
このプロツアーで何回行われたか分からないほど多い対決。コンセプト自体は大きく違うものの決勝戦もお互い《修繕/Tinker》をキーとしているデッキだ。
コンセプトは違っても、これらの対戦におけるキーカードは共通している。《精神隷属器/Mindslaver》がそれで、今回のツアーで《修繕/Tinker》デッキをもっとも強化したカードでもある。
その《精神隷属器/Mind slaver》を使いまわすことの出来るOsterbergか、スピードに勝るNassifか、どちらがこの決勝を制すことになるのだろうか。
Game 1
Nassif先攻でスタート。1ターン目《古えの墳墓/Ancient Tomb》から《発展のタリスマン/Talisman of Progress》と切り出したNassifに対し、Osterbergも《古えの墳墓/Ancient Tomb》から《厳かなモノリス/Grim Monolith》とキャストするものの、これには《魔力の乱れ/Force Spike》が突き刺さる。

これで、Nassif有利で進むかに思えたが、《ゴブリンの放火砲/Goblin Charbelcher》を場に出すことは出来たもののそれから何一つ有効なカードを引かないNassif。このチャンスを逃したくないOsterbergだが、こちらも《知識の渇望/Thirst for Knowledge》を二枚使って出来た事が《金属細工師/Metalworker》2体でのビートダウンという有様。
しかし、《古えの墳墓/Ancient Tomb》でダメージを受けていたため、Nassifのライフも残り8まで落ち込んでおり、結構笑えない状況になってしまう。もちろん《ゴブリンの放火砲/Goblin Charbelcher》が《金属細工師/Metalworker》を狙っているのだが0点が連チャンしてしまい、苦笑するNassif。ただ、はずれたらはずれたで《頭脳集団/Think Tank》の効果は発揮してくれているので実際は悪くは無い。
それが地味に効いたのか、先に有効カードを引いたのはNassif。《精神隷属器/Mindslaver》を引き当てると即起動。もちろんOsterbergも手札はマナばっかりで有効カードは持っていないのではあるが、こんな時にトップデックしてしまうのがマジック。しかも《修繕/Tinker》を引いてしまい、Osterbergは自らの《鉄のゴーレム、ボッシュ/Bosh, Iron Golem》と心中するはめになってしまうのだった。
Nassif 1 – 0 Osterberg
Game 2
先攻のOsterBergは幸先良く2ターン目に《金属細工師/Metalworker》を場に出すが、手札にアーティファクトが1枚も無いため、《修繕/Tinker》で《金粉の水蓮/Gilded Lotus》に早変わり。
Nassifも《発展のタリスマン/Talisman of Progress》2枚から、《ゴブリンの放火砲/Goblin Charbelcher》と最速ルート。
しかし、マナで先行するOsterbergから飛んできたスペルは《破壊的脈動/Shattering Pulse》バイバック。もともと、《裏切り者の都/City of Traitors》しか引いていないNassifにこれが噛み合ってしまい、《発展のタリスマン/Talisman of Progress》が壊される前にと、意を決して《マナ切り離し/Mana Severance》。
しかし、《通電式キー/Voltaic Key》を引き当てたOsterbergの場には10マナが出ることになり、《発展のタリスマン/Talisman of Progress》を2個破壊されたところでNassif投了。
Nassif 1- 1 Osterberg
Game 3
Osterbergダブルマリガン。

それとは対照的にNassifは《古えの墳墓/Ancient Tomb》から《厳かなモノリス/Grim Monolith》、《通電式キー/Voltaic Key》、《発展のタリスマン/Talisman of Progress》と圧倒的な展開を見せる。さらに次ターンに《ゴブリンの放火砲/Goblin Charbelcher》、そして《神秘の教示者/Mystical Tutor》をキャストしたところでOsterberg投了。
Nassif 2 – 1 Osterberg
Game 4
今度はNassifが事故。
《古えの墳墓/Ancient Tomb》を2枚並べることしかできないNassifに対して、3ターン目には《稲妻のすね当て/Lightning Greaves》付の《鉄のゴーレム、ボッシュ/Bosh, Iron Golem》が殴りかかっていたのだった。
Nassif 2 – 2 Osterberg
Game 5
事故事故で、あっというまに最終戦。今回はお互い納得のいくハンドをキープ。

Nassif先行2ターン目に《マナ切り離し/Mana Severance》と早くもコンボ完成へ向けて一歩前進したのであるが、Osterbergは1ターン目《通電式キー/Voltaic Key》、2ターン目《裏切り者の都/City of Traitors》経由で《修繕/Tinker》。ここで持ってくるのはもちろん《精神隷属器/Mindslaver》。
これによって、泣く泣く自分で自分のコンボを妨害することになってしまいあからさまにトホホな表情を見せるNassif。《修繕/Tinker》で《厳かなモノリス/Grim Monolith》をコストに《厳かなモノリス/Grim Monolith》を持ってくることに。
これを見たOsterBergは《精神隷属器/Mindslaver》を起動する必要が無いと判断したのか、とりあえず《からみつく鉄線/Tangle Wire》をセット。
しかし、自分のランドが《裏切り者の都/City of Traitors》だったため、これが結果的に自分の首をしめる事になってしまう。具体的には向こう3ターン《精神隷属器/Mindslaver》を起動できなくなってしまったため、ここでNassifにもチャンスが生まれる。

《修繕/Tinker》か《ゴブリンの放火砲/Goblin Charbelcher》で勝ちという局面が2ターンあったのだが...。こんな時に引かないのがマジック。引けないのがマジック。
Osterbergの《ゴブリンの溶接工/Goblin Welder》で《精神隷属器/Mindslaver》が回り始めたのを見てNassif投了。
Nassif 2 – 3 Osterberg
Richard Osterberg is Pro Tour New Orleans Champion!