦しい Ruel 。

それでも攻め続けるしかない Ruel は《クラーク族の兵卒》《トゲ撃ちゴブリン/Spikeshot Goblin》と並べ続け、Herzog が《モリオックのゴミあさり/Moriok Scavenger》で《鉛のマイア》を回収、《花崗岩の破片》で Ruel のクリーチャーを撃ち続ける中ひたすらに押しまくる。だがその攻勢も短い間のことだった。 Herzog が《本質の吸収/Essence Drain》を《空狩人の巡回兵》に、《浴びせかけ/Irradiate》を《トゲ撃ちゴブリン》にと除去を連発すると、あっという間に Ruel の場は綺麗さっぱり。

おまけに引いてくるクリーチャーも《翼竜の幽霊》《クラーク族のシャーマン/Krark-Clan Shaman》《穴掘り掬い/Drill-Skimmer》とタフネス 1 ばかり。これではせっかく《火と氷の剣》を引いても全く意味が無く、《ドロスのゴーレム》《屍賊の模造品/Nim Replica》が登場すると Ruel は片付け始めた。

ちなみに《火と氷の剣》も《残響する破滅/Echoing Ruin》でついでに割られていたり。

Herzog 2-0 Ruel

Game 3

Ruel は初手を見て大きくため息。《オーリオックの長刀使い》 2 枚に《鉛のマイア》。あれだけ入ってる装備品はどこに行ったの?と言った風だ。早くも 1 ターン目からライブラリーを叩くほど。そんな Ruel に Herzog は思わず苦笑。

とりあえず装備品を引くまで出来ることをするしかないわけで、Ruel は《オーリオックの長刀使い》、《鉛のマイア》、《トゲ撃ちゴブリン》《オーリオックの長刀使い》ととにかく並べまくる。しかし Herzog は《鉛のマイア》から三度目の登場となる《花崗岩の破片》・・・・デッキに 1 枚しか入ってないというのに。マジックは不思議である。いい顔をする Ruel 。そして手札に《屍賊の模造品》がいるというのに、《翼竜の幽霊》を引いてきて Ruel はため息ばかり。何だか前のゲームをなぞるようだ。

プチプチ潰されていく Ruel のクリーチャーたちだが、手を止めるわけにはいかない。パワー 1 と《トゲ撃ちゴブリン》でこっちもプチプチプチ。それでも初手の土地 4 枚から一応はスペルばかりを引き続けているということもあって、 Herzog のライフもそれなりに削っていってはいる。《まばゆい光線/Blinding Beam》も引いたが、さすがにまだ攻めが細すぎるか。

そして Herzog は 5 ターン目に長考。《一望の鏡/Panoptic Mirror》でも置こうというのだろうか?さすがにそこまではせず《花崗岩の破片》《浴びせかけ》で戦力を削っていく Herzog 。とにもかくもスペルを引き続ける Ruel は《クラーク族の兵卒》を呼ぶも、《花崗岩の破片/Granite Shard》《血のやりとり》でクリーチャーがついに全滅してしまった。大量 7 体ものクリーチャーが墓地に送られてしまっている。

それでも面白いぐらいにスペルしか引かない Ruel はライブラリーの上から《ヴァルショクの狂戦士/Vulshok Berserker》で攻撃。《大いなる収穫者/Greater Harvester》を出されては《まばゆい光線》で立ち向かい、《剃刀のゴーレム/Razor Golem》を出すのだが、 Herzog が《屍賊の模造品》を出すところでようやく土地をドローして息切れ。そして《静電気の稲妻》が《剃刀のゴーレム》に飛び・・・・

さすがの Ruel も力尽きた。 《花崗岩の破片》が馬鹿みたいにアドバンテージを稼ぎ出し、《大いなる収穫者》が Ruel の土地を食い尽くす。

Ruel も Herzog のライフを 5 まで削る健闘は見せたのだが、最終的にはパーマネントが 0 と完敗だった。

Herzog 3-0 Ruel

ついに同一フォーマットでプロツアーを連続優勝するプレイヤーが出た。それは Nicoal Herzog 。このままいけばようやく Kai Budde だけがプレイヤーオブザイヤーを独占する時代も終わりを告げる。

だがまだ世界選手権、そして例年には無かったチーム戦がもう一つ。 Budde のチーム戦の戦績は皆さんご存知の通りであり、今年のレースは次のシアトルが終わるまで行く末はまだ分からないのかもしれない。ただ迎え撃つ Herzog が予定しているチームも Anton Jonsson 、 Tuomo Niemenen と北欧最強チームであり、他にも今期限りで引退する Gary Wise もチーム戦でのトップ 4 を 3 回と間違いなく優勝争いにからんでくるだろう。

トピックスとしてはルーキーレースもある。暫定トップの志岐和政と現状 2 位だった Alexander Peset (プロツアー神戸トップ 4 )の差はこのサンディエゴでほとんど無くなった。またグレイビーに乗り損ね、直前予選にも失敗した鍛冶知浩だが、プロツアーシアトルに出れば世界選手権に参加することが出来る。はたして志岐、鍛冶の両者は日本人が苦手とするチーム戦で結果を残すことが出来るだろうか? 参考までに付け加えておくと、 Peset はヨーロッパのチーム戦グランプリでトップ 4 に残っている。

熱戦が予想されるプロツアーシアトルは 7 月。だがその前には各国選手権が。最近は世界選手権の国別団体戦にもプロポイントが入るため、意外に重要なイベントだ。 Budde のいるドイツ選手権は早くも一週間後に開催され、日本選手権までは一月弱。舞台は世界から日本へ。

それでは皆さん、日本選手権で。

Final Result:Herzog defeats Ruel.Congratulations to Nicoal Herzog,2004 ProTour SanDiego Champion!

Nicolai Herzog

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Antoine Ruel

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